「磨爪師」~爪紅~
平安の御代、特殊な家系に生まれた鳳仙花は幼い頃に父親を亡くし、母親に女手一つで育てられた。母親の仕事は、宮中の女房たちに爪のお手入れをすること。やんごとなき者達の爪のお手入れは、優雅で豊かな象徴であると同時に魔除けの意味も兼ねていた。
鳳仙花が八歳の頃から、母親に爪磨術について学び始める。この先、後ろ盾がなくても生きていけるように。
鳳仙花が十二歳となり、裳着の儀式を目前に母親は倒れてしまい……。親の後を継いで藤原定子、そして藤原彰子の専属磨爪師になっていく。
長徳の政変の真相とは? 枕草子の秘めたる夢とは? 道長が栄華を極められたのは何故か? 藤原伊周、隆家、定子や彰子、清少納言、彼らの真の姿とは? そして凄まじい欲望が渦巻く宮中で、鳳仙花は……? 彼女の恋の行方は? 磨爪術の技を武器に藤原定子・彰子に仕え平安貴族社会をひっそりと、されど強かに逞しく生き抜いた平安時代のネイリストの女の物語。
第弐部が5月31日に完結しました。第参部は8月31日よりゆっくりじっくりのペースで進めて参ります。
※当時女子は平均的に見て十二歳から十六歳くらいで裳着の儀式が行われ、結婚の平均年齢もそのくらいだったようです。平均寿命も三十歳前後と言われています。
※当時の美形の基準が現代とものと著しく異なる為、作中では分かり易く現代の美形に描いています。
※また、男性の名は女性と同じように通常は通り名、または役職名で呼ばれ本名では呼ばれませんが、物語の便宜上本名で描く場合が多々ございます。
※物語の便宜上、表現や登場人物の台詞は当時の雰囲気を残しつつ分かり易く現代よりになっております。
※磨爪師の資料があまり残って居ない為、判明している部分と筆者がネイリストだった頃の知識を織り交ぜ、創作しております。
※作中の月日は旧暦です。現代より一、二か月ほどズレがございます。
※作中の年齢は数え歳となっております。
※「中関白家」とは後世でつけられたものですが、お話の便宜上使用させて頂いております。
以上、どうぞ予めご了承下さいませ。
鳳仙花が八歳の頃から、母親に爪磨術について学び始める。この先、後ろ盾がなくても生きていけるように。
鳳仙花が十二歳となり、裳着の儀式を目前に母親は倒れてしまい……。親の後を継いで藤原定子、そして藤原彰子の専属磨爪師になっていく。
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だ読み始めて途中なのですが、
とても面白いので投票させていただきます。
ネットでは様々なジャンル、内容の小説が投稿されていますが、
ここまでしっかりした内容の物語は、
そうそう無いと思いました。
これはぜひ、みなさんにも読んでもらいたいですね。
どうぞお身体に気をつけて、これからも物語を進めていってくださいませ。
応援しております!
この度はご感想、そして投票まで頂きまして有難うございます。非常に励みになります!!
有難うございました!
第六帖を読みました。
少し切ないお話、鳳仙花のように私も目頭が熱くなり、
胸がキュッと締め付けられるような気がしました。
鳳仙花の年齢は数え年なのでしょうか。
現代のように、数え年ではなく…とすると、
おませさんだなぁ、と思いました。
でもきっと、この時代は当たり前だったのかもしれませんね。
隆家が通りすぎる時の瞬間、まるで私もその場にいて、
目があっているかのような、錯覚に陥りました。
この先どうなるのか…とても楽しみです。
ご感想有難うございます。この時代は数え年ですね。女の子は十二歳くらいで結婚とか普通にあるようでした。平均寿命も短かったですしね。この時代の貴族たちの結婚は、男性の出世の為のようなものでした。後ろ盾がない女性を男性が庇護する形で結婚という形は稀でした。隆家はあまり知られていませんが、隠れた英雄ではないかと思っています。有難うございました!
いつの時代も、媚びる事が必要な時があるのですね。それにしても唐猫さんの深い眠り、とても羨ましくなりました。
清少納言の優雅で明晰な立ち居振舞い、とても勉強になりますね。
ご感想頂きまして有難うございます! そうですね、この時代の貴族男性たちは出世の為には女性の地位がものをいったり。おじゃるー、なんて優雅に歌合やらポーンポーンと蹴鞠やら、遊んでいるように見えてその場が出世の鍵を握る下剋上の場所だったりして結構ドロドロしてますね。いつの時代も、大体同じような事で悩んだりする。女性も控えめな中にも知性や教養が求められたり。清少納言はきっと、今の時代の方が活躍しやすかったかもしれませんね。有難うございます!!
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