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第二十一話
恵茉、占い師デビュー?!・その二
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「直子さんとしてはどうしたいですか?今言った内の誰かと、或は新たに出会いを求めて結婚したい、とか」
笑顔で愛想良くアミ―は切り出す。
「えっとぉ、新たに見つけるのとかメンドクサイんでぇ。何時何分に何処へ行けば出会えて結婚出来るか? それを占って欲しいんですけど」
(他力本願棚ボタ期待のダメダメ女じゃん。上手く行かないと人のせいにして、自己を正当化するクレーマー女に決定!)
恵茉は感じた。アミーは表向きはニコやかに直子に対応しつつ、
(コラ、最初から客をジャッジするな。思い込みの判断は危険だぞ。黙って俺の占い方、解釈、対応の仕方を見てろ)
と恵茉にテレパシーで指示を出す。ウェイト版タロット78枚をシャッフルしてその内の一枚を引く。カードが示したのは「ペンタクル8・逆位置」。次にマルセイユ版タロット大アルカナ22枚をシャッフルして一枚を引く。示し他カードは「死神」であった。
(ほーら、タロットも言ってるじゃん。怠け者だから出会えないよ、て)
と言う恵茉の解釈に『さっき教えたばかりで、大したもんだな……』と思いながら、
(ばーか、伝え方があるだろう。客は全て金づるになる可能性を秘めてるんだ。喧嘩売ってどうする!)
と諭す。そしてアミーは、
「残念ながら、未来はご自身の感じ方と行動の仕方で変わるので。今のままですと、出会いは望めませんね」
と穏やかに結果を伝える。
「……じゃぁ、どうしたら出会えるんですか?結婚出来るんですか?」
不満そうな直子の質問に笑顔でウェイト版タロット78枚をシャッフルし始める。
「では、どうしたら出会えるのかタロットに聴いてみましょう」
と言いつつ、左手で一枚を引く。直感で選んだようだ。示したカードは、『戦車・正位置』続いてマルセイユ版大アルカナ22枚を切り、一枚引きする。『魔術師(奇術師)』
(それはあなた次第、結婚したけりゃ屁理屈抜かして怠けてないでまずは行動しなよ、て感じな?)
恵茉は解釈しつつ、アミ―の解釈に注目する。
「全ては直子様次第なのですよ。ですから、結婚したいなら
例えば出会いの場に出かけたり、知り合いに紹介を頼んだりしてまずは行動をしないと。結果は行動によって自ずと出てきますから」
と伝えるアミ―。微妙に耳を傾け始めた様子の直子に、
「失敗がなければ、成功ってあり得ないんですよ。婚活も同じです。沢山出会って経験して学んで行くのです。占いは不可能を可能にする魔法では無いのですよ」
とすかさず畳みかける。そして
「そこで、提案です。あなたの理想の相手と巡り合う事をサポートしてくれる天然石のブレスレットがあるんですよ。天然石の効果効能ですが、微弱の電流や電磁波が流れているのは科学的に証明されていますから、あなたもご存じですね? そういった波動が、私たち人間に何らかの影響を及ぼすと言われています。勿論、魔法ではありませんから不可能を可能にしたり、何もしないで夢を叶えてくれるファンタジーではないですけどね。努力する人の後押ししたりサポートしたりするような形でしたら、期待出来ると思いますよ」
とすかさず持ちか、にっこりと笑った。
(よく考えれば一般論というか正論をタロットは示した訳で。その一般論すら怠けて棚ぼた狙いで占いに来たから、タロットもそれを指摘した訳だ。なるほど、要は言い方と演出か。依頼人乗り気になってるみたいだし)
恵茉は妙に納得した。
結局直子は、アミーが勧めるブレスレットを買って行った。クレジットカードでサインをして。つまり、悪魔との契約成立である。
「30000もするブレスレット、効果あるの? よく買ってくわねー」
直子が帰ったあと、恵茉はアミーにすぐに話しかける。
「ロードクロサイト(インカローズ)も、アクアマリンも水晶、ローズクォーツも、グレードAAAAAだぞ! 魔
界山麓で採れた本物だ。そしてかつ、願いを叶えるサポートもするのだ。安すぎるくらいだろ?」
と冷たい笑みを浮かべた。
「そうか、それもそうね」
と恵茉はあっさりと同意すると、
「あの人の願いを叶えた代償って何?」
と興味を示す。
「あの女の魂さ。最近、食ってなかったからな。因みに、魂を食らわれた人間は、廃人となるか、死んで浮遊霊となりあちこち彷徨ったりするか、そのどちらかが大半だ。無論、例外はあるがな」
と冷酷で残忍な笑みを浮かべた。
…ゾクッ…
と背筋が寒くなる恵茉。
「待たせたな!」
ほどなくしてベリアルが現れる。嬉しそうにベリアルに笑いかける恵茉。
「さっき少しだけ占い師デビューしたよ! すぐアミーに変わったけど」
と舌を出しつつ報告する。
「そうか、頑張ったな」
とベリアルは笑顔で答え、恵茉の頭を撫でた。嬉しそうにベリアルを見上げる恵茉。 その間アミーとベリアルはテレパシーでやり取りしていた。
(この小娘、占い師で十分使えそうだぞ。結果の伝え方の猛特訓と、場数は必要だが。人間にしては変わった視点を持っている。これじゃ、人間界は生きにくかったろう)
と報告するアミー。
(そうか。やはりな。コイツは、時々びっくりするほど本質を突く時がある。占いの件だが……占い事例を元に、恵茉にメール鑑定させ、その結果をお前にチェックして貰うようにしよう。手が空いた時に、添削してやってくれるか?)
とベリアルは提案する。
(勿論、最初からそのつもりだ)
とアミーは答えた。
(有難うな。よろしく頼む)
とベリアルは頭を下げた。お礼を述べるベリアルに驚愕したアミーだったが、敢えて何も言わず、流した。こうして恵茉の占い師デビューの日は終わりを告げたのであった。
笑顔で愛想良くアミ―は切り出す。
「えっとぉ、新たに見つけるのとかメンドクサイんでぇ。何時何分に何処へ行けば出会えて結婚出来るか? それを占って欲しいんですけど」
(他力本願棚ボタ期待のダメダメ女じゃん。上手く行かないと人のせいにして、自己を正当化するクレーマー女に決定!)
恵茉は感じた。アミーは表向きはニコやかに直子に対応しつつ、
(コラ、最初から客をジャッジするな。思い込みの判断は危険だぞ。黙って俺の占い方、解釈、対応の仕方を見てろ)
と恵茉にテレパシーで指示を出す。ウェイト版タロット78枚をシャッフルしてその内の一枚を引く。カードが示したのは「ペンタクル8・逆位置」。次にマルセイユ版タロット大アルカナ22枚をシャッフルして一枚を引く。示し他カードは「死神」であった。
(ほーら、タロットも言ってるじゃん。怠け者だから出会えないよ、て)
と言う恵茉の解釈に『さっき教えたばかりで、大したもんだな……』と思いながら、
(ばーか、伝え方があるだろう。客は全て金づるになる可能性を秘めてるんだ。喧嘩売ってどうする!)
と諭す。そしてアミーは、
「残念ながら、未来はご自身の感じ方と行動の仕方で変わるので。今のままですと、出会いは望めませんね」
と穏やかに結果を伝える。
「……じゃぁ、どうしたら出会えるんですか?結婚出来るんですか?」
不満そうな直子の質問に笑顔でウェイト版タロット78枚をシャッフルし始める。
「では、どうしたら出会えるのかタロットに聴いてみましょう」
と言いつつ、左手で一枚を引く。直感で選んだようだ。示したカードは、『戦車・正位置』続いてマルセイユ版大アルカナ22枚を切り、一枚引きする。『魔術師(奇術師)』
(それはあなた次第、結婚したけりゃ屁理屈抜かして怠けてないでまずは行動しなよ、て感じな?)
恵茉は解釈しつつ、アミ―の解釈に注目する。
「全ては直子様次第なのですよ。ですから、結婚したいなら
例えば出会いの場に出かけたり、知り合いに紹介を頼んだりしてまずは行動をしないと。結果は行動によって自ずと出てきますから」
と伝えるアミ―。微妙に耳を傾け始めた様子の直子に、
「失敗がなければ、成功ってあり得ないんですよ。婚活も同じです。沢山出会って経験して学んで行くのです。占いは不可能を可能にする魔法では無いのですよ」
とすかさず畳みかける。そして
「そこで、提案です。あなたの理想の相手と巡り合う事をサポートしてくれる天然石のブレスレットがあるんですよ。天然石の効果効能ですが、微弱の電流や電磁波が流れているのは科学的に証明されていますから、あなたもご存じですね? そういった波動が、私たち人間に何らかの影響を及ぼすと言われています。勿論、魔法ではありませんから不可能を可能にしたり、何もしないで夢を叶えてくれるファンタジーではないですけどね。努力する人の後押ししたりサポートしたりするような形でしたら、期待出来ると思いますよ」
とすかさず持ちか、にっこりと笑った。
(よく考えれば一般論というか正論をタロットは示した訳で。その一般論すら怠けて棚ぼた狙いで占いに来たから、タロットもそれを指摘した訳だ。なるほど、要は言い方と演出か。依頼人乗り気になってるみたいだし)
恵茉は妙に納得した。
結局直子は、アミーが勧めるブレスレットを買って行った。クレジットカードでサインをして。つまり、悪魔との契約成立である。
「30000もするブレスレット、効果あるの? よく買ってくわねー」
直子が帰ったあと、恵茉はアミーにすぐに話しかける。
「ロードクロサイト(インカローズ)も、アクアマリンも水晶、ローズクォーツも、グレードAAAAAだぞ! 魔
界山麓で採れた本物だ。そしてかつ、願いを叶えるサポートもするのだ。安すぎるくらいだろ?」
と冷たい笑みを浮かべた。
「そうか、それもそうね」
と恵茉はあっさりと同意すると、
「あの人の願いを叶えた代償って何?」
と興味を示す。
「あの女の魂さ。最近、食ってなかったからな。因みに、魂を食らわれた人間は、廃人となるか、死んで浮遊霊となりあちこち彷徨ったりするか、そのどちらかが大半だ。無論、例外はあるがな」
と冷酷で残忍な笑みを浮かべた。
…ゾクッ…
と背筋が寒くなる恵茉。
「待たせたな!」
ほどなくしてベリアルが現れる。嬉しそうにベリアルに笑いかける恵茉。
「さっき少しだけ占い師デビューしたよ! すぐアミーに変わったけど」
と舌を出しつつ報告する。
「そうか、頑張ったな」
とベリアルは笑顔で答え、恵茉の頭を撫でた。嬉しそうにベリアルを見上げる恵茉。 その間アミーとベリアルはテレパシーでやり取りしていた。
(この小娘、占い師で十分使えそうだぞ。結果の伝え方の猛特訓と、場数は必要だが。人間にしては変わった視点を持っている。これじゃ、人間界は生きにくかったろう)
と報告するアミー。
(そうか。やはりな。コイツは、時々びっくりするほど本質を突く時がある。占いの件だが……占い事例を元に、恵茉にメール鑑定させ、その結果をお前にチェックして貰うようにしよう。手が空いた時に、添削してやってくれるか?)
とベリアルは提案する。
(勿論、最初からそのつもりだ)
とアミーは答えた。
(有難うな。よろしく頼む)
とベリアルは頭を下げた。お礼を述べるベリアルに驚愕したアミーだったが、敢えて何も言わず、流した。こうして恵茉の占い師デビューの日は終わりを告げたのであった。
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