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第六話
先客万来?! その四
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(本当かなぁ。出世望むなら、まずは上司からの紹介を断るなんてするかしらねぇ。なんか胡散臭いなぁ)
みのりは不審に感じながら応じる。
『僕も同意見だよ。なんかありそうだよね』
太宰はうんうんと頷く。
「仕事が慣れて来て、ふと周りを見る余裕が出来たんだって。そしたら、一人でいるのが寂しくなったらしいわ。ちょうどその時、お父様が体調を崩されて入院されて。幸い大事には至らなくてすぐ退院出来たらしいんだけど。何となく、お父様を安心させてやりたい、て結婚を意識されたらしいの。で、彼のお母様の友達である私に話しが舞い込んで来たのね。彼女とは茶道仲間なんだけどもね。とにかく、まずは一度会ってみなさいよ。会ってみて合わなそうなら断れば良いし。ね? 話しはそれからよ。結婚はタイミングよ。御縁とチャンスは逃したら損よ! 結婚したら一ノ宮みのり、名前も素敵じゃない! ね?」
妙子はまさに息をつかせぬ勢いで話した。まさにマシンガント-クである。
(……出たよ叔母さん必殺技、必殺マシンガント-ク。昔からこうで、誰も叔母さんに逆らえないという恐怖の必殺技……)
みのりはそっと溜息をついた。
『……だろうね。殆どの人が、あのマシンガント-クには勝てないと思うなぁ』
太宰は苦笑した。
「あらぁ、じゃぁ結局お見合いする事になっちゃったの?」
華乃子は驚いた。午後10時前、一日の仕事が終わったところだ。アルバイトの三人は、閉店した時点で上がっている。これはいつもの事だ。
(あーぁ、みのりちゃんがとうとう遠くに……)
思い切りガックリと落ち込んでいるのは、みのり本人ではなく蒼介だった。
『あのねー、まだなーんにも行動してないだろ?』
引き続き蒼介だけに視聞き出来るようにしている太宰は、呆れつつも慰めてる。
「叔母さん、悪い人ではないんだけど、昔から言い出したら聞かなくて。私もここに正社員で採用して頂けた時、嬉しくて叔母にも場所を話しちゃったのもいけないんです。もう両親にはお見合いの話をしてあったみたいで、さっき携帯見たら母からメールが届いてました」
みのりは諦めたように苦笑していた。
「ご両親は何て?」
オーナーは言葉を選びながら問いかける。
「もう結婚してもおかしくない歳頃なんだし、もし好きな人とかお付き合いしている人が他に居ないなら、一度くらい見合いの経験もしてみたら。嫌なら断れば良いんだし、妙子は言い出したら聞かないし……との事でした」
「そうかぁ。それにしても急だなぁ。今度の休みの火曜日にお見合いなんて」
「そこが叔母さんの凄いところと言うか。あちらも、日取りも良いし有休を取ったとかで」
華乃子は勇気つけるように口を挟んだ。
「まぁ、何事も経験よ。出会いなんてどこに転がってるかも分からないんだしね」
(何だか押しの強そうな叔母さんだったし、断ったら断ったで次の話を持って来そうだし。大変そうだよなぁ)
彰仁はただただ気の毒に感じていた。ふと、蒼介が気になって彼を見やる。
(ん? あれ? 何だろう? 元気ないみたいだけど……)
酷く落ち込んだ様子の彼が気になった。当のみのりは、強引な叔母の手口は慣れているのかそれほどダメージを受けている様子はない。
(余計な事かもだけど、なんだか放っておけないなぁ。タイミング見て、それとなく聞いてみようか)
と思った。彼特有の癒しの力を持つ視点から、何か感じとる事があるのだろう。
みのりは不審に感じながら応じる。
『僕も同意見だよ。なんかありそうだよね』
太宰はうんうんと頷く。
「仕事が慣れて来て、ふと周りを見る余裕が出来たんだって。そしたら、一人でいるのが寂しくなったらしいわ。ちょうどその時、お父様が体調を崩されて入院されて。幸い大事には至らなくてすぐ退院出来たらしいんだけど。何となく、お父様を安心させてやりたい、て結婚を意識されたらしいの。で、彼のお母様の友達である私に話しが舞い込んで来たのね。彼女とは茶道仲間なんだけどもね。とにかく、まずは一度会ってみなさいよ。会ってみて合わなそうなら断れば良いし。ね? 話しはそれからよ。結婚はタイミングよ。御縁とチャンスは逃したら損よ! 結婚したら一ノ宮みのり、名前も素敵じゃない! ね?」
妙子はまさに息をつかせぬ勢いで話した。まさにマシンガント-クである。
(……出たよ叔母さん必殺技、必殺マシンガント-ク。昔からこうで、誰も叔母さんに逆らえないという恐怖の必殺技……)
みのりはそっと溜息をついた。
『……だろうね。殆どの人が、あのマシンガント-クには勝てないと思うなぁ』
太宰は苦笑した。
「あらぁ、じゃぁ結局お見合いする事になっちゃったの?」
華乃子は驚いた。午後10時前、一日の仕事が終わったところだ。アルバイトの三人は、閉店した時点で上がっている。これはいつもの事だ。
(あーぁ、みのりちゃんがとうとう遠くに……)
思い切りガックリと落ち込んでいるのは、みのり本人ではなく蒼介だった。
『あのねー、まだなーんにも行動してないだろ?』
引き続き蒼介だけに視聞き出来るようにしている太宰は、呆れつつも慰めてる。
「叔母さん、悪い人ではないんだけど、昔から言い出したら聞かなくて。私もここに正社員で採用して頂けた時、嬉しくて叔母にも場所を話しちゃったのもいけないんです。もう両親にはお見合いの話をしてあったみたいで、さっき携帯見たら母からメールが届いてました」
みのりは諦めたように苦笑していた。
「ご両親は何て?」
オーナーは言葉を選びながら問いかける。
「もう結婚してもおかしくない歳頃なんだし、もし好きな人とかお付き合いしている人が他に居ないなら、一度くらい見合いの経験もしてみたら。嫌なら断れば良いんだし、妙子は言い出したら聞かないし……との事でした」
「そうかぁ。それにしても急だなぁ。今度の休みの火曜日にお見合いなんて」
「そこが叔母さんの凄いところと言うか。あちらも、日取りも良いし有休を取ったとかで」
華乃子は勇気つけるように口を挟んだ。
「まぁ、何事も経験よ。出会いなんてどこに転がってるかも分からないんだしね」
(何だか押しの強そうな叔母さんだったし、断ったら断ったで次の話を持って来そうだし。大変そうだよなぁ)
彰仁はただただ気の毒に感じていた。ふと、蒼介が気になって彼を見やる。
(ん? あれ? 何だろう? 元気ないみたいだけど……)
酷く落ち込んだ様子の彼が気になった。当のみのりは、強引な叔母の手口は慣れているのかそれほどダメージを受けている様子はない。
(余計な事かもだけど、なんだか放っておけないなぁ。タイミング見て、それとなく聞いてみようか)
と思った。彼特有の癒しの力を持つ視点から、何か感じとる事があるのだろう。
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