4 / 6
◆第一章 怪異を祓う者◆
第二話 スミジの副業②
しおりを挟む
「さて……。それでは改めて……」
依頼内容口にし掛けた昭一郎。だが、スミジは突然立ち上がり周囲を見回し始める。
「……どうしたね?」
「名取さん。お身体の不調はいつ頃からです?」
「二週程前だが……」
「御依頼はそれに関するものですか?」
「いや……別件だ。私の孫娘の話でね……」
「なる程。では、そのお孫さんの問題はいつからですか?」
ここで昭一郎はハッ!とした表情を浮かべる。
「……もしや、私の不調と孫娘の件は同じものなのか?」
「いえ……正確には『お孫さん絡みの怪異が撒いた力が飛び火して他の怪異を呼んだ』のでしょう。でも……そうなる場合、貴方にも何等かの因果が絡んでいる可能性がありますけど」
「むう……それは一体……」
「その前に、先ず一つ──。切っ掛けは同じ【あやかし】からの影響ですが、対峙するものは別の怪異……。つまり別件依頼になってしまいますが……」
「……出来るならばお願いしたい」
「分かりました」
そこでスミジは一度鎮座し場の一同に説明を始める。そこに普段のだらしなさは無く、まるで武術の達人のような雰囲気だ。
「怪異と対峙するにあたり、憑かれている者は先ず自らに何が起こっているのか知らねばなりません。この場合は名取さんと祓う側の我々。お手伝いさんは因果に巻き込まれる恐れがあるので少し外して下さい」
傍らに控えていた使用人は昭一郎に確認の視線を向けた。昭一郎は無言で力強く頷く。指示通り使用人が部屋から去った後、スミジは懐から木箱と細めの竹筒を取り出し自らの前に並べ始めた。
「最初に言いますが、私は怪異を祓う生業をしています。本来はこちらが本業ですが、食うにはちょっと不安定でしてね……副業としています」
木箱を開いた中には長方形の真白の札が収められていた。丁度掌に乗る大きさの札を取り出したスミジは、それを一枚床に置いた。
「あやかし──怪異というのは通常、人に視えないものです。だから信じない人も多い訳ですが人にとってはその方が良いんですよ」
「何故だね? 私のように体調を崩す原因になるならば、見えた方が対処がし易いだろう?」
スミジは小さく首を振る。
「闇の深い昔ならいざ知らず、現在の【あやかし】はその殆どの存在に力はありません。だから本来ならば名取さんの体調も自然と回復します」
「そんなものなのかね?」
「はい。ですが、今回は二つの怪異……つまり二体の【あやかし】が相互作用を起こしていたので祓う必要があるんです。そして、本当に危ないのは『誰にでも視えるもの』──力が強い妖はそれ自体が現世にすら介入してくる。その際は『討滅』か『封印』が必要になります。そしてその場合、私も命を賭けねばなりません」
「そんな怪異が存在するのか……」
「ええ。でも、取り敢えず昭一郎さんのものは祓えばすぐ消えますのでご安心を」
語りながら今度は竹筒の蓋を開封する。中には筆が四本並んでいる。スミジが取り出したのは細筆──筆先は朱色の墨で既に濡れていた。
そしてスミジはそのまま札に筆を走らせた。書かれたのは奇妙な文字と中央上部に書かれた『天眼』の文字、下部には幾つもの目の模様をしたためる。それを書き終えると同時にスミジは札を宙に放った。
『彼岸此岸を隔てる帳を超えて覗き視ろ。お前にしばし魂を与える、【絵妖・目々連】』
すると放った札が宙で燃え拡がり巨大な目が出現。目は宙空で拡大を続け瞳の部分はやがて部屋を飲み込んだ。
「こ、これは……」
途端に色褪せセピア色に変化した部屋の中……そこには蜘蛛の巣の様に部屋を張り巡る黒い糸があり、一部は昭一郎の身体にも伝い首や腕に巻き付いていた。間近で見た昭一郎にはそれが何か直ぐに理解できた。
「こ、これは……髪の毛?」
「はい。本当は不要な手順ですが、依頼主である貴方は見た方が理解が早い。これでお孫さんを祓う際に信用して貰えますよね?」
「この髪も【あやかし】……とやらなのか?」
「ええ。毛羽毛現という妖怪です。これが傍にいると病になるんです」
髪は張り巡らされているが生物の様な動きは見られない。
「【あやかし】は大抵夜に蠢くものなんですよ。今は|昼日中《ひるひなか
》──力も低下してますので祓うのは簡単です」
「………やってくれ」
「分かりました」
今度は太い竹筆へと持ち変えたスミジは、何もない中空に筆を走らせる。すると不思議なことに赤い墨絵がスラスラと宙に描かれている。
勿論それは只人では肉眼で見ることはできない世界。異界側の光景を術を以て映しているに過ぎない。スミジが書き上げたのは赤く鮮やかな鳥の姿……但し、その胴体は人の様な形状をしている。
『炎を以てこの場に巣食う厄を祓いたまえ、【絵神・金翅鳥】!』
赤き鳥は力を宿しまるで生命を持つような鮮やかさを宿した。その翼で羽ばたき巻き起こる炎が別邸の和室内を逆巻き埋めつくす。
「きゃっ!」
猛烈な炎に驚きアカリは思わず目を閉じる。シズカや昭一郎も同様の反応を見せた。しかし、熱を感じぬ違和感で目を開けば部屋は既に元の鮮やかな色を取り戻していた。
「………い、今のは?」
「金翅鳥です。インド神話のガルーダ……仏教の迦楼羅天……。勿論、本物ではありませんけどね。私は一度見た怪異を絵で再現できるんですよ」
「…………」
驚きのあまり昭一郎は言葉がでない。スミジは苦笑いで続けた。
「ともかく、これで貴方の怪異は祓いました。じきに体調も戻るでしょう」
「……感謝する。これで疑うことなく本来の依頼の説明に入れる」
「お孫さんの話ですね? ですが、その前に少しだけ休んだ方が良いですよ。体力にはかなり消費……」
そこで昭一郎の腹の虫がくぅと音をあげた。昭一郎は豪快に笑い始めた。
「ハッハッハ。どうやら私の腹の虫は怪異が去って安心したらしい。早乙女さん。済まないが母屋の使用人に頼んで食事を用意して貰ってくれないか? 勿論、人数分をね」
「わかりました」
「私はそれまで少し横にならせて貰うよ。話は食事の後にしよう」
名取昭一郎の怪異はこうして無事に祓われた。
しかし、この出来事は小事に過ぎなかったことを一同は知る。
依頼内容口にし掛けた昭一郎。だが、スミジは突然立ち上がり周囲を見回し始める。
「……どうしたね?」
「名取さん。お身体の不調はいつ頃からです?」
「二週程前だが……」
「御依頼はそれに関するものですか?」
「いや……別件だ。私の孫娘の話でね……」
「なる程。では、そのお孫さんの問題はいつからですか?」
ここで昭一郎はハッ!とした表情を浮かべる。
「……もしや、私の不調と孫娘の件は同じものなのか?」
「いえ……正確には『お孫さん絡みの怪異が撒いた力が飛び火して他の怪異を呼んだ』のでしょう。でも……そうなる場合、貴方にも何等かの因果が絡んでいる可能性がありますけど」
「むう……それは一体……」
「その前に、先ず一つ──。切っ掛けは同じ【あやかし】からの影響ですが、対峙するものは別の怪異……。つまり別件依頼になってしまいますが……」
「……出来るならばお願いしたい」
「分かりました」
そこでスミジは一度鎮座し場の一同に説明を始める。そこに普段のだらしなさは無く、まるで武術の達人のような雰囲気だ。
「怪異と対峙するにあたり、憑かれている者は先ず自らに何が起こっているのか知らねばなりません。この場合は名取さんと祓う側の我々。お手伝いさんは因果に巻き込まれる恐れがあるので少し外して下さい」
傍らに控えていた使用人は昭一郎に確認の視線を向けた。昭一郎は無言で力強く頷く。指示通り使用人が部屋から去った後、スミジは懐から木箱と細めの竹筒を取り出し自らの前に並べ始めた。
「最初に言いますが、私は怪異を祓う生業をしています。本来はこちらが本業ですが、食うにはちょっと不安定でしてね……副業としています」
木箱を開いた中には長方形の真白の札が収められていた。丁度掌に乗る大きさの札を取り出したスミジは、それを一枚床に置いた。
「あやかし──怪異というのは通常、人に視えないものです。だから信じない人も多い訳ですが人にとってはその方が良いんですよ」
「何故だね? 私のように体調を崩す原因になるならば、見えた方が対処がし易いだろう?」
スミジは小さく首を振る。
「闇の深い昔ならいざ知らず、現在の【あやかし】はその殆どの存在に力はありません。だから本来ならば名取さんの体調も自然と回復します」
「そんなものなのかね?」
「はい。ですが、今回は二つの怪異……つまり二体の【あやかし】が相互作用を起こしていたので祓う必要があるんです。そして、本当に危ないのは『誰にでも視えるもの』──力が強い妖はそれ自体が現世にすら介入してくる。その際は『討滅』か『封印』が必要になります。そしてその場合、私も命を賭けねばなりません」
「そんな怪異が存在するのか……」
「ええ。でも、取り敢えず昭一郎さんのものは祓えばすぐ消えますのでご安心を」
語りながら今度は竹筒の蓋を開封する。中には筆が四本並んでいる。スミジが取り出したのは細筆──筆先は朱色の墨で既に濡れていた。
そしてスミジはそのまま札に筆を走らせた。書かれたのは奇妙な文字と中央上部に書かれた『天眼』の文字、下部には幾つもの目の模様をしたためる。それを書き終えると同時にスミジは札を宙に放った。
『彼岸此岸を隔てる帳を超えて覗き視ろ。お前にしばし魂を与える、【絵妖・目々連】』
すると放った札が宙で燃え拡がり巨大な目が出現。目は宙空で拡大を続け瞳の部分はやがて部屋を飲み込んだ。
「こ、これは……」
途端に色褪せセピア色に変化した部屋の中……そこには蜘蛛の巣の様に部屋を張り巡る黒い糸があり、一部は昭一郎の身体にも伝い首や腕に巻き付いていた。間近で見た昭一郎にはそれが何か直ぐに理解できた。
「こ、これは……髪の毛?」
「はい。本当は不要な手順ですが、依頼主である貴方は見た方が理解が早い。これでお孫さんを祓う際に信用して貰えますよね?」
「この髪も【あやかし】……とやらなのか?」
「ええ。毛羽毛現という妖怪です。これが傍にいると病になるんです」
髪は張り巡らされているが生物の様な動きは見られない。
「【あやかし】は大抵夜に蠢くものなんですよ。今は|昼日中《ひるひなか
》──力も低下してますので祓うのは簡単です」
「………やってくれ」
「分かりました」
今度は太い竹筆へと持ち変えたスミジは、何もない中空に筆を走らせる。すると不思議なことに赤い墨絵がスラスラと宙に描かれている。
勿論それは只人では肉眼で見ることはできない世界。異界側の光景を術を以て映しているに過ぎない。スミジが書き上げたのは赤く鮮やかな鳥の姿……但し、その胴体は人の様な形状をしている。
『炎を以てこの場に巣食う厄を祓いたまえ、【絵神・金翅鳥】!』
赤き鳥は力を宿しまるで生命を持つような鮮やかさを宿した。その翼で羽ばたき巻き起こる炎が別邸の和室内を逆巻き埋めつくす。
「きゃっ!」
猛烈な炎に驚きアカリは思わず目を閉じる。シズカや昭一郎も同様の反応を見せた。しかし、熱を感じぬ違和感で目を開けば部屋は既に元の鮮やかな色を取り戻していた。
「………い、今のは?」
「金翅鳥です。インド神話のガルーダ……仏教の迦楼羅天……。勿論、本物ではありませんけどね。私は一度見た怪異を絵で再現できるんですよ」
「…………」
驚きのあまり昭一郎は言葉がでない。スミジは苦笑いで続けた。
「ともかく、これで貴方の怪異は祓いました。じきに体調も戻るでしょう」
「……感謝する。これで疑うことなく本来の依頼の説明に入れる」
「お孫さんの話ですね? ですが、その前に少しだけ休んだ方が良いですよ。体力にはかなり消費……」
そこで昭一郎の腹の虫がくぅと音をあげた。昭一郎は豪快に笑い始めた。
「ハッハッハ。どうやら私の腹の虫は怪異が去って安心したらしい。早乙女さん。済まないが母屋の使用人に頼んで食事を用意して貰ってくれないか? 勿論、人数分をね」
「わかりました」
「私はそれまで少し横にならせて貰うよ。話は食事の後にしよう」
名取昭一郎の怪異はこうして無事に祓われた。
しかし、この出来事は小事に過ぎなかったことを一同は知る。
0
あなたにおすすめの小説
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
愛する貴方の心から消えた私は…
矢野りと
恋愛
愛する夫が事故に巻き込まれ隣国で行方不明となったのは一年以上前のこと。
周りが諦めの言葉を口にしても、私は決して諦めなかった。
…彼は絶対に生きている。
そう信じて待ち続けていると、願いが天に通じたのか奇跡的に彼は戻って来た。
だが彼は妻である私のことを忘れてしまっていた。
「すまない、君を愛せない」
そう言った彼の目からは私に対する愛情はなくなっていて…。
*設定はゆるいです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
忌むべき番
藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」
メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。
彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。
※ 8/4 誤字修正しました。
※ なろうにも投稿しています。
【完結】そんなに好きなら、そっちへ行けば?
雨雲レーダー
恋愛
侯爵令嬢クラリスは、王太子ユリウスから一方的に婚約破棄を告げられる。
理由は、平民の美少女リナリアに心を奪われたから。
クラリスはただ微笑み、こう返す。
「そんなに好きなら、そっちへ行けば?」
そうして物語は終わる……はずだった。
けれど、ここからすべてが狂い始める。
*完結まで予約投稿済みです。
*1日3回更新(7時・12時・18時)
【完結】旦那に愛人がいると知ってから
よどら文鳥
恋愛
私(ジュリアーナ)は旦那のことをヒーローだと思っている。だからこそどんなに性格が変わってしまっても、いつの日か優しかった旦那に戻ることを願って今もなお愛している。
だが、私の気持ちなどお構いなく、旦那からの容赦ない暴言は絶えない。当然だが、私のことを愛してはくれていないのだろう。
それでも好きでいられる思い出があったから耐えてきた。
だが、偶然にも旦那が他の女と腕を組んでいる姿を目撃してしまった。
「……あの女、誰……!?」
この事件がきっかけで、私の大事にしていた思い出までもが崩れていく。
だが、今までの苦しい日々から解放される試練でもあった。
※前半が暗すぎるので、明るくなってくるところまで一気に更新しました。
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる