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◆第一章 怪異を祓う者◆
第四話 怪異を祓う者
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スミジ達は母屋内にある昭一郎の孫娘・千夏の部屋へと向かう。アカリがそっとドアを開け中を覗いて見ればベッドの上に膝を抱えている少女の姿が見えた。
服装はパジャマ姿のまま……その表情は窓からの逆光でも暗いことが判る。
そんな姿を見たアカリは放って置けない気持ちになりドアをノックした。
「千夏ちゃん、入って良い?」
返事はない。が、アカリは気にした様子もなく部屋の中へと踏み込んだ。
「ちょっと、スミジ……大丈夫なの?」
「感じる気配はそれ程じゃないし昼間だから大丈夫だろう。でも、アカリちゃんには一応護符も持たせたよ。それに、俺達が行くより歳が近いアカリちゃんの方が良いだろ?」
「どうせ私は若くないですよ~だ」
「………。こんな時に子供になるなよ。精神だけ」
「………」
「………」
「………」
「ゴハッ!」
シズカはスミジの脇腹を強く殴った。
「お、お前なぁ……」
「ホラ、スミジ! アカリちゃんが話を始めたわよ」
「…………」
如何ともし難い不満を宿しつつスミジはアカリの様子を伺う。
「初めまして、千夏ちゃん」
「………。お姉ちゃん、誰?」
「私はアカリ。ねぇ、千夏ちゃん……困ってることあるよね? お姉ちゃんに話してくれない?」
「…………」
反応が止まってしまった千夏。アカリはベッドに腰を下ろすとそっと千夏を抱き寄せた。
「誰にも信じて貰えないことで困ってるんだよね? 違う?」
「……判るの?」
「うん。お姉ちゃんも以前同じようなことがあってね。助けて貰ったの」
「……良いなぁ」
「千夏ちゃんも助けて貰えるよ。千夏ちゃんのお祖父様がそれができる人にお願いしたの……千夏ちゃんを助けてって。だから私やスミジさん、シズカさんが来たんだから」
「……本当に? 本当に助けて貰えるの?」
「うん。約束する」
この言葉で千夏の目に光が宿る。千夏は涙を浮かべアカリの胸元にしがみ付いた。そして溜め込んでいた感情を顕にした。
「何もしてないのに物が壊れちゃうの! それに痣がね……痛いの!」
「うん……辛かったね。痛かったね」
「怖い夢も見るの! お願い……助けて!」
「大丈夫だからね、千夏ちゃん。スミジさ~ん!」
アカリに呼ばれたスミジは千夏の部屋へと踏み込んだ。
「初めまして、千夏ちゃん。俺はスミジ、こっちはシズカ。千夏ちゃん……君の『怖い夢』に出てくる奴がいるだろ? どんな奴だい?」
「煙みたいな身体で伸びたり縮んだりするの。身体から沢山手を伸ばして物を壊しちゃう」
「う~ん。ということは古妖じゃないのか……。学校の噂とかでそんな話聞いたこと無い?」
「ある。これ……」
千夏はスマホを操作し学校サイトの書き込みを表示した。そこには、最近千夏の通う学校内に現れるという妖怪の話が載せられていた。
千夏はその一つを指差す。
「煙々葛篭……人に巻き付いて邪魔したり持ち物を壊したり嫌がらせする妖怪、か。煙々羅の亜種かもしれないな。成る程……わかった」
煙々羅(または煙羅煙羅とも)は固定の形状が無い煙の靄のような古妖。やはり人に害を与えるものと言われている。
煙々葛篭は形状が似ているが縦に伸び縮みするおかしな動きと枝のように伸びる複数の突起という部分が異なっている様だ。
「じゃあ、千夏ちゃん……一つ約束してくれる? オバケを追い払ったらお祖父ちゃんにお礼をするんだ。貰ったお小遣いでプレゼントするんじゃなく、自分で色々とお手伝いしてお礼をするんだよ? 約束できるかな?」
「うん……わかった」
「良し。じゃあ、今日の夕方に全部終わらせようね」
スミジは千夏の頭を優しく撫で微笑んだ。
服装はパジャマ姿のまま……その表情は窓からの逆光でも暗いことが判る。
そんな姿を見たアカリは放って置けない気持ちになりドアをノックした。
「千夏ちゃん、入って良い?」
返事はない。が、アカリは気にした様子もなく部屋の中へと踏み込んだ。
「ちょっと、スミジ……大丈夫なの?」
「感じる気配はそれ程じゃないし昼間だから大丈夫だろう。でも、アカリちゃんには一応護符も持たせたよ。それに、俺達が行くより歳が近いアカリちゃんの方が良いだろ?」
「どうせ私は若くないですよ~だ」
「………。こんな時に子供になるなよ。精神だけ」
「………」
「………」
「………」
「ゴハッ!」
シズカはスミジの脇腹を強く殴った。
「お、お前なぁ……」
「ホラ、スミジ! アカリちゃんが話を始めたわよ」
「…………」
如何ともし難い不満を宿しつつスミジはアカリの様子を伺う。
「初めまして、千夏ちゃん」
「………。お姉ちゃん、誰?」
「私はアカリ。ねぇ、千夏ちゃん……困ってることあるよね? お姉ちゃんに話してくれない?」
「…………」
反応が止まってしまった千夏。アカリはベッドに腰を下ろすとそっと千夏を抱き寄せた。
「誰にも信じて貰えないことで困ってるんだよね? 違う?」
「……判るの?」
「うん。お姉ちゃんも以前同じようなことがあってね。助けて貰ったの」
「……良いなぁ」
「千夏ちゃんも助けて貰えるよ。千夏ちゃんのお祖父様がそれができる人にお願いしたの……千夏ちゃんを助けてって。だから私やスミジさん、シズカさんが来たんだから」
「……本当に? 本当に助けて貰えるの?」
「うん。約束する」
この言葉で千夏の目に光が宿る。千夏は涙を浮かべアカリの胸元にしがみ付いた。そして溜め込んでいた感情を顕にした。
「何もしてないのに物が壊れちゃうの! それに痣がね……痛いの!」
「うん……辛かったね。痛かったね」
「怖い夢も見るの! お願い……助けて!」
「大丈夫だからね、千夏ちゃん。スミジさ~ん!」
アカリに呼ばれたスミジは千夏の部屋へと踏み込んだ。
「初めまして、千夏ちゃん。俺はスミジ、こっちはシズカ。千夏ちゃん……君の『怖い夢』に出てくる奴がいるだろ? どんな奴だい?」
「煙みたいな身体で伸びたり縮んだりするの。身体から沢山手を伸ばして物を壊しちゃう」
「う~ん。ということは古妖じゃないのか……。学校の噂とかでそんな話聞いたこと無い?」
「ある。これ……」
千夏はスマホを操作し学校サイトの書き込みを表示した。そこには、最近千夏の通う学校内に現れるという妖怪の話が載せられていた。
千夏はその一つを指差す。
「煙々葛篭……人に巻き付いて邪魔したり持ち物を壊したり嫌がらせする妖怪、か。煙々羅の亜種かもしれないな。成る程……わかった」
煙々羅(または煙羅煙羅とも)は固定の形状が無い煙の靄のような古妖。やはり人に害を与えるものと言われている。
煙々葛篭は形状が似ているが縦に伸び縮みするおかしな動きと枝のように伸びる複数の突起という部分が異なっている様だ。
「じゃあ、千夏ちゃん……一つ約束してくれる? オバケを追い払ったらお祖父ちゃんにお礼をするんだ。貰ったお小遣いでプレゼントするんじゃなく、自分で色々とお手伝いしてお礼をするんだよ? 約束できるかな?」
「うん……わかった」
「良し。じゃあ、今日の夕方に全部終わらせようね」
スミジは千夏の頭を優しく撫で微笑んだ。
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