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◆第四章 存在の善悪◆
第十二話 呪物の特定
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午前十時頃から捜索を始め三時間程が経過した頃……スミジの携帯端末の着信音が鳴った。電話をかけてきたのは御門だ。
『もしもし、スミっちか? 領域の核、見付けたぜ』
「本当か、御門?」
『ああ。んでも、ちょ~っと厄介で俺だけじゃ祓うの無理なんだわ』
「わかった。今、そっちに行く」
御門に通話で誘導されつつ向かった先は大学施設側の研究棟。鉄筋コンクリートビルになっておりスミジが護符を配置した場所でもあった。
「何だ、スミっち。結局、子守りしてるのか……」
「子守りとは失礼ね、ホスト崩れ」
再会の途端視線でバチバチと火花を散らす御門とアオバ。
「失礼はお前だぜ、ロリ巫女。俺はホスト崩れじゃない……ホストだ! 臨時要員のだがな!」
「威張るな! そして誰がロリ巫女よ!」
何故か勝ち誇る御門……彼の副業は本当にホストだった──。
「それで、何でホストが祓い師やってるのよ……」
「食うために決まってるだろ。今時祓い師一本でやってけるのなんて宗教関係だけだぜ? 俺は他に古物商もやってるし」
「……そうなの、スミジさんも?」
「まぁ……ね。俺も美術商だよ」
寧ろ宗教関係の祓い師でさえ副業が必要な時代……世の中とっても世知辛い。
「つっても俺は祓い師と副業が上手く繋がってるんだけどな? ホストったってボッタクリとかしない良心的な店で働いてるし」
「スミジさん、本当?」
「ん? ああ……御門が善人なのは保証するよ」
「ふ~ん……」
まだ疑いの目で御門を見るアオバだったが、キリが無いのでスミジは本筋へと話題を切り替える。
「ところで御門……?」
「何だ、スミっち?」
「この中に『領域の核』が? 研究棟は事前に調べてから護符を貼った筈なんだが……」
「護符……って、もしかしてアレか?」
御門が視線を向けた先……建物の玄関口の上部には長方形型に黒く焦げた痕が見える。
「……。まさか……焼き切れたのか?」
護符は本格的な霊印を用いていた訳ではないが、普通の怪異にも効果は十分なものを使用した。それが焼き切れたとなると強い霊気を持つものが無理に通過したことを意味する。
「……。御門……一応聞いておくけど、領域の核は【あやかし】だったか? それとも……」
「スミっちが最初に予測していた通り【呪物】だったぜ。あれはアクセサリーだな」
「ということは、誰かが持って歩いてるってことか?」
「ああ。ここに入っていった若い男が身に付けてた」
御門の話では、研究者用の白衣を着用した男が手首に巻いていたアクセサリーから呪物の気配を感じた……らしい。
「……。その男の人、平気なんでしょうか?」
「そうよね、クレハ。一般人が呪物に耐性を持つのは稀……でしょ、スミジさん?」
「うん……。学園を領域にしちゃう程の呪物となると普通は無事じゃないよね。可能性としてあるのは……」
その男が祓い師、または祓い師が身近に居て呪物に抵抗する何かを行っているか。または──。
「呪物の質によっては所持している当人より、周囲の人間への影響が早い場合もある」
【七殺】という言葉がある。それは七人が死ぬまで祟りが終わらないことを表す言葉だ。そして一族に呪いや祟りが降りかかる場合、必ずしも当人が最初に死ぬとは限らない……。
『もしもし、スミっちか? 領域の核、見付けたぜ』
「本当か、御門?」
『ああ。んでも、ちょ~っと厄介で俺だけじゃ祓うの無理なんだわ』
「わかった。今、そっちに行く」
御門に通話で誘導されつつ向かった先は大学施設側の研究棟。鉄筋コンクリートビルになっておりスミジが護符を配置した場所でもあった。
「何だ、スミっち。結局、子守りしてるのか……」
「子守りとは失礼ね、ホスト崩れ」
再会の途端視線でバチバチと火花を散らす御門とアオバ。
「失礼はお前だぜ、ロリ巫女。俺はホスト崩れじゃない……ホストだ! 臨時要員のだがな!」
「威張るな! そして誰がロリ巫女よ!」
何故か勝ち誇る御門……彼の副業は本当にホストだった──。
「それで、何でホストが祓い師やってるのよ……」
「食うために決まってるだろ。今時祓い師一本でやってけるのなんて宗教関係だけだぜ? 俺は他に古物商もやってるし」
「……そうなの、スミジさんも?」
「まぁ……ね。俺も美術商だよ」
寧ろ宗教関係の祓い師でさえ副業が必要な時代……世の中とっても世知辛い。
「つっても俺は祓い師と副業が上手く繋がってるんだけどな? ホストったってボッタクリとかしない良心的な店で働いてるし」
「スミジさん、本当?」
「ん? ああ……御門が善人なのは保証するよ」
「ふ~ん……」
まだ疑いの目で御門を見るアオバだったが、キリが無いのでスミジは本筋へと話題を切り替える。
「ところで御門……?」
「何だ、スミっち?」
「この中に『領域の核』が? 研究棟は事前に調べてから護符を貼った筈なんだが……」
「護符……って、もしかしてアレか?」
御門が視線を向けた先……建物の玄関口の上部には長方形型に黒く焦げた痕が見える。
「……。まさか……焼き切れたのか?」
護符は本格的な霊印を用いていた訳ではないが、普通の怪異にも効果は十分なものを使用した。それが焼き切れたとなると強い霊気を持つものが無理に通過したことを意味する。
「……。御門……一応聞いておくけど、領域の核は【あやかし】だったか? それとも……」
「スミっちが最初に予測していた通り【呪物】だったぜ。あれはアクセサリーだな」
「ということは、誰かが持って歩いてるってことか?」
「ああ。ここに入っていった若い男が身に付けてた」
御門の話では、研究者用の白衣を着用した男が手首に巻いていたアクセサリーから呪物の気配を感じた……らしい。
「……。その男の人、平気なんでしょうか?」
「そうよね、クレハ。一般人が呪物に耐性を持つのは稀……でしょ、スミジさん?」
「うん……。学園を領域にしちゃう程の呪物となると普通は無事じゃないよね。可能性としてあるのは……」
その男が祓い師、または祓い師が身近に居て呪物に抵抗する何かを行っているか。または──。
「呪物の質によっては所持している当人より、周囲の人間への影響が早い場合もある」
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