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◆幕間① 祓い師達の事情◆
幕間・その2 仕事着と普段着
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都内・某所──『パラディオテル三条』
各界の著名人や海外の資産家が利用する、日本でも最高位の宿泊施設。そんなホテルの上層プライベートルームに祓い師達は集まっていた。
祓い師達は景星学園から着替えをせずに移動してきた。一同が揃えばまるで仮装パーティーへ向かうかの様な姿……当然ながら裏口通路からの移動となったのは余談である。
「三条さん。私達、着替えをしたいんですけど……」
部屋に到着後そう申し出たのは九頭竜姉妹だ。確かに巫女衣装は少々場違い感がある。同様に、御門と賢雲も着替えを要望した。
「そうね……。では、アチラの部屋を使用して。御門さんと賢雲さんはコチラの寝室でお願いします」
残されたスミジ、リカルド、榑木は部屋のソファーに座る。彼らは普段と同じ姿ということで着替えは行わない。だが……ここで三条からスミジに突っ込みが入る。
「道祖土さんは本当に普段から作務衣なんですか?」
「え? ええ……普段は美術商と画家を兼ねてるので動きやすい恰好を……」
「そ、そうですか……」
明らかに高級ホテルとは場違い……しかし、そこは流石の三条家御令嬢。人間ができているので深く追及しない。
代わりに突っ込みを入れたのは榑木だった。
「聖職者でもあるリカルド牧師が法衣なのはまだわかる。だが、道祖土スミジ……」
「スミジで良いですよ、榑木さん」
「じゃあ、俺もスバルで良い。スミジ……お前は家にいる時も作務衣なのか?」
「まぁ……店は住まいと兼用ですし……。あ、流石に法事の時とかはスーツ着ますよ?」
「そ、そうか……」
榑木は眉間に手を当て小さく溜め息を吐いた。
「あ~……一応言っとくけどスミジは本当に普段作務衣しか着ないぜ、榑木さんよ?」
一足先に着替えから戻った御門は、V字ネックのシャツとカーキ色のジャケット、ジーンズという至ってラフな姿だ。
「それは……何故だ?」
「さぁ……何でだ、スミっち?」
「う~ん……この姿なら色々やり易いので……。筆や札も懐に入れやすいし動きやすいから」
一応は合理性から選んだ作務衣だが、今やそれが定着した為に他の服では落ち着かないらしい。
「つまり……『常在戦場』ということでしょうか?」
「そういった意味合いもあります。直ぐに行動に出られますからね」
「成る程……」
妙に感心している三条だが、やはり作務衣が少々浮いている事実は変わらない……。
と……今度は御門が三条に質問を投げ掛けた。
「アンタは着替えないのか、三条のお嬢さん?」
「私もこれが普段着なのですが……」
「アンタもか……」
御門はどこか達観している。一方、榑木はロダンの『考える人』の様なポーズになっていた。
「おかしいですか?」
「いや……別に良いんじゃないの? 似合ってはいるし」
「お世辞を言っても何も出ませんよ、御門さん?」
「別に世辞じゃねぇけどさ……」
リカルドはそんな会話を楽しそうに聞いていた。彼は祓い師同士のこんなやりとりが楽しくて仕方無いらしい。
「お待たせ~」
「遅くなりました」
着替えを終え戻ってきた九頭竜姉妹。その姿は景星学園中等部の制服だった。
「そうして見るとマジで普通の中学生だな」
「マジマジと見ないで貰えるかしら、ホスト。ていうか、何で仕事着が白スーツなのよ」
「悪かったな、ロリ巫女」
バチバチと視線で火花を散らす御門とアオバだったが、それを嗜めたのは着替えを終えた賢雲だった。
「これこれ。折角の懇親会なのだから仲良くせんか」
「だって賢雲さん、ホストがロリ巫女っ……て……?」
賢雲は大衣に袈裟がけ姿だった。しかし着替えた後は紺のストライプスーツにダークグレーの中折れ帽という紳士に……。
「嘉藤さんもお座りになっては如何ですか?」
「いえ……私は……」
「今回は『祓い師』の懇親会ですし……ですよね、三条さん?」
「道祖土さんの仰有る通りです。嘉藤……あなたは祓い師としての大切なパートナー。今日、この場では懇親会に参加して欲しい」
「……わかりました。では」
そうして一同が揃いソファーに着席するのを合図に、祓い師達の懇親会が始まった。
各界の著名人や海外の資産家が利用する、日本でも最高位の宿泊施設。そんなホテルの上層プライベートルームに祓い師達は集まっていた。
祓い師達は景星学園から着替えをせずに移動してきた。一同が揃えばまるで仮装パーティーへ向かうかの様な姿……当然ながら裏口通路からの移動となったのは余談である。
「三条さん。私達、着替えをしたいんですけど……」
部屋に到着後そう申し出たのは九頭竜姉妹だ。確かに巫女衣装は少々場違い感がある。同様に、御門と賢雲も着替えを要望した。
「そうね……。では、アチラの部屋を使用して。御門さんと賢雲さんはコチラの寝室でお願いします」
残されたスミジ、リカルド、榑木は部屋のソファーに座る。彼らは普段と同じ姿ということで着替えは行わない。だが……ここで三条からスミジに突っ込みが入る。
「道祖土さんは本当に普段から作務衣なんですか?」
「え? ええ……普段は美術商と画家を兼ねてるので動きやすい恰好を……」
「そ、そうですか……」
明らかに高級ホテルとは場違い……しかし、そこは流石の三条家御令嬢。人間ができているので深く追及しない。
代わりに突っ込みを入れたのは榑木だった。
「聖職者でもあるリカルド牧師が法衣なのはまだわかる。だが、道祖土スミジ……」
「スミジで良いですよ、榑木さん」
「じゃあ、俺もスバルで良い。スミジ……お前は家にいる時も作務衣なのか?」
「まぁ……店は住まいと兼用ですし……。あ、流石に法事の時とかはスーツ着ますよ?」
「そ、そうか……」
榑木は眉間に手を当て小さく溜め息を吐いた。
「あ~……一応言っとくけどスミジは本当に普段作務衣しか着ないぜ、榑木さんよ?」
一足先に着替えから戻った御門は、V字ネックのシャツとカーキ色のジャケット、ジーンズという至ってラフな姿だ。
「それは……何故だ?」
「さぁ……何でだ、スミっち?」
「う~ん……この姿なら色々やり易いので……。筆や札も懐に入れやすいし動きやすいから」
一応は合理性から選んだ作務衣だが、今やそれが定着した為に他の服では落ち着かないらしい。
「つまり……『常在戦場』ということでしょうか?」
「そういった意味合いもあります。直ぐに行動に出られますからね」
「成る程……」
妙に感心している三条だが、やはり作務衣が少々浮いている事実は変わらない……。
と……今度は御門が三条に質問を投げ掛けた。
「アンタは着替えないのか、三条のお嬢さん?」
「私もこれが普段着なのですが……」
「アンタもか……」
御門はどこか達観している。一方、榑木はロダンの『考える人』の様なポーズになっていた。
「おかしいですか?」
「いや……別に良いんじゃないの? 似合ってはいるし」
「お世辞を言っても何も出ませんよ、御門さん?」
「別に世辞じゃねぇけどさ……」
リカルドはそんな会話を楽しそうに聞いていた。彼は祓い師同士のこんなやりとりが楽しくて仕方無いらしい。
「お待たせ~」
「遅くなりました」
着替えを終え戻ってきた九頭竜姉妹。その姿は景星学園中等部の制服だった。
「そうして見るとマジで普通の中学生だな」
「マジマジと見ないで貰えるかしら、ホスト。ていうか、何で仕事着が白スーツなのよ」
「悪かったな、ロリ巫女」
バチバチと視線で火花を散らす御門とアオバだったが、それを嗜めたのは着替えを終えた賢雲だった。
「これこれ。折角の懇親会なのだから仲良くせんか」
「だって賢雲さん、ホストがロリ巫女っ……て……?」
賢雲は大衣に袈裟がけ姿だった。しかし着替えた後は紺のストライプスーツにダークグレーの中折れ帽という紳士に……。
「嘉藤さんもお座りになっては如何ですか?」
「いえ……私は……」
「今回は『祓い師』の懇親会ですし……ですよね、三条さん?」
「道祖土さんの仰有る通りです。嘉藤……あなたは祓い師としての大切なパートナー。今日、この場では懇親会に参加して欲しい」
「……わかりました。では」
そうして一同が揃いソファーに着席するのを合図に、祓い師達の懇親会が始まった。
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