71 / 153
スミジとアカリの姫国あやかし紹介録④
第四回 新妖と古妖
しおりを挟む
「皆さん、こんにちは! アカリで~す!」
「どうも、スミジで~す」
「早くも四回目ですよ、スミジさん。幕間的なものなのに頑張っちゃってますよ、作者さん。色々なコンテスト全く書けてないのに」
うるさいよ、アカリちゃん……。
「蒼村は私生活が壊滅的に追い詰められてるから余裕がないんだよ、アカリちゃん。所詮は凡才だからね……まぁ自業自得とも言うけど」
うるさいよ、スミジ。
「という訳で、今回は~?」
「【新妖】と【古妖】についてです。アカリちゃんは知ってる?」
「え~……そもそも【新妖】【古妖】って何ですか? 作中にもありましたけど……」
「え? え~っとね……【新妖】っていうのは新しい【あやかし】のことで、【古妖】は昔から居る【あやかし】だよ」
「……………」
「…………?」
「えいっ!」
「うひゃほぅ~ぃ!!」
……一応説明すると、アカリちゃんがスミジの作務衣の中に冷えたペットボトルのお茶を放り込みました。
「もうっ! そのまんまじゃないですか!?」
「ゴ、ゴメンゴメン。え~……簡単に言うと【古妖】は伝承や文化資料のある、【新妖】はそれがない【あやかし】だね。でも、結構定義が曖昧なんだよ」
「曖昧ってどうしてですか?」
「先ず、時代の区切りが難しいからかな。例えば明治時代には沢山の【あやかし】が生まれてる。文明開化で海外の目新しい物が入ってくる様になったからなんだけどね?」
見世物小屋みたいなものは昔からあるけど、そこには当然物珍しいものが存在した訳で……。
例えば明治には『九面犬』というのが居たそうだよ。ネット検索じゃ出てこないかな……蒼村も古い資料で偶々見た類いのものです。
「……。それ、どんな【あやかし】ですか?」
頭部が縦3×横3で人面九つの犬。
「怖っ! 怖いですよ、ソレ!?」
「他にも色々と奇妙なのがいたみたいだね……でも、それは【古妖】か【新妖】か微妙。理由は分かる?」
「古い伝承が無いからですか?」
「半分正解。残り半分は『認識・周知されていない』から。今、九面犬が出た場合は殆どの人が知らないからやっぱり【新妖】になるかな」
逆に近年の【あやかし】でも古くから存在するものもいる。例えば『人面犬』。人面の獣は実は江戸の頃にはあちこちで話題が上がっている。『件』もその類いだね。
「へぇ~……人面犬って【古妖】だったんですね」
「でも、厳密には微妙なんだよ。現代の人面犬はバージョンアップされてるからね」
「バ、バージョンアップ?」
「昔の人面犬は猿顔の犬で喋らない。でも今の人面犬は、“オジさん顔で人の言葉を喋る”“ぶつくさ文句を言う”“凄い速さで追ってくる”とかね?」
時代により存在の形を変化させることは【新妖】【古妖】という区切りを曖昧にさせちゃうんだ。最近では『一反木綿』の亜種の目撃が増えてたりね~。
「つまり、【新妖】か【古妖】か分からない場合もある……と」
「そう。ただ、明確に【新妖】だと分かる場合もあるよ。例えば『口裂け女』は類似のものが見当たらなかったかな……。マスクとかポマードとか現代的だよね。珍しいものとしては『偽列車』とかね。列車は比較的近代でしょ?」
「そうですね。じゃあ、『首無しライダー』もですね?」
「アレはまた海外の『デュラハン』が元だったりしてるかもしれないんだけどね……。確かに【新妖】でも間違ってはないけど、幽霊の可能性もある」
「そっか。【あやかし】とは限らない場合もあるんですね」
補足すると、『偽列車、または偽汽車』は線路がない場所・または列車が走らない時間で起きる列車の音や光、または列車の姿が目撃される【怪異】で、現代でも都市伝説で語られたりする。
『デュラハン』は海外の怪物で、首無し馬に乗った首無しの魔物。騎士だったり首無し乙女だったりと地方で変化するらしい。
「そう考えると【新妖】も【古妖】も結構関係があるんですね~」
「まぁ、時代に関係無く【あやかし】同士は意外と関係があったりするんだよ。それは機会があったら話そうね」
「そう言えば……『都市伝説』とか『ネットロア』とかはどうなるんですか?」
都市伝説とかは割と【あやかし】そのものは大量には出てこないかな。幽霊はあるけど、明確に存在が書かれてるのって『くねくね』『八尺様』『カンカンダラ』……辺り? 『ジジババ』系の【あやかし】は割と『山姥』からの派生だったりする。現代はどっちかっていうと場所や出来事の【怪異】とかが多い印象。
いつの時代も【怪異】は身近なものから派生するからね。特に今は物が溢れ人が溢れる時代──夜が明るい分、視覚に絡んだ場所の【怪異】が多くなってる気がする。『きさらぎ駅』みたいに日常に近い【駅】とか。
「ネットは面白さで話を競ったりしている面もあるからね。誰でも参加できる『百物語』みたいなものだから多様性が生まれたり、身近な環境に恐怖を取り入れようとしたり……そうやって【新妖】は生まれるんだろうね」
「スミジさんは【新妖】とバトったことありますか?」
「バト……あ、あるよ?」
最近ではバラゴと戦ったよな、『次世代魔王スミジ』?
「変なあだ名やめろ、蒼村ぁぁ~!」
「え? スミジさん、魔王なんですか?」
「やめてぇ~! アカリちゃん、そんなキラキラした目で見ないで~!」
………。皆さんも興味があれば【あやかし】の由来なんか調べるのも面白いですよ?ではまた、次回にお会いしましょう!
「どうも、スミジで~す」
「早くも四回目ですよ、スミジさん。幕間的なものなのに頑張っちゃってますよ、作者さん。色々なコンテスト全く書けてないのに」
うるさいよ、アカリちゃん……。
「蒼村は私生活が壊滅的に追い詰められてるから余裕がないんだよ、アカリちゃん。所詮は凡才だからね……まぁ自業自得とも言うけど」
うるさいよ、スミジ。
「という訳で、今回は~?」
「【新妖】と【古妖】についてです。アカリちゃんは知ってる?」
「え~……そもそも【新妖】【古妖】って何ですか? 作中にもありましたけど……」
「え? え~っとね……【新妖】っていうのは新しい【あやかし】のことで、【古妖】は昔から居る【あやかし】だよ」
「……………」
「…………?」
「えいっ!」
「うひゃほぅ~ぃ!!」
……一応説明すると、アカリちゃんがスミジの作務衣の中に冷えたペットボトルのお茶を放り込みました。
「もうっ! そのまんまじゃないですか!?」
「ゴ、ゴメンゴメン。え~……簡単に言うと【古妖】は伝承や文化資料のある、【新妖】はそれがない【あやかし】だね。でも、結構定義が曖昧なんだよ」
「曖昧ってどうしてですか?」
「先ず、時代の区切りが難しいからかな。例えば明治時代には沢山の【あやかし】が生まれてる。文明開化で海外の目新しい物が入ってくる様になったからなんだけどね?」
見世物小屋みたいなものは昔からあるけど、そこには当然物珍しいものが存在した訳で……。
例えば明治には『九面犬』というのが居たそうだよ。ネット検索じゃ出てこないかな……蒼村も古い資料で偶々見た類いのものです。
「……。それ、どんな【あやかし】ですか?」
頭部が縦3×横3で人面九つの犬。
「怖っ! 怖いですよ、ソレ!?」
「他にも色々と奇妙なのがいたみたいだね……でも、それは【古妖】か【新妖】か微妙。理由は分かる?」
「古い伝承が無いからですか?」
「半分正解。残り半分は『認識・周知されていない』から。今、九面犬が出た場合は殆どの人が知らないからやっぱり【新妖】になるかな」
逆に近年の【あやかし】でも古くから存在するものもいる。例えば『人面犬』。人面の獣は実は江戸の頃にはあちこちで話題が上がっている。『件』もその類いだね。
「へぇ~……人面犬って【古妖】だったんですね」
「でも、厳密には微妙なんだよ。現代の人面犬はバージョンアップされてるからね」
「バ、バージョンアップ?」
「昔の人面犬は猿顔の犬で喋らない。でも今の人面犬は、“オジさん顔で人の言葉を喋る”“ぶつくさ文句を言う”“凄い速さで追ってくる”とかね?」
時代により存在の形を変化させることは【新妖】【古妖】という区切りを曖昧にさせちゃうんだ。最近では『一反木綿』の亜種の目撃が増えてたりね~。
「つまり、【新妖】か【古妖】か分からない場合もある……と」
「そう。ただ、明確に【新妖】だと分かる場合もあるよ。例えば『口裂け女』は類似のものが見当たらなかったかな……。マスクとかポマードとか現代的だよね。珍しいものとしては『偽列車』とかね。列車は比較的近代でしょ?」
「そうですね。じゃあ、『首無しライダー』もですね?」
「アレはまた海外の『デュラハン』が元だったりしてるかもしれないんだけどね……。確かに【新妖】でも間違ってはないけど、幽霊の可能性もある」
「そっか。【あやかし】とは限らない場合もあるんですね」
補足すると、『偽列車、または偽汽車』は線路がない場所・または列車が走らない時間で起きる列車の音や光、または列車の姿が目撃される【怪異】で、現代でも都市伝説で語られたりする。
『デュラハン』は海外の怪物で、首無し馬に乗った首無しの魔物。騎士だったり首無し乙女だったりと地方で変化するらしい。
「そう考えると【新妖】も【古妖】も結構関係があるんですね~」
「まぁ、時代に関係無く【あやかし】同士は意外と関係があったりするんだよ。それは機会があったら話そうね」
「そう言えば……『都市伝説』とか『ネットロア』とかはどうなるんですか?」
都市伝説とかは割と【あやかし】そのものは大量には出てこないかな。幽霊はあるけど、明確に存在が書かれてるのって『くねくね』『八尺様』『カンカンダラ』……辺り? 『ジジババ』系の【あやかし】は割と『山姥』からの派生だったりする。現代はどっちかっていうと場所や出来事の【怪異】とかが多い印象。
いつの時代も【怪異】は身近なものから派生するからね。特に今は物が溢れ人が溢れる時代──夜が明るい分、視覚に絡んだ場所の【怪異】が多くなってる気がする。『きさらぎ駅』みたいに日常に近い【駅】とか。
「ネットは面白さで話を競ったりしている面もあるからね。誰でも参加できる『百物語』みたいなものだから多様性が生まれたり、身近な環境に恐怖を取り入れようとしたり……そうやって【新妖】は生まれるんだろうね」
「スミジさんは【新妖】とバトったことありますか?」
「バト……あ、あるよ?」
最近ではバラゴと戦ったよな、『次世代魔王スミジ』?
「変なあだ名やめろ、蒼村ぁぁ~!」
「え? スミジさん、魔王なんですか?」
「やめてぇ~! アカリちゃん、そんなキラキラした目で見ないで~!」
………。皆さんも興味があれば【あやかし】の由来なんか調べるのも面白いですよ?ではまた、次回にお会いしましょう!
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
不倫妻への鎮魂歌 ―サレ夫が選んだ、最も残酷で静かな復讐―
MisakiNonagase
大衆娯楽
「サレ夫、再生。不倫妻、転落。──その代償は、あまりに重い。」
「嘘で塗り固めた20年より、真実で歩む明日がいい。」
失って初めて気づく、守られていた日々の輝き。
46歳の美香にとって、誠実な夫と二人の息子に囲まれた生活は、退屈で窮屈な「檻」だった。若い男からの甘い誘惑に、彼女は20年の歳月を投げ打って飛び込んだ。 しかし、彼女が捨てたのは「檻」ではなく「聖域」だったのだ。 不倫、発覚、離婚、そして孤独。 かつての「美しい奥様」が、厚化粧で場末のスナックのカウンターに立つまでの足取りと、傷つきながらも真実の幸福を掴み取っていく夫・徹の再生を描く。 家族とは何か、誠実さとは何か。一通の離婚届が、二人の人生を光と影に分かつ。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
夫の妹に財産を勝手に使われているらしいので、第三王子に全財産を寄付してみた
今川幸乃
恋愛
ローザン公爵家の跡継ぎオリバーの元に嫁いだレイラは若くして父が死んだため、実家の財産をすでにある程度相続していた。
レイラとオリバーは穏やかな新婚生活を送っていたが、なぜかオリバーは妹のエミリーが欲しがるものを何でも買ってあげている。
不審に思ったレイラが調べてみると、何とオリバーはレイラの財産を勝手に売り払ってそのお金でエミリーの欲しいものを買っていた。
レイラは実家を継いだ兄に相談し、自分に敵対する者には容赦しない”冷血王子”と恐れられるクルス第三王子に全財産を寄付することにする。
それでもオリバーはレイラの財産でエミリーに物を買い与え続けたが、自分に寄付された財産を勝手に売り払われたクルスは激怒し……
※短め
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる