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第二章 新しい日常へ
第七話 情けは人の為だけじゃなく、やがて巡って自分に返る
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岩辺さんの願いを叶えると言っても僕に出来ることは殆ど無い。それでも僕は美緒さんと岩辺さんを会わせたい……。
そうなると、先ず美緒さんの所在を確認しないと……。
「………。ねぇ、トム? 猫通信って何処まで届く?」
「ンヌァ~……」
「距離は関係無いんだ……やっぱり凄いね、猫の王様は」
やっぱり誇らしげな様子のトムの首回りを撫でる。今回の頼みの綱はトムの力だ。
でも、猫通信は距離が伸びる程力が消費するらしい。通信の時間が減るみたいだ。
「ナァル~ル。ウナァ~」
「えっ? 僕の力を使えばもっと強くなるの?」
「ンナァ~」
僕の力……というより神としての力を加えると精度が上がるらしい。でも、僕としてはどうしたら良いのか判らない。
「ルゥ~……」
「貸すって言うだけで良いの?」
「ニャ」
「わかった。じゃあ頼りにしてるね?」
「ニャ」
僕の予定は人海戦術……ならぬ猫海戦術を駆使することだ。【暁】国内に暮らす沢山の猫に頼めば必ず見付けられると思う。
そうなると、次に問題なのは美緒さんの顔かな……。時間が経過して顔も随分変わったと思うし……。
実は岩辺さん、一度だけ美緒さんの様子を見に行っていたんだけど、引っ越ししちゃっていたんだよね。だから今の姿の記憶が無い。
う~ん……名字から捜そうか。でも、『田中さん』なんだよね、美緒さんの名字……。日本と同じで全国的には多いみたいだからなぁ……。
まぁ、悩んでいても仕方無い。ともかく、手掛りとしては微妙だけど若い頃の美緒さんの顔を猫達に伝えられればと僕は考えた。
地下ではなく社の中でウンウン唸っていると、丁度そこに子供達の声が……。
「神様。今日は皆でお礼に来ました」
「助けてくれてありがとうございました」
外を窺うとミカちゃん、ユキちゃん、モモちゃん、ケンジくん、コウタくん、ショウくんが横一列になって手を合わせている。
……。まだ認識されたままだ。何でだろ?葉っぱの影響かな?
「僕達のお賽銭じゃ足りないと思いますが、受け取ってください」
投げ込まれたのは全員五百円玉──子供にとっては手痛い出費だろうに……。
ありがとうね、みんな……。
「それで神様……僕達、この神社のこと色んな人に話したいと思います。参拝する人が増えれば神様も寂しくないでしょ?」
………。有り難いような有り難くないような……。今の僕じゃ多くの人を救えないし。
その時、胡座をかいた僕の膝に居たマウが小さく鳴く。
「ンナァ~、ニャ~」
マウは手伝うから任せてって言ってる。……。うん。そうだね。
この先、どっちみち願いは増えるなら覚悟は決めないといけない。それなら、この子達の気持ちは有り難く受けとるべきなんだ。
僕は扉の隙間からそっと六枚の葉を差し出す。子供達の前にヒラリと落ちた葉に書いた文字は全部同じだ。
【ありがとう】
一枚でも事足りたかもしれないけど、一人に一枚づつ気持ちを伝えたかった。だから六枚──。
受け取った子供達はパッと明るい表情を浮かべて去っていった。今はこの程度しか出来ないけど、君達にはいつかちゃんと言葉で伝えたいと思う。
───!
あ……。何となくだけど、ギデリさんが言っていたことが判った。今、あの子達は僕の存在を理解して信じてくれた。同時に僕の内側に何とも言えないフワリとした【熱】が宿った気がする。
………。うん。多分これなら新しい力っていうヤツを作れそうだ。
凄いことは多分出来ないけど、ちょっとしたこと……同時に今、一番必要なこと。
そして僕は、手探りながら力の構築に悪戦苦闘した末に相手の頭の中に映像を送る力──『意識投影』を使えるようになった。
そうなると、先ず美緒さんの所在を確認しないと……。
「………。ねぇ、トム? 猫通信って何処まで届く?」
「ンヌァ~……」
「距離は関係無いんだ……やっぱり凄いね、猫の王様は」
やっぱり誇らしげな様子のトムの首回りを撫でる。今回の頼みの綱はトムの力だ。
でも、猫通信は距離が伸びる程力が消費するらしい。通信の時間が減るみたいだ。
「ナァル~ル。ウナァ~」
「えっ? 僕の力を使えばもっと強くなるの?」
「ンナァ~」
僕の力……というより神としての力を加えると精度が上がるらしい。でも、僕としてはどうしたら良いのか判らない。
「ルゥ~……」
「貸すって言うだけで良いの?」
「ニャ」
「わかった。じゃあ頼りにしてるね?」
「ニャ」
僕の予定は人海戦術……ならぬ猫海戦術を駆使することだ。【暁】国内に暮らす沢山の猫に頼めば必ず見付けられると思う。
そうなると、次に問題なのは美緒さんの顔かな……。時間が経過して顔も随分変わったと思うし……。
実は岩辺さん、一度だけ美緒さんの様子を見に行っていたんだけど、引っ越ししちゃっていたんだよね。だから今の姿の記憶が無い。
う~ん……名字から捜そうか。でも、『田中さん』なんだよね、美緒さんの名字……。日本と同じで全国的には多いみたいだからなぁ……。
まぁ、悩んでいても仕方無い。ともかく、手掛りとしては微妙だけど若い頃の美緒さんの顔を猫達に伝えられればと僕は考えた。
地下ではなく社の中でウンウン唸っていると、丁度そこに子供達の声が……。
「神様。今日は皆でお礼に来ました」
「助けてくれてありがとうございました」
外を窺うとミカちゃん、ユキちゃん、モモちゃん、ケンジくん、コウタくん、ショウくんが横一列になって手を合わせている。
……。まだ認識されたままだ。何でだろ?葉っぱの影響かな?
「僕達のお賽銭じゃ足りないと思いますが、受け取ってください」
投げ込まれたのは全員五百円玉──子供にとっては手痛い出費だろうに……。
ありがとうね、みんな……。
「それで神様……僕達、この神社のこと色んな人に話したいと思います。参拝する人が増えれば神様も寂しくないでしょ?」
………。有り難いような有り難くないような……。今の僕じゃ多くの人を救えないし。
その時、胡座をかいた僕の膝に居たマウが小さく鳴く。
「ンナァ~、ニャ~」
マウは手伝うから任せてって言ってる。……。うん。そうだね。
この先、どっちみち願いは増えるなら覚悟は決めないといけない。それなら、この子達の気持ちは有り難く受けとるべきなんだ。
僕は扉の隙間からそっと六枚の葉を差し出す。子供達の前にヒラリと落ちた葉に書いた文字は全部同じだ。
【ありがとう】
一枚でも事足りたかもしれないけど、一人に一枚づつ気持ちを伝えたかった。だから六枚──。
受け取った子供達はパッと明るい表情を浮かべて去っていった。今はこの程度しか出来ないけど、君達にはいつかちゃんと言葉で伝えたいと思う。
───!
あ……。何となくだけど、ギデリさんが言っていたことが判った。今、あの子達は僕の存在を理解して信じてくれた。同時に僕の内側に何とも言えないフワリとした【熱】が宿った気がする。
………。うん。多分これなら新しい力っていうヤツを作れそうだ。
凄いことは多分出来ないけど、ちょっとしたこと……同時に今、一番必要なこと。
そして僕は、手探りながら力の構築に悪戦苦闘した末に相手の頭の中に映像を送る力──『意識投影』を使えるようになった。
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