転生悪役王女は平民希望です!

くしゃみ。

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10:結局懲りてないです

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 お母様の反応は思っていたのと真逆で、わたしの顔を見るなり大泣きされてしまった。
 それから街に行くときは騎士一人と、上兄様か下兄様かレオの誰かを連れて行くことが条件でなら良いと。…一人の方が動きやすいんだけどなぁとは思ったが、よその子なのにこれ以上心配かけるのもとも思って…少しの間くらいは大人しくすることにしよう…。

 綺麗なドレスに着替えて窓の外を見てみる。窓にはしっかりと開けられないような工夫がされていて、この部屋からは脱走できないようになっている。

 もうアリスは村に帰っちゃったんだろうか。お母様と同じピンク色の髪を思い出す。ちなみにわたしは水色の髪で、お父様は金色。上兄様と下兄様も金髪なのでわたしだけ色が違う。
 髪の色が違うからよその子なんだ!というのは記憶が戻る前に散々泣き喚いていた記憶はある。なんて宥められたか覚えてないけど、おばあ様だかひいおばあ様がこの色で先祖帰りしたとかだったけ?

「失礼します」

 コンコンと数回のノックがした後にドーラが入ってくる。城に戻って一番最初に駆けつけて抱きしめてくれたのがドーラだったな。思った以上にたくさんの人に心配をかけてしまった。

「来週のお茶会ですが」
「お茶会?え?何の話?」
「姫様のお茶会デビューの話です」

 ……忘れてた。
 わたしは七歳。しかも一応今は王女。お母様もお父様もかなり不安に思っているようだが王女という立場が引き籠らせているわけにもいかないので、レオをはじめとした近しい家の者を呼ぶという。
 一応七年間は王女としてやってきたのだ。ちょっとくらいはマナーくらい…………あれ、マナーとか勉強した覚えがないぞ。食事のマナーなんてナイフとフォークは外側からってことくらいしか知らない。これも前世の記憶だけど。
 お勉強の時間の事を考える。とりあえず椅子に座っていたような覚えはあるけど内容はさっぱり思い出せない。ていうか家庭教師も寝ていたような気がする。

 ……うん。お茶会で大失敗する未来しか見えないわ。
 どう思われようといろんな家の人と関わったら入れ替わったとき顔が違うとか髪の色が違うとか言われちゃうよね?それなら――

「欠席させるなと王妃様より言いつけられていますので」
「う……はぁい」

 お母様はわたしのことをよくわかっていらっしゃる。七年間も一緒に居ればそうなるよね……。でもわたしにはもう一つ手がある。
 表面上大人しくしておいて、わたしは陰でこっそりとほくそ笑むのだった――!
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