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15:大事な事が結び付いたんです
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「王女様、最近大人しいですね」
「いつも花を見てぼーっとしてらっしゃいますわ」
「あの花、婚約者のレオ様から贈られたんですって!」
わたしの後ろでメイドたちがひそひそ噂話に花を咲かせている。
(仕事しなさい仕事を。全く……)
ここ最近確かに抜け出そうとしたり走り回ったりすることはない。花を見ているのは何かを思い出せそうだからである。
クラレットは漫画で出てきたはず。レオの初恋話の他にもあったはずなんだが、どうしても思い出しそうで思い出せない。
「ねぇ、ドーラ」
「はい、なんでしょう」
「ドーラはお母様がどこで出産されたか知らないの?」
「…………知りません」
なんだその間は。なんでわたしの顔を見て言わない。
わざとらしいほど顔を背けるドーラを怪しげな視線を送っていたけど、たぶんドーラは口を割らないだろう。
「そんなことより、お茶会の誘いが来てます」
そんなこととはなんだ。本当の王女様が見付かるかもしれないのよ!
ドーラがわたしの前に手紙を差し出してくる。
うん?知らない人からだな。アスフェリオス…って聞いたことない。漫画にもこんな名前の人出てきてたっけ?
「この人、誰?」
「アスフェリオス・ラグナ様ですね。ラグナ領の辺境伯のご子息です」
「へぇー……」
「行かないということで良いですね?」
「え?」
いつもならお茶会に行くことは絶対なのに。辺境伯ということは、遠いところだからかな。……ラグナ辺境伯?
ラグナ領って、確か漫画に出てきたような…。
「いいえ、行くわ、ドーラ」
「はい?」
手紙を回収しようとしたドーラの手を止めて、もう一度名前を見る。
アスフェリオスって名前には聞き覚えはないけど、ラグナ領には行ってみた方が良いような気がした。つまりは勘である。
「……そうですか…」
何故かドーラは暗い顔をしている。何かあるんだろうか。無理に聞き出すのも好きじゃないし特には聞かないことにしよう。
「では、王妃様にそのように伝えて参ります」
ドーラが行ってしまった。その背中はいつもぴしっと真っ直ぐだったのに、なんでか曲がっていた…。
「ラグナ領にお茶会?」
「ええ、そうですの。なんとなく聞き覚えがあって」
「アスフェリオスなんて奴聞いたことねぇけどな…」
花束をくれた日からレオは二、三日に一度会いに来るようになった。漫画では婚約者の割にすごく冷たい態度だったような覚えもあるが仲良くなっているのならこのフラグは折れているような気がするわ。うんうん、良かった。
それにしても、レオもアスフェリオスって名前には聞き覚えがないのか。お茶会前にドーラから情報聞き出しておこうかな…。
「ラグナ領なら途中まで付き合ってやってもいいぜ。俺はラグナ領のバスタ村の方行くからな」
なんでか物凄く上からな物言いで言うレオ。…ん?バスタ村…バスタ…。
「あー!!」
「な、なんだよ!?」
突然大声を出したわたしに、びっくりしたレオはお茶をこぼす。
いや、なんでこんな大事な名前を忘れていたんだ。
「バスタ村!そこだわ!そこですのよ、レオ様!あなたの運命の人が居る場所は!!」
「はあ?」
バスタ村。そこでわたしは生まれたんだ。そして、本当のお母さんとアリスがそこにいる!
ラグナ領もだから聞いたことがあったんだ。
…今度こそ、アリスに会えるかもしれない!
「いつも花を見てぼーっとしてらっしゃいますわ」
「あの花、婚約者のレオ様から贈られたんですって!」
わたしの後ろでメイドたちがひそひそ噂話に花を咲かせている。
(仕事しなさい仕事を。全く……)
ここ最近確かに抜け出そうとしたり走り回ったりすることはない。花を見ているのは何かを思い出せそうだからである。
クラレットは漫画で出てきたはず。レオの初恋話の他にもあったはずなんだが、どうしても思い出しそうで思い出せない。
「ねぇ、ドーラ」
「はい、なんでしょう」
「ドーラはお母様がどこで出産されたか知らないの?」
「…………知りません」
なんだその間は。なんでわたしの顔を見て言わない。
わざとらしいほど顔を背けるドーラを怪しげな視線を送っていたけど、たぶんドーラは口を割らないだろう。
「そんなことより、お茶会の誘いが来てます」
そんなこととはなんだ。本当の王女様が見付かるかもしれないのよ!
ドーラがわたしの前に手紙を差し出してくる。
うん?知らない人からだな。アスフェリオス…って聞いたことない。漫画にもこんな名前の人出てきてたっけ?
「この人、誰?」
「アスフェリオス・ラグナ様ですね。ラグナ領の辺境伯のご子息です」
「へぇー……」
「行かないということで良いですね?」
「え?」
いつもならお茶会に行くことは絶対なのに。辺境伯ということは、遠いところだからかな。……ラグナ辺境伯?
ラグナ領って、確か漫画に出てきたような…。
「いいえ、行くわ、ドーラ」
「はい?」
手紙を回収しようとしたドーラの手を止めて、もう一度名前を見る。
アスフェリオスって名前には聞き覚えはないけど、ラグナ領には行ってみた方が良いような気がした。つまりは勘である。
「……そうですか…」
何故かドーラは暗い顔をしている。何かあるんだろうか。無理に聞き出すのも好きじゃないし特には聞かないことにしよう。
「では、王妃様にそのように伝えて参ります」
ドーラが行ってしまった。その背中はいつもぴしっと真っ直ぐだったのに、なんでか曲がっていた…。
「ラグナ領にお茶会?」
「ええ、そうですの。なんとなく聞き覚えがあって」
「アスフェリオスなんて奴聞いたことねぇけどな…」
花束をくれた日からレオは二、三日に一度会いに来るようになった。漫画では婚約者の割にすごく冷たい態度だったような覚えもあるが仲良くなっているのならこのフラグは折れているような気がするわ。うんうん、良かった。
それにしても、レオもアスフェリオスって名前には聞き覚えがないのか。お茶会前にドーラから情報聞き出しておこうかな…。
「ラグナ領なら途中まで付き合ってやってもいいぜ。俺はラグナ領のバスタ村の方行くからな」
なんでか物凄く上からな物言いで言うレオ。…ん?バスタ村…バスタ…。
「あー!!」
「な、なんだよ!?」
突然大声を出したわたしに、びっくりしたレオはお茶をこぼす。
いや、なんでこんな大事な名前を忘れていたんだ。
「バスタ村!そこだわ!そこですのよ、レオ様!あなたの運命の人が居る場所は!!」
「はあ?」
バスタ村。そこでわたしは生まれたんだ。そして、本当のお母さんとアリスがそこにいる!
ラグナ領もだから聞いたことがあったんだ。
…今度こそ、アリスに会えるかもしれない!
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