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24:森の中で大ピンチです!?②
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「危ないから、少し下がってろよ」
「は、はい……あ、いえ!シキは怪我をしていますし…!」
「いいから」
怪我をしている人に守ってもらうわけには行かないと思ったが、シキの凄んだ空気にびくついてしまって、大人しく引き下がる。
シキが腕に噛み付いた狼を振り払うと剣を引き抜く。
(さすが将来有望株と言われているだけあるな…)
空気が変わったのを感じる。
強い、と立っている姿だけでもわかるほどだ。狼もそれを感じ取っているのか、じりじりと後退している。
シキが思い切り剣を振ると、振った衝撃が木を切り裂いて跡を残す。深くまで切り込まれた木はミシミシ音を立てて後ろへと倒れていった。
倒れたときの大きな音に驚いたのか、シキに勝てないと悟ったのか、狼たちは反転すると勢いよく逃げ出していく。
…たった一振りしただけで、狼たちを追い払ってしまった。
(……こ、こんなに強かったの…!?)
漫画でも剣がすごく強いシーンはあったけど、風圧…っていうのかな、それだけで木を倒しちゃうほどなの!?
流石、漫画の世界……風圧だけで木を切り倒すなんてなんでもアリなんだなあ……なんてぼんやり思っていれば、目の前にシキが居て思わず後ずさる。
「怪我はないか?」
「はい、わたくしは大丈夫なんですが……」
シキの腕を見れば、痛々しく赤く染まっている。
わたしのせいで怪我をさせてしまったことが申し訳なくて、何故だか目に涙が浮かんでしまう。
「ごめんなさい……」
「戻るか。歩けるか?」
「は、はい…いたっ」
慣れない道を走ったからだろう。靴擦れをしてしまっている。白い靴下が赤く染まっていて、ドーラが見たらきっと真っ青になっちゃうだろうな…。
「来るのが遅くなっちまって、ごめんな、姫さん。怖かったろ?」
しゃがみこんでわたしの足元を見ては眉を下げるシキ。わたしが悪いのに謝ることなんてなくて、首を横に振れば膝の裏に腕を回されて抱き上げられる。
「ひゃあ!?」
「あー…ドレスに血がついちまった。まあいいか。そいつしっかり抱いててな」
結構ドレスは重いはずなのに簡単に抱き上げちゃうなんて…流石アリスの初恋の人だわ。男らしいというか。
思わず腕に抱いていたうさぎをぎゅっと抱きしめる。どんどん冷たくなってきている気がして、背中がぞくっと震えてしまう。
「大丈夫だ。このうさぎもきっとすぐに良くなるだろ」
にっと歯を見せて笑う姿に、アリスが初恋になったのもわかるなと思いながら…わたしたちは村へと戻っていった。
「は、はい……あ、いえ!シキは怪我をしていますし…!」
「いいから」
怪我をしている人に守ってもらうわけには行かないと思ったが、シキの凄んだ空気にびくついてしまって、大人しく引き下がる。
シキが腕に噛み付いた狼を振り払うと剣を引き抜く。
(さすが将来有望株と言われているだけあるな…)
空気が変わったのを感じる。
強い、と立っている姿だけでもわかるほどだ。狼もそれを感じ取っているのか、じりじりと後退している。
シキが思い切り剣を振ると、振った衝撃が木を切り裂いて跡を残す。深くまで切り込まれた木はミシミシ音を立てて後ろへと倒れていった。
倒れたときの大きな音に驚いたのか、シキに勝てないと悟ったのか、狼たちは反転すると勢いよく逃げ出していく。
…たった一振りしただけで、狼たちを追い払ってしまった。
(……こ、こんなに強かったの…!?)
漫画でも剣がすごく強いシーンはあったけど、風圧…っていうのかな、それだけで木を倒しちゃうほどなの!?
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「怪我はないか?」
「はい、わたくしは大丈夫なんですが……」
シキの腕を見れば、痛々しく赤く染まっている。
わたしのせいで怪我をさせてしまったことが申し訳なくて、何故だか目に涙が浮かんでしまう。
「ごめんなさい……」
「戻るか。歩けるか?」
「は、はい…いたっ」
慣れない道を走ったからだろう。靴擦れをしてしまっている。白い靴下が赤く染まっていて、ドーラが見たらきっと真っ青になっちゃうだろうな…。
「来るのが遅くなっちまって、ごめんな、姫さん。怖かったろ?」
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結構ドレスは重いはずなのに簡単に抱き上げちゃうなんて…流石アリスの初恋の人だわ。男らしいというか。
思わず腕に抱いていたうさぎをぎゅっと抱きしめる。どんどん冷たくなってきている気がして、背中がぞくっと震えてしまう。
「大丈夫だ。このうさぎもきっとすぐに良くなるだろ」
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