16 / 66
15
しおりを挟む
アクセサリーショップに行こうと声をかけて食堂を出た所で、雲行きが怪しいことに気が付いた。
雨が降りそうとかそういう天候的なことではなくて、気配というのか、嫌な予感と言うのか。
森で魔物が出たのだろう……でも今日は天気が良いし、今は昼間だから見張りをしている他の騎士達でも十分の対処ができる。
無理なら誰かが連絡してくるだろうし。
「どうされましたか?」
急に立ち止まって空を見上げたまま黙っている俺を不審に思ったのか、姫様が俺の横に立ち、同じように空を見上げながら尋ねてきた。
こうやって横に並んでみると、姫様は確かに小さく感じるし線が細いと思う。
あくまでも、男性にしてはの話しだけどね!
「なんでもないよ。姫様、兄さんが贈った指輪ってどんな感じだった?」
今日はとにかく指輪を買おう。
盗人が見つかって指輪が戻ってくればそれに越したことはないんだけど、もし戻って来なかった時のことを考えるとさ、やっぱ兄さんが帰ってきた時に指輪がないってのは良くないだろ?だから、物凄く良く似た指輪を買わなきゃならない。
「えっと……そうですね……えっと……」
ん?
姫様は考え込み、指輪を思い出している筈なのに自分の指やら手ではなく何度も地面を眺めている。
もしかすると1度も指にはめたことがなかったのかも?
たしかに、指につけていたのなら盗まれてなかったかも知れないのか。
いや、指につけたことがなくても、指輪の特徴くらいは言えそうなものじゃない?
何色の宝石がついていたーとか、大きさはこれ位だったーとか、宝石の数とかさ。
「姫様、もしかして指輪をちゃんと見てなかったとか?」
貰って嬉しいものなら、指につけなくてもジックリ見るくらいはするもんじゃない?
姫様は兄さんが心底好きだから、指輪をもらってうれしかった筈……なのにまるでしっかりと見たことがないみたいな反応は可笑しい。
もらってないってことはないよな?指輪は贈ったって父さんが言ってたし。
「……っ……」
は?
え?
なに?
「ちょっ……姫様!?」
息が詰まったような、そんな音がするから姫様の顔を覗き込んで少しばかり頭が鈍くなった。
なんで泣いてんの?
なんでそんな絶望的な表情してんの?
「……アイン様、少し席を外していただけますか?」
両手で顔を覆ってしまった姫様の肩を抱いたトリシュは、同じような泣きそうな表情で言ってくるから、俺はもうなにも言えなくなってしまい、1人でアクセサリーショップの中に入った。
店内から外を見れば、姫様達がなにか話しているのが見えるんだけど、声は全く聞こえてこない。
指輪の話しは地雷だったのだろうか……。
もしかすると、兄さんがとんでもない指輪を贈った可能性がある?
サイズが全く合わないとか……明らかに中古とか……指輪の内側に“ジュリアへ、カインより愛をこめて”みたいな感じでがっつりと名前を間違えたとか。
いや待て、大切な指輪を盗人に奪われたことを嘆いているって方が自然だな。
うん。兄さんのことが好きであればあるほどその事実は重くのしかかるだろう。
それなのに、似たような指輪を買うよーみたいな軽い感じでは……そりゃ泣かれるわ……。
よし、ならやることはひとつしかない。
犯人を見つけて、兄さんが贈った指輪を取り戻すことだ。
とはいっても、魔力だけで言えば相手の方がかなり強そうではあるんだよな……完全に目隠しに出来るだけの風魔法と、姫様とトリシュを拘束できる力。
あぁー……全然泣き止みそうにないぞ……どうやったら泣き止んでくれるだろう?
なにをすれば笑ってくれるだろう。
どうすればまた買い物に付き合ってもらえるんだろう?
折角アクセサリーショップ内にいるんだ、なにか……指輪以外でなにか贈ろう。
どうせだったら似合いそうなものが良いな!
この際だから女性らしいデザインは排除して、姫様の体形とか骨格とか、そんな姫様の特徴として似合うもの……。
店内をゆっくりと歩きながら、アイテムをひとつひとつじっくりと眺める。
ブレスレット、ネックレス、ティアラ……おっと、これは剣の刃の部分が宝石でできた完全インテリア品か。
姫様に贈るんなら剣よりもレイピアか弓……後衛が良いだろうから弓だな。
姫様の弓の腕前次第では、弓に魔法陣を仕込んでおいてスピードアップとかのバフも狙えそうではあるけど、単純に敵にあたった時に発動する小爆発の方が威力は出そうな……でも味方に当たった時が大惨事過ぎるんだよアレ。
って違うだろ俺!
女性に贈るアクセサリーを選んでて、何故に武器を贈る方向になるんだよ。
軽く首を振り、再び店内を歩いていると花をモチーフにしたなにかが目に入った。
なにに使うものかは分からないけど、この濃い紫色と黒の、一見すると暗い色合いの花は、姫様の青い髪に絶対によく合うはずだ。
「なっ、これはなんだ?何処につけるもの?」
「こちらはヘアアクセサリーになります。こうして、髪につけるものですよ」
これだ。
姫様に贈るヘアアクセサリーを購入し、プレゼント用にと箱に入れてもらった。
コッソリと窓から外を見れば姫様とトリシュはアクセサリーショップから少し離れたベンチに並んで座っている。
見る限り泣き止んでいるようだけど、沈んだ雰囲気のままだ。
トリシュから席を外して欲しいって頼まれてアクセサリーショップに入ったはいいけど、出ていくタイミングが分からないぞ……呼びに来るまで待ってればいいのか、それとも落ちついたー?とか軽い感じで話しかけながら近づけば良いのか。
泣いた理由って、聞いて良いのだろうか?
いや、それは俺が無神経に指輪のことを話題に出したからなんだろうけど……。
でも用意した方が良いんじゃないかって思ったからさ……だって、兄さんが戻った時に指輪がなくなってることを責められでもしたら可哀想だなーって思ったんだよ。
兄さんはそんなことで怒ったりはしないんだけど……何分侯爵家の後継者だからな……ちょっとしたことでも不敬だ!って過保護に五月蠅い人がいるんだ。
特に長年侯爵家に仕えている執事とか侍女長とか、そういう感じ。
その2人からは俺も嫌われてる位だからな、余程なんだ。
って、こういうことを先に伝えてから指輪を買おうって話を切り出せばよかったのか!
泣かせてしまったし、なんか一気に嫌われてるとかない……よな?
雨が降りそうとかそういう天候的なことではなくて、気配というのか、嫌な予感と言うのか。
森で魔物が出たのだろう……でも今日は天気が良いし、今は昼間だから見張りをしている他の騎士達でも十分の対処ができる。
無理なら誰かが連絡してくるだろうし。
「どうされましたか?」
急に立ち止まって空を見上げたまま黙っている俺を不審に思ったのか、姫様が俺の横に立ち、同じように空を見上げながら尋ねてきた。
こうやって横に並んでみると、姫様は確かに小さく感じるし線が細いと思う。
あくまでも、男性にしてはの話しだけどね!
「なんでもないよ。姫様、兄さんが贈った指輪ってどんな感じだった?」
今日はとにかく指輪を買おう。
盗人が見つかって指輪が戻ってくればそれに越したことはないんだけど、もし戻って来なかった時のことを考えるとさ、やっぱ兄さんが帰ってきた時に指輪がないってのは良くないだろ?だから、物凄く良く似た指輪を買わなきゃならない。
「えっと……そうですね……えっと……」
ん?
姫様は考え込み、指輪を思い出している筈なのに自分の指やら手ではなく何度も地面を眺めている。
もしかすると1度も指にはめたことがなかったのかも?
たしかに、指につけていたのなら盗まれてなかったかも知れないのか。
いや、指につけたことがなくても、指輪の特徴くらいは言えそうなものじゃない?
何色の宝石がついていたーとか、大きさはこれ位だったーとか、宝石の数とかさ。
「姫様、もしかして指輪をちゃんと見てなかったとか?」
貰って嬉しいものなら、指につけなくてもジックリ見るくらいはするもんじゃない?
姫様は兄さんが心底好きだから、指輪をもらってうれしかった筈……なのにまるでしっかりと見たことがないみたいな反応は可笑しい。
もらってないってことはないよな?指輪は贈ったって父さんが言ってたし。
「……っ……」
は?
え?
なに?
「ちょっ……姫様!?」
息が詰まったような、そんな音がするから姫様の顔を覗き込んで少しばかり頭が鈍くなった。
なんで泣いてんの?
なんでそんな絶望的な表情してんの?
「……アイン様、少し席を外していただけますか?」
両手で顔を覆ってしまった姫様の肩を抱いたトリシュは、同じような泣きそうな表情で言ってくるから、俺はもうなにも言えなくなってしまい、1人でアクセサリーショップの中に入った。
店内から外を見れば、姫様達がなにか話しているのが見えるんだけど、声は全く聞こえてこない。
指輪の話しは地雷だったのだろうか……。
もしかすると、兄さんがとんでもない指輪を贈った可能性がある?
サイズが全く合わないとか……明らかに中古とか……指輪の内側に“ジュリアへ、カインより愛をこめて”みたいな感じでがっつりと名前を間違えたとか。
いや待て、大切な指輪を盗人に奪われたことを嘆いているって方が自然だな。
うん。兄さんのことが好きであればあるほどその事実は重くのしかかるだろう。
それなのに、似たような指輪を買うよーみたいな軽い感じでは……そりゃ泣かれるわ……。
よし、ならやることはひとつしかない。
犯人を見つけて、兄さんが贈った指輪を取り戻すことだ。
とはいっても、魔力だけで言えば相手の方がかなり強そうではあるんだよな……完全に目隠しに出来るだけの風魔法と、姫様とトリシュを拘束できる力。
あぁー……全然泣き止みそうにないぞ……どうやったら泣き止んでくれるだろう?
なにをすれば笑ってくれるだろう。
どうすればまた買い物に付き合ってもらえるんだろう?
折角アクセサリーショップ内にいるんだ、なにか……指輪以外でなにか贈ろう。
どうせだったら似合いそうなものが良いな!
この際だから女性らしいデザインは排除して、姫様の体形とか骨格とか、そんな姫様の特徴として似合うもの……。
店内をゆっくりと歩きながら、アイテムをひとつひとつじっくりと眺める。
ブレスレット、ネックレス、ティアラ……おっと、これは剣の刃の部分が宝石でできた完全インテリア品か。
姫様に贈るんなら剣よりもレイピアか弓……後衛が良いだろうから弓だな。
姫様の弓の腕前次第では、弓に魔法陣を仕込んでおいてスピードアップとかのバフも狙えそうではあるけど、単純に敵にあたった時に発動する小爆発の方が威力は出そうな……でも味方に当たった時が大惨事過ぎるんだよアレ。
って違うだろ俺!
女性に贈るアクセサリーを選んでて、何故に武器を贈る方向になるんだよ。
軽く首を振り、再び店内を歩いていると花をモチーフにしたなにかが目に入った。
なにに使うものかは分からないけど、この濃い紫色と黒の、一見すると暗い色合いの花は、姫様の青い髪に絶対によく合うはずだ。
「なっ、これはなんだ?何処につけるもの?」
「こちらはヘアアクセサリーになります。こうして、髪につけるものですよ」
これだ。
姫様に贈るヘアアクセサリーを購入し、プレゼント用にと箱に入れてもらった。
コッソリと窓から外を見れば姫様とトリシュはアクセサリーショップから少し離れたベンチに並んで座っている。
見る限り泣き止んでいるようだけど、沈んだ雰囲気のままだ。
トリシュから席を外して欲しいって頼まれてアクセサリーショップに入ったはいいけど、出ていくタイミングが分からないぞ……呼びに来るまで待ってればいいのか、それとも落ちついたー?とか軽い感じで話しかけながら近づけば良いのか。
泣いた理由って、聞いて良いのだろうか?
いや、それは俺が無神経に指輪のことを話題に出したからなんだろうけど……。
でも用意した方が良いんじゃないかって思ったからさ……だって、兄さんが戻った時に指輪がなくなってることを責められでもしたら可哀想だなーって思ったんだよ。
兄さんはそんなことで怒ったりはしないんだけど……何分侯爵家の後継者だからな……ちょっとしたことでも不敬だ!って過保護に五月蠅い人がいるんだ。
特に長年侯爵家に仕えている執事とか侍女長とか、そういう感じ。
その2人からは俺も嫌われてる位だからな、余程なんだ。
って、こういうことを先に伝えてから指輪を買おうって話を切り出せばよかったのか!
泣かせてしまったし、なんか一気に嫌われてるとかない……よな?
7
あなたにおすすめの小説
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
できるかぎり毎日? お話の予告と皆の裏話? のあがるインスタとYouTube
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜
COCO
BL
「ミミルがいないの……?」
涙目でそうつぶやいた僕を見て、
騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。
前世は政治家の家に生まれたけど、
愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。
最後はストーカーの担任に殺された。
でも今世では……
「ルカは、僕らの宝物だよ」
目を覚ました僕は、
最強の父と美しい母に全力で愛されていた。
全員190cm超えの“男しかいない世界”で、
小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。
魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは──
「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」
これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結、恋愛ルート、トマといっしょに里帰り編、完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
魔王の息子を育てることになった俺の話
お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。
「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」
現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません?
魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL
BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。
BL大賞エントリー中です。
過労死転生した公務員、魔力がないだけで辺境に追放されたので、忠犬騎士と知識チートでざまぁしながら領地経営はじめます
水凪しおん
BL
過労死した元公務員の俺が転生したのは、魔法と剣が存在する異世界の、どうしようもない貧乏貴族の三男だった。
家族からは能無しと蔑まれ、与えられたのは「ゴミ捨て場」と揶揄される荒れ果てた辺境の領地。これは、事実上の追放だ。
絶望的な状況の中、俺に付き従ったのは、無口で無骨だが、その瞳に確かな忠誠を宿す一人の護衛騎士だけだった。
「大丈夫だ。俺がいる」
彼の言葉を胸に、俺は決意する。公務員として培った知識と経験、そして持ち前のしぶとさで、この最悪な領地を最高の楽園に変えてみせると。
これは、不遇な貴族と忠実な騎士が織りなす、絶望の淵から始まる領地改革ファンタジー。そして、固い絆で結ばれた二人が、やがて王国を揺るがす運命に立ち向かう物語。
無能と罵った家族に、見て見ぬふりをした者たちに、最高の「ざまぁ」をお見舞いしてやろうじゃないか!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる