7 / 14
純平「ヒロインだと思った?残念!かわいい純平でしたー!」
しおりを挟む
カリンside
(気持ち悪い…)
ジュンペイが去った後もあまりの気持ち悪さに3回も吐いてしまった。
あの顔を思い出すだけで鳥肌が立って吐き気を催す。
今ならジュンペイダイエットとか出来るのではないだろうか。
食卓にあの顔があれば食欲も0になるし…
(思い出したら吐きたくなってきた…)
トイレに行こう、そう思って部屋を出たカリンが見たのは
血まみれで床に倒れている両親と、それを見下ろし笑みを浮かべる男の姿だった。
「なんだ、まだ生き残りがいたのか」
逃げなきゃ!私は咄嗟にそう思ったが足が言うことを聞かない。
男が剣をこちらに見せるようにして近づいてくる。
「なかなか、上玉じゃねえか。楽しんでから殺すとするか」
その言葉の意味を理解したころには私の頭と体は離れていた。
「あーあ、順番が逆になっちまったなぁ。まぁいいか」
こうして私たち家族は殺された。
私が最後に見たのは私の体を汚そうとしてくる男の腕に書かれた【ZOT】の文字だった。
純平side
「結構眠ってたんだな…」
天井の隙間から見える太陽は真上に昇っていた。
スキル…か…。
あの神の言うことが正しければ、俺の言葉で何かが起こるはずだ。
そう考え純平は願いを叫ぶ。
「美少女が裸で空から落ちてくる!」
……………………あれぇ?丘people!?
上を見ながら間抜け面を晒していると不意に声をかけられた。
「貴様!ここで何をしている!?」
腰に剣を下げいかにも騎士って感じの男が近づいてくる。
「お前が犯人か!?」
誰だ?この人。話に全然ついていけないぞぉ。
「あなたこそ誰ですか?」
「正直に話す気はないようだな。奴を拘束しろ!」
ファッ!?
控えにいた部下らしき者たちが一斉に襲い掛かってくる。
俺は何も出来ないまま奴らに捕まった。
「お前は何者だ?」
さっきの騎士みたいな奴が俺に聞いてくる。
「俺は純平と言います」
「なぜここにいる?」
「森の中でカリンちゃんに助けてもらって泊めてもらいました」
騎士が横にいる部下に目をやる。
「嘘は憑いていませんね」
なんだこいつ。嘘がわかるのか?
俺が疑問に思っているとまた部下が口を開いた。
「体を調べましたが刺青は見つかりませんでした。ZOTの一味という可能性は低いでしょう」
「そうか」
「あの…なにかあったんでしょうか?」
俺は最大の疑問を聞いてみることにした。
騎士は迷った後口を開く。
「落ち着いて聞いてほしい。君を助けてくれた家族が昨晩、何者かに殺された」
え?殺された?なんで?誰に?
「見回りをしていた警備隊から連絡があって調べていたんだが、小屋の方は調べてなかったんだ。だからてっきり君が犯人かと」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
頭の中が纏まらない。なぜあの優しかった家族が殺されないといけないんだ。
なぜ俺は気づけなかった。なぜ、なぜ、なぜ…
「混乱しているところ申し訳ないが、君は犯人を見なかったのか?」
「見てない…です、すみません」
「そうか。時間がないから単刀直入に聞く。これから君はどうするつもりだ?」
「わかりません。というか時間がない、と言うのは?」
「目撃者も手がかりもない犯罪の処理にこれ以上時間はかけられないんだ。この辺はただでさえ犯罪が多い。もうすぐ我々はこの先にある街に戻るつもりだ」
絶句した。手がかりが無いから犯罪者を放っておくというのか!?
俺が文句を言おうとするが騎士に遮られた。
「君の言いたいこともよく分かる。だが何もできないんだ」
そして、と騎士は言葉を続ける。
「話を聞く限り君は森の中で迷子になっていたんだろう?さっきも言ったがこの辺は犯罪が多く危険だ。君さえよければ我々と一緒に街へ来ないか?少なくともここよりは安全だぞ」
迷わなかった。怖かったのだ。
また一人になることが。危険な目に遭うことが。俺は首を縦に振る。
騎士はそんな俺を満足げに見つめると服を渡してきた。
「そんな道化師みたいな服をずっと着ているつもりか?」
俺は皆に背を向け着替え始める。
いろいろな感情が心の中で渦巻いている。
俺の目からは汗が流れていた。
(気持ち悪い…)
ジュンペイが去った後もあまりの気持ち悪さに3回も吐いてしまった。
あの顔を思い出すだけで鳥肌が立って吐き気を催す。
今ならジュンペイダイエットとか出来るのではないだろうか。
食卓にあの顔があれば食欲も0になるし…
(思い出したら吐きたくなってきた…)
トイレに行こう、そう思って部屋を出たカリンが見たのは
血まみれで床に倒れている両親と、それを見下ろし笑みを浮かべる男の姿だった。
「なんだ、まだ生き残りがいたのか」
逃げなきゃ!私は咄嗟にそう思ったが足が言うことを聞かない。
男が剣をこちらに見せるようにして近づいてくる。
「なかなか、上玉じゃねえか。楽しんでから殺すとするか」
その言葉の意味を理解したころには私の頭と体は離れていた。
「あーあ、順番が逆になっちまったなぁ。まぁいいか」
こうして私たち家族は殺された。
私が最後に見たのは私の体を汚そうとしてくる男の腕に書かれた【ZOT】の文字だった。
純平side
「結構眠ってたんだな…」
天井の隙間から見える太陽は真上に昇っていた。
スキル…か…。
あの神の言うことが正しければ、俺の言葉で何かが起こるはずだ。
そう考え純平は願いを叫ぶ。
「美少女が裸で空から落ちてくる!」
……………………あれぇ?丘people!?
上を見ながら間抜け面を晒していると不意に声をかけられた。
「貴様!ここで何をしている!?」
腰に剣を下げいかにも騎士って感じの男が近づいてくる。
「お前が犯人か!?」
誰だ?この人。話に全然ついていけないぞぉ。
「あなたこそ誰ですか?」
「正直に話す気はないようだな。奴を拘束しろ!」
ファッ!?
控えにいた部下らしき者たちが一斉に襲い掛かってくる。
俺は何も出来ないまま奴らに捕まった。
「お前は何者だ?」
さっきの騎士みたいな奴が俺に聞いてくる。
「俺は純平と言います」
「なぜここにいる?」
「森の中でカリンちゃんに助けてもらって泊めてもらいました」
騎士が横にいる部下に目をやる。
「嘘は憑いていませんね」
なんだこいつ。嘘がわかるのか?
俺が疑問に思っているとまた部下が口を開いた。
「体を調べましたが刺青は見つかりませんでした。ZOTの一味という可能性は低いでしょう」
「そうか」
「あの…なにかあったんでしょうか?」
俺は最大の疑問を聞いてみることにした。
騎士は迷った後口を開く。
「落ち着いて聞いてほしい。君を助けてくれた家族が昨晩、何者かに殺された」
え?殺された?なんで?誰に?
「見回りをしていた警備隊から連絡があって調べていたんだが、小屋の方は調べてなかったんだ。だからてっきり君が犯人かと」
「ちょ、ちょっと待ってください!」
頭の中が纏まらない。なぜあの優しかった家族が殺されないといけないんだ。
なぜ俺は気づけなかった。なぜ、なぜ、なぜ…
「混乱しているところ申し訳ないが、君は犯人を見なかったのか?」
「見てない…です、すみません」
「そうか。時間がないから単刀直入に聞く。これから君はどうするつもりだ?」
「わかりません。というか時間がない、と言うのは?」
「目撃者も手がかりもない犯罪の処理にこれ以上時間はかけられないんだ。この辺はただでさえ犯罪が多い。もうすぐ我々はこの先にある街に戻るつもりだ」
絶句した。手がかりが無いから犯罪者を放っておくというのか!?
俺が文句を言おうとするが騎士に遮られた。
「君の言いたいこともよく分かる。だが何もできないんだ」
そして、と騎士は言葉を続ける。
「話を聞く限り君は森の中で迷子になっていたんだろう?さっきも言ったがこの辺は犯罪が多く危険だ。君さえよければ我々と一緒に街へ来ないか?少なくともここよりは安全だぞ」
迷わなかった。怖かったのだ。
また一人になることが。危険な目に遭うことが。俺は首を縦に振る。
騎士はそんな俺を満足げに見つめると服を渡してきた。
「そんな道化師みたいな服をずっと着ているつもりか?」
俺は皆に背を向け着替え始める。
いろいろな感情が心の中で渦巻いている。
俺の目からは汗が流れていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる