大物mogurar純平の異世界物語

漆黒の電気鼠

文字の大きさ
13 / 14

突入

しおりを挟む
「よし、着いたぞ」
団長であるクロキーシの声で皆止まる。
少し離れた場所に洞窟が見える。
おそらくあれがアジトだろう。
「まず最初に先遣隊が入る。中の配置がある程度わかったらジュンペイを残して全員で突撃だ。ジュンペイは安全な場所で待機。わかったか?」
皆無言で頷く。
俺も雰囲気を出すために真似しておいた。
クロキーシが手で合図を送る。
それを見た先遣隊の5人はアジトらしき洞窟へと入って行った。


「少し遅いですね、もう30分ほどたちましたが戻ってきませんね」
クロキーシに団員が話しかける。
「そうだな、遅い。恐らく戦闘になったか全滅したかだ。」
そこで彼がこちらを向いた。
まるでここはこういう場所だと俺に教えるかのように。
「副団長、クロキーシを頼む。今から突撃するが1時間経っても俺らが戻らなかったら街に帰還し、失敗したと上に伝えろ」
「わかりました」
「というわけだ、わかったな?」
クロキーシが俺を威圧しながら聞いてくる。
「俺も戦う!」
「悪いが足手纏いだ」
俺の言葉を跳ね除け立ち上がり洞窟へと向かうクロキーシ。
俺はどうにか無事でいてくれと願うことしかできなかった。

1時間後

クロキーシはまだ戻らない。
「団長の命令通り帰還する」
未だ洞窟を見続ける俺に副団長が俺に語りかける。
「これ以上は待てないんだ。盗賊がいつ外に出てくるかもわからない。残念だがここは逃げることしか出来ない」
逃げる
その言葉を聞いた瞬間俺は洞窟に走り出していた。
逃げない。俺は逃げないぞ。
俺は戦う。守りたいものがあるんだ!
洞窟に入ると盗賊の見張りらしき2つの死体が見えた。
奥へと入って行くうちに死体の数も増えていく。
しかしおかしい。
盗賊に比べて騎士団の死体が異様に少ない。
どんどん奥へと進んでいくとクロキーシの背中が見えた。
良かった!
泣きそうになりながら更に近づいていった。
そしてそこで見た光景に思わず絶句した。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

処理中です...