カースブレイカーズ 〜美夜ちゃんは呪われた幻夢世界をひっくり返す!〜

ユキマサ

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第十一夜  目指せ!モコモンマスター?

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 地獄絵図と化した平原から脱出して、私達は河と森のあるエリアへと移動した。
 オショウが言うには、熔岩があふれた平原もしばらくすれば元に戻るそうだ。
 流石、夢とゲームが一体化した世界。ご都合主義がハンパない。

「ハーッハッハ、では、地形操作も覚えたところで次の目標だが……」

「はい!フワフワモコモコのモンスターをいっぱい仲間にして、モコモンマスターを目指すことです!」

 オショウの問い掛けに私は元気よく手を挙げて答えた。
 フッフッフ……そうよ、私には半吸血鬼の〈魔性の魅力〉と花人族の〈魅惑の香り〉が合体したチートアビリティ〈魔性の魅了〉があるのだよ。
 通常、モンスターが仲間になるのは、自分の種族に近いものしかなれないらしい。
 鬼人ならゴブリンや角の生えたモンスターなどで、鳥人族なら鳥系モンスター、半獣人なら獣系モンスターと一匹ずつしか仲間にできない。
 しかーし、半吸血鬼は太陽の下では燃えないゴミ扱いになるし、逆に花人は暗闇では能力が少し低下したり金属装備が出来ないなどの弱点が多い。それを補うために種族を問わずに多くの眷族をメインアタッカーとして従えることが出来るのだ。
 クックック……ウワーッハッハッハ勝ったな。(何にだ?)ゲットしてやるぞ可愛いモンスター達よ。モコモンハーレムクイーンに私はなる!

「……おーい、そろそろこっちの世界に戻ってくれんか?」

 異様なテンションになって不気味にニヤニヤ笑う私を見ながら、オショウが困ったように声をかける。
 いけないいけない。乙女がして良い表情じゃなかったわ。

「……で、次の目標だがレベル6になることだ」

 とりあえず見なかったことにしてくれたらしい。でも現在レベル4だから後2つレベル上げをするということだが……

「レベル6になると、何があるの?」

「うむ、レベル6になると冒険者ギルドに入ることが出来るようになるぞ」

 尋ねる私にオショウが答える。

「冒険者ギルドって入った方がいいの?」

 今や異世界ファンタジーではお馴染みのものだが、出来れば私は何にも縛られることなくこの世界を冒険したいのだ。

「この世界を旅するなら入っておくべきだな。〈危険区域立入許可証
〉が貰えるし、冒険に必要なアビリティやスキルも身に付けられる。主な活動は偵察に探索、ダンジョンの攻略などの冒険そのものだぞ。ハッハッハ」

────────────────
職業ギルド

 ギルドに入ることで、その職業に必要な資格とアビリティが貰えます。
 ギルドは3つまで掛け持ち可能です。
 一定の条件を満たせば、称号とスキルは残りますが、不正や失敗などでギルドを追放されるとそれらは失ってしまいます。
 例として、
〈冒険者ギルド〉
 危険区域の偵察、モンスター討伐、ダンジョン探索など幅広い仕事があります。
 入会条件、レベル6以上。
 入会時、〈危険区域立入許可証〉と〈冒険者〉の称号が獲得出来ます。
 ギルド活動をして〈冒険者〉のランクを上げると、〈探査〉、〈地図作成〉、〈隠身〉などのスキルを獲得出来ます。
 この他にも、盗賊や犯罪者等の人間相手に有効なスキルを持つ〈警士団〉。
 様々な魔物を乗りこなす〈騎乗〉スキルを持つ〈騎士団〉。
 商人達の組合、〈商業協会〉。
 などといった様々な分野のギルドが有ります。貴方のスタイルにあったギルドに入って見て下さい。
 〈盗賊ギルド〉や〈暗殺者ギルド〉といった非合法な闇ギルドも存在します。くれぐれも御注意を……
────────────────

 ふむ、魔法も使えるようになったし、次の目標も見えた。地形操作や植物操作のスキルの練習をしながらモンスターを仲間にし、レベル6になったら冒険者ギルドに入るのが次の課題だ。

 「よーし、サクサク進めて次の冒険に行くわよ」

 私は張り切ってレベル上げに取り組むのだった。



 それから、いろいろなモンスターと戦った。
 宙高く飛び上がり、身体を丸めて体当たりしてくる、一本角を持った兎、ジャンピングラビット。
 お腹にある袋から、固くて重い木の実をぺいっと投げつけてくる姿が可愛い狸、ポケットラクーン。
 幻惑効果のある白い霧と共に現れ、三体に分身したように相手を惑わし体当たりや後ろ足蹴りをかましてくる白馬、ミラージュホース。
 身体の各所から伸びたブレードで敵を切り刻む、青と白の毛並みが美しい狼、ブレードウルフ。
 他にもゴブリンやフォレストウルフなどとも戦って、スキルのレベルも上がっていった。
 なのに、それなのに…………

「どーして、一匹も仲間にならないのよー!」

 全然サクサク進んでいなかったのだった。

「ハッハッハ、流石におかしいのう。……いやそう睨むな、馬鹿にしとるわけではないぞ。
 ……っと、上空からジャンピングラビットが来るぞ!」

「木の刃スラッシュ!」

 私が放った葉っぱは刃となり、上空の丸い物体に突き刺さる!

「そこの草影からポケットラクーンだ」

「リーフシールド!」

 私の左腕に巻き付いた蔓草の葉が大きく広がり、盾となってポケットラクーンがぺいっした木の実を勢い良く跳ね返した。

「後ろからミラージュホースが突っ込んで来るぞ!」

「ぬりかべ召喚!」

 ズモモモッ!と盛り上がった土壁に、三体に分裂したかのように見える白馬が頭から突っ込んでダウンする!

「最後にブレードウルフだ!」

「草薙ブレード!」

 今度は右腕の蔓草の葉を鋭く伸ばし、狼とすれ違い様に切りつける!

 一拍の間の静寂の後、四体のモンスターは塵となって同時に消え去ったのだった。

 〈モンスターの群れを倒しました〉

 システムメッセージが流れ、経験値やドロップアイテムで何を得たかを表示していくが、やはり今回もモンスターは仲間にならない。それにもっと深刻な問題が1つ。

「いつになったらレベルアップするのよー!」

 そう、あれから2時間以上ガッツリ闘っているのに一向にレベルアップしないのだ。
これがレベル50や60などの高レベルなら時間がかかるだろうが、一桁台のレベルを上げるのに二時間以上かかるのはどう考えてもおかしいだろう。

「全部一撃で倒したか。ずいぶんスキルも増えたじゃないか。ハッハッハ」

 言われて、ステータスプレートのスキル一覧を表示してみる。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
称号・アビリティ/スキル

〈アビリティポイント3〉

[半吸血鬼2]/
 〈吸血〉
 〈夜目〉

[体術使い3 ]/
 〈素手攻撃力アップ〉
 〈投げ技ダメージアップ〉
 〈一本背負い〉
 
[棒術使い3 ]/
 〈棒攻撃力アップ〉 
 〈双龍打ち〉 
 〈回し〉

[植物操作6 ]/
 〈グリンウイップ〉
 〈木の刃スラッシュ〉
 〈草薙ブレード〉
 〈リーフシールド〉
 〈絆草膏〉

[地形操作3 ]/
 〈大地の牙〉
 〈足落とし〉
 〈ぬりかべ召喚〉
       

[コンボ技]/ 
 〈グリンウイップ〉+〈吸血〉+〈足落とし〉+〈一本背負い〉+〈大地の牙〉=〈双連牙〉

(コンボが1つ繋がる毎に0.2 倍のダメージが追加されていきます)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 あれ?なるべく平均してスキルを使っていったつもりなのに、やけに植物操作系のスキルが上がっているね。しかも新しいスキルを手に入れたみたい。
 
 [スキル〈ソーンウイップ〉を手に入れました]

 ふむ、直訳するとイバラの鞭ってやつだね。グリンウイップの強化バージョンかな?でも、いまいちイメージしにくい。ここはいつものように名称変更と。

「〈ソーンウイップ〉を〈ローズウイップ〉に変更」

 と、目の前のスキル一覧に向かって申請する。すると、即座にスキル一覧に〈ローズウイップ〉が新たに加わったのだった。
 スキルの名称だが、ご存知の様にこちらで自由に変更することが出来る。ほとんどのプレイヤーが自分がイメージしやすい様に変更してるので、私もそうした。

〈蔓草の鞭〉→〈グリンウイップ〉
〈リーフカッター〉→〈木の刃スラッシュ〉
〈リーフソード〉→〈草薙ブレード〉
〈リーフヒール〉→〈絆草膏〉
〈グランヒット〉→〈大地の牙〉
〈アースホール〉→〈足落とし〉
〈アースウォール〉→〈ぬりかべ召喚〉

 ネーミングセンスが悪いって?
 いいの、ほっといて!

「まあ、落ち着いて少し休憩せんか?傷の手当てもしておけよ。ハッハッハ」

「そうね、一休みしましょう。〈絆草膏〉」

 スキルを唱えて、私の体から伸びた蔓草の葉を一枚ちぎり、先ほどブレードウルフに切られた傷口に張り付ける。これで少しずつHPが回復してしばらくすれば満タンに……。
 て、あれ?HPの最大値がやけに低いような?
 あ!今、最大HPが1下がった?

「アーッ?いつの間にか呪われてる!〈空腹の呪い〉?『評価6以上の料理を食べなければ、最大HPが減り続け死に至る呪い』って何でも呪いにするんじゃないわよ!」

 仲間はできないし、レベルは上がらないし、さっきから呪いはかかりまくるし私本当に呪われてるんじゃないだろうか?

「オショウ、祝福ポイントをお願い。さっき使いきっちゃった」

「そんなもの有るわけなかろう。善行も積んどらんのに祝福など無いわ」

 あきれたようにため息をつくオショウ。

「あれ?モンスターを倒すのって善行にならないの?」

「ならん、周りのものを助け感謝されて善行となる。己を強くするための狩猟行為が善行になるわけがなかろう」

 オショウに説教されてしまった。

「モンスターが害をなし、力無き者がギルドに依頼をし、冒険者がそれを退治して報酬と感謝をもらい祝福になる。そうやってこの世界は廻っているのだ」

 そういえば、そんな設定だったなー

「というわけで、拙僧はあまり料理は得意ではないので、嬢ちゃんがこの釣れた魚を調理して評価6の美味い料理作り、それを拙僧にも施してもらえば呪いも解けた上に、祝福ポイントも貯まって皆が幸福になるのではないかな?」

 ニカッと笑いながら、たった今川で釣り上げた魚を私に押し付けるのだった。
 ちなみに私が一生懸命モンスターと戦っている間、この坊さんは少し離れた川のほとりで呑気に釣りしてました。というのも、この異様な出で立ちをした坊さんにはモンスターが寄ってこないのだ。そんな訳で、私は一人離れて闘い、時々安全地帯のオショウの側で休憩するということになったのだった。

「ハイハイ、分かりました。……夢の中でも料理なんてしたくないけど仕方ないわね」

 さて、材料はオショウが釣った魚。これは鮭ね、脂がのってるわ。そして街を出る前に市場で買ったパン、玉ねぎ、人参、ジャガイモ、レタスにニンニクといったところか。それに各種調味料とフライパンと小鍋や包丁といった基本調理器具があります。ゲーム世界便利だね。こんなかさばるものがステータスプレートのアイテムボックスに簡単に収納できちゃうんだから。
 えーと、この材料で作れるものだと……よし決めた!
 まずは野菜をカット。人参は乱切り、ジャガイモも同じ大きさにカット。水を張った小鍋に入れて火入れ。そして、玉ねぎを4分の1程薄くスライス、残りは串切りに。最後に臭みのあるニンニクを細かくカット。
 次に鮭を鱗、頭、内蔵を落として三枚におろし、小骨を抜き取り(これが面倒なのよ)切り身と骨や頭などのアラに分ける。アラをザルに移してそこに根野菜を下茹でした捨て湯をかけて生臭さと血合いをとる。よしっ、下拵え終わりっ。
 再度小鍋に湯を沸かし、アラを入れて出汁をとる。出汁をとってる間にフライパンを熱して油を引き温める。刻みニンニクを入れ香りが油に移ったところで油を少し別容器に取っておく。フライパンに塩、胡椒、小麦粉で打ち粉した鮭の切り身を入れて焼き上げる。
 パンに切れ目を入れて、レタス、オニスラを挟み、そこに薄めに切っていた鮭の切り身をフライパンから移す。サーモンサンドの出来上がり。そして残りの切り身をニンニク油ごとアラを外した出汁に投入。串切りにした玉ねぎと下茹でした根野菜をぶちこむ。
 さあ、味付けだ。先ほど取っておいて冷ましたニンニク油と小鍋にそれぞれ塩、胡椒、砂糖を入れ味を調整。ニンニク油には酢と柑橘系の果汁を入れドレッシングの完成。サーモンサンドに振りかける。鍋の方も本当は味噌や醤油を加えたいけど、この辺じゃ売っていないそうなので諦めてスープにする。
 サーモンサンドとサーモンと野菜のスープの出来上がり!

「おおー!こりゃ旨そうじゃのう。しかも作るのに全く無駄がない。大したものだ」

「毎日作ってたらこのくらいできるわよ」
 
 手早く調理器具を片付けながら、私は答える。

「さあ、召し上がれ」

「いただきます」

 手を合わせて食材に感謝する。さっきまで元気に川を泳いでいたのだ。この心は忘れちゃいけない。

「こりゃ美味い!大したもんだ」

「うん、ありあわせの材料で適当に作ったにしては良くできてるわね」

 これは鮭が良かったのだろう。スープの出汁が良く出ている。

 [サーモンサンドが評価6を獲得しました]
 [サーモンと野菜のスープが評価7を獲得しました]
 [空腹の呪いを克服しました]
 [最大HPが増加しました]

 良しっ、空腹の呪いを克服して最大HPが上がった。でもまだメッセージは続く。

 [評価7以上の料理の作成に成功しました。プレイヤーの意識と同調します]
 [称号〈料理上手〉を獲得しました]

 なんと称号まで取っちゃったよ。でも料理はあまりしたくないんだけど……
 そんな私の思いを無視してメッセージは続く。

 [〈料理上手〉のアビリティ〈加熱促進〉を獲得しました]
 [称号〈料理上手〉がプレイヤーの経験と同調しています]

 あれ?ちょっと。

 [称号〈料理上手〉が〈料理人〉に変化しました]
 [称号〈料理人〉のアビリティ〈調理許可証〉〈毒性除去〉〈栄養促進〉〈食材の知識〉を獲得しました]
 [称号〈料理人〉が〈熟練の料理人〉に進化しました]
 [〈熟練の料理人〉のアビリティ〈精神負荷耐性〉〈素材の声〉を獲得しました]

 うあ……。何このアビリティとスキルの確変状態。
 恐らく現実世界の私の経験を読み取っちゃったんだろう。このゲームが学生よりも社会人に大ヒットしてる理由がこれなんだよね。苦労してる労働者こそ夢の中位楽しまなくちゃいけないんだよ。
 さて、スキルを確認、確認と。
 〈加熱促進〉は料理中に食材に火が通る時間が短縮されるアビリティ。
 〈調理許可証〉は飲食店で料理を作って金銭を得られる許可証。これって〈調理師ギルド〉に入らないともらえないじゃ……
 〈毒性除去〉は文字通り食材から毒を取り除くアビリティ。食中毒防止に便利だね。現実に欲しいよ。
 〈栄養促進〉は料理の効果(ステータスアップ、耐性アップ)が付くアビリティ。
 〈食材の知識〉はフィールドで食べられる獣や植物を見分けるアビリティ。
 〈精神負荷耐性〉は混乱や狂乱などの精神異常系の耐性が大きく上がるアビリティ……ってソウダヨネー、箱一杯の鯵を下ろしたり、卵焼き60本巻いたり、店に泊まり込みで朝早くから弁当300個作ってその後通常のランチや夜の宴会の準備するのにいちいちパニックやヒステリー起こしたってショウガナイカラネー。大量のオーダーが一気に来たって無の境地でコナセルヨー。私〈熟練の料理人〉だもん。あれ?何だか視界が滲んでるよ。ゲームの不具合カナー?

「大丈夫か!嬢ちゃん?涙目になってるぞ」

「ダイジョウブ、大丈夫。あれ?またメッセージが……」

 [アビリティ〈幸腹〉が贈られました。]
 [評価の高い料理を食べさせることで〈運〉がアップします。頑張ってください]

 ……何だかシステムメッセージが優しくなったよ?私、ゲームに同情されたのかな?

「ま、まあそう落ち込むな。美味い料理を食べさせてもらった礼に、特別に嬢ちゃんのアビリティを調べてやるから」

 ゲームにまで同情されて落ち込む私に、オショウは励ましの声をかけるのだった。アビリティを調べるってモンスターをゲットできないことやレベルが一向に上がらない事だろうか?でも、自分でステータスプレートを調べても原因が分からなかったのだが。

「こう見えても龍脈魔法の使い手でな。力の流れを観ることや解析は得意なのだ」

 なんと龍脈魔法にそんな能力が!

「お、お願いします」

 思わず地面に正座して頼み込む私。そんな私を指で輪を作ってそこから覗きこむオショウ。何だか段々表情が険しくなっていくけど大丈夫かな?って 暫くしてオショウは深いため息をつきながら指眼鏡を解くとこう聞いた。

「結構残念な知らせと、かなりひどい結果、どちらから聞きたい?」
「どっちも救いがないの!?」

 オイ、コラこっちを見なさい。なに目をそらしてるのよ。結構残念な知らせからお聞きしようじゃないの。

「んーでは〈魔性の魅了〉の方だが、これはレベルが5以上高いモンスターでないと効果が発揮しないようだ」

「は?」

「この辺りのモンスターはレベルが3から6 だから対象外になる。かといってレベル9以上のモンスターがウロウロしているエリアに連れていっても、複数のモンスターに囲まれ逃げることもできずにやられるのがオチだろうなあ」

「えーと、誰か強い人に連れてってもらうことは?」

 例えば、この辺りのモンスターが恐れて近づかないような筋肉質なお坊さんとか。

「残念なお知らせと言ったろう。今の状態では嬢ちゃん一人で闘わなければ〈魔性の魅了〉は発動せん。拙僧が一緒に戦っても意味がないのだ。仲間にしたモンスターと一緒に戦うのは大丈夫な様だがな」

 その仲間がいないから困ってるんだけど。

「それから、〈魔性の魅了〉は〈魅惑の香り〉の効果がおかしな具合に強化されておっての、もし嬢ちゃんが自分より高いレベルのエリアに行くと、香りに引き寄せられて四方八方から高レベルのモンスターが押し寄せてくる。決して危険なエリアには行かないように」

 もしかして、私詰んでない?

 じゃあ、「かなりひどい結果」行ってみようか。

「レベルが上がらん原因だが、嬢ちゃんの体内に寄生してる例の種子が経験値をほとんど吸収しておった」

「ホントにひどい結果だったよっ!」

 思わず地面に両手をついてONZのポーズで叫ぶ私。

「その為〈植物操作〉のスキルがどんどん上がって行っておるがな。まあ、夜になれば種子も眠りにつくみたいだから、その隙にレベル上げすることだな。あと、種子が眠ってる間は〈植物操作〉の効果は半分になるから気を付けろ」

 縛りプレイにも程があるっ!あの種子が身体に入り込んで勝手に自滅して、花人族の能力手に入れてボタ餅ラッキーと思ってた頃の自分を殴ってやりたい。これじゃまるで呪いじゃない。……ん、呪い?

「オショウ、この種子の呪いってどうにか解呪できないの?」

 こうなったら普通の半吸血鬼としてプレイするしかない。私はやり込み攻略や、俺tueeがしたい訳ではないのだ。こちとら就寝前に適度にゲームしてストレス解消してグッスリ眠りたい一日14 時間労働している普通の女性調理師なのだから。夢の中でも拘束されるなんて冗談じゃない。

「それは無理だな。拙僧でもこの種子が何なのか解析出来んが呪われてはおらん。寄生されたのはこの種子が持つ能力だ、解呪は出来ん。まあ、運命だと思って諦めろ。ウワッハッハッハ」

「このゲーム作った奴出てこいっ!おもいっきり投げ飛ばしちゃるっ!」

 一縷の望みをあっさり笑い飛ばされ、私の叫びは森の中に響き渡るのだった。

 






 
    
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