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第十八夜 スフォンの村へ突っ走れ!
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「イヤー、早い早い。ねえ、ルカ、気持ちいいわね」
「ウル」
すっかり私の肩の上がお気に召したサウンドドラゴンの幼竜ルカが気持ち良さそうに答える。私も、この子が落ちない様に首に巻き付けている尻尾の感触が気持ち良くて、もう最高の気分だ。
「ねえ、ナナンダさん。スフォンの村まであとどの位かかるの?」
「あと少しで着くんだな。しかし、本当に1時間かからずに着くとは思わなかったんだな」
「ナナンダさんの能力……ごめんなさい呪いの力のおかげよね。なんか複雑……」
「気にすることないんだな。小さい頃は苦労したけど、今じゃ使いこなしてかなり便利なんだな」
この小柄で筋肉質なのに丸っこい人はドワーフ族のナナンダさん。おっとりした人でこのパーティーのまとめ役である。
この世界は様々な呪いが溢れており、生まれつき呪い持ちとして生まれてくる者がいる。その呪いは魂そのものに深くかかっているため、祝福でも浄化出来ず一生付き合っていかなければならないそうだ。
最初のチュートリアルで出てきた半獣人や鬼人などは種族ごと呪いにかかっているが、この世界で基本種族扱いになっている人族、エルフ族、ドワーフ族には稀にその人固有の呪いがかかって生まれてくる人がいるそうだ。
そんな人達は普通の職業に就くのが難しく、冒険者になるか、闇ギルドに入って生計を立てるしかないらしい。なんとも世知辛い世界である。
閑話休題。
そんなナナンダさんの持って生まれた呪いは〈影引き〉。彼の影の上に乗った物は重さが無くなり、影の動きに合わせて引っ張られてしまう。テーブルクロスを引っ張って、その上の食器が動くのを想像して貰えれば分かりやすいだろうか?ただし、背の高いグラスや花瓶などはひっくり返って割れてしまうが。
そんな彼が、人や物で溢れた街中で生活出来るはずもなく、道を歩けば人はひっくり返り、商品は棚から落っこちるなど迷惑をかけまくったそうだ。さらに厄介なことに、ナナンダさんの呪いは幼少期に突然表れ、しばらくの間自分が原因で周囲に被害が巻き起こっているとは気付かなかったそうな。
しかし、〈影引き〉の呪いを自覚した後、元々高かった地属性を伸ばして派生属性の闇属性を獲得。闇属性の〈暗影操作〉を使い自分の影を大きくしたり小さくしたりして、呪いを固有の能力として役立てているのだ。
そう、現在私達を運ぶ馬車の荷台の代わりとして運んでいるように。
この影の荷台はかなり乗り心地が良く、デコボコの舗装されて無い道でも揺れることなく進み、まるで魔法の絨毯に乗っているかの様に進んで行く。重さも無いので、私とルカ、ナナンダさんと、寡黙な〈狩人〉のニック、やる気無いダルそうな顔で煙管をふかしているエルフ族の〈陰陽師〉のネルフ、地面に下半身が埋まっているので影に捕まって引っ張ってもらってるオショウを入れても、馬は疲れることなく走っているのだ。
その馬の上には〈修行僧〉のレンバがまたがっている。
修行僧といえば頭を丸めているイメージがあるが、彼は長髪である。それはもうあきれるほど長く、後ろで束ねた三つ編みは馬の手綱となり、馬の口から胴体、果ては後ろの荷台のナナンダさんにまで届いているのだ。
彼の固有呪いは〈荒髪〉。近寄る者を自動的に攻撃する荒ぶる頭髪の呪いにかかっている。
そんな彼は星影寺での激しい修行の末、呪いを克服。三つ編みにして一つに束ねることで自在に操れる様になったんだとか。
ちなみに、彼の髪があんなに長いのは、髪の毛があまりに強靱過ぎて普通の刃物では切れないからなんだと。まあ、髪の毛を切ろうとして近付いたら攻撃される訳だし、ホント床屋さん泣かせな呪いである。
以上五人が冒険者ランクCクラスの「影馬車隊」の面々である。
…………え?四人しかいない?ゴランはどうしたかって?
やだなぁ、ちゃんとさっきから紹介してますよ。
では改めて紹介します。今、一生懸命私達を引っ張って走っている馬、正確には一角馬(ユニコーン)の正体こそがリーダーのゴランです。
「……ねえ、一体これ何やってんの?」
ルカを仲間にした後はモンスターも現れず、魔の森を抜けた私達一行。
目指すフォスの村までは平原を突っ切るのみというところで、〈影馬車隊〉の面々は奇怪な行動を開始した。
まず、ナナンダさんの影が大きく広がり長方形の形になる。その影の上にルカを抱えた私、ニックとネルフ、そしてナナンダさんが座る。オショウは影に乗れないので影のすぐ後ろで待機。
奇怪なのはここからだ。
服を脱ぎ、フンドシ一丁になったゴランがガッシリした体格のレンバを背負い、レンバの長い三つ編みを体に巻き付けたのだ。
背負った男の三つ編みを巻き付けるフンドシ一丁のオッサン……まぎれもなく変態である。
「まあ、面白いから見てるんだな」
三つ編みの先端を受け取りながらナナンダさんが言うが、面白いというより異様である。関わり合いになりたくないレベルで。
「それじゃあ、出発なんだな」
「うぉりゃあああっ!」
ナナンダさんの合図でゴランが気合いを入れて駆けだした。
走る走る。私達四人は〈影引き〉の上に乗っているので重くはないだろうが、それに捕まってるだけのオショウについては分からないし、何よりレンバを抱えているのだ。すぐに息が切れフラフラになる。
と、そこでゴランの身体がドンドン変化する。背が伸び、脚が太く大きくなり、額から角が生え、あっという間に一角馬になって、物凄いスピードで走り出したのだ。
「今回はなかなか当たりなんだな。お嬢ちゃんの運が良いんだな」
ポカーンと目を丸くしてる私にナナンダさんが説明してくれる。
「ゴランにかかっている固有呪いは〈馬為り〉。走り疲れると様々な馬のモンスターに変身するんだな。半獣人や半竜人もレベルが上がれば変身出来るけど、ゴランみたいに天馬(ペガサス)や一角馬(ユニコーン)、八本脚馬(スレイプニル)に人馬族(ケンタウロス)にまで変われる奴は他にいないんだな」
「凄いじゃない!ただの軟派なチンピラじゃなかったのね。でも、これだけ便利なら立派な能力じゃないの?」
「残念ながら、ゴランの知能は変身したモンスターに左右されるんだな。一角馬や人馬族なら知能が高く意思の疎通も出来るけど、八本脚馬だと本能に負けて何処までも暴走。以前、国二つを無断で突っ切った時は、帰ってくるのに凄い苦労したんだな」
うわぁ。
「それからレンバが仲間になって、今の体制になったんだな。おかげでどんなモンスターに変化して暴走しても〈荒髪〉で取り押さえ即座に締め落とし、変身が解けたら活を入れて再び走らせるというステキなコンビネーションが誕生したんだな。この前、馬頭鬼(メズ)に変わって暴れ出した時もそれですぐ対処出来たんだな」
……なんとも憐れな呪いである。
「前回の調査でオーガの砦を発見したときもゴランのおかげで逃げられたし、まあ、森の中では危なくて変身できずにショウ・ブハンに引っ張ってもらったけど、今はこうやって皆を引っ張っている頼れるリーダーなんだな」
引っ張るの使い方がなんか違う気がする……
「何より、今回一角馬の変身を解く前に角を折って保存すれば、かなりの大金になるんだな。ホントに頼れるリーダーなんだな」
フッフッフと悪い顔で笑うナナンダさん。
流石に可哀想になってそっと合掌する。
まあ、他人様のパーティー内のこと。もちろん助けないけどね。
「見えてきたぞ!フォスの村だ!」
はい、回想終了。
狩人のニックの声に緊張が走る。
「やはり報告通りにモンスターの群れに襲われてるぞ。数は約五十。クソッ有り得ねえ!ブラックゴブリンとダークウルフが合わせて三十。他にも色々なモンスターが村を襲ってやがる。何が起きてるんだ?」
流石、狩人!まだ遠くてハッキリ見えないのにそこまで分かるんだ。
「村人の数は約八十人。だが全員ぶっ倒れて村の真ん中に集められているぞ!リッカのチーム四人が村を守っている」
「戦力差があり過ぎるんだな。一旦隠れて様子を……」
パサッ。
その時、私の顔に何か布のような物がかかって視界を塞いだ。
「⁉」
「「あっ……」」
周りの声が嫌なハモりをみせる。
何これ臭っ汗?いやもっと嫌な酸っぱい、え?まさか!そんな嘘っ!
一瞬で最悪の結論に達し、慌てて布を払い除ける。
前を走るユニコーン=ゴランのお尻にさっきまであった布が無くなっている。
周りの男達を見ると、皆サッと目をそらす。
つまり、今私の顔に引っかかったのはゴランのフンド……
「■÷#※▼~〈グリンウイップ〉!」
ビシッ!バシッババババッ!
「ブヒヒーン?」
「落ち着くんだな!そんなに鞭打ったら暴走してしまうんだな!」
「駄目だ!あまりのショックに我を忘れてる!」
「ルウッ!」
プススッ
「ブヒヒーン!」
「オオッ!チビ竜まで主人の怒りに呼応してゴランのケツにフェザーショットを!」
「こらあかん。もうこのまま村の中まで一気に突っ込むしかあらへんな」
「ハーッハッハッハ!全く次から次へと愉快なことになってきおるわ」
周りの声なぞ全く耳に入らず、私は目の前の駄馬の尻を一心不乱に鞭打ち続けるのだった。
スフォンの村。
主に林業や薬草などの採取で生計を立てているのどかな村である。
山や森を切り開いているので、モンスターと遭遇することも多いが、村人も屈強な者が多く、村の周囲には魔物の侵入を防ぐ結界が張り巡らせており、いたって平和であった。
だが、そんな村を突然原因不明の呪いが襲いかかる。
次々と倒れる村人達。
そこに薬草採取の依頼を受けやって来たリッカ達〈猫の集会〉が倒れて動けない村人達を発見。症状を調べ、対処法を探っている時にさらに不幸が重なりモンスターの群れが村を突然襲撃したわけである。
急いで冒険者ギルドへ連絡するが、状況は絶望的。交代で結界を維持する魔石に魔力を送りモンスターの侵入を防ぐしか手段は無く、五十匹以上の攻撃に耐える結界を維持するのも限界を迎えていた。
「もう駄目ニャ」
猫人族の〈下忍〉リッカが諦めの声を上げる。
彼女はゲームプレイヤーであり、現実では病弱で入院中の女子小学生だ。他のメンバー三人はこの世界の住人(NPC)であるが、とてもAIとは思えない程人間くさい。現実では友達といえる人がいないリッカにとってはもうかけがえのない存在になっている。
(あたしは死んでも復活出来るけど、他の皆はホントに死んじゃう)
この事は攻略サイトや掲示板で情報が公開されていた。
この夢世界の住人であるNPCは例えパーティーメンバーであっても死んでしまったら復活することはないということを。
プレイヤー達が復活出来る理由は、アイテム欄にある二つの特別枠に有る。
その内の一つに入っているのが、〈呪いの身代わり人形〉だ。
これは、プレイヤーが死んでしまう状況になると自動的に効果が発動。持ち主を直前に記録された安全地帯へと瞬時に転移させ、その代わりに破壊されるというものだ。ただし、転移先に出現するのは早くても二十四時間後。その間は亜空間を彷徨っているという設定になっているが、実際はゲームオーバー扱いで、二十四時間ログイン不可になっているだけである。
ちなみに、何故呪いの人形扱いになっているのかというと、人形が一人で破壊され捨てられるのが悲しくて、持ち主の所持金やアイテム欄に入れていたアイテムを勝手に道連れにしていくからだというのがまず一つ。その金額やアイテムの質は持ち主のレベルが高いほど、当然高くなるのだった。
もう一つは、この復活とデスペナルティのシステムを担う優秀な人形は、アイテム欄の特別枠に固定され、譲渡不可、売却不可扱いになっており、消費してもいつの間にか(再ログイン時に)持ち主の元に戻ってくるという、まさに持ち主から絶対に離れない、破壊されても蘇る恐怖の人形なのだ(笑)!
もう一つの特別枠には、現在何のアイテムも入っておらず空欄になっている。もしも、ここにアイテムが有れば、この状況を何とか出来るかもしれないのだが、残念ながら、今の自分ではそのアイテムを入手することは出来ない。
「リッカ!何か向こうからやって来るミャ!」
クヨクヨ考えてると、海猫族のミャウルが上空で叫んだ。
鳥人族の彼女には上空でモンスターの群れの監視を頼んでいたのだ。
「何かってなにパンダ?」
結界を維持し続けて、MP切れで座り込んでいる熊猫族の女盾騎士コランダが問い掛ける。
「馬……いや馬車かミャ?物凄いスピードでこっちに近付いて来るミャ!」
「馬車がこっちにって、モンスターの大群に気付いてないのかニャ?」
「さすがに気付いているだろうけど、止まる気配がないミャ。馬が可哀想になる位鞭打ってるミャ」
「ウヒョウ、あの中を突っ切るつもりジャガ?根性入ってるジャガね」
この台詞はパーティーメンバー最後の一人、豹人族の戦士ジャガマルクのものだ。彼とコランダは豹とパンダがそのまま人型になったような獣人である。
パーティー名が「猫の集会」なのに豹はともかく海猫(カモメの仲間)と熊猫(パンダ)は違うじゃねえかとかいう野暮なことは言わないで頂きたい。女子中学生が頑張って考えて結構気に入っているのだから、それでいいのだ。
それに何故全員語尾が変なのかという理由は半獣人特有の呪いである〈語尾の獣〉の為である。
この呪いは、強制的に恥ずかしい喋り方になるが、その代わりにリッカやジャガマルクならネコ科、コランダならクマ科、ミャウルならカモメ科といった自分の種族に親しい動物や魔物と会話出来るというものだ。この能力でいつもは採取や探索を、現在は村の周囲の警戒を四人で行っているところに暴走馬車の情報が飛び込んできたという訳である。
「モンスター達を跳ね飛ばしながら村の入口に突っ込んでくるミャ。入口の結界だけ解除するミャ!」
「結界はすぐには張り直せないニャ!そこからモンスターが入ってきてしまうニャ」
「どのみち結界自体もう保たないパンダ。その馬車の連中と協力して戦うしかないパンダよ」
「ヒョウ!面白くなってきたジャねえか」
それぞれ武器を構え戦闘態勢をとる「猫の集会」のメンバー達。
「入口の結界を解除して馬車を入れたら、私は結界を閉じる作業に入るから、ジャガ丸さんとコランダさんは侵入してくるモンスターの迎撃。ミャウルさんは馬車の人達に状況説明。村人の安全第一でお願いします!」
「「了解!」」
「俺はジャガ丸じゃなくてジャガマルクなんジャガね……」
戦闘前の緊迫した場面で、彼の呟きに答える者は誰もいなかった。
マーレ達、行商でイーファスや他の街に出かけていた面々が村に帰ってみると、残っていた村人達が何らかの呪いで村のあちこちで倒れているという状況だった。たまたま冒険者〈猫の集会〉が通りがかり、ベテランのジャガマルクやコランダの指示の下、村の中央の一番大きい建物である集会所に皆を集め看病しているが、飲食物から呪いが広まった可能性が高いので、行商組が持ち帰った食糧や飲み水を節約して使わなければならなず、これでは皆の体力が保たない。救援を呼ぼうとしたところにモンスターに村を襲撃されてしまい、村に設置されていた緊急用の結界を起動して籠城しているのが現在の状況だ。。
「辛抱するんだよ。もうすぐ助けが来るからね」
一緒に行きたいと駄々をこねていた娘が、目の前で苦しんでいるのを看ているだけなのが辛い。何故あの時一緒連れて行かなかったのか。そうすれば、こんなに苦しまずに済んだのに。お土産に可愛い服でも買ってやれば機嫌も直るだろう、と軽く考えていたが、街でズタボロの服を着ていた少女に与えてしまった。これは娘をないがしろにした罰なのか?だとしたらあんまりだ。娘ではなく私に呪いをかければいいだろうに!
「輝光の女神様。どうか娘をお助け下さい」
そう祈った時に、急に村の門の方が騒がしくなる。嫌な予感がしてそちらを見れば、何と門の結界が破れて黒い何かを引っ張りながら、ユニコーンが突進してくるではないか。
「なんだい!こっちに来るんじゃないよ!向こうにお行き!」
精一杯の大声で威嚇したせいではないだろうが、ユニコーンはマーレ達のすぐ横を突き進み……
ガコーン!
集会所の隣の物置小屋に突っ込んでいった。
呆然とするマーレを現実に引き戻したのは、門の前で始まった戦闘の音だ。四人の冒険者達が押し寄せてくるブラックゴブリンやダークウルフ相手に奮闘してくれている。
だが、数の差は絶望的だ。ダークウルフが一匹通り抜けてこちらに向かってくる。
「娘や他の皆に近寄るんじゃないよ!」
そばに立てかけていたシャベルをムンズと掴み、ドン!と構える肝っ玉母さんのマーレさん。モンスターのはびこる辺境の村で、三人の子供を育てているのだ。これくらいで怖じ気づく様な者はこの村にはいない。
ガシッ!
思いっきりシャベルを振るが、柄の部分を噛み止められてしまう。ならば、このまま押し込んで首根っこを踏み潰してやろうと力を込めるが、シュババッ!と何かがダークウルフの影から飛び出した!
シャドウウルフが二体ダークウルフの影に潜んでいたのだ。そいつらはマーレを飛び越えて、後ろに横たわる村人や娘に向かって……
マーレの時間が凍りつく!
刹那の間に様々な思いが頭の中を駆け巡るが、どれも意味を成さず身体を動かしてはくれない。彼女の目の前で狼の牙が娘の喉に食らい付き……
「「〈ローズウイップ!〉ルルウッ!」」
……はせず、イバラの鞭と羽根の矢に吹き飛ばされて、悲鳴を上げて退却していった。
「ハァイ、マーレさんお久しぶり」
すぐ側にこの緊迫した状況で気軽に声をかけてくる少女が一人。
その少女が、マーレが必死に押さえつけているダークウルフの尻尾を掴み、軽く引っ張った様にしか見えないのに、大人よりも大きな狼が物凄い勢いで後方半回転して後頭部から地面に叩き付けられる光景に目を丸くする。
「先日は大切な服を譲ってくれてありがとうございます。そのお礼に伺いました」
「あんた、あの時の……」
色々な事が起こりすぎて呆然とするマーレに、恩返しに来た少女は、
「私の恩返しは、倍返しじゃあ済みませんからね。しっかり受け取って下さいね」
と言いながら微笑んだのだった。
「ウル」
すっかり私の肩の上がお気に召したサウンドドラゴンの幼竜ルカが気持ち良さそうに答える。私も、この子が落ちない様に首に巻き付けている尻尾の感触が気持ち良くて、もう最高の気分だ。
「ねえ、ナナンダさん。スフォンの村まであとどの位かかるの?」
「あと少しで着くんだな。しかし、本当に1時間かからずに着くとは思わなかったんだな」
「ナナンダさんの能力……ごめんなさい呪いの力のおかげよね。なんか複雑……」
「気にすることないんだな。小さい頃は苦労したけど、今じゃ使いこなしてかなり便利なんだな」
この小柄で筋肉質なのに丸っこい人はドワーフ族のナナンダさん。おっとりした人でこのパーティーのまとめ役である。
この世界は様々な呪いが溢れており、生まれつき呪い持ちとして生まれてくる者がいる。その呪いは魂そのものに深くかかっているため、祝福でも浄化出来ず一生付き合っていかなければならないそうだ。
最初のチュートリアルで出てきた半獣人や鬼人などは種族ごと呪いにかかっているが、この世界で基本種族扱いになっている人族、エルフ族、ドワーフ族には稀にその人固有の呪いがかかって生まれてくる人がいるそうだ。
そんな人達は普通の職業に就くのが難しく、冒険者になるか、闇ギルドに入って生計を立てるしかないらしい。なんとも世知辛い世界である。
閑話休題。
そんなナナンダさんの持って生まれた呪いは〈影引き〉。彼の影の上に乗った物は重さが無くなり、影の動きに合わせて引っ張られてしまう。テーブルクロスを引っ張って、その上の食器が動くのを想像して貰えれば分かりやすいだろうか?ただし、背の高いグラスや花瓶などはひっくり返って割れてしまうが。
そんな彼が、人や物で溢れた街中で生活出来るはずもなく、道を歩けば人はひっくり返り、商品は棚から落っこちるなど迷惑をかけまくったそうだ。さらに厄介なことに、ナナンダさんの呪いは幼少期に突然表れ、しばらくの間自分が原因で周囲に被害が巻き起こっているとは気付かなかったそうな。
しかし、〈影引き〉の呪いを自覚した後、元々高かった地属性を伸ばして派生属性の闇属性を獲得。闇属性の〈暗影操作〉を使い自分の影を大きくしたり小さくしたりして、呪いを固有の能力として役立てているのだ。
そう、現在私達を運ぶ馬車の荷台の代わりとして運んでいるように。
この影の荷台はかなり乗り心地が良く、デコボコの舗装されて無い道でも揺れることなく進み、まるで魔法の絨毯に乗っているかの様に進んで行く。重さも無いので、私とルカ、ナナンダさんと、寡黙な〈狩人〉のニック、やる気無いダルそうな顔で煙管をふかしているエルフ族の〈陰陽師〉のネルフ、地面に下半身が埋まっているので影に捕まって引っ張ってもらってるオショウを入れても、馬は疲れることなく走っているのだ。
その馬の上には〈修行僧〉のレンバがまたがっている。
修行僧といえば頭を丸めているイメージがあるが、彼は長髪である。それはもうあきれるほど長く、後ろで束ねた三つ編みは馬の手綱となり、馬の口から胴体、果ては後ろの荷台のナナンダさんにまで届いているのだ。
彼の固有呪いは〈荒髪〉。近寄る者を自動的に攻撃する荒ぶる頭髪の呪いにかかっている。
そんな彼は星影寺での激しい修行の末、呪いを克服。三つ編みにして一つに束ねることで自在に操れる様になったんだとか。
ちなみに、彼の髪があんなに長いのは、髪の毛があまりに強靱過ぎて普通の刃物では切れないからなんだと。まあ、髪の毛を切ろうとして近付いたら攻撃される訳だし、ホント床屋さん泣かせな呪いである。
以上五人が冒険者ランクCクラスの「影馬車隊」の面々である。
…………え?四人しかいない?ゴランはどうしたかって?
やだなぁ、ちゃんとさっきから紹介してますよ。
では改めて紹介します。今、一生懸命私達を引っ張って走っている馬、正確には一角馬(ユニコーン)の正体こそがリーダーのゴランです。
「……ねえ、一体これ何やってんの?」
ルカを仲間にした後はモンスターも現れず、魔の森を抜けた私達一行。
目指すフォスの村までは平原を突っ切るのみというところで、〈影馬車隊〉の面々は奇怪な行動を開始した。
まず、ナナンダさんの影が大きく広がり長方形の形になる。その影の上にルカを抱えた私、ニックとネルフ、そしてナナンダさんが座る。オショウは影に乗れないので影のすぐ後ろで待機。
奇怪なのはここからだ。
服を脱ぎ、フンドシ一丁になったゴランがガッシリした体格のレンバを背負い、レンバの長い三つ編みを体に巻き付けたのだ。
背負った男の三つ編みを巻き付けるフンドシ一丁のオッサン……まぎれもなく変態である。
「まあ、面白いから見てるんだな」
三つ編みの先端を受け取りながらナナンダさんが言うが、面白いというより異様である。関わり合いになりたくないレベルで。
「それじゃあ、出発なんだな」
「うぉりゃあああっ!」
ナナンダさんの合図でゴランが気合いを入れて駆けだした。
走る走る。私達四人は〈影引き〉の上に乗っているので重くはないだろうが、それに捕まってるだけのオショウについては分からないし、何よりレンバを抱えているのだ。すぐに息が切れフラフラになる。
と、そこでゴランの身体がドンドン変化する。背が伸び、脚が太く大きくなり、額から角が生え、あっという間に一角馬になって、物凄いスピードで走り出したのだ。
「今回はなかなか当たりなんだな。お嬢ちゃんの運が良いんだな」
ポカーンと目を丸くしてる私にナナンダさんが説明してくれる。
「ゴランにかかっている固有呪いは〈馬為り〉。走り疲れると様々な馬のモンスターに変身するんだな。半獣人や半竜人もレベルが上がれば変身出来るけど、ゴランみたいに天馬(ペガサス)や一角馬(ユニコーン)、八本脚馬(スレイプニル)に人馬族(ケンタウロス)にまで変われる奴は他にいないんだな」
「凄いじゃない!ただの軟派なチンピラじゃなかったのね。でも、これだけ便利なら立派な能力じゃないの?」
「残念ながら、ゴランの知能は変身したモンスターに左右されるんだな。一角馬や人馬族なら知能が高く意思の疎通も出来るけど、八本脚馬だと本能に負けて何処までも暴走。以前、国二つを無断で突っ切った時は、帰ってくるのに凄い苦労したんだな」
うわぁ。
「それからレンバが仲間になって、今の体制になったんだな。おかげでどんなモンスターに変化して暴走しても〈荒髪〉で取り押さえ即座に締め落とし、変身が解けたら活を入れて再び走らせるというステキなコンビネーションが誕生したんだな。この前、馬頭鬼(メズ)に変わって暴れ出した時もそれですぐ対処出来たんだな」
……なんとも憐れな呪いである。
「前回の調査でオーガの砦を発見したときもゴランのおかげで逃げられたし、まあ、森の中では危なくて変身できずにショウ・ブハンに引っ張ってもらったけど、今はこうやって皆を引っ張っている頼れるリーダーなんだな」
引っ張るの使い方がなんか違う気がする……
「何より、今回一角馬の変身を解く前に角を折って保存すれば、かなりの大金になるんだな。ホントに頼れるリーダーなんだな」
フッフッフと悪い顔で笑うナナンダさん。
流石に可哀想になってそっと合掌する。
まあ、他人様のパーティー内のこと。もちろん助けないけどね。
「見えてきたぞ!フォスの村だ!」
はい、回想終了。
狩人のニックの声に緊張が走る。
「やはり報告通りにモンスターの群れに襲われてるぞ。数は約五十。クソッ有り得ねえ!ブラックゴブリンとダークウルフが合わせて三十。他にも色々なモンスターが村を襲ってやがる。何が起きてるんだ?」
流石、狩人!まだ遠くてハッキリ見えないのにそこまで分かるんだ。
「村人の数は約八十人。だが全員ぶっ倒れて村の真ん中に集められているぞ!リッカのチーム四人が村を守っている」
「戦力差があり過ぎるんだな。一旦隠れて様子を……」
パサッ。
その時、私の顔に何か布のような物がかかって視界を塞いだ。
「⁉」
「「あっ……」」
周りの声が嫌なハモりをみせる。
何これ臭っ汗?いやもっと嫌な酸っぱい、え?まさか!そんな嘘っ!
一瞬で最悪の結論に達し、慌てて布を払い除ける。
前を走るユニコーン=ゴランのお尻にさっきまであった布が無くなっている。
周りの男達を見ると、皆サッと目をそらす。
つまり、今私の顔に引っかかったのはゴランのフンド……
「■÷#※▼~〈グリンウイップ〉!」
ビシッ!バシッババババッ!
「ブヒヒーン?」
「落ち着くんだな!そんなに鞭打ったら暴走してしまうんだな!」
「駄目だ!あまりのショックに我を忘れてる!」
「ルウッ!」
プススッ
「ブヒヒーン!」
「オオッ!チビ竜まで主人の怒りに呼応してゴランのケツにフェザーショットを!」
「こらあかん。もうこのまま村の中まで一気に突っ込むしかあらへんな」
「ハーッハッハッハ!全く次から次へと愉快なことになってきおるわ」
周りの声なぞ全く耳に入らず、私は目の前の駄馬の尻を一心不乱に鞭打ち続けるのだった。
スフォンの村。
主に林業や薬草などの採取で生計を立てているのどかな村である。
山や森を切り開いているので、モンスターと遭遇することも多いが、村人も屈強な者が多く、村の周囲には魔物の侵入を防ぐ結界が張り巡らせており、いたって平和であった。
だが、そんな村を突然原因不明の呪いが襲いかかる。
次々と倒れる村人達。
そこに薬草採取の依頼を受けやって来たリッカ達〈猫の集会〉が倒れて動けない村人達を発見。症状を調べ、対処法を探っている時にさらに不幸が重なりモンスターの群れが村を突然襲撃したわけである。
急いで冒険者ギルドへ連絡するが、状況は絶望的。交代で結界を維持する魔石に魔力を送りモンスターの侵入を防ぐしか手段は無く、五十匹以上の攻撃に耐える結界を維持するのも限界を迎えていた。
「もう駄目ニャ」
猫人族の〈下忍〉リッカが諦めの声を上げる。
彼女はゲームプレイヤーであり、現実では病弱で入院中の女子小学生だ。他のメンバー三人はこの世界の住人(NPC)であるが、とてもAIとは思えない程人間くさい。現実では友達といえる人がいないリッカにとってはもうかけがえのない存在になっている。
(あたしは死んでも復活出来るけど、他の皆はホントに死んじゃう)
この事は攻略サイトや掲示板で情報が公開されていた。
この夢世界の住人であるNPCは例えパーティーメンバーであっても死んでしまったら復活することはないということを。
プレイヤー達が復活出来る理由は、アイテム欄にある二つの特別枠に有る。
その内の一つに入っているのが、〈呪いの身代わり人形〉だ。
これは、プレイヤーが死んでしまう状況になると自動的に効果が発動。持ち主を直前に記録された安全地帯へと瞬時に転移させ、その代わりに破壊されるというものだ。ただし、転移先に出現するのは早くても二十四時間後。その間は亜空間を彷徨っているという設定になっているが、実際はゲームオーバー扱いで、二十四時間ログイン不可になっているだけである。
ちなみに、何故呪いの人形扱いになっているのかというと、人形が一人で破壊され捨てられるのが悲しくて、持ち主の所持金やアイテム欄に入れていたアイテムを勝手に道連れにしていくからだというのがまず一つ。その金額やアイテムの質は持ち主のレベルが高いほど、当然高くなるのだった。
もう一つは、この復活とデスペナルティのシステムを担う優秀な人形は、アイテム欄の特別枠に固定され、譲渡不可、売却不可扱いになっており、消費してもいつの間にか(再ログイン時に)持ち主の元に戻ってくるという、まさに持ち主から絶対に離れない、破壊されても蘇る恐怖の人形なのだ(笑)!
もう一つの特別枠には、現在何のアイテムも入っておらず空欄になっている。もしも、ここにアイテムが有れば、この状況を何とか出来るかもしれないのだが、残念ながら、今の自分ではそのアイテムを入手することは出来ない。
「リッカ!何か向こうからやって来るミャ!」
クヨクヨ考えてると、海猫族のミャウルが上空で叫んだ。
鳥人族の彼女には上空でモンスターの群れの監視を頼んでいたのだ。
「何かってなにパンダ?」
結界を維持し続けて、MP切れで座り込んでいる熊猫族の女盾騎士コランダが問い掛ける。
「馬……いや馬車かミャ?物凄いスピードでこっちに近付いて来るミャ!」
「馬車がこっちにって、モンスターの大群に気付いてないのかニャ?」
「さすがに気付いているだろうけど、止まる気配がないミャ。馬が可哀想になる位鞭打ってるミャ」
「ウヒョウ、あの中を突っ切るつもりジャガ?根性入ってるジャガね」
この台詞はパーティーメンバー最後の一人、豹人族の戦士ジャガマルクのものだ。彼とコランダは豹とパンダがそのまま人型になったような獣人である。
パーティー名が「猫の集会」なのに豹はともかく海猫(カモメの仲間)と熊猫(パンダ)は違うじゃねえかとかいう野暮なことは言わないで頂きたい。女子中学生が頑張って考えて結構気に入っているのだから、それでいいのだ。
それに何故全員語尾が変なのかという理由は半獣人特有の呪いである〈語尾の獣〉の為である。
この呪いは、強制的に恥ずかしい喋り方になるが、その代わりにリッカやジャガマルクならネコ科、コランダならクマ科、ミャウルならカモメ科といった自分の種族に親しい動物や魔物と会話出来るというものだ。この能力でいつもは採取や探索を、現在は村の周囲の警戒を四人で行っているところに暴走馬車の情報が飛び込んできたという訳である。
「モンスター達を跳ね飛ばしながら村の入口に突っ込んでくるミャ。入口の結界だけ解除するミャ!」
「結界はすぐには張り直せないニャ!そこからモンスターが入ってきてしまうニャ」
「どのみち結界自体もう保たないパンダ。その馬車の連中と協力して戦うしかないパンダよ」
「ヒョウ!面白くなってきたジャねえか」
それぞれ武器を構え戦闘態勢をとる「猫の集会」のメンバー達。
「入口の結界を解除して馬車を入れたら、私は結界を閉じる作業に入るから、ジャガ丸さんとコランダさんは侵入してくるモンスターの迎撃。ミャウルさんは馬車の人達に状況説明。村人の安全第一でお願いします!」
「「了解!」」
「俺はジャガ丸じゃなくてジャガマルクなんジャガね……」
戦闘前の緊迫した場面で、彼の呟きに答える者は誰もいなかった。
マーレ達、行商でイーファスや他の街に出かけていた面々が村に帰ってみると、残っていた村人達が何らかの呪いで村のあちこちで倒れているという状況だった。たまたま冒険者〈猫の集会〉が通りがかり、ベテランのジャガマルクやコランダの指示の下、村の中央の一番大きい建物である集会所に皆を集め看病しているが、飲食物から呪いが広まった可能性が高いので、行商組が持ち帰った食糧や飲み水を節約して使わなければならなず、これでは皆の体力が保たない。救援を呼ぼうとしたところにモンスターに村を襲撃されてしまい、村に設置されていた緊急用の結界を起動して籠城しているのが現在の状況だ。。
「辛抱するんだよ。もうすぐ助けが来るからね」
一緒に行きたいと駄々をこねていた娘が、目の前で苦しんでいるのを看ているだけなのが辛い。何故あの時一緒連れて行かなかったのか。そうすれば、こんなに苦しまずに済んだのに。お土産に可愛い服でも買ってやれば機嫌も直るだろう、と軽く考えていたが、街でズタボロの服を着ていた少女に与えてしまった。これは娘をないがしろにした罰なのか?だとしたらあんまりだ。娘ではなく私に呪いをかければいいだろうに!
「輝光の女神様。どうか娘をお助け下さい」
そう祈った時に、急に村の門の方が騒がしくなる。嫌な予感がしてそちらを見れば、何と門の結界が破れて黒い何かを引っ張りながら、ユニコーンが突進してくるではないか。
「なんだい!こっちに来るんじゃないよ!向こうにお行き!」
精一杯の大声で威嚇したせいではないだろうが、ユニコーンはマーレ達のすぐ横を突き進み……
ガコーン!
集会所の隣の物置小屋に突っ込んでいった。
呆然とするマーレを現実に引き戻したのは、門の前で始まった戦闘の音だ。四人の冒険者達が押し寄せてくるブラックゴブリンやダークウルフ相手に奮闘してくれている。
だが、数の差は絶望的だ。ダークウルフが一匹通り抜けてこちらに向かってくる。
「娘や他の皆に近寄るんじゃないよ!」
そばに立てかけていたシャベルをムンズと掴み、ドン!と構える肝っ玉母さんのマーレさん。モンスターのはびこる辺境の村で、三人の子供を育てているのだ。これくらいで怖じ気づく様な者はこの村にはいない。
ガシッ!
思いっきりシャベルを振るが、柄の部分を噛み止められてしまう。ならば、このまま押し込んで首根っこを踏み潰してやろうと力を込めるが、シュババッ!と何かがダークウルフの影から飛び出した!
シャドウウルフが二体ダークウルフの影に潜んでいたのだ。そいつらはマーレを飛び越えて、後ろに横たわる村人や娘に向かって……
マーレの時間が凍りつく!
刹那の間に様々な思いが頭の中を駆け巡るが、どれも意味を成さず身体を動かしてはくれない。彼女の目の前で狼の牙が娘の喉に食らい付き……
「「〈ローズウイップ!〉ルルウッ!」」
……はせず、イバラの鞭と羽根の矢に吹き飛ばされて、悲鳴を上げて退却していった。
「ハァイ、マーレさんお久しぶり」
すぐ側にこの緊迫した状況で気軽に声をかけてくる少女が一人。
その少女が、マーレが必死に押さえつけているダークウルフの尻尾を掴み、軽く引っ張った様にしか見えないのに、大人よりも大きな狼が物凄い勢いで後方半回転して後頭部から地面に叩き付けられる光景に目を丸くする。
「先日は大切な服を譲ってくれてありがとうございます。そのお礼に伺いました」
「あんた、あの時の……」
色々な事が起こりすぎて呆然とするマーレに、恩返しに来た少女は、
「私の恩返しは、倍返しじゃあ済みませんからね。しっかり受け取って下さいね」
と言いながら微笑んだのだった。
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