大江戸えろえろ草紙~天下無双のド変態、魔を斬り悪を撫でる!~

覚醒シナモン

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第十一話:東海道お色気道中!幻惑の尼僧と鋼鉄の巨漢、変態包囲網ふたたび!

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江戸の喧騒を後に、桃色助平太一行は、次なる「天逆毎の鍵」の破片と「歌えぬ美姫」白雪姫を求め、東海道を下り始めた。道中、助平太の変態ぶりは相変わらずで、すれ違う旅の女の着物の柄に「その意匠、実に大胆かつ繊細!もしや夜の閨(ねや)での貴女様の姿を暗示して…むふぅ!」と声をかけては蹴られ、茶屋の看板娘の手を握っては「この柔らかなる感触!まるで、極上の羽二重餅!一口味わってみたいものでござる!」と迫っては辰五郎に頭を叩かれ、カゲリからは「もはや言葉もない…」と深いため息をつかれ、プルルンには「この歩く公害!街道から叩き出されろだゾ!」と罵られる日々であった。
最初の宿場町「品濃(しなの)」に到着した一行。旅の疲れを癒そうと立ち寄った飯屋で、隣の卓の旅人たちが噂話に花を咲かせているのが聞こえてきた。
「おい聞いたか?京に近い鈴森の藩の白雪姫様が、近頃お倒れになったそうだ」
「ああ、あの歌えぬと噂の美しい姫様か。なんでも、藩全体が妙な妖気に包まれて、作物は枯れ、領民は原因不明の病に苦しんでいるとか…」
「姫様は、その身を挺して領民を癒やしておられたが、ついに力尽きたと…なんともおいたわしい話だ」
「なんと!白雪姫様がご病気に!?そして、藩が妖気に!?これは、この助平太、黙って見過ごすわけにはまいりませぬぞ!か弱き美女が苦しんでいるとあらば、たとえ地の果てであろうとも駆けつけ、その『苦悶の表情』を間近で拝見し、そしてその『熱き吐息』を…」
「お前の目的は結局それか!」辰五郎の拳が飛ぶ。
「しかし、ただ事ではなさそうだな。我々が向かっているのは、まさにその鈴森の藩だ」カゲリが表情を引き締める。
一行が宿を取り、その夜、月明かりの下で今後の打ち合わせをしていると、部屋の障子に、すっと美しい女性の影が映った。そして、鈴を振るような、しかしどこか悩ましげな声が響いた。
「…夜分に恐れ入ります。旅のお方々とお見受けいたしますが、一夜の…いえ、一時の『慰め』はいかがでございましょうか…?」
助平太の目が、カッと見開かれた!
「おおおおっ!この声!この影のしなやかさ!そして、この言葉の奥に隠された、熟れた果実のような甘い誘惑!間違いありませぬぞ、これは極上の『夜の蝶』!この助平太、その蜜を吸わずにいられましょうか!」
助平太が障子に飛びつこうとした瞬間、障子がスッと開き、そこに立っていたのは、美しい尼僧姿の女であった。年の頃は二十代半ば、艶やかな黒髪を尼削ぎにし、薄紫の法衣をまとっているが、その胸元は不自然なほど大きく開き、そこから覗く豊かな双丘が、月光に妖しく照らし出されている。その手には、金の鈴が付いた錫杖。
「これはこれは、尼御前!夜伽の相手をお探しで?うふふ、拙者でよろしければ、朝まで『読経三昧』、いえ、『快楽三昧』のお相手を…」
「この破戒僧もどきが!何しに来やがった!」辰五郎が身構える。
尼僧は、助平太の言葉には答えず、ただ妖艶な笑みを浮かべ、金の鈴をしゃらりと鳴らした。その瞬間、部屋の空気がぐにゃりと歪み、助平太の目に、信じられない光景が広がり始めた!
目の前には、これまで彼が出会った(あるいは一方的に観察した)全ての美女たちが、思い思いの悩ましげなポーズで彼を取り囲んでいるではないか!湯上がりの女中、怒りに燃えるお香、ドジっ子くノ一のお蝶(なぜか半裸)、そして先日出会ったばかりの鍵師の孫娘まで!全員が助平太に熱い視線を送り、手招きしている!
「おおおおおっ!こ、これは…拙者の理想郷!まさに『美女ハーレム・極楽浄土』でござるか!?ああ、この豊満なる乳房の海!このしなやかなる太ももの森!この助平太、今、猛烈に…猛烈に…」
助平太は鼻血を噴水のように吹き出し、恍惚の表情で美女たちの幻影に手を伸ばす。
「ド変態!しっかりしろだゾ!そいつは幻術だ!」プルルンが助平太の顔を叩くが、効果はない。
「カゲリ殿、辰五郎殿!あの尼、ただ者ではない!助平太殿が…!」
しかし、カゲリと辰五郎もまた、それぞれの幻術にかかっていた。カゲリの前には、亡き師匠の姿が現れ、彼女の未熟さを厳しく叱責している。辰五郎は、故郷の母親が病に倒れたという幻影に、顔面蒼白となっている。
「うふふ…人の心の一番弱いところを突くのが、わらわの得意技。さあ、その醜い欲望と後悔の中で、永遠に溺れるがよい…」
尼僧――夢月は、満足げに鈴を鳴らし続ける。
その時、助平太が、幻影の美女たちに向かって叫んだ!
「しかし!しかしでござるぞ、美女軍団の皆様方!その乳房の大きさ、実に素晴らしい!だがしかし!拙者の理想は、あと一回り…いや、二回り大きく、そして形は下弦の月の如く垂れ、先端は上向きにキュッと…!そして、その腰つき!もっとこう、粘りつくように、そして挑発的に…!お尻はもっとプリッと!太ももは蜂蜜を塗ったようにテカテカと!」
夢月は、助平太のあまりにも具体的かつ変態的なダメ出しに、思わず鈴を鳴らす手を止めた。
「な…何を言っているのだ、この男は…?わらわの完璧な幻術に、ケチをつけるというのか…?」
「ケチではござらん!これは『美への飽くなき探求心』でござる!さあ、もう一度!今度は、全員黒革のボンデージ姿で、手には鞭と蝋燭を!そして、BGMは情熱的なフラメンコでお願いいたす!」
助平太のあまりの変態ぶりに、夢月の作り出した幻影が、まるでバグったかのように明滅し始めた。
「ええい!この…この変態めが!わらわの芸術を汚すでないわ!」
夢月が錫杖を振り上げた瞬間、宿の天井を突き破って、巨大な影が降ってきた!それは、全身が鋼鉄の鎧で覆われた、岩のような巨漢であった。その手には、巨大な鉄棒が握られている。夢月の相棒、金剛鬼だ。
「夢月様、手間取っておられるご様子。ここはそれがしが…」
金剛鬼が野太い声で言いかけた時、幻術から解放された辰五郎が、怒りの形相で金剛鬼に殴りかかった!
「テメェら!人の弱みにつけ込みやがって!許さねえぞ!」
しかし、辰五郎の渾身の拳は、金剛鬼の鋼鉄の体にまるで通じない。逆に、金剛鬼の鉄棒の一撃で、辰五郎は壁まで吹き飛ばされてしまう。
「辰五郎殿!」カゲリも幻術を振り払い、夢月にクナイを投げるが、夢月はひらりとかわす。
「うふふ、お目覚めかしら、お嬢さん?でも、この金剛鬼の体は、どんな攻撃も通さないわよ」
プルルンは、金剛鬼の巨体を見上げ、何かを探るように体を震わせている。
「こいつ…鎧じゃないゾ!体そのものが鉄みてえに硬いんだ!でも…どこかに…」
「おお!あの鋼鉄の肉体!なんと無骨で、そして力強い!まるで、戦場を駆け巡る黒鉄(くろがね)の城!しかし、その鎧の隙間から僅かに覗く…あれは、もしや…へそ!?なんと!あのような場所に、無防備な『急所』が!この助平太、その『一点』に、全ての情熱を注ぎ込みたくてたまりませぬぞ!」
助平太は、金剛鬼の鎧の腹部、わずかに露出したへそ(らしき窪み)を発見し、目を輝かせる。
「ド変態!あんなところに何があるってんだゾ!でも…確かに、あそこだけ妖気の流れが乱れてる!」
プルルンの言葉に、カゲリが目を見開いた。
「秘技・変態一点集中!『へそ一点愛撫突き』!」
助平太は、筆を構え(なぜか)、金剛鬼のへそめがけて突進した!金剛鬼は、そのあまりにも馬鹿げた攻撃に油断し、そして、助平太の筆先が、寸分の狂いもなくそのへそを刺激した瞬間!
「ぐふおおおおおおおっ!?」
金剛鬼は、巨体をエビのように折り曲げ、聞いたこともないような奇声を発して悶絶し始めた!鋼鉄の体も、まさかへそを攻撃されるとは想定していなかったらしい。
「な、なんですって!?金剛鬼が…へそを!?馬鹿な…!」
夢月が愕然とする。その隙を、辰五郎とカゲリは見逃さなかった。辰五郎の渾身の蹴りが夢月の脇腹に、カゲリのクナイが夢月の錫杖を持つ手に突き刺さる!
「覚えてらっしゃい…!この屈辱…必ず…!」
夢月と金剛鬼(まだへそを押さえて悶絶している)は、捨て台詞と共に煙のように姿を消した。
「ふぅ…実に、実に濃厚な『へそとの対話』でござった…。あの感触、そしてあの絶叫…生涯忘れられそうにありませぬな…」
助平太は、鼻血を拭いもせず、恍惚の表情で自分の筆先を見つめている。
「…お前ら、本当に何なんだよ」
辰五郎は、もはやツッコむ気力も失せたように、床にへたり込んだ。
刺客は退けたものの、彼らの執拗な追跡は、一行の旅路に暗い影を落としていた。そして、鈴森の藩に近づくにつれ、道端の木々は枯れ、空気はよどみ、不気味な瘴気が漂い始めていることに、彼らは気づき始めていた。
鈴森の藩の城下町に到着した一行が見たものは、活気を失い、家々の戸は固く閉ざされ、道行く人々の顔には深い絶望の色が浮かんでいる、まるでゴーストタウンのような光景だった。
白雪姫の身に、そしてこの藩に、一体何が起こっているのか?助平太の変態アンテナが、新たな「美」と「厄介事」の匂いを、敏感に嗅ぎ取っていた。
(第十一話 了)
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