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4.目の前のハードルが高い…
目の前のハードルが高い…③
香澄がいつもの運転手に行き先の住所を告げると「はい」と声が聞こえて車は静かにスタートする。
「帰りのお迎えは不要とお伺いしておりますが、大丈夫でしたね?」
「ええ。一緒にお食事へ行く方が送ってくださるということなので」
「そうですか。それはよかったですね」
馴染みの運転手はにこにこしている。香澄が華やかに装っていて、帰りにお迎えが不要ということで察するものがあったのかもしれなかった。
車はこんなところを? と思うような道に入っていき、一軒の洋館の前でゆっくり止まった。門をくぐった奥には駐車場が見えたので、ここが店で間違いはないようだ。
「ありがとう」
お礼を言って香澄は車を降りる。
車寄せからは建物の手前にガーデニングと小さな噴水が見えていて、とてもよい雰囲気だった。香澄が可愛らしい庭を見ながら入口に進んでいくと玄関の手前に腕時計で時間を確認している神代の姿が見えた。
すらりとした長身とオーダーメイドと思われる身体にぴったりのスーツ姿だけでも目立つのに、榛色の髪と瞳を持ち端正な顔立ちは誰が見ても惹かれてしまうだろう。
香澄はつい速足で駆け寄ってしまった。その足音で神代は香澄に気づいたようで、顔をあげると香澄の方に同じく速足で歩いてきてくれる。
「急がないで大丈夫です」
時計を確認していたから遅れてしまったかと香澄は焦ってしまったのだ。
「お時間、大丈夫でした?」
「全然。俺が楽しみで早く着きすぎてしまったんです。少し早かったなって思っていたところでした」
神代の嬉しそうな笑顔は本当に素敵だ。まだ伝えたことはないけれど、大好きな榛色の瞳が真っすぐに香澄を捉えている。
「とても素敵なお店ですね」
香澄は建物の方を見上げた。レンガ造りの建物は雰囲気があって近くで見ても本当に素敵だった。
「そう言っていただけると嬉しいです。以前にお客様に連れてきていただいて、今度はぜひ大切な人と一緒に来たかったのですよ」
香澄のほうこそいつも真っすぐな神代の言葉が嬉しかった。
「可愛らしい服ですね。とても綺麗です」
眩しそうな表情で神代が香澄を見ていた。
「ありがとうございます。神代さんもいつも素敵です」
神代がいつも素直に褒めてくれるので、香澄も素直にいろんなことを言葉にできるようになっていた。思えば、神代は最初からそうだったかもしれない。
「どうぞ」
澄ました感じで神代が腕を差し出すので、香澄はふふっと笑ってそっと肘に指先を添えることができたのだった。
中に入るとレセプションがあり、席を案内してくれる。神代は窓際の席を予約してくれていたようで、二人は庭がよく見える窓際の席に案内された。
「ここはメニューがなくて、おすすめのシェフのコースのみなんですが……」
席に座るとアレルギーや苦手なものはございませんか? とギャルソンに聞かれ、香澄はないですと答えた。
「帰りのお迎えは不要とお伺いしておりますが、大丈夫でしたね?」
「ええ。一緒にお食事へ行く方が送ってくださるということなので」
「そうですか。それはよかったですね」
馴染みの運転手はにこにこしている。香澄が華やかに装っていて、帰りにお迎えが不要ということで察するものがあったのかもしれなかった。
車はこんなところを? と思うような道に入っていき、一軒の洋館の前でゆっくり止まった。門をくぐった奥には駐車場が見えたので、ここが店で間違いはないようだ。
「ありがとう」
お礼を言って香澄は車を降りる。
車寄せからは建物の手前にガーデニングと小さな噴水が見えていて、とてもよい雰囲気だった。香澄が可愛らしい庭を見ながら入口に進んでいくと玄関の手前に腕時計で時間を確認している神代の姿が見えた。
すらりとした長身とオーダーメイドと思われる身体にぴったりのスーツ姿だけでも目立つのに、榛色の髪と瞳を持ち端正な顔立ちは誰が見ても惹かれてしまうだろう。
香澄はつい速足で駆け寄ってしまった。その足音で神代は香澄に気づいたようで、顔をあげると香澄の方に同じく速足で歩いてきてくれる。
「急がないで大丈夫です」
時計を確認していたから遅れてしまったかと香澄は焦ってしまったのだ。
「お時間、大丈夫でした?」
「全然。俺が楽しみで早く着きすぎてしまったんです。少し早かったなって思っていたところでした」
神代の嬉しそうな笑顔は本当に素敵だ。まだ伝えたことはないけれど、大好きな榛色の瞳が真っすぐに香澄を捉えている。
「とても素敵なお店ですね」
香澄は建物の方を見上げた。レンガ造りの建物は雰囲気があって近くで見ても本当に素敵だった。
「そう言っていただけると嬉しいです。以前にお客様に連れてきていただいて、今度はぜひ大切な人と一緒に来たかったのですよ」
香澄のほうこそいつも真っすぐな神代の言葉が嬉しかった。
「可愛らしい服ですね。とても綺麗です」
眩しそうな表情で神代が香澄を見ていた。
「ありがとうございます。神代さんもいつも素敵です」
神代がいつも素直に褒めてくれるので、香澄も素直にいろんなことを言葉にできるようになっていた。思えば、神代は最初からそうだったかもしれない。
「どうぞ」
澄ました感じで神代が腕を差し出すので、香澄はふふっと笑ってそっと肘に指先を添えることができたのだった。
中に入るとレセプションがあり、席を案内してくれる。神代は窓際の席を予約してくれていたようで、二人は庭がよく見える窓際の席に案内された。
「ここはメニューがなくて、おすすめのシェフのコースのみなんですが……」
席に座るとアレルギーや苦手なものはございませんか? とギャルソンに聞かれ、香澄はないですと答えた。
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