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8.白状させられています
白状させられています③
「菜々美ちゃん……」
「菜々美さん!? え? どういう……?」
神代は写真の菜々美しか知らない。その写真の菜々美はロングヘアで、時に明るくカラーリングしていた。メイクも華やかで神代はそんな菜々美しか知らないのだ。
そうすると、黒髪のショートボブで和服を着ている目の前の人物が菜々美なのだと理解するのに時間がかかってもやむないことではあった。
「とりあえず全員落ち着きましょうか」
そう言ったのはカウンターの向こうにいた吉野だった。菜々美は香澄をぎゅうっとしたまま離さず、神代を睨んでいる。
吉野が奥のテーブル席を案内してくれたので、全員で移ることになった。テーブルの上にお茶を置いてくれる。
「巻き込んでしまって申し訳ありませんでした。私はここの店主の吉野大輔と言います。私がまずはきちんとすべきところをしなかったことが今回の原因です。本当にすみませんでした」
そう言うと、吉野はその場にいた全員に向かって頭を下げたのだ。
「大ちゃんっ! 大ちゃんが謝ることは……」
「いや、そうなんだ。菜々美。俺がちゃんとしなくていけなかったんだ」
軽くため息をついた神代が腕を組む。
「お話をお伺いします」
「少し、お待ちください」
そう言うと、吉野は店にいたお客さんに急遽店を閉めなくてはいけなくなったから、と説明をし、店の看板を準備中にしてしまった。外の灯りも落としてしまって、白い紙を準備する。
「あ……」
菜々美が声をかけた。
「香澄ちゃんに書いてもらったら?」
「いいわよ」
香澄は菜々美に言われて気軽に返事をする。
「よくないですっ!」
それは吉野と神代の合唱だった。思わず香澄は背を反らせてしまう。
──え? そんなに?
香澄は口を開き、ペンを手にする。
「せっかくだから、書きますよ? えーと何を書けばいいのかしら?」
「本日は急遽閉店的なことだよね? 大ちゃん」
菜々美は吉野に向かって首を傾げた。戸惑いつつも吉野は頷く。
「けど、香澄さんにそんな……」
「だって、香澄ちゃんはプロだもの」
いや……プロだからこそ申し訳ないというか……と吉野が口の中でもごもごしていると、香澄がきっぱりと吉野に向かって言った。
「急にお店を閉めなきゃいけないことになったのは私たちのせいでもありますよね」
急に訪問してしまった香澄や吉野に詳しい事情を説明していなかった菜々美にも責任があると言いたいのだ。
納得していない雰囲気の神代を香澄はじっと見つめると神代はふと顔を赤くして顔を逸らす。神代が目を逸らしたところを香澄は初めて見た。
「菜々美さん!? え? どういう……?」
神代は写真の菜々美しか知らない。その写真の菜々美はロングヘアで、時に明るくカラーリングしていた。メイクも華やかで神代はそんな菜々美しか知らないのだ。
そうすると、黒髪のショートボブで和服を着ている目の前の人物が菜々美なのだと理解するのに時間がかかってもやむないことではあった。
「とりあえず全員落ち着きましょうか」
そう言ったのはカウンターの向こうにいた吉野だった。菜々美は香澄をぎゅうっとしたまま離さず、神代を睨んでいる。
吉野が奥のテーブル席を案内してくれたので、全員で移ることになった。テーブルの上にお茶を置いてくれる。
「巻き込んでしまって申し訳ありませんでした。私はここの店主の吉野大輔と言います。私がまずはきちんとすべきところをしなかったことが今回の原因です。本当にすみませんでした」
そう言うと、吉野はその場にいた全員に向かって頭を下げたのだ。
「大ちゃんっ! 大ちゃんが謝ることは……」
「いや、そうなんだ。菜々美。俺がちゃんとしなくていけなかったんだ」
軽くため息をついた神代が腕を組む。
「お話をお伺いします」
「少し、お待ちください」
そう言うと、吉野は店にいたお客さんに急遽店を閉めなくてはいけなくなったから、と説明をし、店の看板を準備中にしてしまった。外の灯りも落としてしまって、白い紙を準備する。
「あ……」
菜々美が声をかけた。
「香澄ちゃんに書いてもらったら?」
「いいわよ」
香澄は菜々美に言われて気軽に返事をする。
「よくないですっ!」
それは吉野と神代の合唱だった。思わず香澄は背を反らせてしまう。
──え? そんなに?
香澄は口を開き、ペンを手にする。
「せっかくだから、書きますよ? えーと何を書けばいいのかしら?」
「本日は急遽閉店的なことだよね? 大ちゃん」
菜々美は吉野に向かって首を傾げた。戸惑いつつも吉野は頷く。
「けど、香澄さんにそんな……」
「だって、香澄ちゃんはプロだもの」
いや……プロだからこそ申し訳ないというか……と吉野が口の中でもごもごしていると、香澄がきっぱりと吉野に向かって言った。
「急にお店を閉めなきゃいけないことになったのは私たちのせいでもありますよね」
急に訪問してしまった香澄や吉野に詳しい事情を説明していなかった菜々美にも責任があると言いたいのだ。
納得していない雰囲気の神代を香澄はじっと見つめると神代はふと顔を赤くして顔を逸らす。神代が目を逸らしたところを香澄は初めて見た。
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