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13.臨む!
臨む!④
「M&Aチームには至急資料の作成を依頼してください」
「承知いたしました」
執務室でいつものようにパソコンの前に座ったが、いろいろ考えるとさすがの神代も落ち込みそうになった。
なによりも香澄と今すぐにでも連絡を取りたい状況なのに連絡を取る手段であるスマートフォンが使えないことが痛い。
(明日にでも一度電源を入れてみよう)
翌日、出社した神代はスマートフォンの電源が無事入ったことを確認し、安心した。
「うわ……」
電源を入れた瞬間一気に大量の着信の履歴やメールが受信される。くらりとした。
「香澄さん……」
まずは受信されたメールの処理が優先だった。
手が止まったのは見慣れないアドレスと『書道パフォーマンスについて』という題名だったからだ。
アドレスは『清柊』という名前が入っていたので、清柊からだということは分かった。丁寧な挨拶と先日は失礼しましたと書いてあった後、『急なのだが、翠澄さんが書道パフォーマンスをされるので、お時間があればぜひ行かれませんか?』という連絡と時間や場所などの案内だった。
時間は明日で今週の金曜日。時間は夕刻だ。
その時間帯はちょうど打ち合わせのために移動する時間となっていた。空いてはいないが、一瞬の隙間時間を作ることは可能かもしれない。
社内電話で秘書の高村を呼ぶ。高村はすぐに部屋にやってきた。
「はい」
「明日なのですが、夕刻の打ち合わせのこの隙間の時間なんですが、ショッピングセンターに寄ることは可能ですか?」
「……はい。少しの時間でしたら可能です」
「少しでも構いません。寄ってほしいのですが」
「承知しました」
了承はしてくれたが、高村からは少し戸惑った雰囲気を感じた。突然のCEOのわがままにも嫌な顔一つせず快く了承してくれた高村に説明しておいた方がいいだろう。
「香澄さんが書道パフォーマンスをされるそうなんです」
「ああ、柚木さんですね。ご結婚されると伺ってはいますが、婚約はされていないのですか?」
「お互いの意向は一致している……はずなんですけどね」
そんな神代の様子を見て、高村は微笑みを向ける。
「承知しました。明日はお時間をお作りしますので。何かわだかまりがあるのなら解けたらいいですね」
神代は笑顔を返すことしかできなかった。
その夜神代は自分の部屋のマンションでソファに座り、スーツの内ポケットから取り出した指輪ケースを取り出してそっと開いた。
注文していた婚約指輪が仕上がってきたのだ。
神代は近々、正式に香澄に結婚を申し込むつもりだった。怒っているからといって結婚自体がダメになるとは思っていないが、誤解やすれ違いがあるのならそれを正しておきたい。
「承知いたしました」
執務室でいつものようにパソコンの前に座ったが、いろいろ考えるとさすがの神代も落ち込みそうになった。
なによりも香澄と今すぐにでも連絡を取りたい状況なのに連絡を取る手段であるスマートフォンが使えないことが痛い。
(明日にでも一度電源を入れてみよう)
翌日、出社した神代はスマートフォンの電源が無事入ったことを確認し、安心した。
「うわ……」
電源を入れた瞬間一気に大量の着信の履歴やメールが受信される。くらりとした。
「香澄さん……」
まずは受信されたメールの処理が優先だった。
手が止まったのは見慣れないアドレスと『書道パフォーマンスについて』という題名だったからだ。
アドレスは『清柊』という名前が入っていたので、清柊からだということは分かった。丁寧な挨拶と先日は失礼しましたと書いてあった後、『急なのだが、翠澄さんが書道パフォーマンスをされるので、お時間があればぜひ行かれませんか?』という連絡と時間や場所などの案内だった。
時間は明日で今週の金曜日。時間は夕刻だ。
その時間帯はちょうど打ち合わせのために移動する時間となっていた。空いてはいないが、一瞬の隙間時間を作ることは可能かもしれない。
社内電話で秘書の高村を呼ぶ。高村はすぐに部屋にやってきた。
「はい」
「明日なのですが、夕刻の打ち合わせのこの隙間の時間なんですが、ショッピングセンターに寄ることは可能ですか?」
「……はい。少しの時間でしたら可能です」
「少しでも構いません。寄ってほしいのですが」
「承知しました」
了承はしてくれたが、高村からは少し戸惑った雰囲気を感じた。突然のCEOのわがままにも嫌な顔一つせず快く了承してくれた高村に説明しておいた方がいいだろう。
「香澄さんが書道パフォーマンスをされるそうなんです」
「ああ、柚木さんですね。ご結婚されると伺ってはいますが、婚約はされていないのですか?」
「お互いの意向は一致している……はずなんですけどね」
そんな神代の様子を見て、高村は微笑みを向ける。
「承知しました。明日はお時間をお作りしますので。何かわだかまりがあるのなら解けたらいいですね」
神代は笑顔を返すことしかできなかった。
その夜神代は自分の部屋のマンションでソファに座り、スーツの内ポケットから取り出した指輪ケースを取り出してそっと開いた。
注文していた婚約指輪が仕上がってきたのだ。
神代は近々、正式に香澄に結婚を申し込むつもりだった。怒っているからといって結婚自体がダメになるとは思っていないが、誤解やすれ違いがあるのならそれを正しておきたい。
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