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番外:幸せな鳥籠
鳥は夢見る①
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その日の帰り、圭一郎は車の前で待っている春岡を見つけて、口元に笑みを浮かべる。
「春岡室長。どうかしましたか?」
「……分かっているのではないんですか?」
圭一郎は冷たい笑みを返した。
「さあ……何のことでしょうか?」
「仮眠室でのことです。」
「まさか覗いていた?趣味が悪いですよ」
くすくすとからかうように、圭一郎は笑う。
「わざとですよね」
「まさか。可愛い珠月のみだらな姿を他の人に見せたいわけがないでしょう。仮にロックが外れていたとしても俺と珠月は婚約者なのだし、放っておくのがマナーではないんですか?」
「彼女はあんな人ではないのに……」
苦々しそうな顔をする春岡が、圭一郎には気に入らなかった。
「何だか、よく知っているような口ぶりですね」
「よく知っています。彼女のおばあさんの転院の手続きの際、お手伝いをしましたから」
「へえ……。けれど、珠月は覚えている風ではないけれど?」
「そのようですね。あの時はだいぶ大変な思いをされていましたから」
「珠月が知らないのなら一方的にあなたが知っているというだけの関係か。なおさら、あなたに何か言われる筋合いはないな」
圭一郎はふ……と鼻で笑う。
「どこから見ていたんです?」
そんな圭一郎の質問に春岡の頬がカッと赤くなったのが見えた。
「珠月がおねだりしていたところ? それとも俺のを咥えて、自分のを慰めていたところかな? あれは……とってもよかった……」
「あなたは……」
「あれを俺が無理やりしていたように見えた? 触ってってお願いする珠月、ものすごく可愛いんだ」
「あなたが彼女をそんな風にしたんじゃないんですか?」
「そうかな? 珠月にその意思がなかったとでも? そんなの君の方が勝手な理想を珠月に押し付けているだけだろう」
ひどく冷淡に淡々と圭一郎は、春岡に告げる。
「言っておくけれど、珠月は自分から俺と一緒になると決めているんだ。それは自分の意思だよ。その中で俺たちがどんな関係を築こうと君には関係がない」
「無垢な人にあなたがそう仕向けたのではないんですか?」
「そう思うか?」
「思いますね」
「だとしたら何だ? 鳥籠の中が不幸せだと誰が決めた? 一旦はね、逃げたんだよ。鳥は。けれど、自ら籠に戻ったんだ。それは不幸なことか?」
「彼女があなたに対して引け目を感じて苦しんでいたとしてもですか⁉︎」
「そんなもの」
ふ……と鼻で圭一郎は笑う。
「勤めなんかしているからそんなことを感じて苦しむ。それが嫌なら仕事なんてやめればいい」
「あなたって人は……」
「むしろ、俺は珠月には仕事なんて早く辞めてほしいって思っているよ。勤務なんてしているからそんなことを考える。それに君のような輩にも目をつけられるんだ。珠月は可愛いから、ドクターにも患者の中にも彼女に横恋慕するものが出てくるかもしれないしな。非常に不快だよ。誰にも見せたくないのに」
春岡はその圭一郎の言い方にゾッとしたような表情になった。
「あなたのその執着……、珠月さんは知っているんですか?」
圭一郎は夢を見るような顔で、綺麗に笑った。
「もちろん。一旦は鳥籠に捕らえたからね。籠の中の珠月はあり得ないくらいに綺麗だったよ。君にも見せてあげたかったな」
ああ……そんなことはできないか、そう言って圭一郎はくすくす笑う。
「あなたは……異常です……」
「だとしても、君には関係ない。これは珠月と俺だけに理解できていればいいことだからな」
「春岡室長。どうかしましたか?」
「……分かっているのではないんですか?」
圭一郎は冷たい笑みを返した。
「さあ……何のことでしょうか?」
「仮眠室でのことです。」
「まさか覗いていた?趣味が悪いですよ」
くすくすとからかうように、圭一郎は笑う。
「わざとですよね」
「まさか。可愛い珠月のみだらな姿を他の人に見せたいわけがないでしょう。仮にロックが外れていたとしても俺と珠月は婚約者なのだし、放っておくのがマナーではないんですか?」
「彼女はあんな人ではないのに……」
苦々しそうな顔をする春岡が、圭一郎には気に入らなかった。
「何だか、よく知っているような口ぶりですね」
「よく知っています。彼女のおばあさんの転院の手続きの際、お手伝いをしましたから」
「へえ……。けれど、珠月は覚えている風ではないけれど?」
「そのようですね。あの時はだいぶ大変な思いをされていましたから」
「珠月が知らないのなら一方的にあなたが知っているというだけの関係か。なおさら、あなたに何か言われる筋合いはないな」
圭一郎はふ……と鼻で笑う。
「どこから見ていたんです?」
そんな圭一郎の質問に春岡の頬がカッと赤くなったのが見えた。
「珠月がおねだりしていたところ? それとも俺のを咥えて、自分のを慰めていたところかな? あれは……とってもよかった……」
「あなたは……」
「あれを俺が無理やりしていたように見えた? 触ってってお願いする珠月、ものすごく可愛いんだ」
「あなたが彼女をそんな風にしたんじゃないんですか?」
「そうかな? 珠月にその意思がなかったとでも? そんなの君の方が勝手な理想を珠月に押し付けているだけだろう」
ひどく冷淡に淡々と圭一郎は、春岡に告げる。
「言っておくけれど、珠月は自分から俺と一緒になると決めているんだ。それは自分の意思だよ。その中で俺たちがどんな関係を築こうと君には関係がない」
「無垢な人にあなたがそう仕向けたのではないんですか?」
「そう思うか?」
「思いますね」
「だとしたら何だ? 鳥籠の中が不幸せだと誰が決めた? 一旦はね、逃げたんだよ。鳥は。けれど、自ら籠に戻ったんだ。それは不幸なことか?」
「彼女があなたに対して引け目を感じて苦しんでいたとしてもですか⁉︎」
「そんなもの」
ふ……と鼻で圭一郎は笑う。
「勤めなんかしているからそんなことを感じて苦しむ。それが嫌なら仕事なんてやめればいい」
「あなたって人は……」
「むしろ、俺は珠月には仕事なんて早く辞めてほしいって思っているよ。勤務なんてしているからそんなことを考える。それに君のような輩にも目をつけられるんだ。珠月は可愛いから、ドクターにも患者の中にも彼女に横恋慕するものが出てくるかもしれないしな。非常に不快だよ。誰にも見せたくないのに」
春岡はその圭一郎の言い方にゾッとしたような表情になった。
「あなたのその執着……、珠月さんは知っているんですか?」
圭一郎は夢を見るような顔で、綺麗に笑った。
「もちろん。一旦は鳥籠に捕らえたからね。籠の中の珠月はあり得ないくらいに綺麗だったよ。君にも見せてあげたかったな」
ああ……そんなことはできないか、そう言って圭一郎はくすくす笑う。
「あなたは……異常です……」
「だとしても、君には関係ない。これは珠月と俺だけに理解できていればいいことだからな」
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