俺様エリートは独占欲全開で愛と快楽に溺れさせる

春宮ともみ

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本編・第二部

87 *

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 洗い物をして、チョコレートフォンデュの準備を整えて。少しだけドキドキする心臓を抑えながら、寝室の扉を開いた。

「智さん?」
「んん?」

 向き合っていたノートPCから首だけ振り向いて、智さんが返事をする。

「えっと、準備、出来たから」
「そっか。んじゃ、そっち行く」

 ぎい、と、椅子が軋む音がした。智さんが椅子から立ち上がって、リビングに顔を出す。

「あぁ~。なるほどな? だから、準備」

 そして、納得したように笑ってくれた。私はキッチンに置いてきてしまった串を取りに戻りつつ、一足先にソファに腰掛けた智さんに視線を合わせた。

「うん。チョコレートの好みを聞き損ねたから、これだったら具材を自分で選んでもらえるかなって」
「……よく思いついたな。俺だったら自分のお勧めのブランドチョコレートとかしか買って来ねぇ気がする」

 智さんは苦笑しながらそう呟いていたけれど、次の瞬間には感心したように目の前に広がるフルーツやスナック菓子に視線を彷徨わせていた。

「私も、思いついたのは偶然なの。だから、喜んでもらえてよかった」

 ふふ、と笑いながら、キッチンからテーブルに戻り、私も智さんの隣に座る。チョコレートは人肌くらいの温度まで下げてあるから、舌を火傷することもなく食べられそうだ。

「……忙しいのに、色々考えてくれてありがとうな、知香」

 ダークブラウンの瞳が嬉しそうに細められて。ぽんぽん、と、頭を撫でてくれる。智さんの大きな手が、心地よい。

「ううん。いつも、智さんにしてもらってばかりだから。こういう時じゃないと、お返し出来ないし。あ、これね? チーズフォンデュも出来るんだって」

 ふわり、と、隣の智さんを見上げて、私たちはくすくすと笑いながらゆっくりとチョコレートフォンデュに口をつけていく。









 半分くらい、食べ進めて。……不意に、智さんに口付けられた。

「んっ……ふ、んんっ……」

 ポテトチップスと、チョコレートの味がする。甘くて、少ししょっぱい。段々と、キスが深くなっていき。智さんの手が、寝間着の上からやわやわと私の膨らみを揉みしだきはじめた。

「んっ!? ぅ、んんんっ……」

 身動ぎをして抗議するものの、深くなるキスに身体の力がどんどん抜けていく。

 ちゅ、と、大きなリップ音がして、唇が離され。手首を掴まれて、ドサリ、と、ソファに押し倒された。

「ちょっと、智さんっ……手、離してっ」
「やだ」

 意味あり気な笑い顔にさぁっと血の気がひく。まさか、これから……するつもり、なのでは。

 脳裏に浮かんだ考えを振り払うように私を押し倒している智さんをぎゅっと睨みあげる。

「なんでっ」
「これからヤるんだから」

 ニヤリ、と、智さんの口の端が上がっていく。想像を外さない展開だけれど、今日はもう夜も遅い。智さんだって残業だったのだから早く休んで欲しい。身を捩りながら抗議の視線を送った。

「ちょっと、冗談やめてよっ」
「だ~め。頑張って準備してくれたんだろ? だから、お返し、な?」

 智さんがそう言うと、あっという間に唇を塞がれていた。舌を絡め取られて、何度も何度も角度を変えて。まるで……私の口の中に残るチョコレートを味わうような。

 唇が解放されて、私の身体をまさぐっている智さんの手を制止するように掴みながら抗議の声を上げた。

「お、お返しって、ホワイトデーでいいからっ」
「だ~から、今すぐ返したいんだっつの」

 智さんが切れ長の瞳を愉しそうに歪ませながらそう口にして、私の左耳の下に吸い付いて、チリチリと痕をつけていく。寝間着の下に智さんの大きな手が潜り込み、ナイトブラの上から膨らみをやわやわと揉みしだいて、徐々に硬くなっていく蕾を指で挟んで強めに擦り上げられる。

 その甘い刺激に、快楽に、もう、私は抵抗すら出来なくなる。

「んんっ……あっ、ぁあっ」

 あっという間に寝間着の前ボタンを全て外されて、ナイトブラさえずり上げられる。

 鎖骨をチロチロと舌が這いずり、硬くなった蕾を口に含まれ、舌先で転がして弄ばれていく。

「ああっ、んんっ……くぅっ、ふっ……」

 智さんが唐突に。

「………もっと、甘い知香が食べたい」

 そういうと、身体を起こして、テーブルに手を伸ばした。

「……え、ちょ、なに…?」

 智さんの瞳が。その表情が。悪戯を思いついた、子どものように煌めいていて。

「ん? ……、してやる」

 智さんの手には、溶かしたチョコレートの器。……、の内容が、容易に想像が付いた。智さんの意図を察して、さぁっと血の気が引いていく。

「ちょっ、まま、まっ、まってっ……!!」
「待たない」

 にっこりとそういうと、智さんがチョコレートの器に指を差し入れて掬いあげたチョコレートを、私の身体に擦り付けていった。

「ひやぁっ! やぁっ、ちょっと、やだぁっ」

 生ぬるいチョコレートの感覚に、思わず喉を仰け反らせてしまう。智さんの行動を制止しようと手を伸ばすも、智さんは器用に私の両手首を片手で纏めあげ、ソファに縫い付けて。空いた方の手で、再び私の身体にチョコレートを擦り付けていく。

「う、あっ……も、せっかく、おふろっ、入ったのにっ」
「ん~? 舐めとってやるから、大丈夫」

 なにが!! どこが、大丈夫なんだ!!

 そのセリフが喉元まででかかったけれど、すりすりと擦り付けられていくチョコレートの感覚に意識を持っていかれる。

 一通り擦り付けて終わって、満足したのか、今度は。

「やっ、舐めないでっ、あっ、っ、や、だぁっ……」

 智さんの舌が、どんどんチョコレートを舐めとっていく。ざらり、ざらりと上半身を這う舌の感覚は、頭が沸騰しそうなほどの快感。鎖骨を舐められただけで、びくりと背中が反り返る。

「……いつもより反応ヤバいけど。感じまくってんじゃん」

 ニヤリ、と。ダークブラウンの瞳が意地悪く歪んでいる。紡がれた言葉に猛烈な恥ずかしさを感じて、私は視線を逸らした。その間にも、智さんの舌の動きは止まらない。私の口から漏れでるのは、悲鳴じみた甘い声だけ。

「やっ、はぁっ……あっ……も……やめっ」
「だ~め、やめない」

 臍の近くをざらりと舐めあげられて、この先の事を想像してとろりと蜜が溢れていることを自覚した。するり、と、智さんの手が私の寝間着のズボンに手をかけて、ショーツのクロッチをずらして私の秘裂に侵入する。

「ひああっ! ああっ、っ、ぅんっ……」

 つぷりと指が埋め込まれ、ぞわりとアノ感覚がゆっくりと背筋を這い上がってくる。その感覚に身悶えしていると、智さんがふっと笑った。

「知香が、嫌だ、止めて、っつー時は……もっとして、っていう意思表示。………ばれてんだぞ?」

 その言葉の意味を理解して、私は全身が真っ赤になった。

「……っ、ちがっ!」

 夥しく泥濘んだ秘裂に、いつの間にか智さんの長い指が2本差し込まれていた。最奥でバラバラと動かされながら、淫らな水音とともに攪拌されていく。智さんが私の表情に愉し気に笑みを浮かべた。

「違わねぇって。強情だなぁ」

 もうすっかり秘芽も膨らみきっていて、智さんの指に簡単に捉えられてしまう。指の腹でそこをゆっくりと撫で上げ、擦り上げられると、私の身体がくんっと反り返り、両脚がつっぱる。その真っ直ぐになった突っ張りを利用して、するりとズボンとショーツを脱がされて。

「……こっちにも、チョコつければ良かったけど。残念、もう溶かしてくれてたチョコがねぇんだよな。だから……で、勘弁、な?」

 ふっと智さんの口の端が上がって。その瞬間、智さんの熱い楔が打ち込まれていく。

「ああああっ!!」

 ばちん、と、瞼の裏が白く弾け、軽く絶頂を迎えた。ガクガクと身体が痙攣する。

「あぅっ、も、や、だぁっ…」

 あまりの快感に、涙がぼろぼろと零れた。智さんが、零れ落ちる涙を舌で掬いとりながら。

「……っ、ほら、な? っく………もっと、奥に…頂戴、って。ナカ、うねってんぞ?」
「や、やうっ……そ、なことっ…言わないでっ」

 直接的に表現されて、恥ずかしすぎて智さんの顔が見れない。思わず、ソファを掴んでいた手を外して、その腕で顔を隠した。

「隠すなって」

 そういうと智さんが私の手と恋人繋ぎをして、私の手をソファに縫いとめる。

「……イく時の可愛い顔を見せてくれるのも、バレンタインの贈り物のうちだと思うけど?」

 さらり、と智さんの前髪が揺れる。揺れた前髪が汗ばんだ額にぺたりとくっついてく様子がとても……とても、扇情的で。その姿にすら煽られて……身体の熱が上がっていく。

「っ、も、ばかぁっ」

 握られた手のひらから、智さんの体温が伝わる。私と同じくらいか、それよりも、熱い。……その体温にあてられて、火傷、しそうなほど。

 智さんが、ふっとまた笑った。

「……一緒、イこ」

 そうして、ゆっくりと最奥を貫かれていく。

「ああっ、んっ、うああっ、だめぇっ、あああっ」
「だ~から、だめじゃなくて……気持ちいい、だろ……?」

 手を繋がれたまま、左耳元で低く囁かれて。止まらない律動から与えられる途方もない快楽に、私はもう何も考えられない。

「あ、ああっ、ううんぅ、い、いっちゃ……―――っ!!」

 イく、と口にした瞬間、ばちりと、瞼の裏が白く弾けて、身体が硬直する。

「っ、ちょ、や、ば……!!」

 智さんの腰の動きが止まる。ビクビクとナカが痙攣して、智さんの楔の形を記憶するかのように蠢いて。

「……っ、急に、イくなって…」

 智さんが呆れたよう呟いた。

「ぅあっ、そんな、いわ、れてもぉっ……」

 私をこんな淫らな身体にしたのは、智さんなのに。私だけ、ぐちゃぐちゃで。

「もう、俺も余裕ねぇから……優しく、出来ねぇ」

 細く整えられた眉を苦しそうに歪め、その言葉を言い終えないうちに止まっていた律動が再開される。

「ああぅ、はぁっ、ああ、あああっ」

 最奥を貫かれていく。なにも考えられない。また、ふわふわした快感が襲ってくる。喉の奥が痙攣を始めた。

「ほんと、知香の声も、身体も、その啼いてる顔も……チョコよりすげぇ甘くて……たまんねぇ、な」

 情欲の焔が宿る瞳に射抜かれて、私の身体の全てが反応する。呼吸も、鼓動も、髪の先からつま先まで全てが。智さんの声に、表情に、熱い楔に、支配される。私の身体なのに、ひとつも私の思うようにならない。

 一緒に、と言ってくれたけれど、ふたたび迫り上がってくる絶頂感をどうにも堪え切れそうにない。私は涙を零しながら訴えた。

「もおっ、だめっ、さ、としさっ、ま、てないっ、あああっ」
「……っ、お、れもっ、限界っ……」

 智さんが苦しそうに眉を寄せた表情で、私は。

「んんんっ―――――ッ!!!!」

 身体が弓なりにしなって、智さんが、数度腰を打ち付けて。身体の奥が痙攣して。どくり、と、ナカで何かが弾けたのを感じとった。



 繋いだ手のひらが汗ばんでいることを感じ取って、智さんの余裕のなさを感じた。私だけがぐちゃぐちゃになっているわけじゃないと実感し少しだけ嬉しくなった。

「さ、としさ……ばれんたいん、……よかった……?」

 絶頂を迎えて震える声もそのままに智さんに問いかける。

「……ん、最高」

 ふっと、智さんが笑って、ゆっくりと唇が降りてきた。



 ふたりで深い呼吸を繰り返しながら息を整える。熱い楔が抜け出ていく喪失感にため息が漏れた。智さんが私をぎゅうと抱き締めてくれる。

「身体、ベタベタだな。風呂、行くか?」

 智さんの言葉に頷いて身体を起こそうとするものの、私は力が全く入らない。

「知香……また立てねぇの?」

 智さんが慣れた手つきでゴムを結びながら、呆れたように言葉を紡いだ。その声にムッと眉を顰める。

「……またって言うくらいなら、ちょっとは手加減してっ!」

 掠れた声で目の前の智さんを睨みあげた。力の入らない手を精一杯動かして、ぱちんと智さんの胸を叩く。

(……冗談はやめてってちゃんと言ったのに!)

 むぅ、と眉間に皺を寄せながら心の中で悪態をついていると、智さんは愉しげに笑みを浮かべた。

「だって知香が可愛いから。……俺に抱かれるのも、そろそろ慣れれば?」
「っ……も、ほんとっ、智さんの意地悪っ」

 顔を真っ赤にして智さんを睨みあげる私の様子に、くすくす、と笑いながら、私を抱き上げてお風呂場に連れて行ってくれた。
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