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第25話 山の悪神2
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「そんなッ! そこを何とかお願いします!」
スマホを耳にあて、部屋の中を右往左往してしまう。
愛奈の遠足の話を聞いて翌日、俺は以前世話になった神主に電話をしていた。
あの化け物を祓う事が出来ないか、その依頼だ。
『無理なものは無理ですよ、千時さん。私はこういう仕事をしているため、勘違いをされてしまいますが、霊は見えますが、祓うことは出来ません。弱い霊なら何とかできるかも知れませんが、今回はただの動物霊なんてものじゃない、正直手に負えません、まさかそこまでの力を持っているとは想像出来ませんでした』
あの日。
愛奈から遠足があると俺に告げた日の翌日だ。
まだ平気だと思っていた。遠足で山に行く。
本当に愛奈には可愛そうなことをしてしまうが、行かせることは出来ない。
だから遊園地に行こうと約束していた。
だというに――
「……おとーちゃん」
「ん? どうしたんだ愛奈」
幼稚園から帰ってきた娘が沈んだ面持ちなのが気になった。
嫌な予感がすると直感で感じたのを覚えている。
背中に冷たい汗が流れ、気温とは関係なく汗が額を流れるのを感じた。
「あのね、今日ね。ちーちゃんがね……」
「ちーちゃん? 千佳ちゃんがどうしたんだい?」
「……ちーちゃんが、幼稚園のブランコにお猿さんがいたって言ってたの」
「なッ!? ど、どうして……」
頭が真っ白になる。
息が止まりそうになり、無意識に愛奈を抱き寄せていた。
強く、強く腕の中にいる愛奈を抱きしめる。
この手の中の存在を絶対に失いたくない。どうすればいい。
見間違いの可能性は?
考えすぎなんじゃないか?
いくつもの考えが浮かび、同時に自身で否定してしまう。
「おとーちゃん?」
「……大丈夫だ、きっと見間違いだよ」
「――うん、そうかな?」
「あぁ、そうだよ。さ、ご飯食べよう」
夕ご飯を食べ、愛奈をベッドに連れて行き、何とか寝かせる。
最近は前のような我儘を言わなくなった。
我儘といっても遊びに行きたいとか、何々が食べたいなど可愛らしいものばかりだ。
全部叶えてやりたい。
思春期になればきっと俺から離れていくだろう。
寂しいがそれも大人になるという事だ。だからせめて、今だけは精一杯甘えさせてやりたい。
愛奈のためなら何でも出来る。
仕事部屋に行き、スマホを手に取った。
連絡帳の中から、先日会い、助けてくれた神主へ電話をかける。
夜も遅い時間だが、繋がるだろうか。
少しのコール音の後に、幸いにも相手は通話に応じてくれた。
「夜分に申し訳ありません。以前お世話になりました千時武久です。浅見さん覚えてますか?」
『ああ、お久しぶりですね。ええ、もちろん覚えておりますよ。どうされましたか』
「実は――」
俺は愛奈から聞いたことを伝えた。
遠足で山にピクニックに行くという話が出たこと。
今回は山には行かず、遊園地に行こうと話したこと。
そこまでは、浅見さんも頷きながら聞いていてくれた。
だが、娘の友人が猿のようなものを見たという話をした時に、電話越しでも雰囲気が変わったのが直ぐに分かった。
『――本当ですか?』
「ええ、何かの見間違いだと思うんですが、あまりにもピンポイントな話だったので相談したく」
『千時さんがいらっしゃるのは東京でしたよね、野生の猿が逃げたというニュースなどは?』
スマホを耳にあてながら首を振る。
「いえ、ありません。真っ先に調べましたがそんなニュースはありませんでした」
『……心配はいらないと思います。確かに強力な力をもった存在ですが、ああいったモノは山から離れてしまえば力は格段に落ちてしまうのです。態々自分の力を落としてまで街まで降りて来るなど考え難い』
「そ、そうですよね」
『ですが、何が切っ掛けになるか分かりません。十分にご注意を』
「はい、ありがとうございます」
少しだけ、胸の中の重りが消えたように感じる。
ああ、どうか見間違いでありますように。
だが、その願いは本当に空しく消え去った。
顔面が蒼白になっているのが自分でも分かる。
今自分が持っている一枚のプリント。
保護者様へのお知らせと記載されており、ここにはこのように書かれていた。
【昨日、不審者が園内に侵入した痕跡がありました。不審者は頭のない動物の死体を校庭に放置し去っていったようです。警察にも連絡をして警備を依頼しておりますが、保護者様も送迎の際には細心の注意を払ってください】
そしてその下に監視カメラで撮影した犯人と思われる画像が貼られていた。
深夜の街灯もない校庭のため、顔など判別も付かない。
かろうじて分かるのは手が異様に長いという事だろうか。
プリントを握る手に力が入る。
――あいつだ。
この長い手、夜のためシルエットしか見えないが、あの日、あの時いた猿の化け物。
それにかなり近い体型をしている。
一度見たあの日の光景がフラッシュバックし思わず、プリントを投げ捨ててしまう。
「愛奈、明日から幼稚園はお休みしよう」
「で、でも……」
「ごめんな、きっと、とーちゃんが何とかしてやるから」
自分の不安を誤魔化すように兎に角行動を起こす。
まずは電話だ。浅見さんに電話しよう。
スマホを操作し履歴から浅見さんの名前をタップする。
流れるコール音が早く終われと心の中で呟きながら繋がるのを待った。
『どうしました、千時さん。何か――』
「助けてください! 浅見さん、あいつが! あの化け物がッ!」
「落ち着いてください。まずは状況を――」
そこから俺は捲くし立てるように一息で今起きている一連の事を説明した。
相手の反応も聞かず、ただ自分の不安をぶつけるように。
「あいつです。この姿は間違いない。あいつが……愛奈を狙ってここまでッ!!」
『馬鹿な、ありえない。一人の人間にそこまで執着するなんて聞いた事もありません』
「ですが、事実あいつはこの場所にッ! 幼稚園からこの自宅まで距離だってそれほど離れていないんです!」
『千時さん、どうか落ち着いて。心を乱してはいけません。アレはまだ持っていますか?』
アレとは以前山から降りた際に、神社に行き、浅見さんから預かった札だ。
「もちろん、持っています」
『気休めでしょうが、それを常に娘さんに持たせてください、多少なりとも効果あるはず』
「わかりました、その後は!?」
どうすればいい?
そもそも山に近付かなければ平気だったんじゃないのか。
もう何をすればいいのか分からない。
正解が分からず目の前はただただ暗い。
だから、浅見さんに縋るしかないんだ。
『――後は祈るしかないでしょう。あの山の神に見付からないことを』
「なッ!」
何をいっている!?
見付からないように祈る? 馬鹿を言うな。
既にあの化け物は近くまで来ているんだ。
祈って何の意味があるんだ、それより――
「アレを追い払う方法はないのですか!?」
『申し訳ありません、千時さん。どうすることも出来ない事が世の中にはあるのです』
「そんなッ! そこを何とかお願いします!」
『無理なものは無理ですよ、千時さん。私はこういう仕事をしているため、勘違いをされてしまいますが、霊は見えますが、祓うことは出来ません。弱い霊なら何とかできるかも知れませんが、今回はただの動物霊なんてものじゃない、正直手に負えません、まさかそこまでの力を持っているとは想像出来ませんでした』
視界がぼやける。
考えが纏まらない、冷静になることなんて出来ない。
ただ、最愛の存在が危機にさらされているというのに何も出来ない。
それがどれほど悔しく、悲しく、苛立つものか。
「他に方法は何もないのですか? 本当に何もないのですか!? どうか! 愛奈は、愛奈だけは! そ、そうだ。俺が愛奈の身代わりになるとか!?」
『――千時さん、それは難しいかもしれません。実際直接相対した時、貴方は無事だったのでしょう?』
「でも、親父はッ!」
『話を聞く限り、貴方の父は倒すつもりで立ち向かったのでしょう。少しでも貴方達が逃げる時間を稼ぐために……』
つまり、愛奈の代わりに俺の命を差し出しても奴は満足しないという事ではなく、最初から愛奈を狙っての行動という事か。
「助けて下さい……どうか、どうか……」
『――一応手が無いわけではありません』
その言葉を聞き俯いていた顔を上げる。
「本当にですかッ!!」
『ええ、正直おすすめ出来ませんが、こういうことを専門にしている人間がおります。名前は大蓮寺京慈郎。霊を祓う事を専門にしている霊能者です』
「そ、その人なら!?」
聞いた事がある名前だ。
そうだ、テレビでも紹介されてたのを愛奈と見たことがある。
『ただ、彼はかなりの守銭奴でして……正直どれだけのお金を要求されるか分かりません。ですが、力は本物でしょう』
「愛奈のためなら、お金なんていくらでも払います! それで助かるなら……」
ようやく、光が見えてきた。
希望の光だ。俺は浅見さんにお礼を言って電話を切り、直ぐにネットで検索してみた。
すると直ぐにホームページが見つかる。
クリックして中に入ると、大きな数珠をつけた恰幅のいい男の写真が出てくる。
テレビで見た時と同じ柔らかい表情をしている。
俺は直ぐにこの人にアポを取るため電話番号を探したがどこにも乗っていない。
仕方なく依頼窓口と書かれた場所からメッセージを送ることにした。
今の現状など可能な限り詳しく記入し、送信。
後は待つだけだ。
だが、送ってから1日たっても返信が無い。
ネットで電話番号を探すがどこにもないため、連絡のしようがなくて俺は焦っていた。
どうすればいい? 何時あいつが来るか分からない。
早く何とかしないと行けないという焦りから俺はSNSなども、使い他にこういった事を専門にしている人がいないかネットの中を探し回った。
大蓮寺さんと同じく有名な霊能者何かのページを見つけるが予約が埋まっており、直ぐに対応できる所はなかった。
そうして、1つのSNSのアカウントを見つけた。
【勇実心霊相談所。前金なしの成功報酬のみ。どのような、悪霊も退治します】
胡散臭い。正直かなり胡散臭い。
だか、成功報酬のみであれば物は試しだろうか。
一応連絡だけでもしてみよう。
そう思いDMを送ろうと決心した。
スマホを耳にあて、部屋の中を右往左往してしまう。
愛奈の遠足の話を聞いて翌日、俺は以前世話になった神主に電話をしていた。
あの化け物を祓う事が出来ないか、その依頼だ。
『無理なものは無理ですよ、千時さん。私はこういう仕事をしているため、勘違いをされてしまいますが、霊は見えますが、祓うことは出来ません。弱い霊なら何とかできるかも知れませんが、今回はただの動物霊なんてものじゃない、正直手に負えません、まさかそこまでの力を持っているとは想像出来ませんでした』
あの日。
愛奈から遠足があると俺に告げた日の翌日だ。
まだ平気だと思っていた。遠足で山に行く。
本当に愛奈には可愛そうなことをしてしまうが、行かせることは出来ない。
だから遊園地に行こうと約束していた。
だというに――
「……おとーちゃん」
「ん? どうしたんだ愛奈」
幼稚園から帰ってきた娘が沈んだ面持ちなのが気になった。
嫌な予感がすると直感で感じたのを覚えている。
背中に冷たい汗が流れ、気温とは関係なく汗が額を流れるのを感じた。
「あのね、今日ね。ちーちゃんがね……」
「ちーちゃん? 千佳ちゃんがどうしたんだい?」
「……ちーちゃんが、幼稚園のブランコにお猿さんがいたって言ってたの」
「なッ!? ど、どうして……」
頭が真っ白になる。
息が止まりそうになり、無意識に愛奈を抱き寄せていた。
強く、強く腕の中にいる愛奈を抱きしめる。
この手の中の存在を絶対に失いたくない。どうすればいい。
見間違いの可能性は?
考えすぎなんじゃないか?
いくつもの考えが浮かび、同時に自身で否定してしまう。
「おとーちゃん?」
「……大丈夫だ、きっと見間違いだよ」
「――うん、そうかな?」
「あぁ、そうだよ。さ、ご飯食べよう」
夕ご飯を食べ、愛奈をベッドに連れて行き、何とか寝かせる。
最近は前のような我儘を言わなくなった。
我儘といっても遊びに行きたいとか、何々が食べたいなど可愛らしいものばかりだ。
全部叶えてやりたい。
思春期になればきっと俺から離れていくだろう。
寂しいがそれも大人になるという事だ。だからせめて、今だけは精一杯甘えさせてやりたい。
愛奈のためなら何でも出来る。
仕事部屋に行き、スマホを手に取った。
連絡帳の中から、先日会い、助けてくれた神主へ電話をかける。
夜も遅い時間だが、繋がるだろうか。
少しのコール音の後に、幸いにも相手は通話に応じてくれた。
「夜分に申し訳ありません。以前お世話になりました千時武久です。浅見さん覚えてますか?」
『ああ、お久しぶりですね。ええ、もちろん覚えておりますよ。どうされましたか』
「実は――」
俺は愛奈から聞いたことを伝えた。
遠足で山にピクニックに行くという話が出たこと。
今回は山には行かず、遊園地に行こうと話したこと。
そこまでは、浅見さんも頷きながら聞いていてくれた。
だが、娘の友人が猿のようなものを見たという話をした時に、電話越しでも雰囲気が変わったのが直ぐに分かった。
『――本当ですか?』
「ええ、何かの見間違いだと思うんですが、あまりにもピンポイントな話だったので相談したく」
『千時さんがいらっしゃるのは東京でしたよね、野生の猿が逃げたというニュースなどは?』
スマホを耳にあてながら首を振る。
「いえ、ありません。真っ先に調べましたがそんなニュースはありませんでした」
『……心配はいらないと思います。確かに強力な力をもった存在ですが、ああいったモノは山から離れてしまえば力は格段に落ちてしまうのです。態々自分の力を落としてまで街まで降りて来るなど考え難い』
「そ、そうですよね」
『ですが、何が切っ掛けになるか分かりません。十分にご注意を』
「はい、ありがとうございます」
少しだけ、胸の中の重りが消えたように感じる。
ああ、どうか見間違いでありますように。
だが、その願いは本当に空しく消え去った。
顔面が蒼白になっているのが自分でも分かる。
今自分が持っている一枚のプリント。
保護者様へのお知らせと記載されており、ここにはこのように書かれていた。
【昨日、不審者が園内に侵入した痕跡がありました。不審者は頭のない動物の死体を校庭に放置し去っていったようです。警察にも連絡をして警備を依頼しておりますが、保護者様も送迎の際には細心の注意を払ってください】
そしてその下に監視カメラで撮影した犯人と思われる画像が貼られていた。
深夜の街灯もない校庭のため、顔など判別も付かない。
かろうじて分かるのは手が異様に長いという事だろうか。
プリントを握る手に力が入る。
――あいつだ。
この長い手、夜のためシルエットしか見えないが、あの日、あの時いた猿の化け物。
それにかなり近い体型をしている。
一度見たあの日の光景がフラッシュバックし思わず、プリントを投げ捨ててしまう。
「愛奈、明日から幼稚園はお休みしよう」
「で、でも……」
「ごめんな、きっと、とーちゃんが何とかしてやるから」
自分の不安を誤魔化すように兎に角行動を起こす。
まずは電話だ。浅見さんに電話しよう。
スマホを操作し履歴から浅見さんの名前をタップする。
流れるコール音が早く終われと心の中で呟きながら繋がるのを待った。
『どうしました、千時さん。何か――』
「助けてください! 浅見さん、あいつが! あの化け物がッ!」
「落ち着いてください。まずは状況を――」
そこから俺は捲くし立てるように一息で今起きている一連の事を説明した。
相手の反応も聞かず、ただ自分の不安をぶつけるように。
「あいつです。この姿は間違いない。あいつが……愛奈を狙ってここまでッ!!」
『馬鹿な、ありえない。一人の人間にそこまで執着するなんて聞いた事もありません』
「ですが、事実あいつはこの場所にッ! 幼稚園からこの自宅まで距離だってそれほど離れていないんです!」
『千時さん、どうか落ち着いて。心を乱してはいけません。アレはまだ持っていますか?』
アレとは以前山から降りた際に、神社に行き、浅見さんから預かった札だ。
「もちろん、持っています」
『気休めでしょうが、それを常に娘さんに持たせてください、多少なりとも効果あるはず』
「わかりました、その後は!?」
どうすればいい?
そもそも山に近付かなければ平気だったんじゃないのか。
もう何をすればいいのか分からない。
正解が分からず目の前はただただ暗い。
だから、浅見さんに縋るしかないんだ。
『――後は祈るしかないでしょう。あの山の神に見付からないことを』
「なッ!」
何をいっている!?
見付からないように祈る? 馬鹿を言うな。
既にあの化け物は近くまで来ているんだ。
祈って何の意味があるんだ、それより――
「アレを追い払う方法はないのですか!?」
『申し訳ありません、千時さん。どうすることも出来ない事が世の中にはあるのです』
「そんなッ! そこを何とかお願いします!」
『無理なものは無理ですよ、千時さん。私はこういう仕事をしているため、勘違いをされてしまいますが、霊は見えますが、祓うことは出来ません。弱い霊なら何とかできるかも知れませんが、今回はただの動物霊なんてものじゃない、正直手に負えません、まさかそこまでの力を持っているとは想像出来ませんでした』
視界がぼやける。
考えが纏まらない、冷静になることなんて出来ない。
ただ、最愛の存在が危機にさらされているというのに何も出来ない。
それがどれほど悔しく、悲しく、苛立つものか。
「他に方法は何もないのですか? 本当に何もないのですか!? どうか! 愛奈は、愛奈だけは! そ、そうだ。俺が愛奈の身代わりになるとか!?」
『――千時さん、それは難しいかもしれません。実際直接相対した時、貴方は無事だったのでしょう?』
「でも、親父はッ!」
『話を聞く限り、貴方の父は倒すつもりで立ち向かったのでしょう。少しでも貴方達が逃げる時間を稼ぐために……』
つまり、愛奈の代わりに俺の命を差し出しても奴は満足しないという事ではなく、最初から愛奈を狙っての行動という事か。
「助けて下さい……どうか、どうか……」
『――一応手が無いわけではありません』
その言葉を聞き俯いていた顔を上げる。
「本当にですかッ!!」
『ええ、正直おすすめ出来ませんが、こういうことを専門にしている人間がおります。名前は大蓮寺京慈郎。霊を祓う事を専門にしている霊能者です』
「そ、その人なら!?」
聞いた事がある名前だ。
そうだ、テレビでも紹介されてたのを愛奈と見たことがある。
『ただ、彼はかなりの守銭奴でして……正直どれだけのお金を要求されるか分かりません。ですが、力は本物でしょう』
「愛奈のためなら、お金なんていくらでも払います! それで助かるなら……」
ようやく、光が見えてきた。
希望の光だ。俺は浅見さんにお礼を言って電話を切り、直ぐにネットで検索してみた。
すると直ぐにホームページが見つかる。
クリックして中に入ると、大きな数珠をつけた恰幅のいい男の写真が出てくる。
テレビで見た時と同じ柔らかい表情をしている。
俺は直ぐにこの人にアポを取るため電話番号を探したがどこにも乗っていない。
仕方なく依頼窓口と書かれた場所からメッセージを送ることにした。
今の現状など可能な限り詳しく記入し、送信。
後は待つだけだ。
だが、送ってから1日たっても返信が無い。
ネットで電話番号を探すがどこにもないため、連絡のしようがなくて俺は焦っていた。
どうすればいい? 何時あいつが来るか分からない。
早く何とかしないと行けないという焦りから俺はSNSなども、使い他にこういった事を専門にしている人がいないかネットの中を探し回った。
大蓮寺さんと同じく有名な霊能者何かのページを見つけるが予約が埋まっており、直ぐに対応できる所はなかった。
そうして、1つのSNSのアカウントを見つけた。
【勇実心霊相談所。前金なしの成功報酬のみ。どのような、悪霊も退治します】
胡散臭い。正直かなり胡散臭い。
だか、成功報酬のみであれば物は試しだろうか。
一応連絡だけでもしてみよう。
そう思いDMを送ろうと決心した。
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