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第12話
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『エレン、この花には何を祈る?』
あの突然の訪問以来、ちょくちょくやってくるこの人。
「またいらしたのですか?サミュエル様。」
そう、精霊王サミュエル様。
人間界と精霊界は断絶されているのではなかった?
どうしてこんなに、しょっちゅう来るの?
『うむ。エレンとエレンの育てる植物に会いたくてな。せっかく来たのだから、今日は私が願いを叶えてやるぞ。』
・・・。おかしいわ。どうしてこんなことに。
私が植物を育てるのに魔法を使ったのがいけなかったのよね。
皆に褒められて、必要とされているような気になって調子に乗って、たくさん使ったものね。
「そんな恐れ多い事、遠慮いたします。以前にも申しましたが、私はまさか本当に私の祈りが実現するとは思わなかったのです。ただ、植物にも声をかけたりすると良く育つから・・・。だから、せっかくならと祈りの言葉をかけていただけです。そういうつもりではありません。」
『本当にエレンは慎み深いな。そんなに遠慮せずとも、ちょこっとだけ効能を付与するだけだ。世界に影響するほどではない。安心しなさい。』
・・・そういう問題なのかしら?
だけど、サミュエル様は一度言い出すとなかなか引かない。
これはサミュエル様と交流するようになって分かったこと。
ここは諦めた方がいいかもしれないわね・・・。
「では。この花を見る方の気分が、少しでも晴れやかなものになりますように。」
『ふっ。本当に慎ましい願いだな、エレン。』
この世の者とは思えないほど美しい顔で微笑んでいらっしゃる・・・。
「恐れ多い事でございます。サミュエル様、そろそろ戻られた方がよいのでは?」
『そうだな。あまりこちらに長居をすると、ルーファスが怒るからな。最近、奴は怒りっぽくてかなわん。そうだ、この花を一輪もらえるか?これを見せて、ルーファスの気分を晴らしてやろう。』
従者の方・・・お気の毒に・・・。
「どうぞ。」
『ありがとう。では、またな。エレン。』
はぁぁぁぁ。本当に、どうしてこんなことに・・・。
○○○
精霊が実在し、さらには私が育てる植物に私が祈る効果を付与していたと精霊王から説明されたの2ヶ月ほど前。
話を聞いてからは、祈りや魔法を使わないようにしていた。
そしたら再び精霊王サミュエル様がいらっしゃった。
『エレン。魔法を使うことと祈ることはどうしてやめてしまったのかな?精霊達が落ち込んでいる。ちょっとくらい精霊が力を貸しても構わない。前のようにしなさい。』
そう言われた。
え~。苦情を言いに来たんじゃなかったの~??と混乱した私。
でも精霊王様にハッキリと言われれば、逆らうわけにもいかない。控えめに魔法と祈りを行っている。
そして、数日に一回は精霊王サミュエル様が私の温室にいらっしゃるようになった。
挙句の果てに、今日は精霊王様直々に願いを叶えていかれたわ。
・・・人間界に関わってはいけないのではなかったかしら?
誰にも愚痴る事もできずに、一人でそっとため息をつく。
そこへ、今度は執事のリチャードがやってきた。
「エレン様、少しよろしいでしょうか?」
「あら、リチャード。温室に来るなんて珍しいわね。どうしたの?」
「実は・・・。旦那様がエレン様とお茶を召し上がりたいとのことでして・・・。」
・・・え?今のは聞き間違いかしら?
「えっと・・・聞き間違いかしら?今、旦那様が私とお茶をって聞こえたような気がしたけれど・・・。私が大旦那様と聞き間違えたのよね?」
「・・・いいえ。旦那様で間違いありません。」
結婚してからもう一年近くなるけれど、一度もお会いしてなかったのだから。驚いてもしかたないわよね?
しかも、義両親が同席する朝食や夕食の席ではなくて、わざわざお茶を・・・?
あの突然の訪問以来、ちょくちょくやってくるこの人。
「またいらしたのですか?サミュエル様。」
そう、精霊王サミュエル様。
人間界と精霊界は断絶されているのではなかった?
どうしてこんなに、しょっちゅう来るの?
『うむ。エレンとエレンの育てる植物に会いたくてな。せっかく来たのだから、今日は私が願いを叶えてやるぞ。』
・・・。おかしいわ。どうしてこんなことに。
私が植物を育てるのに魔法を使ったのがいけなかったのよね。
皆に褒められて、必要とされているような気になって調子に乗って、たくさん使ったものね。
「そんな恐れ多い事、遠慮いたします。以前にも申しましたが、私はまさか本当に私の祈りが実現するとは思わなかったのです。ただ、植物にも声をかけたりすると良く育つから・・・。だから、せっかくならと祈りの言葉をかけていただけです。そういうつもりではありません。」
『本当にエレンは慎み深いな。そんなに遠慮せずとも、ちょこっとだけ効能を付与するだけだ。世界に影響するほどではない。安心しなさい。』
・・・そういう問題なのかしら?
だけど、サミュエル様は一度言い出すとなかなか引かない。
これはサミュエル様と交流するようになって分かったこと。
ここは諦めた方がいいかもしれないわね・・・。
「では。この花を見る方の気分が、少しでも晴れやかなものになりますように。」
『ふっ。本当に慎ましい願いだな、エレン。』
この世の者とは思えないほど美しい顔で微笑んでいらっしゃる・・・。
「恐れ多い事でございます。サミュエル様、そろそろ戻られた方がよいのでは?」
『そうだな。あまりこちらに長居をすると、ルーファスが怒るからな。最近、奴は怒りっぽくてかなわん。そうだ、この花を一輪もらえるか?これを見せて、ルーファスの気分を晴らしてやろう。』
従者の方・・・お気の毒に・・・。
「どうぞ。」
『ありがとう。では、またな。エレン。』
はぁぁぁぁ。本当に、どうしてこんなことに・・・。
○○○
精霊が実在し、さらには私が育てる植物に私が祈る効果を付与していたと精霊王から説明されたの2ヶ月ほど前。
話を聞いてからは、祈りや魔法を使わないようにしていた。
そしたら再び精霊王サミュエル様がいらっしゃった。
『エレン。魔法を使うことと祈ることはどうしてやめてしまったのかな?精霊達が落ち込んでいる。ちょっとくらい精霊が力を貸しても構わない。前のようにしなさい。』
そう言われた。
え~。苦情を言いに来たんじゃなかったの~??と混乱した私。
でも精霊王様にハッキリと言われれば、逆らうわけにもいかない。控えめに魔法と祈りを行っている。
そして、数日に一回は精霊王サミュエル様が私の温室にいらっしゃるようになった。
挙句の果てに、今日は精霊王様直々に願いを叶えていかれたわ。
・・・人間界に関わってはいけないのではなかったかしら?
誰にも愚痴る事もできずに、一人でそっとため息をつく。
そこへ、今度は執事のリチャードがやってきた。
「エレン様、少しよろしいでしょうか?」
「あら、リチャード。温室に来るなんて珍しいわね。どうしたの?」
「実は・・・。旦那様がエレン様とお茶を召し上がりたいとのことでして・・・。」
・・・え?今のは聞き間違いかしら?
「えっと・・・聞き間違いかしら?今、旦那様が私とお茶をって聞こえたような気がしたけれど・・・。私が大旦那様と聞き間違えたのよね?」
「・・・いいえ。旦那様で間違いありません。」
結婚してからもう一年近くなるけれど、一度もお会いしてなかったのだから。驚いてもしかたないわよね?
しかも、義両親が同席する朝食や夕食の席ではなくて、わざわざお茶を・・・?
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