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第二章 花選びの儀スタート!
お祭りが始まりました
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ええと、ぽっちゃりプリティなハムスターの私は、ハムスター代表で王子様の花嫁候補を選ぶ花選びの儀に出ることになりました。自分で言ってて意味が分からないよ……。
何故ハムスターの私が人間のイベントに参加してるの?
うーん、考えてても仕方ないか。なるようにしかならないし。
人間に変身できる魔法の種を食べたのだが、人間でいられるのは昼間の間だけのようだ。お日様が沈んでしばらく経つとハムスターの姿に戻っていた。
ハムスターの姿でメグと一緒に部屋の隅っこで眠って、朝になるとまた人間の姿に。
「これからずっと人間の姿とパムスターの姿を行ったり来たりするの?二重生活は面倒くさいし嫌よ」
「一カ月くらいで種の効力切れるって長老様が言ってたわよ」
鏡の前でぼやくと隣でメグが毛繕いしながら言った。
一カ月か。
夕方と朝方の変身シーンを人間に見られないように気をつけなきゃ。
「おはようございます。朝食は召し上がりますか?」
「頂きますー!」
部屋を出ると、朝日で美貌が眩しいアルジェンが笑顔をキラキラさせながら手招きする。わーい、久しぶりの人間の食事だあ。
朝ご飯は大変おいしゅうございました。
トロトロのスクランブルエッグも、焼き立てで香ばしいパンも人間でなければ味わえない。食事の間は人間に変身して良かったと思った。
至福の時間はアルジェンが告げた今日の予定で終わりを告げる。
「本日の花選びの儀は、自己PRをして頂きます」
「自己ぴーあーるぅ?」
「壇上に立ってスピーチし、聴衆に貴方の魅力を見せ付けるのです」
い、いきなりハードルが高いわね。
このポッチャリした身体をお披露目するとか、何の公開見せしめプレイ?!
「嫌っ、無理よ無理!」
「まあそう仰らずに。アンチョコは用意してございます」
それってどんな美味しいチョコなの……分かってるわよ、スピーチの原稿を用意してくれてるのね。何でこの男はこんなにやる気なのかしら。
結局アルジェンに説得され、私はいやいや花選びの儀の会場に向かった。
花選びの儀の会場である広場は、昨日までとは打って変わって賑やかになっていた。
広場にはステージが用意され、広場に繋がる道の両側に屋台が並んでいる。沢山の人が楽しそうに広場を往来していた。
「お祭りみたい……」
「ええ、祝祭ですよ」
アルジェンは私の手をとって微笑んだ。
「選ばれた花は最後に、女神イーリアス様へ豊穣を感謝する祈りを捧げることになっています。元々はそちらがメインだったのですが、先々代の王がついでに王子の花嫁候補を選ぶと言い出して、今では花嫁候補の選抜試験のようになってしまいました」
先々代の王様出てこい。
なんでミスコンやら花嫁選びだかに付き合わされなきゃいけないのよ。
「女神イーリアス様に祈りを捧げるため、他国からも観光客が多く訪れています。迷子にならないように気をつけて下さい」
ゆっくり手を引かれて、私はステージの脇の参加者の列へと向かった。
何故ハムスターの私が人間のイベントに参加してるの?
うーん、考えてても仕方ないか。なるようにしかならないし。
人間に変身できる魔法の種を食べたのだが、人間でいられるのは昼間の間だけのようだ。お日様が沈んでしばらく経つとハムスターの姿に戻っていた。
ハムスターの姿でメグと一緒に部屋の隅っこで眠って、朝になるとまた人間の姿に。
「これからずっと人間の姿とパムスターの姿を行ったり来たりするの?二重生活は面倒くさいし嫌よ」
「一カ月くらいで種の効力切れるって長老様が言ってたわよ」
鏡の前でぼやくと隣でメグが毛繕いしながら言った。
一カ月か。
夕方と朝方の変身シーンを人間に見られないように気をつけなきゃ。
「おはようございます。朝食は召し上がりますか?」
「頂きますー!」
部屋を出ると、朝日で美貌が眩しいアルジェンが笑顔をキラキラさせながら手招きする。わーい、久しぶりの人間の食事だあ。
朝ご飯は大変おいしゅうございました。
トロトロのスクランブルエッグも、焼き立てで香ばしいパンも人間でなければ味わえない。食事の間は人間に変身して良かったと思った。
至福の時間はアルジェンが告げた今日の予定で終わりを告げる。
「本日の花選びの儀は、自己PRをして頂きます」
「自己ぴーあーるぅ?」
「壇上に立ってスピーチし、聴衆に貴方の魅力を見せ付けるのです」
い、いきなりハードルが高いわね。
このポッチャリした身体をお披露目するとか、何の公開見せしめプレイ?!
「嫌っ、無理よ無理!」
「まあそう仰らずに。アンチョコは用意してございます」
それってどんな美味しいチョコなの……分かってるわよ、スピーチの原稿を用意してくれてるのね。何でこの男はこんなにやる気なのかしら。
結局アルジェンに説得され、私はいやいや花選びの儀の会場に向かった。
花選びの儀の会場である広場は、昨日までとは打って変わって賑やかになっていた。
広場にはステージが用意され、広場に繋がる道の両側に屋台が並んでいる。沢山の人が楽しそうに広場を往来していた。
「お祭りみたい……」
「ええ、祝祭ですよ」
アルジェンは私の手をとって微笑んだ。
「選ばれた花は最後に、女神イーリアス様へ豊穣を感謝する祈りを捧げることになっています。元々はそちらがメインだったのですが、先々代の王がついでに王子の花嫁候補を選ぶと言い出して、今では花嫁候補の選抜試験のようになってしまいました」
先々代の王様出てこい。
なんでミスコンやら花嫁選びだかに付き合わされなきゃいけないのよ。
「女神イーリアス様に祈りを捧げるため、他国からも観光客が多く訪れています。迷子にならないように気をつけて下さい」
ゆっくり手を引かれて、私はステージの脇の参加者の列へと向かった。
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