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第1巻 1期目 臨時国会
[自問自答]ニートは政治家になれるのか?
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ニート達が国会前で起こしてしまった騒動はあちこちのニュースに取り上げられた。本当にどこにカメラがあったのか確かめたい程、デモの様子が鮮明に写されている。(俺がデモの輪に踏まれているところも映っていた)
そんな感じでニュースにはなったが、デモはそれ以上の騒ぎになってなく、また、この主張をしていたのも一部の若者にすぎないので、政府は無視していた。しかし、このデモに関連して、共産党の議員から若者の雇用の現状についての質問が上がったので、政府も相手をせざるをえなくなった格好だ。
以下、共産党の議員からの質問である。
「就職できていない若者たちが国会前に集まって騒ぎを起こしてしまったことは、政府の方々も耳にしていることと思いますが、その原因たる、若者の就職環境を取り巻く過酷な現状について何か対策をされていますでしょうか?
もし、何も対策を取っていないならば早急に対策を取って頂きたい。」
これを受けて、政府からは既に対策は取っている。現状を調査し足りないようであれば、さらに対策を取るといういつもの答えが返ってきた。
俺もこの答弁を聞いて反省するべきであるが、彼らが騒ぎを起こしたのは俺の「ニートよ政治家になれ」の言葉に反応してしまったからであって、これを就業支援だけで片付けていいのかとも思う。
確かにニートが政治家になるのなんて無理というのが一般的な見方だろう。しかし、俺は講演の時、ニートの一人から「僕たちも政治家になれるのか」と問われ、「なれる」と言ってしまった。当選すれば誰だって政治家だからだ。
実際、選挙に立候補しようとすると供託金というものが必要で、それは国会議員の場合は300万円もかかるので、余程貯金を持っていない限り、ニートがその金額を払うことは無理かもしれない。しかし、供託金の安い市議会議員か、不要な町・村議員を狙えばなんとかなるのではないだろうか。もちろん供託金だけが立候補するための障壁というわけではない。彼らが引きこもった現状でも、世の中にしっかり目を向け、そして自分の考えを持って訴えようとしているかが大事である。それがなければ、立候補しても有権者に訴えて、自分に投票させることはできないからだ。
そして、当選した暁には自分たちのように苦労しているニート達のための行動を起こしてもらいたいものである。
だが、先日の彼らは立候補→当選→政治活動という政治家としての道ではなく、直接、国会議事堂に押し掛けるという行動に出てしまった。その行動力は買う。しかし、俺は彼らに今一度冷静になり、政治家になるためには何が必要かを考えて欲しい。
「・・・・・」
そこまで考えて、俺は自分の踏まれた足を見る。ズボンの下は包帯でぐるぐる巻きだ。いや、俺の怪我なんかどうでもいい。
「古味良一君」
突然、議長からお呼びがかかる。
「なっなんだ???」と、思って顔を上げると先日のニートの騒動について説明を求めるというものだった。
どうやら、共産党の追求を交わすのに手を焼いた政府が俺に話を振ったようだ。
俺は足を引きずってマイクの元へ歩いていく。突然、国会の大勢の議員の前で話すことになって焦ったが、俺はもう開き直って本心を言うことにした。
「私は先日の若者就職相談会の講演において、「ニートよ政治家になれ」と言いました。彼らはその言葉に触発され、国会前に押し掛けるという騒動を起こしてしまったようです。しかし、私はこの言葉を後悔はしていません。」
「あなたは本当に就職に困っている若者が選挙に立候補して当選して政治家になれると思っているのですか?その言動はあまりにも無責任ではありませんか?」
と、共産党の議員から質問が来る。
「なれます。頑張ればなれると信じています。私もニートでしたから」
実際に、ニートだったのは最後の会社に就職する前と、退職してから当選までの期間だけだったので、この発言では多少事実との違いはあるかもしれない。しかし、言い切ったことで俺はすがすがしい気分になった。しばらく、何も言わずに立っていると、席に戻るよう議長に指示されたので、俺は足を引きずって自席に戻る。
そんな俺に対して、議員席のあちこちからパチパチとまばらな拍手が迎えていた。
そんな感じでニュースにはなったが、デモはそれ以上の騒ぎになってなく、また、この主張をしていたのも一部の若者にすぎないので、政府は無視していた。しかし、このデモに関連して、共産党の議員から若者の雇用の現状についての質問が上がったので、政府も相手をせざるをえなくなった格好だ。
以下、共産党の議員からの質問である。
「就職できていない若者たちが国会前に集まって騒ぎを起こしてしまったことは、政府の方々も耳にしていることと思いますが、その原因たる、若者の就職環境を取り巻く過酷な現状について何か対策をされていますでしょうか?
もし、何も対策を取っていないならば早急に対策を取って頂きたい。」
これを受けて、政府からは既に対策は取っている。現状を調査し足りないようであれば、さらに対策を取るといういつもの答えが返ってきた。
俺もこの答弁を聞いて反省するべきであるが、彼らが騒ぎを起こしたのは俺の「ニートよ政治家になれ」の言葉に反応してしまったからであって、これを就業支援だけで片付けていいのかとも思う。
確かにニートが政治家になるのなんて無理というのが一般的な見方だろう。しかし、俺は講演の時、ニートの一人から「僕たちも政治家になれるのか」と問われ、「なれる」と言ってしまった。当選すれば誰だって政治家だからだ。
実際、選挙に立候補しようとすると供託金というものが必要で、それは国会議員の場合は300万円もかかるので、余程貯金を持っていない限り、ニートがその金額を払うことは無理かもしれない。しかし、供託金の安い市議会議員か、不要な町・村議員を狙えばなんとかなるのではないだろうか。もちろん供託金だけが立候補するための障壁というわけではない。彼らが引きこもった現状でも、世の中にしっかり目を向け、そして自分の考えを持って訴えようとしているかが大事である。それがなければ、立候補しても有権者に訴えて、自分に投票させることはできないからだ。
そして、当選した暁には自分たちのように苦労しているニート達のための行動を起こしてもらいたいものである。
だが、先日の彼らは立候補→当選→政治活動という政治家としての道ではなく、直接、国会議事堂に押し掛けるという行動に出てしまった。その行動力は買う。しかし、俺は彼らに今一度冷静になり、政治家になるためには何が必要かを考えて欲しい。
「・・・・・」
そこまで考えて、俺は自分の踏まれた足を見る。ズボンの下は包帯でぐるぐる巻きだ。いや、俺の怪我なんかどうでもいい。
「古味良一君」
突然、議長からお呼びがかかる。
「なっなんだ???」と、思って顔を上げると先日のニートの騒動について説明を求めるというものだった。
どうやら、共産党の追求を交わすのに手を焼いた政府が俺に話を振ったようだ。
俺は足を引きずってマイクの元へ歩いていく。突然、国会の大勢の議員の前で話すことになって焦ったが、俺はもう開き直って本心を言うことにした。
「私は先日の若者就職相談会の講演において、「ニートよ政治家になれ」と言いました。彼らはその言葉に触発され、国会前に押し掛けるという騒動を起こしてしまったようです。しかし、私はこの言葉を後悔はしていません。」
「あなたは本当に就職に困っている若者が選挙に立候補して当選して政治家になれると思っているのですか?その言動はあまりにも無責任ではありませんか?」
と、共産党の議員から質問が来る。
「なれます。頑張ればなれると信じています。私もニートでしたから」
実際に、ニートだったのは最後の会社に就職する前と、退職してから当選までの期間だけだったので、この発言では多少事実との違いはあるかもしれない。しかし、言い切ったことで俺はすがすがしい気分になった。しばらく、何も言わずに立っていると、席に戻るよう議長に指示されたので、俺は足を引きずって自席に戻る。
そんな俺に対して、議員席のあちこちからパチパチとまばらな拍手が迎えていた。
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