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第2巻 そして解散へ
サラブレッドの反心
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「相変わらずか親父は・・・・」
ここは水園寺義光の選挙事務所、腹心の間壁とテレビを見ている。父親の水園寺幸房の方が、水園寺割りを正当化するための論陣を張っているが相変わらず言い分がおかしく観客からは爆笑が沸き起こっている。それをテレビの方でも狙っているようであり、野党も同じような言い分で追求を繰り返すので、さながら同じネタのお笑いを繰り返し見ているようだ。
確かに選挙になれば世に認知されていることはとても重要だと義光は思う。なので、幸房がメディアに出ることには反対はしていない。しかし、毎日バッシングの嵐である。果たしてこうした炎上や爆笑が選挙の票に繋がるのだろうか。
「そもそも親父が引退すれば水園寺割りはなくなるんだから問題は解決するじゃないか」
そう問われたが間壁は返事をしない。ごつごつした顔を険しくしただけである。
幸房・義光親子は決して仲が悪かったわけではないが、最近の騒ぎが少しずつ亀裂を生んでいる。幸房の炎上が自分に飛び火するのが怖いからでもあるし、幸房が最近意固地になっているのもあるだろう。だが、幸房の選挙地盤は盤石だ。今まで世襲や水園寺割りを否定して参戦した候補者が落選する様を義光もよく見てきたのだ。
「もっとかませ犬のようなガツガツした奴が乗り込んで来て、いっそ親父を引き倒してくれないだろうか」
そうすれば少しは目が覚めるだろうと義光が考えると、ふと初登院の日に睨んできた古味の顔が脳裏に浮かんだ。義光がなんとなくインターネットのみんなが政治家を使い古味の名前を検索すると千葉県の選挙区が出てきた。
「あいつの選挙区は千葉か」
プロフィールを見ると聞いたことがない大学の経済学部を出ていて、前職は会社員と書いてある。プロフィールの詳細には閲覧者が能力評価をできるようになっていて、知名度が5段階の3で実行力が2であった。
「なんだかんだで名前が知れているんだな。野良犬のような行動ばかりだけどな」
サラブレッドは見下しつつも思ったより評価されている古味に驚かざるをえなかった。
「間壁、鰻はまだか」
そう義光が聞くと鰻の出前が届いた。間壁と義光それぞれが鰻重を取る。思えば、間壁との付き合いは長い。義光が政治家になる前から水園寺家に仕えているが、素性は謎のままだ。もしかしたらあまりよくない筋の出身ではないだろうかと義光は考えている。しかし、選挙に欠かせない泥くさい仕事を進んでこなしてくれているのは間壁だ。水園寺割りなどと言って親子で議席を維持している裏には間壁の存在も大きいかもしれない。
「解散風がかなり吹いているが間壁はそろそろ選挙があると思うか?」
「世論は盛り上がっていますが阿相政権はそうは崩れないでしょう。余程のことがない限りは」
間壁の政治の読みは正確だ。その余程のこととはなんだと聞こうとすると電話が鳴りだした。幸房からである。
「親父、いい加減静かにしろよ。流石に選挙に落ちるぞ」
電話を取るや否やろれつの回らない口調でまくしたてだした父親に義光はあきれた。
「おう。選挙上等じゃ。こっちはなあ、いっそ明日にでも選挙したい気分だよ。選挙に勝つ。そうすれば水園寺割りがどうだなどと世間も言わなくなる」
テレビで引かない幸房も精神的にかなり参っているのだろう。泥酔していて、もう埒があかないので義光は電話を切った。
ここは水園寺義光の選挙事務所、腹心の間壁とテレビを見ている。父親の水園寺幸房の方が、水園寺割りを正当化するための論陣を張っているが相変わらず言い分がおかしく観客からは爆笑が沸き起こっている。それをテレビの方でも狙っているようであり、野党も同じような言い分で追求を繰り返すので、さながら同じネタのお笑いを繰り返し見ているようだ。
確かに選挙になれば世に認知されていることはとても重要だと義光は思う。なので、幸房がメディアに出ることには反対はしていない。しかし、毎日バッシングの嵐である。果たしてこうした炎上や爆笑が選挙の票に繋がるのだろうか。
「そもそも親父が引退すれば水園寺割りはなくなるんだから問題は解決するじゃないか」
そう問われたが間壁は返事をしない。ごつごつした顔を険しくしただけである。
幸房・義光親子は決して仲が悪かったわけではないが、最近の騒ぎが少しずつ亀裂を生んでいる。幸房の炎上が自分に飛び火するのが怖いからでもあるし、幸房が最近意固地になっているのもあるだろう。だが、幸房の選挙地盤は盤石だ。今まで世襲や水園寺割りを否定して参戦した候補者が落選する様を義光もよく見てきたのだ。
「もっとかませ犬のようなガツガツした奴が乗り込んで来て、いっそ親父を引き倒してくれないだろうか」
そうすれば少しは目が覚めるだろうと義光が考えると、ふと初登院の日に睨んできた古味の顔が脳裏に浮かんだ。義光がなんとなくインターネットのみんなが政治家を使い古味の名前を検索すると千葉県の選挙区が出てきた。
「あいつの選挙区は千葉か」
プロフィールを見ると聞いたことがない大学の経済学部を出ていて、前職は会社員と書いてある。プロフィールの詳細には閲覧者が能力評価をできるようになっていて、知名度が5段階の3で実行力が2であった。
「なんだかんだで名前が知れているんだな。野良犬のような行動ばかりだけどな」
サラブレッドは見下しつつも思ったより評価されている古味に驚かざるをえなかった。
「間壁、鰻はまだか」
そう義光が聞くと鰻の出前が届いた。間壁と義光それぞれが鰻重を取る。思えば、間壁との付き合いは長い。義光が政治家になる前から水園寺家に仕えているが、素性は謎のままだ。もしかしたらあまりよくない筋の出身ではないだろうかと義光は考えている。しかし、選挙に欠かせない泥くさい仕事を進んでこなしてくれているのは間壁だ。水園寺割りなどと言って親子で議席を維持している裏には間壁の存在も大きいかもしれない。
「解散風がかなり吹いているが間壁はそろそろ選挙があると思うか?」
「世論は盛り上がっていますが阿相政権はそうは崩れないでしょう。余程のことがない限りは」
間壁の政治の読みは正確だ。その余程のこととはなんだと聞こうとすると電話が鳴りだした。幸房からである。
「親父、いい加減静かにしろよ。流石に選挙に落ちるぞ」
電話を取るや否やろれつの回らない口調でまくしたてだした父親に義光はあきれた。
「おう。選挙上等じゃ。こっちはなあ、いっそ明日にでも選挙したい気分だよ。選挙に勝つ。そうすれば水園寺割りがどうだなどと世間も言わなくなる」
テレビで引かない幸房も精神的にかなり参っているのだろう。泥酔していて、もう埒があかないので義光は電話を切った。
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