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第2巻 新革党の選挙戦
渦川俊郎の戦場③コミ ストゥッドゥ アップ アゲイン
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選挙終盤に差し掛かる頃、一気に劣勢になった候補者がいた。他でもない古味良一だ。
古味良一は初日に駅前の演説で水園寺親子と渡り合い、優勢をものにしたかのように見えた。その後も、ヨーツーベでの選挙動画など、得意のインターネットを利用した選挙戦術が功を奏し、新革党の中でも当選にいち早くたどり着くように見えた。しかし、数日するとそんな選挙戦術が裏目に出る。まあ、インターネットで垂れ流すだけの選挙運動などもともと褒められたものでもないが、どうやらそれを逆に利用したものがいるらしい。ある日を境に古味の評判が逆転し、掲示板の中で否定的なコメントが目立つようになっていた。ついにはネットを利用して楽をしているだけの烙印を押され、このままでは当選はおぼつかないかもしれない。
「これはいけない」
渦川は急遽予定を変更し、夜中であったが茨城県まで車を飛ばすことにした。
こちらは古味の選挙事務所、俺は事務所の椅子に座りながら、インターネットの評判が芳しくないことに悩んでいた。もともと炎上選挙で勝ったことは何度も言っている通り、俺はネット戦略に自信があった。先日アップした選挙動画も自信作であったし、掲示板のやり取りでも反発を受けないように自分の評判を上げるようにうまく誘導していたと思った。
しかし、ここ数日、なんというかじわじわと俺の悪口が増えている気がする。特にこたえたのはあまり駅前に姿を現さないという評判だ。先日、水園寺親子とかち合ってから意識して姿を現さなくしたのだが、そのことが裏目に出てしまったらしい。選挙カーであればかち合うことなく周れるのに、選挙カーがパンクしてしまったのが痛手である。パンクの修理はまだなのか。。。
「はーっ」
選挙期間にも関わらず俺は酒でも飲みたい気分になった。ちょっとぐらいいいかとコンビニに行きそうになったが、下手に深酒して明日二日酔いではそれこそネットの評判通りになってしまう。
「仕方がない。夜風にでもあたるか」
とりあえず今できるもっとも手っ取り早い気晴らしに向かうことにした。
ガチャ
しかし、ドアを開けた瞬間、何者かの黒い影が事務所に入ってきた。
「うおっ」
影の主はなんと渦川である。いやっ滋賀県にいるはずの渦川がここにいるはずがない。
「誰だ」
「渦川だよ」
意味のわからないやり取りをしばらく繰り返しているうちに俺も冷静さが戻ってきた。
「きょっ今日はどういうご用件で?」
「古味君。君は選挙演説してないようだね」
ちっそのことが渦川の耳にも入ってしまったか、と校舎裏で煙草をふかしているのを見つかったかのように舌打ちをする。
「君が水園寺親子と何かあってこのような状況になっているのは私もよくわかっている。しかし、そんな子供の喧嘩のようなことになってしまっていいのかい?それで君は今まで支持してくれた人たちに答えたと言えるのだろうか」
「・・・・・」
「君が当選したのは確かにインターネットの影響が大きかっただろう、だが、それからの君の行動は、果たしてインターネットだけのものだったのか?」
むむむ、俺はまた人前で言い争いになるのが嫌であの親子を避けるようになっていたかもしれない。しかし、それではこの俺を見たい、俺の話を聞きたいという人たちを裏切ることになるのか。国会議員になってから俺は体を張ってきたじゃないか。
「なるほどわかりました」
渦川は黙って俺の方を見ている
「自分がやってきたのは炎上選挙だけではありません。明日からは体当たりで有権者に訴えてきます」
渦川は頷く
「それでこそ古味良一だ。それでこそ君を支持する人達や。君の後ろ姿を追いかけようという人たちの期待に答えることができると思うよ」
俺の後ろを追いかける?そうか俺も今回当選すれば二期目になる。後ろから追ってくる者もいるかもしれない。高野清一を意識した渦川の言葉であったが、古味が彼だとわかるのはもう少し先である。
俺はよしっと駆け出そうとしたがまだ夜中だぞと渦川に止められこの場は寝ることにした。
古味良一は初日に駅前の演説で水園寺親子と渡り合い、優勢をものにしたかのように見えた。その後も、ヨーツーベでの選挙動画など、得意のインターネットを利用した選挙戦術が功を奏し、新革党の中でも当選にいち早くたどり着くように見えた。しかし、数日するとそんな選挙戦術が裏目に出る。まあ、インターネットで垂れ流すだけの選挙運動などもともと褒められたものでもないが、どうやらそれを逆に利用したものがいるらしい。ある日を境に古味の評判が逆転し、掲示板の中で否定的なコメントが目立つようになっていた。ついにはネットを利用して楽をしているだけの烙印を押され、このままでは当選はおぼつかないかもしれない。
「これはいけない」
渦川は急遽予定を変更し、夜中であったが茨城県まで車を飛ばすことにした。
こちらは古味の選挙事務所、俺は事務所の椅子に座りながら、インターネットの評判が芳しくないことに悩んでいた。もともと炎上選挙で勝ったことは何度も言っている通り、俺はネット戦略に自信があった。先日アップした選挙動画も自信作であったし、掲示板のやり取りでも反発を受けないように自分の評判を上げるようにうまく誘導していたと思った。
しかし、ここ数日、なんというかじわじわと俺の悪口が増えている気がする。特にこたえたのはあまり駅前に姿を現さないという評判だ。先日、水園寺親子とかち合ってから意識して姿を現さなくしたのだが、そのことが裏目に出てしまったらしい。選挙カーであればかち合うことなく周れるのに、選挙カーがパンクしてしまったのが痛手である。パンクの修理はまだなのか。。。
「はーっ」
選挙期間にも関わらず俺は酒でも飲みたい気分になった。ちょっとぐらいいいかとコンビニに行きそうになったが、下手に深酒して明日二日酔いではそれこそネットの評判通りになってしまう。
「仕方がない。夜風にでもあたるか」
とりあえず今できるもっとも手っ取り早い気晴らしに向かうことにした。
ガチャ
しかし、ドアを開けた瞬間、何者かの黒い影が事務所に入ってきた。
「うおっ」
影の主はなんと渦川である。いやっ滋賀県にいるはずの渦川がここにいるはずがない。
「誰だ」
「渦川だよ」
意味のわからないやり取りをしばらく繰り返しているうちに俺も冷静さが戻ってきた。
「きょっ今日はどういうご用件で?」
「古味君。君は選挙演説してないようだね」
ちっそのことが渦川の耳にも入ってしまったか、と校舎裏で煙草をふかしているのを見つかったかのように舌打ちをする。
「君が水園寺親子と何かあってこのような状況になっているのは私もよくわかっている。しかし、そんな子供の喧嘩のようなことになってしまっていいのかい?それで君は今まで支持してくれた人たちに答えたと言えるのだろうか」
「・・・・・」
「君が当選したのは確かにインターネットの影響が大きかっただろう、だが、それからの君の行動は、果たしてインターネットだけのものだったのか?」
むむむ、俺はまた人前で言い争いになるのが嫌であの親子を避けるようになっていたかもしれない。しかし、それではこの俺を見たい、俺の話を聞きたいという人たちを裏切ることになるのか。国会議員になってから俺は体を張ってきたじゃないか。
「なるほどわかりました」
渦川は黙って俺の方を見ている
「自分がやってきたのは炎上選挙だけではありません。明日からは体当たりで有権者に訴えてきます」
渦川は頷く
「それでこそ古味良一だ。それでこそ君を支持する人達や。君の後ろ姿を追いかけようという人たちの期待に答えることができると思うよ」
俺の後ろを追いかける?そうか俺も今回当選すれば二期目になる。後ろから追ってくる者もいるかもしれない。高野清一を意識した渦川の言葉であったが、古味が彼だとわかるのはもう少し先である。
俺はよしっと駆け出そうとしたがまだ夜中だぞと渦川に止められこの場は寝ることにした。
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