会社員だった俺が試しに選挙に出てみたら当選して総理大臣になってしまった件

もっちもっち

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第2巻 そして解散へ

[永田町戦国絵巻]風雲児古味良一②

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 どこまで来たのだろう。もう近江か?
「丁度、美濃の国に入ったところです。ここから越前に向かいます」
 越前?近江とどこが違うんだ。このあたりの地理は全くと言っていいほどわからない。
「越前も近江も美濃の隣です。越前は敵地。気を引き締めなされ」
 敵地?なんで敵の領土に行くんだろう。疲れのせいか頭が朦朧としていて正常な思考ができなくなっている。ただ、ただ、女忍者の後をついて行くだけであった。
 そして、二人は越前の国に入る。かなり北の方に来たのか夜は肌寒かったが、宿には恵まれていて凌ぐことができた。そこから山道を抜けると越前の国の城下町があるらしい。
「さて、この国では、この人とこの人に会いに行けばいいのね」
 女忍者は敵地の越前で何人かに密書を渡すつもりのようだ。
 しかし・・・・山道を歩いていくと、誰やら向こうからやってくる。
「お嬢ちゃんどこに行くのかな。おじさんも混ぜてくれんかねー」
 一人はちびで毛がバーコードのようになった派手な着物を着たおっさん。もう一人はデブで頭の上の方ははげで脂汗がたぎっていてつねに手拭いで額の汗を拭いている。
「相手にしてはいけません。行きますよ」
っと女忍者が踵を返しながら俺の背中を押す。するとデブの方が信じられないようなスピードで女忍者の前に回り込む。
「てぃ」
 女忍者が短刀をふるうがデブはその短刀をすんででかわす。
「やっぱり曲者か。さては渦川の手下だな」
「なぜそれを?」
「こんな時期にのこのこ手紙を渡して歩くなんて敵に決まってるじゃない。あんたらの行動筒抜けだよ」
バーコードの方が高笑いする。
「あなたは何者です」
「何者とは心外だね。曲者のくせに。私がこの国の殿様だよ」
「・・・・!」
 まさか、こんなところで越前の国主秋屋に出くわしてしまうとはっと、女忍者は舌打ちをするや否や・・・
「飛んで」
 そう言うと、女忍者は俺を後ろから崖の下に突き落とす。
「うおおおおお」
 俺は突き落とされ転げ落ちる。それに合わせて女忍者も崖の下に飛び降りた。
「渦川め。手下を使って、俺の国の手下に根回しをしていたな」
 秋屋が馬の上から崖の下を眺めながら言った。
「どうします。追いますか?」
「ふん。放っておけ、手下の罪は主の方にたっぷり払ってもらうからな」
 そう言うと、秋屋は古味たちを放っておいて自分の城に帰っていった。

 ガラガラガラ。俺と女忍者はめちゃくちゃに崖の下に転げ落ちる。体が木や岩に当たりまくり痛かったが、おかげで落下の速度は弱められているようだ。うまく一番下まで転げ落ちることができた。
「いたたたた」
「大丈夫ですか?怪我はありませんか?」
「いや、怪我がないわけないだろう。命は助かったみたいだけど」
「敵の頭に見つかって命が助かったのなら上出来です。このまま崖下を歩いて近江の国まで向かいましょう」
 どうやら、この国での調略は失敗だったようだ。それにしても、よくまあ女の身でこんな危険な役目を務めているもんだ。おれは感心して女忍者の後ろ姿を追った。
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