会社員だった俺が試しに選挙に出てみたら当選して総理大臣になってしまった件

もっちもっち

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第2巻 そして解散へ

[永田町戦国絵馬]風雲児古味良一④

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 そして、再び関八州。俺は渦川の命を受け戻ってきていた。途中、女忍者の順子の手配する足軽と合流する予定である。しかし、その前によるところがあった。
「みんなもう寝てるかな」
 下総の国の実家に戻ってきた俺はそーっと家の中の様子を見る。すると厠に立ったのか起きてきた妹の由香とばったり出くわしてしまう。
「あっおにい」
 慌てて口を手で押さえる。
「しーっ。親父が起きる」
「わかった。けど今までどこまで行ってたの?」
「近江の国だ」
「えーっ近江・・・」
「しーっ」
「今日、戻ってきたのはこれから大事な仕事に行かないといけないから別れを告げに来たんだ」
「えっまた行っちゃうの?」
「これを渡しに来た」
「あっ小判」
「近江の国の偉い人からもらったものだ。自分の分はとってあるから、これを親父に渡してくれ」
「わかった。お父さんに渡せばいいんだね」
「ああ、また手柄を立てて偉くなったら戻ってくる。そのときはもっとたくさんあげるからな」
 そう言うと、俺は夜道を走って家から離れていった。後ろを振り向くと由香はまだ家の前に立って俺の方を眺めていた。
 下総の国を出て上総の国に差し掛かったところ、ここで女忍者の手配した足軽達が待っていた。しかし、適当にかき集めた兵のようで、着ている鎧兜はばらばらだし、つけていない者もいた。
「俺が古味良一だ」
 足軽達がこっちを見る。
「みんな。集まってくれてありがとう。ここにいるみんなは百姓どころか流民の者も大勢いると聞く。だが、俺についてくれば大丈夫。飯の心配はもうしなくていい」
「へえ」
 俺もこの時点で別に渦川に信頼されているわけではないから、ここにいるみんなの飯の世話をできる保証などないわけだが、まとめるためにこう言うのは仕方がなかった。また、それだけに今回の戦は負けられない。文字通り背水の陣だ。
「さあ、行こう」
「おおう」
 みすぼらしい装備をまとい、奇声だけは大きく皆ぞろぞろと一緒に歩きだしていった。

 常陸の国。水園寺という阿相元春配下の有力大名が治める国である。水園寺家には現在、幸房という父親と義光という息子がおり、親子で共同統治をしている。ある城を境に常陸の国を二つに分けた形だ。そのような統治形態になったのは息子義光が後を継ぎ父親が後見人という体制になってからの話だが、それまでも先祖代々常陸の国を治めていた名門である。もちろん常陸の国の人々もそのことを十分わかっているから、戦国の世であってもこの国に動乱の起こるようなことは考えられなかった。

 しかし。。。
「敵襲だ」
 足軽の一人が大声で叫ぶ。
「敵?こんなところで敵などいるわけなかろう」
「いや。確かに敵襲だあれを見ろ」

 驚いた水園寺兵の前に現れたのは500人ほどの足軽を従えた古味良一であったのだ。
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