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1章『自分の姿決め編』
『騎士団』
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ズガガガガガ、ドパン!!!
「ふぅ、やっと出れた」
うーん、外はやっぱりいいな!
「つうかここ何処だ?」
ん?テント?
「ここは騎士団の本拠点の中庭だよ、侵入者くん」
後ろから声が聞こえ、振り向くと、胸板甲冑少女が居た。
「今非常に不快極まりない解釈をされたような気がするが・・・まぁいい、君、どうやってここへ来たんだい?」
んー?今不味い状況?
「通りすがりの迷子ってのは・・・」
「無理があり過ぎるね、まず、さっきも言った通りここは騎士団の本拠点だ、そしてもう一つ、君は結界が貼ってある地下から出て来た」
おーおー、包囲網は完璧だな。
「正直に言うと、俺はスライムだ」
ドヤ顔でキメてやったぜ!
「それは・・・本当かい?」
「あぁ、スライム様だ」
周りから笑い声が聞こえる。失礼な!天下一品のトコロテンよりぷるぷるなスライム様だぞ!
「静かに、そうか、君は魔物なのか」
「ふふふ、まぁ今は吸血鬼だがな」
吸血鬼・・・そういった瞬間に空気が変わった。
周りの騎士は全員強ばった顔をして、目の前の少女は無表情になった。
「今は?」
「あぁ、他にもドラゴンにもゴーレムにもゴブリンにもスライムにも狼にも蛇にもなれるぞ」
そう言うと、冗談だと受け取ったのか、剣呑な空気が消え、緩やかな空気になった。
「そうか・・・君、騎士団に入らないか?」
おいおい、よく変わる空気だな・・・騎士団か・・・
「悪いな、騎士団なんて聖職、モンスターにはできそうもねぇや」
「ふふ、じゃあ模擬戦をして行かないかい?」
「模擬戦?」
聞いたことはあるが、俺がやる必要は無いのでは・・・?と思ったが、少女が言った一言で考えを全部捨て去った。
「そう、模擬戦さ、これでも私は大隊長をやっていてね、もし勝ったら100万ギルと私を渡そう」
「胸板は要らないが・・・100万ギル・・・そうだな・・・金もないし、やってやろう」
ニコニコと、戦闘訓練に向けて思いを馳せる俺に対し、全く笑っていない目で笑いかけてくるむない・・・少女・・・
「よし、今日は泊まっていくといい、明日模擬戦をしよう」
「うぃーす、どこに泊まんの?」
ふむと首を傾げ、少女は後ろを指し、着いてくるよう示した。
────────────────────────────
「ここでいいだろう」
一つの大きな部屋の前に到着、両開きの扉を開け、中に入ると、一つの大きなベットに、様々な装飾がしてあった。
「客室にしてはやけに装飾が多いんだな・・・」
「?何を言っている、ここは私の部屋だぞ?」
よし出よう今出ようすぐに出よう。
「待ってくれ!客室は既に埋まっているのだ!どこも空いてないのだぞ!」
「いいよ、俺は食堂で寝る、明日からの食糧がなくても俺のせいじゃないからな、客室を用意出来ないお前らの責任だからな」
と、あぁとなにかに気づいたように手を叩く少女。
「そうか君は私の名前を知らないのか」
「ああ、知らないな」
別に知らなくてもいいけど・・・
「よく聞いとけよ、私の名は『ハインツィ・バル・ルーディス』ルーディと呼んでくれ」
「宜しくなルーディ」
長い名前だな、呼んで欲しいのならそう呼ぶけど・・・
「君の名前はなんて言うんだ?」
来たか・・・さて、どう言ったらいいか・・・
「魔物に名前なんて無いだろう?」
「そうだが・・・」
うーんと、あっそうだ、
「まぁスライムと読んでくれ」
うん、間違ってない。
「分かった・・・それと、食糧は取っといてくれよ、あれで1ヶ月分なんだ」
「分かってるよ」
まぁ嘘だがな・・・
その日の夜、皆が寝静まった頃、謎のゼリー物体が食糧を全て食い去るという事件が起こった。
「ふぅ、やっと出れた」
うーん、外はやっぱりいいな!
「つうかここ何処だ?」
ん?テント?
「ここは騎士団の本拠点の中庭だよ、侵入者くん」
後ろから声が聞こえ、振り向くと、胸板甲冑少女が居た。
「今非常に不快極まりない解釈をされたような気がするが・・・まぁいい、君、どうやってここへ来たんだい?」
んー?今不味い状況?
「通りすがりの迷子ってのは・・・」
「無理があり過ぎるね、まず、さっきも言った通りここは騎士団の本拠点だ、そしてもう一つ、君は結界が貼ってある地下から出て来た」
おーおー、包囲網は完璧だな。
「正直に言うと、俺はスライムだ」
ドヤ顔でキメてやったぜ!
「それは・・・本当かい?」
「あぁ、スライム様だ」
周りから笑い声が聞こえる。失礼な!天下一品のトコロテンよりぷるぷるなスライム様だぞ!
「静かに、そうか、君は魔物なのか」
「ふふふ、まぁ今は吸血鬼だがな」
吸血鬼・・・そういった瞬間に空気が変わった。
周りの騎士は全員強ばった顔をして、目の前の少女は無表情になった。
「今は?」
「あぁ、他にもドラゴンにもゴーレムにもゴブリンにもスライムにも狼にも蛇にもなれるぞ」
そう言うと、冗談だと受け取ったのか、剣呑な空気が消え、緩やかな空気になった。
「そうか・・・君、騎士団に入らないか?」
おいおい、よく変わる空気だな・・・騎士団か・・・
「悪いな、騎士団なんて聖職、モンスターにはできそうもねぇや」
「ふふ、じゃあ模擬戦をして行かないかい?」
「模擬戦?」
聞いたことはあるが、俺がやる必要は無いのでは・・・?と思ったが、少女が言った一言で考えを全部捨て去った。
「そう、模擬戦さ、これでも私は大隊長をやっていてね、もし勝ったら100万ギルと私を渡そう」
「胸板は要らないが・・・100万ギル・・・そうだな・・・金もないし、やってやろう」
ニコニコと、戦闘訓練に向けて思いを馳せる俺に対し、全く笑っていない目で笑いかけてくるむない・・・少女・・・
「よし、今日は泊まっていくといい、明日模擬戦をしよう」
「うぃーす、どこに泊まんの?」
ふむと首を傾げ、少女は後ろを指し、着いてくるよう示した。
────────────────────────────
「ここでいいだろう」
一つの大きな部屋の前に到着、両開きの扉を開け、中に入ると、一つの大きなベットに、様々な装飾がしてあった。
「客室にしてはやけに装飾が多いんだな・・・」
「?何を言っている、ここは私の部屋だぞ?」
よし出よう今出ようすぐに出よう。
「待ってくれ!客室は既に埋まっているのだ!どこも空いてないのだぞ!」
「いいよ、俺は食堂で寝る、明日からの食糧がなくても俺のせいじゃないからな、客室を用意出来ないお前らの責任だからな」
と、あぁとなにかに気づいたように手を叩く少女。
「そうか君は私の名前を知らないのか」
「ああ、知らないな」
別に知らなくてもいいけど・・・
「よく聞いとけよ、私の名は『ハインツィ・バル・ルーディス』ルーディと呼んでくれ」
「宜しくなルーディ」
長い名前だな、呼んで欲しいのならそう呼ぶけど・・・
「君の名前はなんて言うんだ?」
来たか・・・さて、どう言ったらいいか・・・
「魔物に名前なんて無いだろう?」
「そうだが・・・」
うーんと、あっそうだ、
「まぁスライムと読んでくれ」
うん、間違ってない。
「分かった・・・それと、食糧は取っといてくれよ、あれで1ヶ月分なんだ」
「分かってるよ」
まぁ嘘だがな・・・
その日の夜、皆が寝静まった頃、謎のゼリー物体が食糧を全て食い去るという事件が起こった。
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