ゲーム転生〜ゲームで最強になったら特典で異世界に行けた〜

最強願望者

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世界動乱への一歩

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1週間が経った。
サテラはなんか物凄い数式と資料を照らし合わせ、飯も食わず予測と特定をしている。
メガネメイド美少女は最強だなと思いました。

「・・・俺が言えたことじゃないんだが・・・あんまり根を詰められるとこっちも参るな」

「そうじゃのう・・・じゃが、もう少しで終わるじゃろう」

「そうですね。サテラの姉御は優秀ですから」

優秀・・・そっか、お前達の中でのサテラのイメージはそんなものか・・・

「・・・なぁ、サテラの過去設定を覚えてるか? 」

「・・・?いえ、私は知りません・・・」

いい機会だ。
サテラのゲーム設定でも語ってやるとしよう。

☆☆☆

真名『サイムステン・テラドゥースティアノ・ラミアスフィーゼ』略して愛称にしたのが、『サテラ』だ。

サテラは『吸血鬼』の元祖であり真祖。
初期ランクは驚異のレジェンド。
初期ランクがレジェンドなのはアップデートまではサテラとエルドラドのみ。
故に、『二強』として恐れられていた。
欲されていたとも、言えるがな。

さて、設定だが。

『世界の裏側である異界にて生まれ落ち、その才能センスから幼少より負け知らず。吸血による知識の奪取から『叡智の吸血姫』の2つ名を持つ』

ここまでが、テルミーアが追加されるまでの設定。
追加されると、以下の文が追加された。

『テルニアスティス・ミーユアニスト・アヴァンシスタと姉妹である。同じ混沌まりょくから生まれたため、本人達は姉妹だと思っている模様』

・・・まぁ、言いたいことは分かる。
血は繋がってないし、思っている模様ってなんだよってな。
だけどさ、俺と俺の兄妹達だってそんなものだ。

☆☆☆

「・・・みたいな感じだな」

俺は必要な所以外を削り話した。
2人の反応はまぁ予想通り。
二人とも顔を合わせてなるほどと頷く。

「だから姉御はあんなに聡明なんですね・・・」

「あぁ、そういう事だ」

あいつは常に向上心を持っている。
だから、俺はその向上の到達点に居なくちゃならない。
あいつを裏切らない為に。

☆☆☆☆☆☆

自我が目覚めるというのは、こういう事なのだろうか。
産まれた直後からの記憶があり、現在は前世の記憶すら持っている。

「・・・・・・・・・ふぅん」

懐かしいなぁ、この匂い。
お兄ちゃんの匂いだ。
でも、どこにいるのかな?

「・・・・・・ありゃりゃ」

壊れちゃった。
暇だったから遊んでたんだけどなぁ・・・
まぁいいや。
お兄ちゃんを探しに行こうかな。

『・・・主人を探しに行くのかい?』

「うん♪きっと待っててくれてるからね♪」

全身真っ赤な少年のような少女。
その頭上には少女に糸を垂らす半透明な黒い幽霊。
嗜虐に満ちた笑顔には、綻び1つ無い。

「ふっふふー、ボク達はここですよー、ふふっ」

『・・・意識が戻ったと思ったら・・・元気なお人形さんだこと』

2つの物体は進む。
囲んでいる重装備の騎士を蹴り飛ばしながら。
攻撃を避けもせず、無傷で歩きながら。

「・・・・・・あーもう、うるさいなぁ」

カクン、と。
体を反らす少女。
見開いた目は左右非対称に動き、口からは鋭い牙が覗いている。

「じゃあマニピュレーター、よろしくね?」

『任された』

これから3時間後、唐突に1つの国が消える。
無限に加速し、無限に戦う殺戮兵器に、3時間もっただけ僥倖。

「・・・・・・・・・んー・・・人形は疲れるねぇ・・・」

『はは、人形が疲れるって・・・とんだ矛盾だね?』

そんな軽口を交わしながら、少女達は進む。
主に向けて、まっすぐと。
それこそ、1ミリのズレもなく、一切の躊躇なく。

絶対の、慈悲もなく。

☆☆☆

「お兄様!特定が完了致しました!」

「ん、おお!そうかそうか、よくやったな」

サテラがニコニコと走り寄ってきて抱き着いてくる。
うむ、無意識だろうが物凄く可愛い。

「それで?転移門で行くのか?」

「それなんですが・・・魔力氷と呼ばれるテルミーアちゃんの特有魔法での氷であらゆる魔法が弾かれてしまうので・・・」

あー、だから俺の所に来たと。
普段は姉妹で異常なほど仲がいいが、お互いがお互いの魔法の弱点や攻略法を知らない。
知っても何になるとかないと思うんだがなぁ?

「分かった。俺の転移門で行くか」

「申し訳ございません・・・お願いします」

俺の転移門はパッシブスキルと防具の効果で弾く事が出来ない。
距離も無制限、個数も大きさも無制限だ。
これで何体のドラゴンを嵌めたか・・・

「よし、そんじゃ行くぞ。忘れ物はねぇな?」

「はい!大丈夫です!」

「儂もじゃ」

「私も大丈夫です」

別に、死ぬ程の脅威やら嫌がらせは無いだろうが・・・
少なからず、俺の妹達は恨まれ癖があるからなぁ・・・

『ワールドコネクト・・・グリーン、転移門ゲート起動』
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