ゲーム転生〜ゲームで最強になったら特典で異世界に行けた〜

最強願望者

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世界動乱への一歩

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「とまぁ、決意を固めた訳なんで・・・まずはどこから行こうか?」

「兄者、ここは無難にニーアスユエア大陸からが良いかと」

ま、それもそうか。
そこから色んな国に伸びるんだもんな。
事前情報はほとんど皆無。

当然だ。
およその位置と名称だけしか伝わっていないのだ。
もし辿り着いたとして、『固有種』に生かされるかどうかはそいつ次第。
まぁ、俺だったら圧倒できる自信あるがな。

だが、魔王達に話を聞いた所、期待以上の情報を得ることが出来た。
それが、以下の物語だ。

☆☆☆

とある所に、その英雄が居たり。

英雄は7人、『誠実』『親切』『不屈』『勇気』『忍耐』『正義』『決意』。

かの7大英雄にちなんで付けられた二つ名は、その者に吸収されるように馴染んだ。

英雄は自らの名を捨て、二つ名を『真名』として生きる事を決意した。


ある日、別々の大陸に住む英雄達の目の前に、『邪神』が現れた。

『邪神』は言った。

『我無限に生きる者。我が主君を見つけ出すまで──』

──世界を凍らせてやろう。

かくして、大陸の一つは氷に覆われた。
分厚く、硬く、綺麗な氷。

大陸の名は・・・

☆☆☆

「・・・ヒリュアスティ・・・」

天空大陸、不倒のヒリュアスティだ。
現在、厚さ10cmの『魔道氷』と呼ばれる氷に覆われ、まさに『氷の大陸』状態。

「・・・うーん、絶対アイツだよなぁ・・・」

つーか、邪神って・・・
まぁ、性格と性根は邪神のそれだけど・・・

「お兄様、テルミーアちゃんを迎えに行くのですか?」

テルミーア。
ゲームでの設定ではサテラの実妹で、めちゃくちゃ仲良し。
3回目のガチャアップデートでサテラとエルドラド同様の超激レアとして登場し、俺は1発で当てた。
つまり、運命!

なんて、ポジティブに考えることも出来るが、実際の性格は『ヤンデレ』もしくは『超ヤンデレ』で、俺は運悪く『超ヤンデレ』のテルミーアに当たってしまった。

いや、容姿は物凄く可愛いし、猫なで声もとても耳心地がいい。
だから、ある意味当たりなんだが・・・

「・・・ま、殺して私の物に系じゃなくて、私を認めて系のヤンデレだから・・・つっても、俺は関係なく大好きだがな」

「カッカッカッ!あやつは相当な兄様ラブじゃからのぅ・・・」

ありがたいやら・・・ありがたやー。

「さて、じゃあまずは、天空大陸の場所と行き方を調べるか」

「そうですね。私達も行ったことありませんし・・・そもそも、この世界に他の大陸がある事を知りませんでした」

「そうじゃのう・・・この大陸がデカすぎるんじゃ」

なるほど、確かに、今俺達が居るのは大陸の離島の一つ。
『大陸』一つだけじゃないのだから、そう思っても無理はない。

「まぁ、1つの大陸で地球一個分ありそうだよなぁ・・・」

「実際、少し小さい程度ですが・・・」

まじかよ・・・どんだけ・・・
まぁあんなゲーム作る神だしなぁ・・・あいつが創造神なのかどうかは知らんが・・・

「・・・ま、取り敢えず情報収集かねぇ・・・」

「といっても、資料漁りですが・・・」

まぁ、それだよなぁ・・・


☆☆☆

体が冷たいのは、死んでいる証拠。
体が凍っているのは、生き返る証拠。

・・・・・・♪

誰が聞いても、鼻歌だと答える音。
そして、氷が削れる独特な音。

・・・♪・・・・・・♪

手元にある素材こおりは苦悩に歪んだ顔のエルフ。
久々の良質素材に機嫌を更に良くした少女は、エルフの胸の辺りにメスを入れる。

「ふふ、思った通り、綺麗な心臓はーとね♪」

手に持たれているのは、凍っているが故にピクリとも動かない切り取られた心臓。
血液は一切流れておらず、周囲の床や机なども汚れてはいない。

「・・・さて、これで40個目・・・お兄様はこれで満足してくれるかしら・・・?」

少女には分かっていた。
こんな事をしなくても、どんなに小さい事でも、望は全力で喜んでくれると。
私は認められるだけじゃなくて、愛されてすらいるのだと。

「・・・あぁ・・・お兄様・・・早く・・・お会いしたいです・・・」

この世界でも、また、認めて貰えなかった。
だから、私達兄妹以外は必要ない。

・・・・・・♪

鼻歌は響き続ける。
その、凍った洞窟に。
時が止まった、世界に。

☆☆☆

「周期?」
 
「はい。5年に1度、魔王城の上空を通過するようで、丁度1ヶ月後に現れるそうです」

やっぱり、動くんだな・・・
魔王城に居座り続けて四日目。
食料の提供と、虐殺の禁止を条件に泊めて貰ってるが・・・
後1ヶ月・・・ちょっとキツイなぁ・・・

「・・・寝過ごすのも嫌だし・・・」

「軌道を予測致しますか?」

え?サテラってそんなこと出来るの?
俺の顔から読み取ったのだろう。
コクリと頷くと、1週間は掛かるとのこと。

「うーん・・・よし、じゃあそうしてくれ。見つかったらすぐに向かうとしよう」

「かしこまりました」

俺の妹達は皆優秀だな。
元CPUなんだから当たり前だが、もしかしたら建国してる奴も居たりして・・・?
なんて、ありえないか・・・

「・・・そんな事してたら、一発殴らねぇとな」

「あ、兄者?怖い顔ですよ?」

・・・・・・ま、そんな事ある訳ねぇか。
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