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世界最強のゲーマー
レベル4
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「あ、あ、兄者・・・?」
「やっぱり!カルマじゃないか!」
そのオークが、進化して目の前に居る。
恐らくオークディザスターにまで進化したのだろう。
うんうん、兄ちゃんは嬉しいぞ・・・!
「なんで・・・こんな所に兄者が・・・?」
「いやな、あの後神?に会ってさ。転生させてくれたんだよ。それにしても大きくなったなー!兄ちゃんより大きくなるなんてなー!しかも進化してるなんて、凄いじゃないか!」
俺は手を広げてニッコリと笑う。
いつもこうすると、こいつは抱き着いて来たっけなー。
「兄者ー!寂しかったよー!」
デカイ体から小さくなり、俺に抱き着いてくる。
俺より小さくなっちまったな・・・
やっぱり、妹はこの方が丁度いい・・・
☆☆☆☆
「そうか、さっきの姿はオークディザスターになった時に手に入れた能力か」
「はい!自分が望んだ姿になれる便利なスキルです!」
八重歯を覗かせて笑う少女。
さっきの面影は一切無く、この姿がデフォルトなんだそうだ。
・・・確かに、魔物って人化手に入れてたな。
「・・・うん、また会えて良かった・・・もう二度と会えないかと・・・」
あ、あれ?涙が・・・
出ないや。
「私も・・・兄者をずっと探してたんですよ?100年以上ずっと・・・」
「ま、まじか・・・」
なんか・・・悪い事したな・・・
☆☆☆☆
残りの魔物はカルマが森に戻る様に命令し、俺はカルマを肩車しながら街に戻った。
「・・・お前・・・何もんだ?」
司会役をしていた男からの辛辣な一言。
「俺は、しがない魔物の親であり兄弟だ」
「だ!」
カルマが俺の言葉に重ねて来る。
目を合わせてニコニコしていると、周りからどっと笑いが起こった。
「ハッハッハ!9000一気に倒したと思いきや小さくなったディザスターと仲良くして!ハッハッハ!もう笑うしかねぇよ」
どうでもいいけどさ、腹減った。
★★☆☆
バクバクもぐもぐ、ガチャガチャざわざわ。
ギルドに戻って数時間。
俺の周りには幾重にも重なる食器。
困った様な笑顔を見せる我が妹。
唖然とする職員と冒険者。
「・・・ふぅ、食った食った。流石に腹減るときついな!」
「兄者・・・食べ過ぎは良くないですよ?」
妹に口元を拭かれる幸せ・・・
これを理解できる同士はこの世界に居るだろうか・・・
「ノゾミ様、ギルドマスターがお呼びです」
ギルドマスター?
☆☆☆☆
コンコン、ドアをノックする音が聞こえた。
件の英雄だろうか。
あの9000の魔物を1人で追い込み、オークディザスターを妹と宣言する男・・・
「どうぞ」
「失礼致します」
どうやら教養がある様だ。
入って来たのは・・・左半分が白、右半分が黒の髪を持つ男。
瞳も髪と同じように色が異なる。
・・・しかし、違和感を覚えさせない顔だ。
その手にはオークディザスターと思われる少女が繋がれ、男に擦り寄っていた。
「どうぞ、そこに座って。お茶を出そう」
「すいません、頂きます」
話が長くなると悟ったのか、お茶を受け入れる男。
確か名前は・・・
「ノゾミ君・・・だったかな。僕がこのギルドの長をやってる、ラスターと言う」
「はい。家名は訳あって話せませんが、望と言います」
訳?どこかの貴族かな?
確かに、その言葉遣いは貴族のそれだけど。
「はい、どうぞ。さて、早速本題から入ろうかな」
もし、報告が本当なら、僕は上に報告しなければならない。
しかも、魔物達は途中の村や街を素通りしてこちらまで来た。
その真意も確かめなくては。
「君がオークディザスターだね?どうして今回はこの街を襲ったんだい?」
「えっと・・・呼ばれたから・・・?」
なんで疑問形・・・
まぁ、それについては大体検討が付いてるけど。
「・・・次に、ノゾミ君、9000体を倒したのは本当かい?」
「えぇ、一応倒しましたけど・・・」
ディザスターの頭を撫でながら答える。
・・・なかなか規格外のようだね。
「・・・君を白銀ランクに認定する。これから王都申請を出すから、明日また来て欲しい」
「はぁ・・・分かりました」
部屋を出る前にお辞儀をして出ていくノゾミ君。
ディザスターはこちらに睨みを利かせてから出ていった。
「・・・ふぅ・・・怖いなぁ・・・」
元英雄の僕ですらそう思うんだから、あんまり公に出来ないよね・・・
「・・・あ、国王様?新しい白銀ランクの申請がしたいんですけど・・・はい、例の冒険者で・・・ありがとうございます。はい、では後日向かわせますので・・・はい、失礼致します」
魔道具による対話。
僕が開発した物だから、なかなか使う気になれないのが本音だけど・・・
「・・・なにも、感じなかった・・・」
強者の風格も、魔力も、何も感じなかった。
微かに正気はあるものの、本当に生きてるのかすら疑問に思ってしまった。
・・・正体不明・・・この世で一番怖いものだ。
「やっぱり!カルマじゃないか!」
そのオークが、進化して目の前に居る。
恐らくオークディザスターにまで進化したのだろう。
うんうん、兄ちゃんは嬉しいぞ・・・!
「なんで・・・こんな所に兄者が・・・?」
「いやな、あの後神?に会ってさ。転生させてくれたんだよ。それにしても大きくなったなー!兄ちゃんより大きくなるなんてなー!しかも進化してるなんて、凄いじゃないか!」
俺は手を広げてニッコリと笑う。
いつもこうすると、こいつは抱き着いて来たっけなー。
「兄者ー!寂しかったよー!」
デカイ体から小さくなり、俺に抱き着いてくる。
俺より小さくなっちまったな・・・
やっぱり、妹はこの方が丁度いい・・・
☆☆☆☆
「そうか、さっきの姿はオークディザスターになった時に手に入れた能力か」
「はい!自分が望んだ姿になれる便利なスキルです!」
八重歯を覗かせて笑う少女。
さっきの面影は一切無く、この姿がデフォルトなんだそうだ。
・・・確かに、魔物って人化手に入れてたな。
「・・・うん、また会えて良かった・・・もう二度と会えないかと・・・」
あ、あれ?涙が・・・
出ないや。
「私も・・・兄者をずっと探してたんですよ?100年以上ずっと・・・」
「ま、まじか・・・」
なんか・・・悪い事したな・・・
☆☆☆☆
残りの魔物はカルマが森に戻る様に命令し、俺はカルマを肩車しながら街に戻った。
「・・・お前・・・何もんだ?」
司会役をしていた男からの辛辣な一言。
「俺は、しがない魔物の親であり兄弟だ」
「だ!」
カルマが俺の言葉に重ねて来る。
目を合わせてニコニコしていると、周りからどっと笑いが起こった。
「ハッハッハ!9000一気に倒したと思いきや小さくなったディザスターと仲良くして!ハッハッハ!もう笑うしかねぇよ」
どうでもいいけどさ、腹減った。
★★☆☆
バクバクもぐもぐ、ガチャガチャざわざわ。
ギルドに戻って数時間。
俺の周りには幾重にも重なる食器。
困った様な笑顔を見せる我が妹。
唖然とする職員と冒険者。
「・・・ふぅ、食った食った。流石に腹減るときついな!」
「兄者・・・食べ過ぎは良くないですよ?」
妹に口元を拭かれる幸せ・・・
これを理解できる同士はこの世界に居るだろうか・・・
「ノゾミ様、ギルドマスターがお呼びです」
ギルドマスター?
☆☆☆☆
コンコン、ドアをノックする音が聞こえた。
件の英雄だろうか。
あの9000の魔物を1人で追い込み、オークディザスターを妹と宣言する男・・・
「どうぞ」
「失礼致します」
どうやら教養がある様だ。
入って来たのは・・・左半分が白、右半分が黒の髪を持つ男。
瞳も髪と同じように色が異なる。
・・・しかし、違和感を覚えさせない顔だ。
その手にはオークディザスターと思われる少女が繋がれ、男に擦り寄っていた。
「どうぞ、そこに座って。お茶を出そう」
「すいません、頂きます」
話が長くなると悟ったのか、お茶を受け入れる男。
確か名前は・・・
「ノゾミ君・・・だったかな。僕がこのギルドの長をやってる、ラスターと言う」
「はい。家名は訳あって話せませんが、望と言います」
訳?どこかの貴族かな?
確かに、その言葉遣いは貴族のそれだけど。
「はい、どうぞ。さて、早速本題から入ろうかな」
もし、報告が本当なら、僕は上に報告しなければならない。
しかも、魔物達は途中の村や街を素通りしてこちらまで来た。
その真意も確かめなくては。
「君がオークディザスターだね?どうして今回はこの街を襲ったんだい?」
「えっと・・・呼ばれたから・・・?」
なんで疑問形・・・
まぁ、それについては大体検討が付いてるけど。
「・・・次に、ノゾミ君、9000体を倒したのは本当かい?」
「えぇ、一応倒しましたけど・・・」
ディザスターの頭を撫でながら答える。
・・・なかなか規格外のようだね。
「・・・君を白銀ランクに認定する。これから王都申請を出すから、明日また来て欲しい」
「はぁ・・・分かりました」
部屋を出る前にお辞儀をして出ていくノゾミ君。
ディザスターはこちらに睨みを利かせてから出ていった。
「・・・ふぅ・・・怖いなぁ・・・」
元英雄の僕ですらそう思うんだから、あんまり公に出来ないよね・・・
「・・・あ、国王様?新しい白銀ランクの申請がしたいんですけど・・・はい、例の冒険者で・・・ありがとうございます。はい、では後日向かわせますので・・・はい、失礼致します」
魔道具による対話。
僕が開発した物だから、なかなか使う気になれないのが本音だけど・・・
「・・・なにも、感じなかった・・・」
強者の風格も、魔力も、何も感じなかった。
微かに正気はあるものの、本当に生きてるのかすら疑問に思ってしまった。
・・・正体不明・・・この世で一番怖いものだ。
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