ゲーム転生〜ゲームで最強になったら特典で異世界に行けた〜

最強願望者

文字の大きさ
6 / 16
世界最強のゲーマー

レベル6

しおりを挟む
翌朝、何やら顔を赤くしたサテラを弄り、宿の朝食を食べた後にギルドへ足を運んだ。

3人には食堂で待ってもらう。
金を渡して。

「ギルドマスター。ノゾミです」

「やぁ!待っていたよ。どうぞ入って」

今日は機嫌がいいようだ。
声が昨日より明るい。

「さて、まずはこれを渡そうかな。白銀ランクの印さ」

首から掛けるタイプのアクセサリーのようだ。
前にもあったなぁ・・・こんなアイテム。

「ありがとうございます」

「いいよ。でね、王様が君と話したいって言うんだ。だから、王城に行ってくれないかな?」

王様?なんでまたそんな奴が。
はっ!まさか、俺をこの街に引き入れようと・・・!
こ、米じゃなければオーケーしないぞ!

「分かりました。これを見せればいいですか?」

「あぁ、白銀ランクの証なんて、どこの店でも国でも有効だからね」

☆☆★★

「・・・おい」

「はっ!兄者!」

「ご、ご主人様・・・!」

「ち、違うのじゃ!」

何が違うんだよ。
見たまんまじゃねぇか。

「お前ら俺と朝飯食ったよな?」

あんだけ食っといて・・・なんで金を使い切る?
1千万は渡したぞ?おかしくないか?
と言うかギルドにそんなに蓄えがある方が驚きだよ!(食材)

「・・・まぁいい。行くぞ」

もう二度とこいつらに金は渡さん。
いい教訓になったと思おう。


王城はなかなかデカかった。
少し色落ちはしているが、真っ白だったと思われる城壁に装飾の付いた窓が見える。

「誰だ貴様!・・・は、白銀ランク!?」

おぉ、びびってらぁ。
そんなにアレな奴なのか?白銀ランクって。

「失礼いたしました!どうぞお入りください!」

スゲーな。
なんか、スゲーな。

城の中に入ると、メイドが迎えてくれた。
・・・あれ?サテラと遜色ない?
コイツ、かなり出来るやつだったのか・・・

「国王様、ノゾミ様がお見えです」

「うむ、入り給え」

なんだ、偉そうな奴だな。
いや、偉いのか。

「初めまして、ノゾミと申します」

「うむ、ザルータだ」

後ろの3人はスルーで俺に座る様に言う国王。
ありがたい。説明が面倒だ。
エルドラドを膝の上に乗せ、落ち着いた所で話を聞く。

「取り敢えず白銀ランク昇格おめでとうと言っておこうか。此度の戦績にそこの従者。ただの小僧では無いようだ」

「ハッハッハ。そう言う国王も見る目があるご様子」

キラリと光る国王の目。
あっはー、本当に光る人居るんだ。

「・・・今回お主を呼んだのは他でもない。儂の家に婿に来て欲しい」

あ、エルドラドがビクッとした。
次いでにサテラ、殺気が漏れてる。

「・・・随分と急ですね。私にそこまでの価値などございませんよ?」

「何を言う!9000の単独撃破にそこまでの従者を揃える手前。泳がせておくのは勿体ないだろう?」

俺の場合は散歩してるんだけどなぁ・・・
・・・婿入りは嫌だな。
嫁なら貰わなくもない。

「婿入りは嫌ですが、嫁入りは大歓迎ですよ」

「そう言うと思ってな。色々用意して居るのだ」

そう言って紙を差し出す王様。
そこには、一千兆のギルと侯爵の爵位を与えるみたいな事が書いてあった。

「・・・えっと・・・すみません、お金はちょっと・・・」

「なんだ?不満か?」

・・・正直に言うか?
でも・・・いいや、面倒だし。

「ええっと、実は、手持ちはこれだけありまして・・・」

そう言って、紙に9を70万個書く。
というのは嘘だが、9×70万と書いた。
これは勿論、事実だ。
何度現実と変化しないかと思った事か・・・
まぁ、変わった所でこうなるだけだ。

その旨を伝えると、王様は愕然として呆然と口を半開きにする。
そりゃあそうだろう。
この世界のもの全部買ったって余りある金だ。
盗んでも盗んでも無くならないもんだから、盗む気にもならねぇってんだ。

「コホン・・・いやはや、まさかここまでとは・・・」

「?何か知ったような口ですね」

少し緩んだ顔をする国王。
椅子に背を預け、天井を見上げながら話し始めた。

「まずは比例を詫びよう。ノゾミよ、お主の事はギルドマスターから聞いて居る。オークディザスターを従え、教養もある。不思議な者だとな。試した訳では無いが、それに近しい事をした。婿入れは嘘ではないが、娘とお主の意思もあるだろう。冗談だと許してくれ」

「・・・まぁ、構いませんが・・・」

だから、驚いて居たのか。
確かに、知らない事を知ると驚くよなぁ。
俺も、ゲーマスが女の子だったのはガチでビビった。

「・・・ふむ、他の白銀ランクとは違うようだ」

「他の・・・あぁ・・・」

昨日の眠たげ少女を思い出す。
確かに、性格に癖はありそうだな。

「他の白銀ランクにも同じような話をしたのだがな、娘と息子を一目見て涎を垂らすものが多すぎて・・・お主なら、と思うのだが?」

「貰えるのなら、と言っておきます」

小さく笑う王様。
なんか、王様っぽくないな。

「・・・さて、本題は話したが、もう一つあるのだ。実はな、毎年隣国で開催される白銀ランクの集会があるのだが、行って貰えるだろうか?」

「隣国・・・ですか。分かりました」

一つ頷いて、もう帰っていいと言われた。
なんか、サッパリした終わり方だなーと思ったが、他の白銀ランクの評価から見ても、かなり苦労していたのだろう。

城の中は広く、出るのに時間が掛かった。
カルマは興味津々で辺りを眺めて居たが、エルドラドとサテラは念話で話しているようだった。
舐めるなよ?スキルの発動くらい感知は容易いんだ。
しおりを挟む
感想 19

あなたにおすすめの小説

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

神は激怒した

まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。 めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。 ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m 世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

あっ、追放されちゃった…。

satomi
恋愛
ガイダール侯爵家の長女であるパールは精霊の話を聞くことができる。がそのことは誰にも話してはいない。亡き母との約束。 母が亡くなって喪も明けないうちに義母を父は連れてきた。義妹付きで。義妹はパールのものをなんでも欲しがった。事前に精霊の話を聞いていたパールは対処なりをできていたけれど、これは…。 ついにウラルはパールの婚約者である王太子を横取りした。 そのことについては王太子は特に魅力のある人ではないし、なんにも感じなかったのですが、王宮内でも噂になり、家の恥だと、家まで追い出されてしまったのです。 精霊さんのアドバイスによりブルハング帝国へと行ったパールですが…。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

死に戻ったら、私だけ幼児化していた件について

えくれあ
恋愛
セラフィーナは6歳の時に王太子となるアルバートとの婚約が決まって以降、ずっと王家のために身を粉にして努力を続けてきたつもりだった。 しかしながら、いつしか悪女と呼ばれるようになり、18歳の時にアルバートから婚約解消を告げられてしまう。 その後、死を迎えたはずのセラフィーナは、目を覚ますと2年前に戻っていた。だが、周囲の人間はセラフィーナが死ぬ2年前の姿と相違ないのに、セラフィーナだけは同じ年齢だったはずのアルバートより10歳も幼い6歳の姿だった。 死を迎える前と同じこともあれば、年齢が異なるが故に違うこともある。 戸惑いを覚えながらも、死んでしまったためにできなかったことを今度こそ、とセラフィーナは心に誓うのだった。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...