2 / 3
第一章
若き騎士王
しおりを挟む
「緊張しているのか?アーサー。」
後ろから聞き覚えのある声が聞こえ、アーサーは後ろを振り向いた。
「兄上。確かに緊張はしています。ですが、俺は今日からブリテンの王です。ブリテンをより良き国にする為に、覚悟を決めていたところです。」
アーサーの兄、ケイはそれを聞き、安心したように微笑み、アーサーの肩をたたいた。
「お前は強い。弟よ、俺が抜けなかったエクスカリバーをお前が抜いたのだ。俺の分まで頑張ってくれよ。」
「もちろんです。ですが、兄上にも文官として俺と共に」
「すまんな、アーサー。俺はちとこれから旅に出ることにしたんだわ。行方不明の父を探しに行かねぇとだからな。全く困った親父だ。」
アーサーは残念に思ったが、アーサーが王位に即位すると決まってから行方を眩ませていた父のことは確かに気がかりだ。
「そうですか。では、父のことお願いします、兄上。」
「おう!任せときな!お前もしっかりな!じゃあ、また会おう!」
ケイはそれだけ言って、魔法を使い、その場から姿を消した。
アーサーは、王宮からブリテンを見渡し、改めて良い王となることを決意した。この時、アーサー、齢15歳であった。
ケイがブリテンを後にした数時間後、アーサーの王位即位式が始まった。ブリテンと同盟国にある様々な国からも客人が訪れ、その数はアーサーが今まで見たことも無いほどであった。アーサーは、前王ウーサーの最強の配下、セグラントの前まで行き、冠を授かった。
そして、セグラントが高らかに叫ぶ。
「これにて!ここに、ブリテンの新たなる王、アーサー王の誕生を宣言する!!!」
湧き上がる喝采、歓声。
アーサーはそれを手で制し、民衆の前に立った。
「私の名は、アーサー!アーサー・ペンドラゴンである!亡き父の跡を継ぎ、王として、我らが母国、ブリテンをより良き国にする為に、常に正しく優れた政治を行うことをここに宣言しよう!皆の者、私を信じ、ついてくるがよい!」
アーサーの宣言が終わるや否や、再び大きな歓声が起こる。
アーサーはそれを見届け、王宮の中へと戻っていった。
アーサーが王宮へ戻った後、民衆の中に紛れ込んでいたオークニー島の王、ロット王は隣にいたゴールの王、ユリエンス王に話しかけた。
「ユリエンス王よ、全く嘆かわしいことだとは思わんか?」
ユリエンス王は、眉をひそめ、静かな声で聞いた。
「何がだ?」
「何がだ、ではなかろう。アーサー・ペンドラゴンと言ったか、あんな小僧が、王だと?ブリテンももう終わりだな、そろそろ手を切った方が良いかもしれんぞ?」
ユリエンス王は普段から険しい顔をさらに険しくし、言った。
「そんなことをここで軽々しく言うものではない、ロット王よ。確かにまだ子供かもしれんが、あの少年の目を見れば、中々の大物だということが分かる。」
「はっ!どうだか。確かに武勇は優れるという話をよく聞くし、礼儀正しくもあるな。だが、所詮は子供。戦場に出れば、腰が引け、まともに戦うことも出来ないだろうよ。」
ロット王がそう言い、鼻で笑った時、警鐘が鳴り響いた。
「敵軍!!!敵軍が攻めてきたぞー!!!サクソン人だー!!!」
ロット王はそれを聞き、笑いながら言った。
「ふはは!何とタイミングの良いことだ!では、アーサー王のお手並み拝見といきましょうかな、ユリエンス王よ!」
ユリエンス王は、そんなロット王を放って、とっとと馬を走らせていた。
サクソン人侵攻の報せを聞き、アーサーは出陣の準備をしていた。サクソン人、それは祖父、コンスタンティン王の時代から、ブリテンへの侵攻を繰り返していた蛮族。父、ウーサーは病死だと言われているが、ブリテンに忍び込んだサクソン人に殺されたのだとアーサーは思っていた。だからアーサーは初陣で、サクソン人と戦えることを嬉しく思っていた。恐怖心など微塵もない。
「行くぞ!皆の者!憎き、サクソン人を皆殺しにしてくれようぞ!!!」
アーサーは号令を発すると馬を走らせた。そして、それに続くようにブリテンの兵がサクソン人に向かっていった。
ロット王とユリエンス王は部下を母国へ避難させ、高台からアーサーの戦いぶりを見ていた。そして、ロット王の表情からは先程のような威勢のいいものはとっくに消えていた。
「あの小僧、、。なんという強さだ。人間技には思えん、、。」
ロット王は、アーサーの鬼神の如き戦いぶりに完全に飲まれていた。それはユリエンス王も同じようで、彼に至っては言葉も出ないようであった。
「ユリエンス王、奴とはしばらくの間は諍いは起こさない方が良さそうだな。だが、やはりまだ軟弱者よ。確かに戦いぶりは凄まじいが、軍の指揮能力はそうでもないな。このままでは数で押されるぞ。」
少し落ち着きを取り戻したロット王がそう言った。
「ふむ、確かにそうだな。」
ユリエンス王もやっと喋り、それに同調する。ロット王とユリエンス王はもう充分と言うように、自らの領地へと戻っていった。
ブリテン軍2万に対し、サクソン軍5万。圧倒的なまでの差であった。だが、その差を感じさせないくらいにアーサーは強かった。そして、ブリテンの兵も強かった。戦いにはあまり向いていなかったブリテンの民をここまで強くしたのはウーサーである。ウーサー自身が戦い方を何人かに教え、そしてその教えを更に広めていった結果、ブリテンの兵は強者揃いのサクソン人よりも遥かに強くなったのだ。また、アーサー自身の武勇はまさに人間離れしていた。アーサーが剣を振るたびに5,6人のサクソン人が吹き飛ばされていく。アーサーの気迫にサクソン人の士気は完全に消沈していた。こうして、サクソン人は為す術も無く、撤退していった。
「我々の勝ちだ!!ブリテンの民よ、よく戦った!!!君達は私の誇りだ!!」
こうして、アーサーは輝かしい初陣を飾った。そしてアーサーのこの武勇はブリテン以外の様々な国家にも聞き伝わることになるのであった。
後ろから聞き覚えのある声が聞こえ、アーサーは後ろを振り向いた。
「兄上。確かに緊張はしています。ですが、俺は今日からブリテンの王です。ブリテンをより良き国にする為に、覚悟を決めていたところです。」
アーサーの兄、ケイはそれを聞き、安心したように微笑み、アーサーの肩をたたいた。
「お前は強い。弟よ、俺が抜けなかったエクスカリバーをお前が抜いたのだ。俺の分まで頑張ってくれよ。」
「もちろんです。ですが、兄上にも文官として俺と共に」
「すまんな、アーサー。俺はちとこれから旅に出ることにしたんだわ。行方不明の父を探しに行かねぇとだからな。全く困った親父だ。」
アーサーは残念に思ったが、アーサーが王位に即位すると決まってから行方を眩ませていた父のことは確かに気がかりだ。
「そうですか。では、父のことお願いします、兄上。」
「おう!任せときな!お前もしっかりな!じゃあ、また会おう!」
ケイはそれだけ言って、魔法を使い、その場から姿を消した。
アーサーは、王宮からブリテンを見渡し、改めて良い王となることを決意した。この時、アーサー、齢15歳であった。
ケイがブリテンを後にした数時間後、アーサーの王位即位式が始まった。ブリテンと同盟国にある様々な国からも客人が訪れ、その数はアーサーが今まで見たことも無いほどであった。アーサーは、前王ウーサーの最強の配下、セグラントの前まで行き、冠を授かった。
そして、セグラントが高らかに叫ぶ。
「これにて!ここに、ブリテンの新たなる王、アーサー王の誕生を宣言する!!!」
湧き上がる喝采、歓声。
アーサーはそれを手で制し、民衆の前に立った。
「私の名は、アーサー!アーサー・ペンドラゴンである!亡き父の跡を継ぎ、王として、我らが母国、ブリテンをより良き国にする為に、常に正しく優れた政治を行うことをここに宣言しよう!皆の者、私を信じ、ついてくるがよい!」
アーサーの宣言が終わるや否や、再び大きな歓声が起こる。
アーサーはそれを見届け、王宮の中へと戻っていった。
アーサーが王宮へ戻った後、民衆の中に紛れ込んでいたオークニー島の王、ロット王は隣にいたゴールの王、ユリエンス王に話しかけた。
「ユリエンス王よ、全く嘆かわしいことだとは思わんか?」
ユリエンス王は、眉をひそめ、静かな声で聞いた。
「何がだ?」
「何がだ、ではなかろう。アーサー・ペンドラゴンと言ったか、あんな小僧が、王だと?ブリテンももう終わりだな、そろそろ手を切った方が良いかもしれんぞ?」
ユリエンス王は普段から険しい顔をさらに険しくし、言った。
「そんなことをここで軽々しく言うものではない、ロット王よ。確かにまだ子供かもしれんが、あの少年の目を見れば、中々の大物だということが分かる。」
「はっ!どうだか。確かに武勇は優れるという話をよく聞くし、礼儀正しくもあるな。だが、所詮は子供。戦場に出れば、腰が引け、まともに戦うことも出来ないだろうよ。」
ロット王がそう言い、鼻で笑った時、警鐘が鳴り響いた。
「敵軍!!!敵軍が攻めてきたぞー!!!サクソン人だー!!!」
ロット王はそれを聞き、笑いながら言った。
「ふはは!何とタイミングの良いことだ!では、アーサー王のお手並み拝見といきましょうかな、ユリエンス王よ!」
ユリエンス王は、そんなロット王を放って、とっとと馬を走らせていた。
サクソン人侵攻の報せを聞き、アーサーは出陣の準備をしていた。サクソン人、それは祖父、コンスタンティン王の時代から、ブリテンへの侵攻を繰り返していた蛮族。父、ウーサーは病死だと言われているが、ブリテンに忍び込んだサクソン人に殺されたのだとアーサーは思っていた。だからアーサーは初陣で、サクソン人と戦えることを嬉しく思っていた。恐怖心など微塵もない。
「行くぞ!皆の者!憎き、サクソン人を皆殺しにしてくれようぞ!!!」
アーサーは号令を発すると馬を走らせた。そして、それに続くようにブリテンの兵がサクソン人に向かっていった。
ロット王とユリエンス王は部下を母国へ避難させ、高台からアーサーの戦いぶりを見ていた。そして、ロット王の表情からは先程のような威勢のいいものはとっくに消えていた。
「あの小僧、、。なんという強さだ。人間技には思えん、、。」
ロット王は、アーサーの鬼神の如き戦いぶりに完全に飲まれていた。それはユリエンス王も同じようで、彼に至っては言葉も出ないようであった。
「ユリエンス王、奴とはしばらくの間は諍いは起こさない方が良さそうだな。だが、やはりまだ軟弱者よ。確かに戦いぶりは凄まじいが、軍の指揮能力はそうでもないな。このままでは数で押されるぞ。」
少し落ち着きを取り戻したロット王がそう言った。
「ふむ、確かにそうだな。」
ユリエンス王もやっと喋り、それに同調する。ロット王とユリエンス王はもう充分と言うように、自らの領地へと戻っていった。
ブリテン軍2万に対し、サクソン軍5万。圧倒的なまでの差であった。だが、その差を感じさせないくらいにアーサーは強かった。そして、ブリテンの兵も強かった。戦いにはあまり向いていなかったブリテンの民をここまで強くしたのはウーサーである。ウーサー自身が戦い方を何人かに教え、そしてその教えを更に広めていった結果、ブリテンの兵は強者揃いのサクソン人よりも遥かに強くなったのだ。また、アーサー自身の武勇はまさに人間離れしていた。アーサーが剣を振るたびに5,6人のサクソン人が吹き飛ばされていく。アーサーの気迫にサクソン人の士気は完全に消沈していた。こうして、サクソン人は為す術も無く、撤退していった。
「我々の勝ちだ!!ブリテンの民よ、よく戦った!!!君達は私の誇りだ!!」
こうして、アーサーは輝かしい初陣を飾った。そしてアーサーのこの武勇はブリテン以外の様々な国家にも聞き伝わることになるのであった。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
レオナルド先生創世記
ポルネス・フリューゲル
ファンタジー
ビッグバーンを皮切りに宇宙が誕生し、やがて展開された宇宙の背景をユーモアたっぷりにとてもこっけいなジャック・レオナルド氏のサプライズの幕開け、幕開け!
可愛らしい人
はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」
「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」
「それにあいつはひとりで生きていけるから」
女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。
けれど、
「エレナ嬢」
「なんでしょうか?」
「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」
その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。
「……いいえ」
当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。
「よければ僕と一緒に行きませんか?」
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる