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昔から、夢を見ていた。
夢しか見ていなかったと言ったほうが正しいかもしれない。
夢を見ることに関しては他の同級生たちと比べても達者だったように思う。
夢は大きいほうがいい。
そう信じていた。
三歳くらいの時に父とキャッチボールをした。
父はかつて甲子園を夢見た高校球児であり、息子ができたら野球をやらせたかったようだった。
最初は父が投げるボールを上手く取れなかったし、上手く投げることもできなかった。
しかし、回数をこなすにつれて上達すると、僕は声高らかに宣言した。
「ぼく、おとなになったら、ぷろやきゅーせんしゅになる」
これが、僕が見た最初の夢だった。
それからも、父の時間がある時にはキャッチボールに付き合ってもらい、プラスチックバットを買ってもらってバッティングも始めた。
「本当にプロ野球選手になれるかなぁ?」
ある日、父が僕に訊いた。
「がんばってれんしゅーすればなれるとおもう」
僕の言葉に父は微笑みながら、
「じゃあ、いっぱい練習するか」
といった。
僕は本当にプロ野球選手になれると思っていた。
その頃はできないことでも、いつかは努力すればできるようになるのだと信じていた。
幼稚園を卒園する時、文集を作るために入学する小学校と将来の夢を書かなければならなかった。
僕は将来の夢に、ぷろやきゅうせんしゅ、と書いた。
しかし、何のためらいもなく書いたわけではない。
実はその頃、Jリーグが発足して間もない頃であり、僕は少しサッカーにも興味を持ち始めた。
しかし、父がサッカーより野球のほうが好きなことは何となくわかっていたし、一度宣言した手前、そう簡単には夢を変えられないという思いが幼いながらにあって、僕はサッカーに興味があることを言い出せないでいた。
無論、野球が嫌いだったわけではなかったので、父とのキャッチボールは続けた。
小学生になっても、四年生までは部活に入れなかったので、それまでは父とのキャッチボールを頑張ろうと思った。
夢しか見ていなかったと言ったほうが正しいかもしれない。
夢を見ることに関しては他の同級生たちと比べても達者だったように思う。
夢は大きいほうがいい。
そう信じていた。
三歳くらいの時に父とキャッチボールをした。
父はかつて甲子園を夢見た高校球児であり、息子ができたら野球をやらせたかったようだった。
最初は父が投げるボールを上手く取れなかったし、上手く投げることもできなかった。
しかし、回数をこなすにつれて上達すると、僕は声高らかに宣言した。
「ぼく、おとなになったら、ぷろやきゅーせんしゅになる」
これが、僕が見た最初の夢だった。
それからも、父の時間がある時にはキャッチボールに付き合ってもらい、プラスチックバットを買ってもらってバッティングも始めた。
「本当にプロ野球選手になれるかなぁ?」
ある日、父が僕に訊いた。
「がんばってれんしゅーすればなれるとおもう」
僕の言葉に父は微笑みながら、
「じゃあ、いっぱい練習するか」
といった。
僕は本当にプロ野球選手になれると思っていた。
その頃はできないことでも、いつかは努力すればできるようになるのだと信じていた。
幼稚園を卒園する時、文集を作るために入学する小学校と将来の夢を書かなければならなかった。
僕は将来の夢に、ぷろやきゅうせんしゅ、と書いた。
しかし、何のためらいもなく書いたわけではない。
実はその頃、Jリーグが発足して間もない頃であり、僕は少しサッカーにも興味を持ち始めた。
しかし、父がサッカーより野球のほうが好きなことは何となくわかっていたし、一度宣言した手前、そう簡単には夢を変えられないという思いが幼いながらにあって、僕はサッカーに興味があることを言い出せないでいた。
無論、野球が嫌いだったわけではなかったので、父とのキャッチボールは続けた。
小学生になっても、四年生までは部活に入れなかったので、それまでは父とのキャッチボールを頑張ろうと思った。
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