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2 ⊂( ´ㅅ` )⊃ブーン⊂( ´ㅅ` )⊃ブーン

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 .....ざわっ、ざわざわざわざわ.....


 無数の人のささやくような声がする。



 その不快なざわめき声に耐えかねてオレは目を覚ました。


 オレは草むら、茂みの中に横になってたようだ。

 ざわめく声は自分の周りを

 ⊂( ´ㅅ` )⊃ブーン⊂( ´ㅅ` )⊃ブーン


 と飛び交う無数の羽虫どもの羽音だったようだ。

 なにやらこの羽虫ども楽しそうで気持ち悪いな・・・・

 オレは、羽虫を払いのけながら重い腰を上げた。

 ___どこだここは??


 そう思った瞬間、すこしずつ先ほどのことを思い出してきた。

 オレはどういやら一度死んで、女神様に異世界に送り出されたらしい。

 そしてどうやらのここは草むら?木々が生い茂っていることから森の中らしい。

 送り出された異世界の森のようだ。


 ___異世界転生キタコレ!!


 しかし、森か・・・、最初は初級冒険者の街とか、冒険者の店とか、もう少し便利なところに送り届けて欲しいものである。


 いきなりスタートが、何もない森とか、シビアな女神様である。

 幸いなことにまだ昼間だが、夜の森だったらと思うとぞっとする。

 とりあえず、自分の体を触ってみる。

 布を体に巻き付けて帯を締めただけの旅館の浴衣のような質素な服を着ている。

 サンダルのような粗末な靴を履いている。

 元の世界の制服は着ていないようだ。

 何か持ち物はあるのか?

 周りも探してみるがバックなどもなく、
 他に持ち物らしいものないようだ。

 ___初期装備なし???
 現代装備の持ち込みも無し?

 __某人気のプラスマイナスゼロ付近から始める異世界転生モノの嫌われ無能主人公でもケータイやコンビニのお菓子とか持ってたぞ?


 しかしまあ、色々なスキルがあれば初期装備は不要だろう。

 なんでも物をしまえる便利な収納スキル、自分や相手のステータスを確認したりできるスキル。 

 その他、戦闘や魔法などさまざまなスキルを異世界転生者は持っているのが定石だ。

 受験勉強前はあらゆるアニメ、ラノベを読み漁り、なろう系信者であったこのオレなら、そんなスキルはすぐに探し当てて使いこなせるだろう。


 手始めに自分の情報を確認してみよう。


「ステータス!」



 ⊂( ´ㅅ` )⊃ブーン⊂( ´ㅅ` )⊃ブーン...(羽虫の音




「ステータス!オープン!」


 ⊂( ´ㅅ` )⊃ブーン⊂( ´ㅅ` )⊃ブーン....(羽虫の音

 
 キーワードが違うのかな?


「プロフィール!」



 ⊂( ´ㅅ` )⊃ブーン⊂( ´ㅅ` )⊃ブーン...(羽虫の音



「鑑定!」「情報収集!」「大賢者!」



 ⊂( ´ㅅ` )⊃ブーン⊂( ´ㅅ` )⊃ブーン...(羽虫の音




 とりあえず思いつくキーワードを叫んでみたがなにも起こらない。

 ぶーんぶーんと羽虫どもが周りを飛び交う音だけが響く。

 能力鑑定系のスキルとか無いのか?

 うーむ、これがないと自分がどんな能力を持っているのかわからない。

 異世界転生系でも難易度が高い奴なのかもしれない。

 __とりあえず暗くなる前に森を抜けよう。

 そう思い立ったオレは茂みをかき分けて森をさ迷い歩き始めた。

 生い茂る茂みで何度か足を取られ、木の枝で何度も腕や顔を切った。

 これはキツイ。森の中を進むのってこんなにきついのか。


 ⊂( ´ㅅ` )⊃ブーン⊂( ´ㅅ` )⊃ブーン....(羽虫の音


 しかもずっとハエのような羽虫どもが頭の上で付きまとい、
 なにやら楽しそうで、とてつもなくうざったい。

 それでも森を抜けるため羽虫どもを従えながら

 茂みをひたすら掻き分けて

 前への進むしかないのであった。


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