【声劇台本】館のミステリープログラム

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【3人声劇】プロローグ〜始まりの探偵の出会い〜

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所要時間  約15分



登場人物
新米探偵 バロン  年齢→20代前半
謎の探偵 レジス・ジュディシー 年齢→30代前半
館の管理人補佐 ドム・プロテガ 年齢不詳(ご想像で)




バロン「にしても・・・こんな立派な館にたった50ドルで泊まれるとなると、なんかアヤしさマックスって感じだよなぁ・・・」


バロン(ナレ)僕はリュックの中から、小さなパンフレットを取り出す・・・


バロン「うーん・・・ 【トレジャーハンタープログラム】ねぇ・・・ 胡散臭いったらありゃしないけど、謎解きは探偵の基本だよな!!」


バロン(ナレ)このプログラムに参加する理由は簡単だった・・・
僕には・・・お金がない・・・


バロン「探偵事務所を開いて早半年・・・ 未だに何の依頼もないってなるとなぁ・・・」


バロン(ナレ)大学の法学部を卒業し、法律を学んだ僕は、警察の道には行かずにいきなり探偵事務所を開いてしまったのだ・・・・


バロン「でも、このプログラムで謎解きに成功したあかつきには、500万ドルの賞金があるって書いてあるしな!! しかも、このプログラムの成功者は、過去2人しかいないらしいし、成功すれば一気に有名になれるかもしれない・・・!!」


バロン(ナレ)勝手に成功すると思い込んで、思わず変な笑いが出てしまった・・・  すると、僕の前から一人の男がぶつかってきた・・・


レジス「おっと・・・ 失礼・・・」


バロン「あっ・・・ ごめんなさい・・・」


レジス「すまない、少し考え事をしていてね・・・」


バロン「いえいえ・・・ 僕の方こそ・・・」


バロン(ナレ)僕よりも10は歳が離れていそうな落ち着きのある男は、僕にぶつかりながら謝ってきた。 僕のことを少し眺めると、何かに気づいたように話しだした


レジス「何か・・・ 幸せそうなことを考えていたように見えるが・・・」


バロン(ナレ)賞金のことで頭がいっぱいだったことが悟られたようで、少し気まずい気持ちになった。 目も合わせることもできず、何かを取繕わなければならない気持ちでいっぱいになった。



バロン「えっ・・・ あぁっ・・・ いやぁ・・・ まぁ・・・」


バロン(ナレ)大の大人がろくな返しができずに悔しくなった。 そんなことはお構いなしな男は、間髪入れずに続ける


レジス「わかっているさ。 賞金が目当てなのだろう??」


バロン「ば、バレちゃいました・・・?? あっははっ!! いやぁ、それほどでも!!」


レジス「何も褒めてはいないが・・・」


バロン「そ、そうですよねぇ・・・」


バロン(ナレ)何もかもを見透かしているような発言に、少し気怠くなりながら適当に返す。 しかしまたしてもお構い無しで、男はこう続けてきた。


レジス「気をつけることだね・・・ 新米探偵くん・・・ 君が感じている怪しさは、もっと凶悪なものかもしれないからね・・・」


バロン「えっ・・・ それはどういうことです??」


レジス「フッ・・・ いずれ分かるだろう・・・」


バロン「あのっ!!」


バロン(ナレ)そういって、謎の男は足早に去っていった


バロン「な、なんなんだあの人・・・ あの人も参加者の一人なのか?? あの余裕ぶってる感じなんなんだよ!! 絶対あの人より先にお宝の謎を解いてやる!!」


バロン(ナレ)苛立ちを隠せない僕は、小声ではない声で呟いていた。 少しして我に返ると、一つ腑に落ちないことがあった・・・


バロン「あれっ?? そういえば、今・・・」


レジス「(気をつけることだね・・・ 新米探偵くん・・・。)」


バロン「なんで・・・僕のこと・・・」


バロン(ナレ)少し考えていると、館の入口の前に、今回のプログラムの参加者が集められた


(一息おきます)


バロン(ナレ)この先に要塞でもあるのではないかというような厳重な扉の前に、参加者達が集まり何かを待っていた。 すると、その先に物腰柔らかそうなスーツ姿の人物がやってきた・・・


ドム「皆様、お集まりいただき感謝いたします。 このプログラムを企画させていただいた、ドム・プロテガと申します。館内では管理人補佐という立ち位置でございます。 今からこのプログラムのルールをお伝えいたしますので、聞き漏らしのないようにお願いします」


バロン「参加者ってこんなに少ないもんなんだなぁ・・・ これだけの賞金がかかっていれば、もっとたくさん集まりそうなのに・・・」


ドム「お集まりいただきました5名の皆様、改めましてよくぞいらっしゃいました。 まず皆様には、部屋の鍵をお渡しいたします。 皆様が1週間泊まっていただく部屋となりますので、鍵を無くさないようにお願いいたします。 鍵を紛失してしまった場合は弁済金として1万ドルを申し受けます」


バロン「い、1万ドル!? そんなに高い鍵この世にあるのか・・・??」


バロン(ナレ)参加者からざわつきの声が聞こえる・・・ 1本1万ドルの鍵のスケールの大きさに戸惑っているようだ・・・


ドム「皆様からこのようにざわつきが出るのは百も承知の事です。 でも、ご心配なさらず。 ちゃんと鍵は首から下げられるようになっております。 これで失くす人はいませんでしょう」


バロン(ナレ)参加者の安堵のため息が共鳴した。 皆は金を稼ぎに来てるのに、金を払うなんて考えたくないのは誰もが同じなのだろう


ドム「そして、その鍵をもって自室の引き出しを開けて最初のヒントを確認してくださいませ。 確認してから1週間以内に、私に答えを伝えてください。 正解が1番早かったものに賞金500万ドルを進呈致します。」


レジス「質問してもよろしいかな?? ミスター・プロテガ」


ドム「なんでしょうか・・・?? えっと・・・ お名前は・・・」


レジス「ジュディシーと申します。」


ドム「ミスター・ジュディシー、どうぞ。」


レジス「もし、不正解になった場合はそのままプログラムは続くのだろうか」


ドム「ちょうどその話をしようと思っておりました。 不正解になってしまった方は、その時点で失格とさせていただきます」


バロン(ナレ)参加者のどよめきは先程よりも顕著になった。 そんなルールが存在しているという事実はパンフレットにも書いていなかったからだ。 しかしこの男は至って冷静だった。


レジス「なるほど・・・」


ドム「わかりやすく言えば、不正解になってしまった場合は、その真実を追う権利を失い、強制的に帰宅していただくということでございますね」


バロン(ナレ)ついに沈黙を我慢することができなかった僕は、思わずいつもの口調で発声してしまった


バロン「お、思った以上に過酷じゃないか?? このプログラムは・・・」


バロン(ナレ)参加者のどよめきを無視するように、プロテガは僕の発言に返答する


ドム「何回も解答権があってしまっては、当てずっぽうで当てられてしまう可能性もございますからね・・・ それくらいのリスクは背負っていただかなければ、500万ドルという大金にはたどり着けないでしょう・・・」


バロン「(確かに、宿泊費50ドルで1週間泊まれるということを考えると、当たり前ではあるか・・・)」


ドム「1週間の間の朝食、昼食、夕食の時間に皆様の途中経過を報告する時間を設けます。 私と面談して、どういう状況かをお伝えください。 2日経っても最初のヒントが解けない者に関しても、強制退去の対象となりますので、ご注意くださいませ」


バロン(ナレ)ルールを要約するとこうなる。謎を解く期間は1週間。 最初の2日間で1つ目のヒントの謎が解けなかった者は、強制退去になる。 そして、途中で間違った答えを提示した場合も、強制退去になる。


バロン「(そして、鍵を失くしたら1万ドル・・・か。 って!! 俺の頭の中は金のことしか考えてないのか!! ちくしょう・・・!!)」


ドム「それでは、皆様に鍵をお渡しいたします」


バロン(ナレ)そういって、鍵が参加者5人に配られた。 かなり変わった形をしているように見える・・・


バロン「これだけ複雑な形してれば、確かに1万ドルはかかってそうだなぁ・・・」


ドム「あぁ・・・!! そういえば一つだけいい忘れておりました」


バロン「(ん?? なんだ??)」


ドム「このような催し物をやるとわかっていながら、館の都合にはなるのですが、館の一部を改修工事しております。 少し見栄えは悪くなってしまっております。 申し訳ございません」


バロン「(なんだ・・・ そんなことか・・・)」


ドム「しかしながら、このプログラムの進行にはなんら問題はありませぬのでご安心を。 また皆様の消灯時間にはこの作業は中止させていただくので、騒音も問題にはなりませんのでこちらもご安心を。 それではお部屋でヒントを確認くださいませ」


バロン「まったく、ご丁寧な管理人補佐さんだこと・・・」


バロン(ナレ)こうして、僕の初めての仕事である【トレジャーハンタープログラム】が始まったのである・・・・


to be continue...





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