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エレベーターに閉じ込められたその後で。
Bathroom.(陸くんの場合)※
しおりを挟む背後注意。
成瀬がわざとバスルームに入って来たのはわかってるけど、あまりの開き直りぶりにもう抵抗する事は諦めた。
最初から一緒にお風呂になんて入れば、ほぼ他人と触れ合った事のない俺はきっと声も抑えられないし、恥ずかしい反応をしてしまうからそれを見られたくなかった。
普通にせめてベッドの上で成瀬と繋がりたかった。
成瀬が気持ち良くなるようになんでもしてあげたかったし、成瀬が望むような反応で満たしてあげたかった。
成瀬が俺のぺったんこの胸を触ると少し苦しくなる。
成瀬は本当に男の俺を抱いて気持ち悪くはないんだろうか。
いくら見た目が女っぽいと言われてても俺は完全に中身は男だし、女になりたいわけじゃない。
成瀬が1年の頃少しの間女の子と付き合っていた事をストーカーの俺はもちろん知っていた。
中学の時も彼女はいたと、同じ中学校出身の友達にそれとなく聞きだして落ち込んだりしたし。
だから男の俺で満足してくれるんだろうかって考えても仕方のない余計な事を考える。
成瀬以外に触られた事なんかないのに、俺の胸の飾りは触られるとビリビリと少し快感を拾って尖ってしまうし、俺がそういう性癖な事をまた思い知らされる。
弄られるとぷっくりと赤く腫れて、そこだけの刺激で淫らな声を抑えられなくなる予感がしてすごく怖い。
それなのに、成瀬の手は湯船の中で俺を気持ち良くさせる為だけに動く。
骨抜きにされそうなキスと、容赦なく扱かれる俺の性器ははあっという間に射精感でいっぱいになってしまう。
「…ッあっんん、耳だめ…ふ、ああッ」
エレベーターの中でも成瀬をイカせてあげられなかったし、今だって成瀬のモノは張り詰めて大きくなってるのに。
俺を気持ち良くさせてその姿を見て興奮するのかも知れないけど、それは成瀬だけじゃなく俺も同じだ。
「あっ…や、んんーーーっ!!」
成瀬の前でする2度目の射精は痛いくらい成瀬の視線を感じて、成瀬が自分の腰をお尻に押し付けるから後孔に掠って身体の中心が疼いた。
「はぁっ、陸…、気持ち良かった?」
お湯の中で出してしまった恥ずかしさと、射精した余韻が消えなくて目を開ける事すら出来なかった。
「……ん、きもち、よかった…」
くたっとする俺に何度か唇を押しつけて、成瀬は耳元でちょっと真面目な声で囁いた。
「…調子に乗り過ぎたな、俺。熱あるのにごめんな」
脇を持たれて湯船から出されて、のぼせそうな俺を椅子に座らせてくれて、成瀬はシャワーを出して俺の髪の毛を洗ってくれる。
「陸、お前のぼせてるだろ?すぐ洗って早く出よう」
あんなに一緒に入りたがったのに、俺がくったりしてると途端に優しい成瀬が出てくるのが何だかおかしくて幸せな気持ちになる。
成瀬は意外と髪の毛を洗うのが上手くて、目に入らないように綺麗に流してくれる。
「身体も洗うけどいい?」
一応確認の言葉を呟いて、成瀬がスポンジを泡立てていやらしくない手つきで身体をくまなく洗っていく。
それなのに胸の周りや下半身の近くを擦られる度に俺は何かを期待して身体をビクつかせた。
後ろから洗われていたけど、たまらなくなった俺は思い切って振り返って裸の成瀬に正面から抱きついた。
「わっ、陸?ちょ、そういう事されると…俺ちょっとやばいんだけど」
それなら我慢しないでもっと触ったらいいし、それ以上だって拒んだりしないのに。
「だって、俺ばっかり…嫌だ」
成瀬の性器を見つめて泡だらけの手をそっと伸ばして触ると、成瀬が息を呑んで固まったのがわかった。
「成瀬が気持ち良くなってるとこ、見たい…」
成瀬の大きく反り返った性器を泡をつけて軽く扱くと、成瀬は大きなため息を漏らしてスポンジを落とした。
「陸、なんでそんな…俺の事煽るの上手いの?」
「え?は?あ、煽ってなんてない…」
「自覚なしとかずる過ぎるだろ。くっそ、ここで挿れたくないのに…」
成瀬の余裕ない感じが伝わってきてなんだかすごく興奮する。
成瀬が俺の身体を触りながら深いキスをしてくれると、さっき吐き出したばかりなのにまた芯を持ち始める。
「ね、成瀬…はぁっ、俺別に…ここで挿れてもいいよ?」
「だめ。最初はちゃんと大事に抱きたいんだよ。のぼせて辛そうな陸にこんなとこで無理矢理挿れるんじゃなくて」
成瀬の性器を上下に擦ると、成瀬は我慢出来ないように時々声を漏らす。
その声と息遣いと時々俺を愛おしそうに見つめる視線だけで、たまらなく感じてしまう。
「陸が煽るから悪いんだからな…」
成瀬が俺を立たせて後ろを向かせて、上半身を少し押して壁に手をつかせる。
「ちゃんと身体支えられるか?」
「う、うん。でも成瀬、待って…?ちゃんとその、慣らしてからじゃないと、俺…」
「大丈夫、足閉じて。…すぐ出すから、ちょっと付き合って」
お尻を突き出す形にされられて、成瀬の性器を俺のお尻の下に擦り付けられる。
「あっ…んんッ、なるせ…?」
何をしようとしたのかわかると恥ずかしくて耳まで赤くなる。素股って事…?
俺の太腿の間に泡で滑りの良くなった成瀬の性器が挟まって、ゆるゆると揺らされる。
「は、あっん、へ、変な声出ちゃうって」
「可愛いから声出して……恥ずかしくないから」
成瀬が時々声を漏らしながら腰を打ち付けて、その音がバスルーム内に響いてすごく卑猥な気持ちになる。
「んんっ、なる、せ…あっ、なんか…きもちい…」
「俺も」
俺の腰を掴んで少しずつ動きが激しくなって、俺のすっかり勃ち上がったモノが揺れる。
泡だらけなのに成瀬の勃起したモノが大きいから、上手く太腿で挟み込めるみたいだ。
意図してなくても気持ちが良くて太腿に力が入って締め付けると、成瀬がピストンを早くして小さく呻いた。
下半身に感じる白濁の感触に、成瀬が気持ち良くなってくれたんだと思うと興奮して俺までイッたような錯覚に陥ってた。
「…ごめん。嫌だったよな…?」
「はぁっ、え?いや、全然……嫌じゃなかったし…成瀬が気持ち良さそうで、興奮した…」
馬鹿正直に感想を言ってしまって、2人で何故かそこで照れて微妙な雰囲気になってしまう。
成瀬は余韻もそこそこに、シャワーで2人の泡を洗い流してくれて手を繋いでバスルームを出た。
最初から素股とか、1日で俺の経験値爆上がりでもう頭がショートしそう…。
「成瀬…あのさ、ブレーカー上がっちゃうから家の中の電気消してからじゃないとドライヤー使えないんだ」
「じゃあ、ブレーカー上げるから、陸の部屋以外の電気一緒に消してそれから髪の毛乾かすか?」
「ね、成瀬…俺ここで挿れても本当に良かったのに」
「あのさ、俺一緒に風呂入りたがったのは、イチャコラしたかっただけなんだよね。風呂でエッチするのはもっと陸が慣れてからにしよう」
優しいんだか鬼畜なんだかよくわかんない事を大真面目に言う成瀬の顔を見上げると、ちゅっと軽くキスをされる。
「初めてはちゃんと丁寧に大事にお前を抱きたい。ベッドの下に隠してる物の出番がなくなるだろ?」
大事にされてる感覚に身体が震えて、本気で泣きそうになって困った。
成瀬をめちゃくちゃ好きだってまた思った。
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