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岸沼君の家
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「俺じゃなくて、弟が熱出したんだ」
えっ、弟……?
岸沼君って、弟がいたんだ。
その弟が熱を出したからって、わざわざ岸沼君が休まなくても……
もしかして、訳あり……?
「岸沼君のお母さんは.....?」
「俺んち、父子家庭だから」
わっ、もしかして、地雷踏んでしまった……?
そんな事無いかな……?
岸沼君は、元々、険しそうに見える顔だから、そんなに変化が感じられないし……
それにしても、父子家庭だったんだ、岸沼君……
だから、弟の発熱で、学校休んで面倒を看ていたんだ。
そうだよね……
岸沼君って、ズル休みしそうなタイプじゃないし……
それなのに、私ったら、ズル休みなんて疑って、出来れば話さないでおきたいような家庭の事情まで話させてしまったなんて、申し訳無かったな……
「ごめんなさい、岸沼君の家の事情を話させてしまって……」
「別にもう何年も前の事だし、俺は特に気にして無いから、お前も気にすんなよ」
岸沼君の方から、そんな風に気遣ってまでもらって、私、微笑み係失格だ!
「うん……ありがとう」
ここで、微笑み係なら親しみを込めて笑ってお礼を言わなきゃならないところかも知れないけど……
私には、そういう風には笑えない……
「せっかく来てもらったし、時間有るなら、上がってくか?」
えっ……?
岸沼君の家に上がっていいの……?
ドアの所で、お母さんにプリント渡して、すぐ帰る事になると思っていたのに。
全く予想外に、お母さん代わりの岸沼君が出て来て、用件が済んだ後も、家の中に招いてくれようとしている!
フレンドリーそうな志原君の所なら、そういう展開も無きにしも非ずかも知れないけど……
こんな最低限の対応だけで済まされそうと思っていた、岸沼君に……?
これは、これは、まさしく急進展!!
……と思えたらいいのに!
残念ながら、岸沼君はゲイだなんて。
「あの~、でも、病気の弟さんは、いいの?」
「光昭なら、今、寝てるから」
弟さんは、光昭君っていうんだ。
岸沼君に似ているのかな?
写真とか飾ってあるかも知れないし、気になるから、情報収集の為に上がらせてもらおうっと!
「それじゃあ、少しだけ、お邪魔します」
この家は、岸沼君、弟、それにお父さんの3人家族なのかな?
それにしては、小ざっぱりして、整理整頓がしっかりしてある。
「家の中、キレイ......」
「男ばっかだから、汚いかと思ってた?」
思わず物珍し気にキョロキョロしまくっていると、居間にフレームに入った家族写真が有るのを発見!
4人で写っている!
岸沼君の隣の20代くらいの色っぽい美女は、自活するようになったお姉さんかな?
訊いたら教えてくれるかな?
「きれい好きなんだね、岸沼君って。あの……この写真の女の人は、お姉さん?」
「お袋だよ。俺は反対したけど、その写真、光昭が気に入っていて、置いておきたがるんだ」
えっ、お袋……って?
お母さんなの~!!
見えない、見えない!!
「こんな若くてキレイなお母さんがいたの?」
どう見ても20代くらいにしか見えなくて、てっきり、年の離れたお姉さんだと思った。
「この通り、若くてお色気ムンムンの外見だから、男遊びもお盛んでさ。部活終って学校から戻ったら、出て行ってしまっていたよ。あの時、真っ暗な家で、光昭の泣き声だけが響いていたんだ……」
岸沼君にしては珍しいくらいの嫌味だけど、哀しそうな声……
暗くなるまで部活して、お腹空かせて家に戻って、いきなり母親が消えていたら、岸沼君のショックは、どんなにか大きかったのだろう……?
そんな風に、お母さんに駆け落ちされた過去が有ったなら、岸沼君の女嫌いも納得かも知れない……
それで、女らしい体形とかも苦手って言っていたんだ……
「綿中、何か、飲む?」
お前呼びじゃなくて、また苗字で呼ばれたのは嬉しかったし、飲み物もらって、長居したい気持ちも有ったけど……
お母さんの件が頭から離れなくて、どんな顔して岸沼君と一緒にいたらいいのか分からなかった。
「ううん、いらない。あっ、そろそろ、行くね! 私、この後、志原君の家にも行かなきゃならないの」
つい、岸沼君の家族情報をゲットしたい衝動に負けて、家に上がってしまったけど、ここでノンビリと油を売っている暇は無かったのを思い出した。
「えっ、まさか、志原も休んだのか?」
岸沼君の心配そうな顔を見て、なんかまた胸がチクッってなった……
弟さんよりも、志原君を心配しているように見えてしまうのは、気のせい?
「2人揃って欠席で、先生からは、私が接点有るからプリント持って行くように言われたの」
「志原、大丈夫か? あいつ、喘息持ちだから」
志原君、喘息の持病が有ったなんて……
一緒の係を半年もしていた私が知らなかったのに、どうして転校して間もない岸沼君は、そんな事まで知っているの?
こんな事で、この2人にヤキモチ妬いたところで、どうにもならない事くらい分かっているのに!
でも、ヤキモチ妬かずにいられない自分が、もどかしい……
えっ、弟……?
岸沼君って、弟がいたんだ。
その弟が熱を出したからって、わざわざ岸沼君が休まなくても……
もしかして、訳あり……?
「岸沼君のお母さんは.....?」
「俺んち、父子家庭だから」
わっ、もしかして、地雷踏んでしまった……?
そんな事無いかな……?
岸沼君は、元々、険しそうに見える顔だから、そんなに変化が感じられないし……
それにしても、父子家庭だったんだ、岸沼君……
だから、弟の発熱で、学校休んで面倒を看ていたんだ。
そうだよね……
岸沼君って、ズル休みしそうなタイプじゃないし……
それなのに、私ったら、ズル休みなんて疑って、出来れば話さないでおきたいような家庭の事情まで話させてしまったなんて、申し訳無かったな……
「ごめんなさい、岸沼君の家の事情を話させてしまって……」
「別にもう何年も前の事だし、俺は特に気にして無いから、お前も気にすんなよ」
岸沼君の方から、そんな風に気遣ってまでもらって、私、微笑み係失格だ!
「うん……ありがとう」
ここで、微笑み係なら親しみを込めて笑ってお礼を言わなきゃならないところかも知れないけど……
私には、そういう風には笑えない……
「せっかく来てもらったし、時間有るなら、上がってくか?」
えっ……?
岸沼君の家に上がっていいの……?
ドアの所で、お母さんにプリント渡して、すぐ帰る事になると思っていたのに。
全く予想外に、お母さん代わりの岸沼君が出て来て、用件が済んだ後も、家の中に招いてくれようとしている!
フレンドリーそうな志原君の所なら、そういう展開も無きにしも非ずかも知れないけど……
こんな最低限の対応だけで済まされそうと思っていた、岸沼君に……?
これは、これは、まさしく急進展!!
……と思えたらいいのに!
残念ながら、岸沼君はゲイだなんて。
「あの~、でも、病気の弟さんは、いいの?」
「光昭なら、今、寝てるから」
弟さんは、光昭君っていうんだ。
岸沼君に似ているのかな?
写真とか飾ってあるかも知れないし、気になるから、情報収集の為に上がらせてもらおうっと!
「それじゃあ、少しだけ、お邪魔します」
この家は、岸沼君、弟、それにお父さんの3人家族なのかな?
それにしては、小ざっぱりして、整理整頓がしっかりしてある。
「家の中、キレイ......」
「男ばっかだから、汚いかと思ってた?」
思わず物珍し気にキョロキョロしまくっていると、居間にフレームに入った家族写真が有るのを発見!
4人で写っている!
岸沼君の隣の20代くらいの色っぽい美女は、自活するようになったお姉さんかな?
訊いたら教えてくれるかな?
「きれい好きなんだね、岸沼君って。あの……この写真の女の人は、お姉さん?」
「お袋だよ。俺は反対したけど、その写真、光昭が気に入っていて、置いておきたがるんだ」
えっ、お袋……って?
お母さんなの~!!
見えない、見えない!!
「こんな若くてキレイなお母さんがいたの?」
どう見ても20代くらいにしか見えなくて、てっきり、年の離れたお姉さんだと思った。
「この通り、若くてお色気ムンムンの外見だから、男遊びもお盛んでさ。部活終って学校から戻ったら、出て行ってしまっていたよ。あの時、真っ暗な家で、光昭の泣き声だけが響いていたんだ……」
岸沼君にしては珍しいくらいの嫌味だけど、哀しそうな声……
暗くなるまで部活して、お腹空かせて家に戻って、いきなり母親が消えていたら、岸沼君のショックは、どんなにか大きかったのだろう……?
そんな風に、お母さんに駆け落ちされた過去が有ったなら、岸沼君の女嫌いも納得かも知れない……
それで、女らしい体形とかも苦手って言っていたんだ……
「綿中、何か、飲む?」
お前呼びじゃなくて、また苗字で呼ばれたのは嬉しかったし、飲み物もらって、長居したい気持ちも有ったけど……
お母さんの件が頭から離れなくて、どんな顔して岸沼君と一緒にいたらいいのか分からなかった。
「ううん、いらない。あっ、そろそろ、行くね! 私、この後、志原君の家にも行かなきゃならないの」
つい、岸沼君の家族情報をゲットしたい衝動に負けて、家に上がってしまったけど、ここでノンビリと油を売っている暇は無かったのを思い出した。
「えっ、まさか、志原も休んだのか?」
岸沼君の心配そうな顔を見て、なんかまた胸がチクッってなった……
弟さんよりも、志原君を心配しているように見えてしまうのは、気のせい?
「2人揃って欠席で、先生からは、私が接点有るからプリント持って行くように言われたの」
「志原、大丈夫か? あいつ、喘息持ちだから」
志原君、喘息の持病が有ったなんて……
一緒の係を半年もしていた私が知らなかったのに、どうして転校して間もない岸沼君は、そんな事まで知っているの?
こんな事で、この2人にヤキモチ妬いたところで、どうにもならない事くらい分かっているのに!
でも、ヤキモチ妬かずにいられない自分が、もどかしい……
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