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岸沼君の弟
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私が退散しかけようとした時、居間と隣接している部屋のドアが開いた。
「お兄ちゃん、お客さんなの......?」
ドアが開いて、パジャマ姿で寝ぼけまなこをした小学校低学年くらいの男の子が現れた。
弟さんの光昭君って、こんなにまだ小さい男の子だったんだ!
「あっ、こんにちは。お騒がせしてごめんなさい」
「光昭、どうした? 大丈夫か?」
「うん、トイレだよ」
その言葉で、ホッとした様子の岸沼君。
心配性の優しいお兄さんなんだね。
光昭君は、岸沼君が小学生くらいの頃、こんなだったのかなって顔立ちしている。
可愛いけど、イケメン男子になりそうな要素大!
こんな可愛い小さい我が子を残して、岸沼君のお母さんは、別の男の人と浮気して出て行ったなんて信じられない!
世の中には、結婚して育児しながらも恋愛脳に偏って、育児より恋愛優先させる人達も多いみたいだけど、私だったら、そんな無責任な親にはならない!
……って2人に向かって言いたいところだけど、そんな強気の発言したところで、岸沼君の気を引けるとは思えない。
「あっ、よかったら、私、お粥とかなら作れるけど……」
私だって、一応女子だし……
岸沼君は、お母さんのせいで女嫌いになったかも知れないけど、せっかくだから女子にしか出来なそうな事をアピールをしてみた。
「いや、俺も何年も家事して来たから、料理は出来る」
そうだよね。
お母さん出て行ってから、ずっと、岸沼君が部活も止めて、光昭君のお母さん代わりしてきたんだもんね。
きっと、私なんかより、よっぽど上手なんだと思う。
「その女の人、お兄ちゃんの新しい彼女のみよしさん?」
トイレから戻った光昭君の言葉に、いきなり赤面しながら否定する岸沼君。
「違う! いいから、早く寝てろ!」
みよしさん……って?
あっ、そういえば、志原君の名前だよね、美芳って。
光昭君、名前は知っているけど、志原君の事を女子だと思っているんだ。
それより、光昭君は、新しい彼女って訊いていたけど……
岸沼君、転校して来る前は彼女がいたの?
それとも、岸沼君がゲイだって知らない光昭君には、毎回、女子だと思い込ませているの?
あんな感じで女子である私に向かって違和感無く話しかけてくるくらいだから、光昭君は、岸沼君がゲイだって事は知らされていないのかも知れない。
そうだよね、例え家族でも、こういう内容のカミングアウトは勇気がいるもん。
「志原の所も行くのに、引き留めて悪かったな」
光昭君の発した言葉のせいで、スッカリばつが悪そうな様子の岸沼君。
そんな事、岸沼君が、謝らなくていいのに。
私の方が、家での岸沼君の様子とか、関心有ったわけだし……
「ううん、志原君の家は私の家からわりと近いから、大丈夫!」
ホントはもう少し、岸沼君の家で情報収集していたかったな。
また今度、ここに来るような事態なんて、この先有るのか分からないし。
「お姉ちゃん、帰るの? 今度また来て、遊んで」
帰り際、またドアが開いて、光昭君が出て、甘えるような口調で言い寄って来た。
「光昭、綿中を困らせるな」
「うん、私で良かったら、いいよ!」
光昭君と仲良くなると、自動的に岸沼君の家に来られる口実が出来るし!
岸沼君は私が聞き入れて意外そうな顔をしていたけど、光昭君は安心して部屋に戻って行った。
「子供の扱い慣れてるのか?」
「ううん、そんな事は無いけど……もしかしたら、お母さんの穴埋めみたいな気持ちで、年上の女の人に関心が向いているのかもって」
「なるほどな……」
岸沼君はゲイだから、仲良くなった男子を連れて来ても、やっぱり光昭君のお母さんの代わりにはならないものね。
その点、れっきとした女子である私なら、代役が出来るかも知れないから、少しは有利な気がする!
光昭君の相手をしているうちに、岸沼君にも男子だけじゃなく、女子の良さが伝わるかも!
例え恋人にはなれなくても、女友達くらいの立ち位置なら、私にでもなれそうじゃない?
「お兄ちゃん、お客さんなの......?」
ドアが開いて、パジャマ姿で寝ぼけまなこをした小学校低学年くらいの男の子が現れた。
弟さんの光昭君って、こんなにまだ小さい男の子だったんだ!
「あっ、こんにちは。お騒がせしてごめんなさい」
「光昭、どうした? 大丈夫か?」
「うん、トイレだよ」
その言葉で、ホッとした様子の岸沼君。
心配性の優しいお兄さんなんだね。
光昭君は、岸沼君が小学生くらいの頃、こんなだったのかなって顔立ちしている。
可愛いけど、イケメン男子になりそうな要素大!
こんな可愛い小さい我が子を残して、岸沼君のお母さんは、別の男の人と浮気して出て行ったなんて信じられない!
世の中には、結婚して育児しながらも恋愛脳に偏って、育児より恋愛優先させる人達も多いみたいだけど、私だったら、そんな無責任な親にはならない!
……って2人に向かって言いたいところだけど、そんな強気の発言したところで、岸沼君の気を引けるとは思えない。
「あっ、よかったら、私、お粥とかなら作れるけど……」
私だって、一応女子だし……
岸沼君は、お母さんのせいで女嫌いになったかも知れないけど、せっかくだから女子にしか出来なそうな事をアピールをしてみた。
「いや、俺も何年も家事して来たから、料理は出来る」
そうだよね。
お母さん出て行ってから、ずっと、岸沼君が部活も止めて、光昭君のお母さん代わりしてきたんだもんね。
きっと、私なんかより、よっぽど上手なんだと思う。
「その女の人、お兄ちゃんの新しい彼女のみよしさん?」
トイレから戻った光昭君の言葉に、いきなり赤面しながら否定する岸沼君。
「違う! いいから、早く寝てろ!」
みよしさん……って?
あっ、そういえば、志原君の名前だよね、美芳って。
光昭君、名前は知っているけど、志原君の事を女子だと思っているんだ。
それより、光昭君は、新しい彼女って訊いていたけど……
岸沼君、転校して来る前は彼女がいたの?
それとも、岸沼君がゲイだって知らない光昭君には、毎回、女子だと思い込ませているの?
あんな感じで女子である私に向かって違和感無く話しかけてくるくらいだから、光昭君は、岸沼君がゲイだって事は知らされていないのかも知れない。
そうだよね、例え家族でも、こういう内容のカミングアウトは勇気がいるもん。
「志原の所も行くのに、引き留めて悪かったな」
光昭君の発した言葉のせいで、スッカリばつが悪そうな様子の岸沼君。
そんな事、岸沼君が、謝らなくていいのに。
私の方が、家での岸沼君の様子とか、関心有ったわけだし……
「ううん、志原君の家は私の家からわりと近いから、大丈夫!」
ホントはもう少し、岸沼君の家で情報収集していたかったな。
また今度、ここに来るような事態なんて、この先有るのか分からないし。
「お姉ちゃん、帰るの? 今度また来て、遊んで」
帰り際、またドアが開いて、光昭君が出て、甘えるような口調で言い寄って来た。
「光昭、綿中を困らせるな」
「うん、私で良かったら、いいよ!」
光昭君と仲良くなると、自動的に岸沼君の家に来られる口実が出来るし!
岸沼君は私が聞き入れて意外そうな顔をしていたけど、光昭君は安心して部屋に戻って行った。
「子供の扱い慣れてるのか?」
「ううん、そんな事は無いけど……もしかしたら、お母さんの穴埋めみたいな気持ちで、年上の女の人に関心が向いているのかもって」
「なるほどな……」
岸沼君はゲイだから、仲良くなった男子を連れて来ても、やっぱり光昭君のお母さんの代わりにはならないものね。
その点、れっきとした女子である私なら、代役が出来るかも知れないから、少しは有利な気がする!
光昭君の相手をしているうちに、岸沼君にも男子だけじゃなく、女子の良さが伝わるかも!
例え恋人にはなれなくても、女友達くらいの立ち位置なら、私にでもなれそうじゃない?
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