SOARS MUSICAL PROJECT Vol,2「COSMOS」脚本

片山行茂

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シーン24 コスモス百貨店 アムール

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SE17 朝、雀のさえずり

*照明変化

 

SONG23 【 いよいよ撮影だ 】 *イントロスタート

*町田、荻野、響子、葵、諦目、陰口、わくわくしながら売り場にやってくる。

 

町田    「いよいよ、撮影だ。」

葵     「売り場で撮るんですね。」

町田    「そう、響子さんのアイデアなんだ。」

響子    「せっかくルイをモデルで使えるんだもの。見たお客様がSNSで拡散してくれるはずよ。」

葵     「よくルイさんが許可してくれましたね。」

響子    「乗り気だったわよ。SNS世代だもの、ルイさんも。

お客様の呟きをリツイートしてくれるそうよ。」

葵・優・好子「凄い!」

荻野    「わが社のホームページ上には、新作情報もアップされている。」

町田    「SNSから発信してホームページに誘導する作戦だ。

大々的にルイさんの撮影も宣伝してもらったし、盛り上げていこう!」

葵・優・好子「はい!」

町田    「どの時間かは、未定ってことに敢えてしてある。」

葵     「そのお陰で、午前中もいつもよりお客様が多いだろうし、夕方から始まる撮影まで、

さぁ! きっちり仕事するわよ。」

優・好子  「はい!」

 

SONG23 【 いよいよ撮影だ 】 *おわり

*咲良が走り込んで来る。

 

咲良   「大変です!! あの!ルイさんが来られました!」

皆     「えっー!!」

優     「早くない!?」

 

SONG24 【 主人公は誰? 】 Rui ソロ イントロスタート

*照明変化

 

響子    「咲良・・・え?もしかして、時間変更になったのが伝わってないの?」

さくら   「時間変更?」

*ルイとマネージャーの太鼓餅が登場してくる。

 

お腹が空くから泣く赤ん坊 おもちゃ欲しさに駄々捏ねる少年

お願い、と愛嬌振りまく学生時代 入りたいから自我を殺した就職活動

Oh Oh Oh Oh・・・

 

ありふれた日常が 役者を育てる 鏡に映る 自分は 優秀な主演俳優

今日は喜劇 明日は悲劇 今日はヒーロー 明日はヒール

Oh Oh Oh Oh・・・

間奏中

 

太鼓餅   「なんだって?撮影、メイクスタッフが到着してない?おいおい、困るなー。

言っただろ。うちのルイは忙しいって。

ケツカッチンなんだよ、ケツカッチン。わかる?ケツカッチン。」

町田    「申しわけございません!連絡のミスがございまして。」

 

クズに成り下がっても Oh 生き抜くために こいつにとっては ここが晴れ舞台

今日は喜劇 明日は悲劇 今日はヒール 明日は・・・Ah

 

*照明変化

 

響子    「咲良、あなたにメールしたわよね!先方さんの都合で時間が変更になったって。」

咲良    「え?・・いや、あの、」

葵     「あんた、また忘れてたの!!!今回のは、忘れてましたじゃ済まされないわよ!!」

咲良    「あの、その、」

葵     「スタッフさんの手配はあなたの仕事だったでしょ。」

響子    「まあ、私も返信きてない時点で確認すべきだったわ。ごめんね、本社でバタバタしてて。」

葵     「響子さんは悪くありませんよ!!」

咲良    「あの、メール送ってくださったの、何日前ですか?」

響子    「何?私を疑ってるの?」

咲良    「いえ、そうじゃなくて、1週間前に事務所の机の上に置いてたはずの携帯が、」

葵     「咲良!!!!いい加減にしなさい!!!」

 

*葵、さくらをビンタする。

SE18 ビンタ音

SONG24 【 主人公は誰? 】 *CUT OUT

 

響子    「葵、どうしたの やり過ぎよ。」

葵     「・・・すみません、少し熱くなってしまいました。」

ルイ    「馬鹿馬鹿しい。」

太鼓餅   「ほら、うちのルイもこう言ってるだろ。わかってんの?

こんなおままごとに付き合ってらんないわけよ。

言っとくけど、これはそちらさんのミスだからね。

我々に落ち度がない以上、撮影出来なくてもギャラはしっかり頂くよ。」

町田    「勿論、お支払いいたします。無論、撮影をしたうえで。」

太鼓餅   「いや、だから、その辺のメイクさんじゃ駄目なのよ、ルイの事知り尽くしてる人じゃないと。

わかる?来てないんでしょ?ここに。」

町田    「もう少しお時間をください!

我々としては何としてもルイさんをモデルにして撮らせて頂きたいんです。

時間ギリギリまでお待ちください。」

太鼓餅   「何て言えばわかんのかなー。あのね、メイクさんもカメラもなくてどうやって撮るの?

ただでさえ、ギリギリのスケジュールで来てんだからさ。」

ルイ    「まあ、いいじゃない。次の現場は近くのスタジアムなんだから。」

太鼓餅   「え、ええ。ま、あ、ルイがそういうなら、私はいいけどね。ただ、1秒たりとも。無駄に」

優     「近くのスタジアムって!!

あの、もしかして、プレインファクトのライブのシークレットゲストって・・・?」

ルイ    「ええ、そうよ。」

好子    「凄い!!!私達、プレインファクトの大ファンなんです!」

ルイ    「そうなの?古い友達なの。海外で人気が出始めた頃だったかしら、

一緒に仕事したのが始まり。」

優     「そうなんですね! 私達、この後にライブ観に行くので、

ルイさんの出番も楽しみにしてます!」

太鼓餅   「おい、ルイ!言っちゃ駄目だろ!」

ルイ    「なんか言った?あ、ついでに他の秘密も言っちゃおうか?」

太鼓餅   「ルイちゃん!!・・(咳払い)おい君達!!

SNSで投稿するのだけは勘弁してくれよ。今日はシークレットゲストなんだから。」

好子    「わかってますよ。」

 

*この間、響子は電話、町田と荻野は電話の行方を気にしている。

傍で咲良が頭を下げ続け、葵は一人離れた所にいる。

 

町田    「響子さん、連絡ついた?」

響子    「駄目。昼過ぎに入ってもらうスケジュールのままだから、メイクさんは

とても間に合いそうにないって。残念だけど、諦めて別の」

 

*町田、頭を下げたままの咲良をちらりと見て、ルイの方に歩み寄る。

 

町田    「お願いします!!どうか、我々にメイクをさせてください!!お願いします!!」

太鼓餅   「はあ?話聞いてた?」

町田    「重々承知しています!でも、会社の命運がかかってるんです!どうか、お願い致します!!」

太鼓餅   「いやいや、土下座されてもねえ。

君たちみたいな素人がメイクして、ルイが人前に出れるわけないでしょ?

ましてやスチール撮影なんて誤魔化せないんだから。」

町田    「そこを何とかお願いします!!」

咲良    「お願いします!」 

葵     「お願いします!」

太鼓餅   「おいおい、君たちもしつこいな!! あのね、そちらが条件を反故にするなら、

我々はもう帰らせてもらうよ。ルイちゃん、行こう。」

*町田や葵、咲良も諦めず、「お願いします!」と頭を下げ続ける。

ルイ    「ねえ、あなた、なんでそこまで、」

響子    「町田君、そんなことをしても、」

 

*その瞬間、外から声がする。

 

ユウキ   「いやいやいや、いくら何でもショーの途中ですから!」

 

SONG25 【 ユウキなら問題ない 】 *イントロスタート

 

*そこにはコスモ君とコスモに押された橘ユウキが立っている。

ユウキ   「いや、ちょっと!!」

*コスモくんがユウキをどんどん真ん中へ追いやる。

ユウキ   「さすがにショーに戻らないと・・」

 

ユウキ   「あれ?皆さんお集まりで・・お!ルイちゃんじゃん!

あ、そうか、今日スチール撮影か!てかさ、

おいおい、俺以外のアーティストにメイク頼むなんて、どういう事だよ。」

荻野    「え?橘君はルイさんの・・・メイクした事あるの?」

 

ユウキ   「したことも何も、ルイちゃんが新人の頃には、よくやってたよ。」

町田    「え?本当ですか?」

ルイ    「なんで、信じてあげないの。」

町田    「いた!!!!!ここにいた!!!!!橘君なら問題ないですよね!!」

ルイ    「私はいいわよ、ユウキならね。どう?マネージャー。」

太鼓餅   「え、ああ、まあ。・・・なんで、ここに橘ユウキが?」

ユウキ   「え?何々?」

葵     「いいから、早くメイク道具持ってきて!!

優と好子は搬入口に新商品を載せたトラックが来るはずだから、いくつか持ってきて。」

優・好子  「はい!」

ユウキ   「おいおい、金輪際俺とは絡まないと言いながら、」

葵     「早くして!!!!!!!」

ユウキ   「はい!!今すぐ!!」

 

*ルイは笑ってる。

 

ルイ    「台本通りにならない、か。生(ライブ)はいいわね。」

太鼓餅   「何を言ってるんだい・・マズいでしょ、これは。あ!カメラは!!カメラは来るんだろうね!!

ライティングのわかってるカメラマンじゃないと駄目だよ!」

SONG25 【 ユウキなら問題ない 】 *おわり

*コスモ君がペンライトを持って、ルイに向けて立っている。

 

全員    「・・・・いや、さすがにそれは・・。」

 

BGM11 【 ユウキなら問題ない 】*オケ CUT IN

 

町田    「響子さん、カメラの人達は。」

響子    「今向かってもらってるけど、渋滞に捕まってるみたい。間に合いそうにないわ。

申しわけございません。このままお待たせするのも申し訳ないですから、」

町田    「お願いします!メイクをした状態でもう少しだけお待ちください!!

       カメラマン!必ず呼びますのでお願いします!」

*葵や荻野、咲良たちも「お願いします!」と言いながら深々と頭を下げる。

*ユウキがメイク道具を持ってやってくる。

 

ユウキ   「お待たせ!!さあて、おっぱじめるか!」

 

*そこへ、優と好子が大慌てで駆け込んでくる。

 

優     「大変です!!」

葵     「どうしたの?まだ来てない?トラック。」

好子    「来てたんですけど、」

葵     「じゃあ、何が大変なのよ!」

優     「それが・・・15万個も来てるんです。」

 

BGM11 【 ユウキなら問題ない 】*オケ CUT OUT

 

町田・咲良 「え?15万個?」

響子    「1万5千じゃなくて?」

優     「はい、これ、伝票です。」

*伝票をみる。

 

町田    「15万個・・・。」

*全員がさくらを見る。

咲良    「え、なんで、15万個も・・。」

葵     「あんたが、発注したんでしょ!!」

咲良    「いや、でも私、ちゃんと1万5千って打ちました!」

響子    「問い合わせてみるわ。」

 

*響子は部屋をでていく。気まづい空気。

 

荻野    「いや、15万個って・・王将か!!!!!」

町田    「・・・・王将は100万個です。」

荻野    「うん、違うんだ、場をなごませようとしただけで・・うん・・そういう風に冷静に返されると、」

*響子が帰ってきて首を振る。

響子    「発注15万だったって。念のため、今、発注伝票をメールしてもらってるけど。」

葵     「咲良!!!!あんた、何てことしてくれたのよ!!!15万個なんて、売れるわけないでしょ!!

わかっててやったんでしょ!」

咲良    「いえ、私は、」

葵     「何か恨みでもあんの?ここに!!」

咲良    「あの、」

響子    「請求額が2憶近くになってるわ。」

咲良    「あの、町田さん、私、」

町田    「とりあえず、橘君、ルイさんにメイクを。」

ユウキ   「あ、ああ。」

咲良    「あの、私、」

葵     「出てって!!!」

咲良    「でも、」

葵     「いいから、出て行きなさいよ!!!最低よ!あんた!!!」

 

BGM7 【 忍び寄る不穏 】CUT IN

*照明変化

 

*辺りに学生服を着た同級生達も出てくる。

*最低という言葉が咲良の中で木霊する。

*咲良を取り囲み「最低」と叫ぶ周囲の人たち。

*咲良の動機が徐徐に激しくなり、頭を抱え出し。そして、走りだす

*尚も追いかけてくる 最低の言霊。やがて人々は咲良を残して消えてゆく。

*町田は少し離れた場所から咲良を心配そうに見つめている。

*さくらは自分が企画した新商品を手にして、ふらふらと街へと歩きだす。
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