SOARS MUSICAL PROJECT Vol,2「COSMOS」脚本

シーン２５ コスモス百貨店近くの歩道橋とアムール事務所

＊照明変化　さくら　

＊さくらは歩道橋の上で車道を眺めている。

 

【アムール事務所】

SE２０　町の環境音　CUT OUT

＊照明変化　町田、響子、荻野。

＊カメラは間に合わず、意気消沈しながら事務所に戻る町田と荻野。

 

荻野　　　　「どうするんだ、町田君・・ルイの写真も撮れなかったわけだし。」

町田　　　　「・・・。」

 

＊響子が、タブレット見ながら駆け込んでくる。

 

響子　　　　「ねえ、ちょっとこれ見て。」

町田　　　　「これは・・。」

響子　　　　「ロマンス社、新作発表。モデルにルイ起用。」

荻野　　　　「これは、どういう事だ？向こうさんも、同じ日程で新作発表、モデルはルイ。」

町田　　　　「最初から、踊らされてたって事か。通りで急にモデル起用をオッケーしてくれたわけだ。」

荻野　　　　「え？じゃあ、あれもロマンス社が絡んでるって事か。

これは詐欺じゃないか！！ロマンス社を訴えよう！」

響子　　　　「ロマンス社は訴えられないと思います。ルイの事務所は訴えられるかもしれないけど。

でも、逃げようはいくらでもあるわ。あれだけ多忙なモデルですから、

謝罪といくらかの慰謝料とマネージャーの解雇くらいで終わりだわ。

まあ、これは見せしめのつもりじゃない、ロマンス社に逆らったらこうなるっていうね。」

荻野　　　　「しかしだね、このままじゃ、町田君は２億近い借金を背負ってしまうんだよ。」

響子　　　　「ごめんなさい、私が咲良を起用したばっかりに。」

町田　　　　「いっそのこと、諦めますか。ロマンス社は我々を雇うみたいですし。」

響子　　　　「町田君・・。」

町田　　　　「さて、会社に向かいますか。響子さんはどうします？」

響子　　　　「私はもう一度、工場の方に掛け合ってくる。少しでも赤字を減らしたいし。」

町田　　　　「わかりました、じゃあ、また後程。」

 

＊響子、去る。見送る町田と荻野。

 

町田　　　　「僕は、咲良ちゃんの所に行ってきます、部長は・・・」

部長　　　　「ああ、わかってる。」

町田　　　　「何かわかったら連絡ください！。」

 

＊二人、別れる。

 

【歩道橋】

＊照明変化

SE２０　町の環境音　CUT IN

＊照明変化

＊咲良が歩道橋の上で物思いにふけている。手には新商品を持っている。

SE１６　転換音