1 / 2
Prologue -悪い夢-
しおりを挟む
遥遠くへと続く水平線、夜空には満天の星が瞬いていた。
白い満月は夜を照らし、水鏡にも揺ら揺らと浮かんでいる。
この大海原を優雅に進む、豪華客船のデッキに佇む男と女。
2人は、どこかよそよそしく会話もままならない。
スピーカーからはディキシーランドジャズが鳴り響き、あちこちで乗船客達の笑い声や話し声が聴こえる。
男は、ただずっと1人の女に見惚れていた。
潮風に揺れる髪、白いドレス、微笑む口元からこぼれる白い歯。
目の前にいるのは水彩画のように美しい女性だった。
そうしながらも男は「綺麗な人だな。でも、どこの誰だっけな?」と思いを巡らせている。
その美しい女がこちらに向き直り男に何かを言おうとした瞬間、すぐ背後で大きな爆発音が鳴り響いた。
驚いて振り返るとレストランの窓から大きな炎と黒煙が舞い上がっている。
レストランだけではない、船の至る所から炎が吹き出している。
警笛の響く船は次第に大きく傾き、先程まで優雅に過ごしていた乗船客たちもパニックを起こしだした。
悲鳴と怒声があちこちから聞こえてくる。
歪み閉ざされてしまった扉を叩く音、中からも叫び声が聞こえて来る。
男は女に向き直って叫んだ。
「大変だ!とにかく逃げましょう!早く救命ボートのほうへ!」
「いえ!・・・私は!子供たちを!」
男は女の手を引こうとするが、爆発音と共にまた大きく船は傾き、2人はそのまま海へと投げ出された。
「しまった!!」男は心の中でそう叫んだ。
海中でもがきながら何とか水面へ「ぶはっ!」と息を吸い込むと同時に
男は目を覚ました。
そこは、カビ臭く薄汚れた小さな部屋、時計は夜の9時を指している。
男の身体は寝汗のせいで、ぐしょぐしょに濡れていた。
枕元には、昨夜の飲みのミネラルウォーターが倒れ、その一帯も水浸しになっている。
うなされ踠いたはずみに、きっと倒したのだろう。
「・・・夢か?!良かった・・・」
ドンっ!ドンっ!ドンっ!
状況を確認する間も無く、アパートの扉を激しく叩く音がする。
「おい!!いるんだろ?!わかってんだぞ!!早く鍵開けろ!!」
男は、もう一度息を飲んだ。
「おい!こらっ!!よしざわっ!!居留守使ってると扉蹴破るぞ!!!」
扉の外には、チンピラ風の若めの男と白いスーツに身を纏った如何にもといった感じの男がいた。
付けっぱなしのラジオの音は廊下にも漏れている筈、今更消す訳にも行かない。
「やばい・・・今度は本気で死ぬかも??」
布団に包まり息を殺す男の名前は、吉澤令音(よしざわれのん)。
29歳のミュージシャン志望。
俗に言うフリーターのロクデナシだ。
ヤクザ風の男が今度は口を開く。
男の名前は、梁須丈二(はりすじょうじ)
コテコテの関西弁だった。
「吉澤はん、梁須金融です。アンタにお貸しした300万。今月分の返済期限もとっくに過ぎてますねん。分かってまんなぁ?ワシら、わざわざ引き取りに来ましたんやけど??」
それは6ヶ月前、令音が滞納を重ねたアパートの家賃や日々の生活費に膨れ上った借金を、一旦返済する為に闇金から借りた50万。
この半年余りで利息が莫大に跳ね上がり、今では300万まで膨れ上がってしまったらしい。
「おい、こらあっ!!吉澤!!」
ドーンっとまた大きな音がしてアパートの扉がしなるほどに振動している。
・・・やばい!殺される!!
叫び声と激しく扉を蹴破る音。
男たちは、遂に6畳一間の部屋に突入したが、そこに令音の姿は無かった。
アパートの窓が空いていてハンガーに掛けられたタオルが風で揺れている。
「おい!ミノルっ!!」
梁須丈二が叫ぶと、弟分のミノルは「へい!」と引き返し階段を駆け降りて、令音の足どりを追った。
散らかった部屋には沢山の音楽CDやDVDが散乱している。
壁際にはフォークギターが2本立て掛けられ、散らばったノートや紙切れには、「C」だの「G」だの「F」だの、いくつものアルファベットや記号が並び、得体の知れない言葉がたくさん書き殴られている。
丈二はひとつのノートを拾いあげ、声に出してそれを読んだ。
"どうしようもない日々に、やり切れない悔しさを・・・"
「はん?!しょうもない!やり切れへんのはこっちじゃ!」
そういってノートを床に放り投げ、2階の窓から辺りを見渡す。
「おい!ミノル!」
「社長、すんません!あの野郎もう何処にもいません!」
令音の逃げ足は、予想以上に早かったようだ。
「舐め腐りやがって、あのボケっ!!」
そう言いながら丈二は、1本のギターを手に取った。
夜空には満月が浮かび、月明かりが部屋を照らしていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【DREAMER】メインテーマ
Everyone has a dream.
If you believe, it will come true.
Everyone has a hope.
If you believe, it will be shining.
運命という名の海で ただ1人もがき続けて
いつ何処に流れ着くのか 今は分からないけど
寂しさに震えた時も 口ずさむこのメロディで
興奮が呼び戻されて 今を塗り替えていく
壊れかけた羅針盤(コンパス)に吹き抜ける風
夢を見ました 汚れのない子供ように
遥か遠く目指して今心に拡がる Story
夢を見ました この心が弾けるように
奇跡起こる気がして思い通り煌くFantasy
Everyone has a dream.
If you believe, it will come true.
Everyone has a hope.
If you believe, it will be shining.
潮騒に言葉消されて 届かない心の叫び
頬伝う涙の跡も いつか笑えるように
水平線の彼方まで 飛び越えて行け
夢を見ました 蒼く光る大きな空に
未来の地図描いて期待に胸膨らむSailing
夢を見ました 胸に抱いた永遠のお守り
あの日願いを込めてそっと秘めた消えないMemories
Everyone has a dream.
If you believe, it will come true.
Everyone has a hope.
If you believe, it will be shining.
確かに
夢を見ました 汚れのない子供ように
遥か遠く目指して今心に拡がる Story
夢を見ました この心が弾けるように
奇跡起こる気がして思い通り煌くFantasy
夢を見ました 蒼く光る大きな空に
未来の地図描いて期待に胸膨らむSailing
夢を見ました 胸に抱いた永遠のお守り
あの日願いを込めてそっと秘めた消えないMemories
Everyone has a dream.(夢を見ました)
If you believe, it will come true.
Everyone has a hope.(夢を見ました)
If you believe, it will be shining.
・・・・・Everyone has a dream!
白い満月は夜を照らし、水鏡にも揺ら揺らと浮かんでいる。
この大海原を優雅に進む、豪華客船のデッキに佇む男と女。
2人は、どこかよそよそしく会話もままならない。
スピーカーからはディキシーランドジャズが鳴り響き、あちこちで乗船客達の笑い声や話し声が聴こえる。
男は、ただずっと1人の女に見惚れていた。
潮風に揺れる髪、白いドレス、微笑む口元からこぼれる白い歯。
目の前にいるのは水彩画のように美しい女性だった。
そうしながらも男は「綺麗な人だな。でも、どこの誰だっけな?」と思いを巡らせている。
その美しい女がこちらに向き直り男に何かを言おうとした瞬間、すぐ背後で大きな爆発音が鳴り響いた。
驚いて振り返るとレストランの窓から大きな炎と黒煙が舞い上がっている。
レストランだけではない、船の至る所から炎が吹き出している。
警笛の響く船は次第に大きく傾き、先程まで優雅に過ごしていた乗船客たちもパニックを起こしだした。
悲鳴と怒声があちこちから聞こえてくる。
歪み閉ざされてしまった扉を叩く音、中からも叫び声が聞こえて来る。
男は女に向き直って叫んだ。
「大変だ!とにかく逃げましょう!早く救命ボートのほうへ!」
「いえ!・・・私は!子供たちを!」
男は女の手を引こうとするが、爆発音と共にまた大きく船は傾き、2人はそのまま海へと投げ出された。
「しまった!!」男は心の中でそう叫んだ。
海中でもがきながら何とか水面へ「ぶはっ!」と息を吸い込むと同時に
男は目を覚ました。
そこは、カビ臭く薄汚れた小さな部屋、時計は夜の9時を指している。
男の身体は寝汗のせいで、ぐしょぐしょに濡れていた。
枕元には、昨夜の飲みのミネラルウォーターが倒れ、その一帯も水浸しになっている。
うなされ踠いたはずみに、きっと倒したのだろう。
「・・・夢か?!良かった・・・」
ドンっ!ドンっ!ドンっ!
状況を確認する間も無く、アパートの扉を激しく叩く音がする。
「おい!!いるんだろ?!わかってんだぞ!!早く鍵開けろ!!」
男は、もう一度息を飲んだ。
「おい!こらっ!!よしざわっ!!居留守使ってると扉蹴破るぞ!!!」
扉の外には、チンピラ風の若めの男と白いスーツに身を纏った如何にもといった感じの男がいた。
付けっぱなしのラジオの音は廊下にも漏れている筈、今更消す訳にも行かない。
「やばい・・・今度は本気で死ぬかも??」
布団に包まり息を殺す男の名前は、吉澤令音(よしざわれのん)。
29歳のミュージシャン志望。
俗に言うフリーターのロクデナシだ。
ヤクザ風の男が今度は口を開く。
男の名前は、梁須丈二(はりすじょうじ)
コテコテの関西弁だった。
「吉澤はん、梁須金融です。アンタにお貸しした300万。今月分の返済期限もとっくに過ぎてますねん。分かってまんなぁ?ワシら、わざわざ引き取りに来ましたんやけど??」
それは6ヶ月前、令音が滞納を重ねたアパートの家賃や日々の生活費に膨れ上った借金を、一旦返済する為に闇金から借りた50万。
この半年余りで利息が莫大に跳ね上がり、今では300万まで膨れ上がってしまったらしい。
「おい、こらあっ!!吉澤!!」
ドーンっとまた大きな音がしてアパートの扉がしなるほどに振動している。
・・・やばい!殺される!!
叫び声と激しく扉を蹴破る音。
男たちは、遂に6畳一間の部屋に突入したが、そこに令音の姿は無かった。
アパートの窓が空いていてハンガーに掛けられたタオルが風で揺れている。
「おい!ミノルっ!!」
梁須丈二が叫ぶと、弟分のミノルは「へい!」と引き返し階段を駆け降りて、令音の足どりを追った。
散らかった部屋には沢山の音楽CDやDVDが散乱している。
壁際にはフォークギターが2本立て掛けられ、散らばったノートや紙切れには、「C」だの「G」だの「F」だの、いくつものアルファベットや記号が並び、得体の知れない言葉がたくさん書き殴られている。
丈二はひとつのノートを拾いあげ、声に出してそれを読んだ。
"どうしようもない日々に、やり切れない悔しさを・・・"
「はん?!しょうもない!やり切れへんのはこっちじゃ!」
そういってノートを床に放り投げ、2階の窓から辺りを見渡す。
「おい!ミノル!」
「社長、すんません!あの野郎もう何処にもいません!」
令音の逃げ足は、予想以上に早かったようだ。
「舐め腐りやがって、あのボケっ!!」
そう言いながら丈二は、1本のギターを手に取った。
夜空には満月が浮かび、月明かりが部屋を照らしていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【DREAMER】メインテーマ
Everyone has a dream.
If you believe, it will come true.
Everyone has a hope.
If you believe, it will be shining.
運命という名の海で ただ1人もがき続けて
いつ何処に流れ着くのか 今は分からないけど
寂しさに震えた時も 口ずさむこのメロディで
興奮が呼び戻されて 今を塗り替えていく
壊れかけた羅針盤(コンパス)に吹き抜ける風
夢を見ました 汚れのない子供ように
遥か遠く目指して今心に拡がる Story
夢を見ました この心が弾けるように
奇跡起こる気がして思い通り煌くFantasy
Everyone has a dream.
If you believe, it will come true.
Everyone has a hope.
If you believe, it will be shining.
潮騒に言葉消されて 届かない心の叫び
頬伝う涙の跡も いつか笑えるように
水平線の彼方まで 飛び越えて行け
夢を見ました 蒼く光る大きな空に
未来の地図描いて期待に胸膨らむSailing
夢を見ました 胸に抱いた永遠のお守り
あの日願いを込めてそっと秘めた消えないMemories
Everyone has a dream.
If you believe, it will come true.
Everyone has a hope.
If you believe, it will be shining.
確かに
夢を見ました 汚れのない子供ように
遥か遠く目指して今心に拡がる Story
夢を見ました この心が弾けるように
奇跡起こる気がして思い通り煌くFantasy
夢を見ました 蒼く光る大きな空に
未来の地図描いて期待に胸膨らむSailing
夢を見ました 胸に抱いた永遠のお守り
あの日願いを込めてそっと秘めた消えないMemories
Everyone has a dream.(夢を見ました)
If you believe, it will come true.
Everyone has a hope.(夢を見ました)
If you believe, it will be shining.
・・・・・Everyone has a dream!
10
あなたにおすすめの小説
【書籍化】番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました
降魔 鬼灯
恋愛
コミカライズ化決定しました。
ユリアンナは王太子ルードヴィッヒの婚約者。
幼い頃は仲良しの2人だったのに、最近では全く会話がない。
月一度の砂時計で時間を計られた義務の様なお茶会もルードヴィッヒはこちらを睨みつけるだけで、なんの会話もない。
お茶会が終わったあとに義務的に届く手紙や花束。義務的に届くドレスやアクセサリー。
しまいには「ずっと番と一緒にいたい」なんて言葉も聞いてしまって。
よし分かった、もう無理、婚約破棄しよう!
誤解から婚約破棄を申し出て自制していた番を怒らせ、執着溺愛のブーメランを食らうユリアンナの運命は?
全十話。一日2回更新 完結済
コミカライズ化に伴いタイトルを『憂鬱なお茶会〜殿下、お茶会を止めて番探しをされては?え?義務?彼女は自分が殿下の番であることを知らない。溺愛まであと半年〜』から『番の身代わり婚約者を辞めることにしたら、冷酷な龍神王太子の様子がおかしくなりました』に変更しています。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
恋い焦がれて
さとう涼
恋愛
小学校時代の担任教諭・佐野に七年ぶりに再会し、話の流れで佐野の恋人へのエンゲージリングを選ぶために一緒にジュエリーショップに行くことになってしまった二十歳の女子大学生・輝。
最初はそんなつもりはなかったのに、次第に佐野を意識してしまうようになり、自分でも困惑してしまう。
必死に自分の想いを打ち消そうとする輝。
だけど佐野も恋人との関係に悩んでいるようで、複雑な想いを抱え続けることになる。
そんな輝を見守る(ちょっかいをかける?)バイト先の店長。
さらに佐野の恋人は意外な人物で、輝は大混乱。
※ドロドロではなく純愛系を目指していますが、ビターテイストなお話です
※理想的で格好いいヒーローではありません(…すみません)
※調べながら執筆をしているのですが、無知なところも多々あるので、間違っているところがありましたら教えてください。ツイッターでも受け付けています。
https://twitter.com/SATORYO_HOME
貴方なんて大嫌い
ララ愛
恋愛
婚約をして5年目でそろそろ結婚の準備の予定だったのに貴方は最近どこかの令嬢と
いつも一緒で私の存在はなんだろう・・・2人はむつまじく愛し合っているとみんなが言っている
それなら私はもういいです・・・貴方なんて大嫌い
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
捨てられた悪役はきっと幸せになる
ariya
恋愛
ヴィヴィア・ゴーヴァン公爵夫人は少女小説に登場する悪役だった。
強欲で傲慢で嫌われ者、夫に捨てられて惨めな最期を迎えた悪役。
その悪役に転生していたことに気づいたヴィヴィアは、夫がヒロインと結ばれたら潔く退場することを考えていた。
それまでお世話になった為、貴族夫人としての仕事の一部だけでもがんばろう。
「ヴィヴィア、あなたを愛してます」
ヒロインに惹かれつつあるはずの夫・クリスは愛をヴィヴィアに捧げると言ってきて。
そもそもクリスがヴィヴィアを娶ったのは、王位継承を狙っている疑惑から逃れる為の契約結婚だったはずでは?
愛などなかったと思っていた夫婦生活に変化が訪れる。
※この作品は、人によっては元鞘話にみえて地雷の方がいるかもしれません。また、ヒーローがヤンデレ寄りですので苦手な方はご注意ください。
※表紙はAIです。
王の影姫は真実を言えない
柴田はつみ
恋愛
社交界で“国王の妾”と陰口を叩かれる謎の公爵夫人リュミエール。彼女は王命により、絶世の美貌を誇る英雄アラン公爵の妻となったが、その結婚は「公爵が哀れ」「妻は汚名の女」と同情と嘲笑の的だった。
けれど真実は――リュミエールは国王シオンの“妾”ではなく、異母妹。王家の血筋を巡る闇と政争から守るため、彼女は真実を口にできない。夫アランにさえ、打ち明ければ彼を巻き込んでしまうから。
一方アランもまた、王命と王宮の思惑の中で彼女を守るため、あえて距離を取り冷たく振る舞う。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる