Lv999×２の勇者＆魔王の冒険しにくい冒険

新たな世界へ

正義のヒーロー(魔王有り)

「ハッヒャッヒャァ！オルアァ！さっさと死にやがれ糞がよぉ！！」この世界ではゴブリンと呼ばれる種族が人間の村を襲撃していた、村人達は抵抗虚しく殺されていく。
「オイ！子供は殺したら皮を剥げ！皮の枚数だけ報酬が上がるんだ！」
人々の悲鳴が響いた


「オイ！女ァ！殺されたくなかったらおとなしくシロォ！」絶対的な自信をもちゴブリンが叫んだ。
「やっ……やめてください」ガタガタ震えながら少女は言い放った、少女の後ろには怯えながら姉にすがりつく妹がいた。
「だ！誰があんた達なんかに……」少女は持っているナイフで威嚇する、しかし相手はまったく効果がないどころかそんな姿を笑っている。
「知っているかァ？お前達みたいな若い女はなぁ、よく売れるんだよ、下劣な輩とかになぁ、だからさ、こっちも売り物として傷つけるにはいけないんダヨォ、だからおとなしくな、こっちに来いヨォ！」
「…う！……ウワアアアアア！！」少女は走りだしゴブリンにナイフを突き刺そうとする……が、ゴブリンは拳で少女の顔面をぶん殴るとやれやれというように呆れた。
「……仕方ないな、殺そう 、そっちのほうが報酬が弾みそうだカラナ」ゴブリンは腰に巻いていた魔障石を砕く、すると石から魔力が溢れ、ゴブリンの右手が巨大な岩と化した。
「おねいちゃん！」ゴブリンの右手が姉の頭を砕く……はずだった。

「へえ、ねえ魔王？こういう奴ってアンタならどうする？」
「そうだな、魔王軍立法書によると殺害は２人以上ならだいたい死刑だな」
「酌量は？」
「判決は死刑だ、村の人間を殺しまくったからな」 
突如表れた謎の人物に驚きゴブリンは腕を止め茫然とした、少女達も何が起きたかわからず狼狽えている。
「……なっなんだお前ら？」ゴブリンはこう考えた、謎の甲冑を被り重そうな鎧を着た恐らく女と魔王と言われた「悪」という言葉だけで創られた存在が背後に立っている。
「……だっ誰だオマエラ！？」
「ふん、正義のヒーロー……かな☆」
「待て、私は魔王だ、恐らく正義ではない」
「はいはい、さあゴブリン」その鎧を着た女は剣を抜き言った
「お前達の罪を数えろ！！」突如ゴブリンの意識は消し飛んだ

え？なっ何が起きたの？
「さあ、いっちょゴブリン達を倒すわよ！」
「……そういえばゴブリンに罪を数えろとか言っておきながら考える暇も与えなかったな」
「仕方ないじゃない「神速斬」なんだから、文字通り『神速』よ？」
この状況でほんわかと話す二人の人物にいろいろ疑問が思い浮かんだ。
なぜにここにこんな人達がいるのか、なぜゴブリンがいきなり消えたのか、なんでそんな余裕があるのか、しかしそういう事を考える前に彼女は二人に言った。
「あ、ありがとうございます！」少女達は頭を下げた。
「いいのよ気にしないで、ほら顔を上げなさい」女の人の方が優しく声をかける。
「は、はい！」少し気分が楽になり二人に笑顔を向けた。
「……え？……え！？……え！？」なぜだかわからないが二人は驚き、なにかを話し合い、終わったのか彼女に言った。
「今からこの村の人全員を助ける！そのあと話をするわよ！」
「ふん、これほど楽な仕事はないか」
その二人は村人達を助けに走りだした。