姫は街で王子様です

白うさぎぱんx ( 元 こしあん )

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迷子

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「で、なんで貴族様なんかが腹空かしてるんだよ。この国では、平民でさえあんな死にそうな顔してねぇってのに。」

そうリディルが言う。

・・・私そんなすごい顔してましたか。一応国で1番いいとされている先生から、貴族としてのマナー教育して貰っているはずなんですが。

地味に落ち込んでいると、それを違うようにとらえたのかリディルが心にある意味響く発言をしてきました。

「迷子になったからってそんなに落ち込むことねぇよ。多分、護衛が今頃必死に探してくれてるって。」

・・・迷子じゃないし。騎士さんが迷子なんだし。
なんで私、(前世も含めて)20歳以上も年下の子に、慰められてんだ。普通逆!って言うか迷子で慰められるとか、黒歴史決定ですね。うぅ。

「あぁ、えぇえっと。ほっほらホットドックまだ残ってるぞ!あーん。」

もっと落ち込んだ私を見て、話題を変えてくれたようです。
私の周りに護衛がいないのを見て迷子と判断したり、話題を変えたり、リディルの方が年齢詐称してる気がしてきました。

しかし、『あーん』と言うのはちょっとその、イケメンが私に向かってあーんとか・・・恥ずかしっ!
周りの人もこっち見てるよ~。もう少しリディルと私が大きかったら嫉妬の目線が混じって来るのが予想できるよ~。

だけど私を心配してくれているのも分かるわけで。


・・・。


パクッ。


っ~~。


「こっ、ここにはリディルがいるから、寂しくない、大丈夫。そんなに落ち込んでない、よ?」

伝えなきゃって思ってそうリディルに言うけど、顔が見れない。だってリディルのほうを見たら、赤くなってるのがバレちゃう。

あーんとか初めてされた。・・・前世も入れて。ホットドックの味なんて分かんない。
けどリディルの好意を無駄にしたくなかった、から食べたんだけど・・・恥ずかしい!街中、しかも屋台が立ち並んで人がたくさんいる所で『あーん』なんていうことをやったんだから、顔の赤みが引くまで時間がかかります。



少し時間がたって、赤みが引いてきた頃リディルが本題を聞いてくる。

「なんで、お腹が空いているのに貴族だって威張って言ってご飯を貰わないんだ?貴族ってのは偉いんだろ?」

「貴族は偉いのかもしれないけど、平民がいなきゃ仕事ないから死んじゃうし。
偉いのは私ではなく、貴族という地位に着いた先祖様だし。
私はまだ何もしていないのに、仕事について、自分で働いて、お金を稼いでる人に命令する、威張る権利なんてありません!」

そう、ちょっと明るく言う。

『貴族ってのは偉いんだろ』その言葉は私に疑問に思った事きいている言葉ではなく、誰かに言われた言葉をそのまま言ったような、そして嫌悪を混ぜてたように聴こえた。
それは、私達貴族への嫌味のようで、違うような、ほんの少しの違い。だから、ただ威張っている様な人達には嫌味にしか聞こえないのかもしれない。

いや、嫌味にしか聴こえないように言ったのかな。


本心を隠すために。


その本心が何かは分からないが、貴族が嫌なのは本当みたい。

そしてこんな貴族がいたのも驚いたみたいで、口が塞がらない。クールなお顔が台無し。

「口が開いてる。あはは。」

最後、堪えてた笑いが出ちゃった。だってクールな顔立ちなのに、こんなに喋ってくれて、心配してくれて、すぐ顔に出る。クールなのは顔だけみたい。まあ、そっちの方がいいけど。

私がそう言うと慌ててリディルが口を閉じた。そして誤魔化すように言う。

「そんな、考えを持った貴族が王様なんだろうな。だからこんなに街が賑やかい。」

耳が赤くなっているのに気づかない振りをしてあげるのも、優しさだよね。
だけど、今言ったことがリディルの誤魔化すために出た咄嗟の言葉じゃなく本心ならば、少しだけ誇らしい。

「そういえば、この街以外に行ったことがあるの?ほかの街を見たことがあるかのような言い方だったけど。」

平民のほとんどは生まれた街からは出ない、はずなんだけど。そう言うと、困ったように考えはじめた。

「教えてくれなくっていいよ。今あったばっかりだし。」

そう言うとリディルはほっとして『ごめん、ありがと。』と言った。

「そういえばリディル、私に対して敬語じゃないよね。一応貴族なんだけど?」

「いや、最初のあれ見ていいかなって思った。タメ口で言っても、不敬とか色々言わなかったし。敬語じゃないといけませんか?貴族様。」

そう、クールな顔で悪く微笑んで聞いてくる。

「・・・なんか凄くバカにしてるよね。いいよ、敬語じゃなくて。今さらされても、気味悪い。」

「気味悪いって。酷くない?まあいいけど。
そういえば迷子なんだろ?来た道とか覚えてないのかよ。」

そう聞いてくる。ん?来た道?
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