46 / 220
第一章 変貌
第四十七話
しおりを挟む今にも飛び出し西園寺を殴ってしまいそうな衝動を抑え、ふうふうと何度も深呼吸をして気を鎮める。軽薄な行動を取っては逆にこちらが不利になってしまう、機が熟すまでにしっかりと証拠を集め反撃しなければ。
「せいぜい今を楽しみな」
壮絶な復讐で破滅させてやらなければ面白くはない。睦み合うふたりを網膜に焼きつけながら、笑顔の西園寺が蒼白となるところを想像しエールを送る周防だった。
すべての買い物が終わったのか、モールの出口に向かうふたり。西園寺は両手に荷物を提げており、妻はバッグと小さな紙袋と身軽だ。
水色の紙袋から察するに、ブランド宝石店のジュエリーでも買ってもらったのだろう。
以前アパートで西園寺とまったり過ごしていたときのこと。雑誌に掲載されていたブレスレットを眺め、これ欲しいなと周防が目を輝かせていたことがあった。
熱心に見ているのに気がついたのか、誕生日に買ってやるよと言われ嬉しかったことを思い出す。もう贈られることも叶わないだろうが、むしろ今は願い下げだ反吐が出る。
本妻のおこぼれにありつくなど冗談じゃない。
すっと愛情のバロメータが低下していくのを感じ、ああ自分のなかで西園寺は死んだのだと今はっきりと感じる瞬間だった。
駐車場は立体ではなく店外を利用しているらしく、後をつけていた周防は大いに焦ってしまう。彼らは車できているようだが、ここまで周防は電車と徒歩なのだ。
追跡するには手段となる足がないと不可能。同じく車が必要だが──辺りを見回しタクシー乗り場を発見した。
「くっそ……間に合ってくれよ」
0
あなたにおすすめの小説
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
【完結】抱っこからはじまる恋
* ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる