196 / 220
第三章 指切
第三十六話
しおりを挟む4
妻と子が出ていってから高峻の性格が変わった。
これまでであれば家庭を一に大切にする夫として認識されていたし、彼自身もそれを認めるほどに”嫁さん子供大好き”人間だったのだ。
それが一転した今は女にだらしのない堕落した生活を送るようになり、あれほど枕営業を嫌悪していた高峻こそが進んで太客の誘いに乗るようになった。
男である遥希と浮気をしても女の誘いは断っていた高峻。バイセクシャルである彼にとって、女は嫁に迎えた妻だけだと他を拒否。遥希と浮気をしている時点で裏切りに違いはないが、彼なりの貞操の立てかただったのだろう。
今の高峻は大切なものを失い自暴自棄になっているのかもしれない。頻度は減ったとはいえ今も彼から誘いを受ける遥希、断る理由もないし関係をつづけている。
もしかすると相談を受けた日、同情から慰める名目で身体をつなげたことにより、彼のなかで何かが弾けてしまったのかもしれない。できることなら以前の彼に戻って欲しいとは思うが、それを遥希が言える義理はないので静観に徹している。
別居中の妻とは今後のことを話しあい、離婚しても家族のつながりは継続しようということで落ち着く。
粘着女のその後だが、訴えると意気込む相手夫に示談を申し込み、相場の三倍という破格の示談金を提示することで合意。その際にいくつか条件を付けた。
金を払う代わりに今後は二度とすがたを現さないこと、ふたたび高峻や元妻および子供に粘着することがあれば財産のすべてをかけ制裁を加える。
早急に県をまたぐ距離に引っ越しをすること。その費用は高峻が持つと弁護士を通して誓約書をかわし、一応は収拾されることとなった。
0
あなたにおすすめの小説
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる